June 12, 2019

つながれば犯罪も防いでいく

近年の技術革新には目覚ましいものがあります。


私たちの身近なところでも、スマート家電と呼ばれるようなものが登場しています。少し前であれば、近未来を描いた映画の中に出ていたような機器が現実になりつつあります。例えばスマート冷蔵庫は、ドアを開けなくても、扉についたディスプレーで中身が確認できます。これは冷気を逃がさないだけではありません。

出先からでも中身が確認できるわけです。在庫をチェックし、買い物が必要なら、帰宅する前にスーパーに寄れます。玄関のスマート傘立ては、自動的に情報を取得し、傘を持って行くべき時に光ります。テレビで天気予報は知っていたのに傘を忘れた、なんてミスを防ぎます。

Internet_of_Things,Photo by wilgengebroed,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.トイレにはセンサーが内蔵されており、毎日の尿の成分をチェックし、健康状態を診断してくれます。今後は体重の変化や血圧、脈拍など、トイレがいろいろな数値を測定してくれ、必要に応じて手元のスマホに通告したり、病院の予約をしてくれたりするようになるでしょう。

尿と言えば、お腹に取り付けるウェアラブル端末も開発されています。これは排泄のタイミングを検知して教えてくれます。高齢者などの中には、尿意や便意を感じにくい場合があるため、介護する人に通報されます。これによって未然にトイレに連れて行くことが出来て、本人と介護者双方の負担を減らせるわけです。

一人暮らしの高齢者の見守りをする、ぬいぐるみもあります。AIスピーカー内蔵で、室内の音を検知して通報したり、見守りと同時に高齢者の話し相手にもなってくれます。ぬいぐるみは、高齢者にとっては癒しになりますし、会話をすることで、うつ病や認知症予防などいろいろな効果も期待できます。

ただボタンを押すだけの装置もあります。何かの家電などのスイッチにセットして、必要に応じて遠隔操作でボタンを押します。アナログな機能ではありますが、これによってスマート家電ではない家電でも、出先からスイッチを入れることが可能になるわけです。

部屋のカーテンを自動で開けてくれるカーテンレールもあります。起きる時間、目覚ましの前に動作をセットしておけば、気持ちのいい目覚めが期待できます。これも単なるタイマーではなく、外出先から操作が出来ます。旅行に出ていても、在宅のように見せ、防犯の役割にも使えるわけです。

This image is in the public domain.これらは、すでに開発された機器です。技術的には全て実現しています。ここで挙げた機器に共通するのは、それぞれがネットに接続することです。すなわち、モノのインターネット、IoTによる製品なのです。IoTも、どんどん身近になっています。

このほかにも、スマホから開閉できるドアのカギ、ネットからオンオフを操作できる乾電池、ドライバーの眠気を検知して知らせる装置、街角のゴミ箱の満杯を知らせる機械、トイレの個室の空きがわかる機器も開発されています。変わったところでは、世界の人とリアルタイムに競争できる、けん玉なんてものもあります。

現場に行かなくても、農作物の状態や日照時間、湿度などがわかる装置、海外からでも操縦ができる建設機械、ネット上から監視できる自動販売機に組み込んだカメラ、橋などのインフラの異常や損傷を通報する装置、マンホールに取り付けられたセンサーで水害発生を予測して通報する機器なども開発されています。

サッカーボールに各種のセンサーを取り付けた、IoTサッカーボールだって実現しています。これによって、シュートのスピードや回転数などがわかります。プロの試合で採用されれば、一流選手のスキルが数字的にもリアルタイムで確認でき、さらに盛り上がることになるでしょう。

もちろん、それぞれ相応のニーズがあるか、価格の点で妥当かなどにもよるので、何が普及していくかは、今後の動向を見る必要があります。ただ、産業などの分野では省力化のニーズが高く、すでに実現しているものもあります。例えばガスのメーターがIoTになれば、検針員が不要になります。

工場の機械も続々とネットにつながっています。不具合の兆候がわかったり、稼働状況を監視したり、膨大なデータを蓄積して運営に活かせるなどのメリットがあります。2016年に64億個だった全世界のIoT機器の接続数は、2020年には、208億個に増えると見込まれています。

IoT機器をネットに無線接続する専用の回線も、既にサービスが始まっています。これは、私たちが通常使うような携帯電話の回線とは違い、速度は桁違いに遅いものの、月々の価格が格段に安い専用の接続回線です。消費電力も低いため、長い期間、電池を交換せずに使えるのもメリットです。

Mimic GOMimic GO

Mimic GOMimic GO

未来の生活を実現するIoTですが、身近なところでも登場してきています。こちら、“Mimic GO”です。こんな小さな筐体なのに、各種のセンサーや出力デバイスを備え、ネットに無線接続します。世界最小のセキュリティシステムという触れ込みです。

小さくて軽いので、どこでも運べ、屋内でも屋外でもセットできます。この筐体に、各種センサーと無線ネット接続用のSIM、ライト、GPS装置、120デシベルという大音量のアラームを内蔵しています。それでいて、内蔵する電池は3ヶ月も持ちます。

Mimic GOMimic GO

Mimic GOMimic GO

振動センサーや、人感センサー、温度センサーなどによって、部屋への人間の進入、家やクルマなどの窓の破壊、バッグなどの持ち去りなどを検知出来ます。屋外、例えばキャンプなどで、外に向けてセットすれば、人間と動物の動きを150度の広角で感知することも出来ます。どんな気象条件にも耐えられます。

異常を検知したら、大音量のアラームを鳴らすか、手元のスマホに通報してくれます。光の点滅によるサイレントな警告も可能です。また、機械学習機能を備えているので、センサーの感度の補正や、警報を送るトリガーの設定などをカスタマイズし、より使いやすくします。操作はスマホから行います。

Mimic GOMimic GO

Mimic GOMimic GO

家の中にセットして、いわゆるホームセキュリティーのようにも使えるわけですが、これは、旅行などの宿泊先の部屋でも、同じような警戒を可能にします。ホテルならともかく、民泊で民家に泊まる場合など、必ずしもセキュリティー上、安心できないこともあるでしょう。

クルマの中にセットし、車上荒らしを警戒することも可能です。荷物に取り付けて盗難防止にも使えます。カフェなどでトイレに立つ時も便利です。キャンプで、テントに夜間接近する人間や動物を警戒することも可能ですし、テントから離れる時、キャンプ道具の盗難を防止することも出来ます。



そして、自転車に取り付ければ、自転車盗の防止に威力を発揮します。シートポストなどに取り付けて、通常はリヤライトとして点滅させておくことも可能です。自転車を離れた時、自動的にアラームに変わる設定も可能です。リアライトのように見えて、実は盗難防止装置というわけです。

盗まれた場合、アラームや手元のスマホへの通報だけでなく、GPSによって追跡することも出来ます。最大600メートルの範囲ならば、Bluetoothによる信号も検知出来ます。自転車用の専用アタッチメントが用意されており、インストールは簡単です。



例によってクラウドファンディングサイトで資金調達をしていますが、あっという間に目標金額の倍以上の金額を集め、製造が開始されています。1個79ドルから、自転車用のパックは96ドルからです。サイトから予約して購入すれば50%以上の割引です。

さらに、インターネット接続が初年度無料の特典も付くそうです。その後は月額3.99ドル、いつでも休止や解約が出来ます。これは、なかなか魅力的なアイテムではないでしょうか。家で、カフェで、自転車で、宿泊先で、いろいろと使えるのも利点と言えるでしょう。

Mimic GO

どれほどの盗難防止効果、あるいは追跡発見効果が期待できるかは、今後の検証を待つ必要があります。しかし、少なくとも盗難の抑止には貢献しそうです。そして、こうしたIoT機器が身近になり、広く使われるようになれば、さらなる発達も期待できるでしょう。

例えばこうしたセキュリティ機器と街中の監視カメラが連動して犯人の顔を撮影したり、居場所を即座に警察に自動で通報してくれるようになるかも知れません。IoT機器からの信号で、周囲にいる人に、自転車盗だと知らせる機能を持つことも考えられます。

Mimic GOMimic GO

あらゆる自転車がIoTでネットにつながっていけば、自転車盗の検挙率が上がって、割の合わない犯罪になる可能性があるでしょう。サイクリストにとっては、夢の状況が実現します。近年のIoTの急速な進化と普及を見ていると、そんな未来は、決して遠くないような気がします。




老後資金2千万円不足問題、慌てて与党は火消しに躍起になっていますが、余計に墓穴を掘ってる気がします。

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