July 21, 2019

イザという時のために月百円

自転車保険に加入する人が増えています。


条例で加入を義務付ける都道府県も増えており、未加入に特に罰則はなくても、自転車に乗っている以上、リスクがあることに気づく人も増えているのでしょう。子供が坂道でスピードを出して人と衝突してしまい、1億円近い高額の損害賠償が命じられたニュースなども影響しているものと思われます。

少し前の調査では、義務化された地域の加入率が64.3%、義務化されていない地域は49.8%、全国の加入率は56.0%でした。兵庫県が平成27年に条例を制定して以降、加入率が伸びているようです。もちろん、クローズアップされる以前から加入していた人もあるでしょう。

ただ、以前から加入している人は、自分が支払っている保険料の金額や補償内容などを、あまり意識していない人も多いのではないでしょうか。私も、かなり昔から加入しています。そのまま毎年更新しているわけですが、いくら支払っているか意識していませんでした。

他の保険もそうですが、やはり保険は時々見直したほうがいいでしょう。そう思ったのは、ちょうど昨日の日経新聞の土曜版に、自転車保険の記事が出ていたからです。ご覧になった方も多いと思いますが、その概要をまとめておこうと思います。(電子版には掲載されていなかったので、リンク・引用はできませんでした。)

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以前は、特に自転車保険と銘打った商品はほとんどなく、個人の賠償保険に入るなど、選択肢が限られていました。しかし、最近は、保険会社各社が自転車保険を続々と商品化しており、選択肢は大きく広がっています。当然ながら、競争もあるでしょう。保険料が月100円台からと、安いものが出てきています。

保険の内容は、各社の各保険商品ごとに違うわけですが、大きく分けると2つの要素があります。自分のケガの治療費などに備える傷害保険と、事故を起こしてしまった時、被害者への賠償に備える個人賠償責任保険です。傷害保険は保険料が比較的高く、賠償責任保険のほうは比較的安くなっています。

中には、クルマの保険のように事故時のロードサービスまでついているものがあるなど、内容と保険料はそれぞれですが、必要なものに限って加入すれば、当然安くなります。自分のケガについては、公的な医療費助成などでカバー出来たりするので、その部分がない保険に入ることも選択肢になると思います。

やはり、加入しておきたいのは、5〜9千万円といった高額な賠償判決が出ている賠償責任の部分でしょう。もちろん、個人賠償責任保険は、クルマの保険など他の保険の特約で補償されているケースもありますから、確認が必要です。重複していると無駄になるケースもあります。

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賠償額は、最低でも1億円はつけておくべきでしょう。各社からいろいろな自転車保険が出ています。日経新聞の記事に載っている例は、下のようになっています。(この例は、日経新聞の記事に出ていたもので、それぞれのサイトなどは確認していません。)



商品名  自転車ライフ安心保険
運営主体 LINE Financial、損保ジャパン日本興亜
最安値例 月額 100円
賠償責任 1億円(国内の自転車関連のみ)
特徴など LINEで申し込み、決済が完結。

商品名  サイクル安心保険
運営主体 全日本交通安全協会、損保ジャパン日本興亜
最安値例 月額 約103円
賠償責任 1億円(国内の自転車関連のみ)
特徴など 年齢制限なし。

商品名  サイクルアシスト
運営主体 楽天損害保険
最安値例 月額 約113円
賠償責任 1億円(国内の自転車関連のみ)
特徴など 3年の長期契約可。ネット申し込みのみ。

商品名  ポケット保険
運営主体 三井住友カード、三井住友海上火災保険
最安値例 月額 140〜160円
賠償責任 1億〜3億円
特徴など カード会員のみ対象、他の補償をネットで簡単に追加、変更可能。

商品名  まるごとマモル
運営主体 日本生命保険、あいおいニッセイ同和損害保険
最安値例 月額 約166円
賠償責任 国内無制限、国外3億円
特徴など 保険金の上限が高い。別居中の父母もカバー。
(日経新聞 19年7月20日)


最近は、保険金1億円でも月額100円台という保険商品が増えています。上記はほんの一部であり、調べるとたくさんの商品があります。自分のケガの補償がついているものは少し高くなりますが、それでも月額数百円程度のものも多くなっています。

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自分の他の保険の加入状況などによっては、自転車保険単独よりも、クルマの保険など、他の保険の特約にしたほうが、オトクになる場合もあるでしょう。いずれにせよ、昔加入してそのまま継続している保険と比べ、得になるケースもあると思うので、調べて検討してみる余地はあると思います。

このほか、各種の共済や、都道府県ごとに独自の保険なども出ており、格安のものがあります。TSマークの付帯保険というのもあります。TSマークは、自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもので、このマークには傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いています。

つまり、自転車店で有料の点検整備をしてもらうと、付帯保険がついてくるわけです。場合によっては、こちらのほうが得になるかも知れません。ちなみに、「TS」は、TRAFFIC SAFETY(交通安全)の頭文字をとったものだそうです。(保険金額や取り扱い自転車店など、詳細はサイトで確認して下さい)

中には、自分はスピードを出さないから事故は起こさないとか、保険料がもったいないと考える人があるかも知れません。しかし、月額にするとジュース1本程度の金額で加入できるわけです。思わぬ事故は起こりえます。万一の場合の負担額の大きさから言って、このくらいの金額を出し惜しむのはナンセンスではないでしょうか。

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クルマであれば当然、自賠責を含め保険に入るでしょう。もし人を死傷させれば、クルマだろうが自転車だろうが関係なく賠償責任が生じます。もちろん、クルマと比べて殺傷力が大きく違いますし、可能性は相対的に低いですが、その分、大幅に安く加入できるわけで、加入しておくのは合理的な判断でしょう。

そして、すでに加入している人は、更新の際などに、一度見直してみるのも有効だと思います。加入する人が増えてきたため、安くなってきたというのもあるのかも知れません。ケガの補償の部分とか、他の保険の特約との重複なども確認しておいて損はないでしょう。

これまで、ニュース記事のクリップなどで、自転車保険についてよく取り上げていますが、もちろん、私は保険会社とは何の関係もありません。他人に自転車保険の加入を勧めるのは、余計なお世話ではありますが、そのリスクに気づいていないサイクリストも少なくないと思うので、記事にしました。

そして、加害者になる可能性だけでなく、自分や家族が被害者になった時、賠償されずに泣き寝入りする可能性もあります。それを考えれば、日本で自転車に乗る人は、全員加入してほしいと思うのは自然でしょう。保険会社の営業に協力するつもりはありませんが、自転車保険の加入が当たり前の社会を目指すべきだと思います。




今日は参議院選挙の投票日です。投票率が事前調査の必ず行く人の割合に届かないのはナゼでしょうか(笑)。

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