子供の頃を思い出すと、楽しい夏休みで唯一憂鬱なのが、夏休みの宿題でした。親は、子供の夏休み期間中、昼食の支度などで面倒だったりしますが、調査によれば、いろいろある中で、一番困るのが宿題のサポートと答えています。自由研究とか工作とか、親が手伝わされるケースも多いのでしょう。
ところで、自転車が趣味の人の中には、自転車そのものや関連する用具などを手作りしてしまう人がいます。不器用な人、ものぐさな人には理解できませんが、手作りすることが好きな人は少なくありません。夏休みの工作のヒントになるかはわかりませんが、今回は、そんな人たちを取り上げてみたいと思います。
アメリカなどではDIY、ちょっとした家のリフォームくらい自分でやってしまうのは普通で、とくに珍しくもありません。趣味でなくても、ホームセンターで材料やら機材やら塗料などを買ってきて、自分で仕上げてしまいます。アメリカ人のDIY好きは、一種の文化と言ってもいいでしょう。
日本では、日曜大工のために、家に電動ドリルがある人は、なかなかマニアックな人だと思いますが、アメリカの家庭では、むしろありふれたアイテムです。もちろん穴をあけるのに使うわけですが、この電動ドリルを使って、何か出来ないかと、誰しも一度は考えるようです。
つまり、電動ドリルを動力源にした機械を作りたくなってしまうわけです。その定番というべき電動ドリルを、自転車に組み込んでしまうのも、比較的よく見るアイディアです。実用性はともかくとして、自作の電動バイクを作ってしまいたくなるのでしょう。
古くなって乗らなくなった自転車がある場合、そのパーツ、特にタイヤがあるならば、何か別の乗り物をと考えるのは自然な発想です。自転車のタイヤやフレームに、イスを組み合わせてオリジナルの車イス、あるいは車イス風の乗り物を作ってしまう人もいます。
廃線跡などの鉄道のレールを走行できる、軌道自転車というのもロマンがあります。映画か何かで見て、鉄道の線路を手漕ぎのトロッコで旅をしてみたいと夢見た人もあるかも知れません。このレールバイクは、自転車のフレームと支持部分が溶接されていないので、持ち運びもしやすくなっています。
自転車から別の乗り物というのは、誰もが考えるパターンだと思いますが、もっと違うことを考える人もいます。例えば、自転車を楽器にするというアイディアです。自転車で奏でる、ガムランというインドネシアの民族楽器です。自転車のフレームも切断すれば、金管楽器の格好の材料となります。
夏休みの宿題として比較的、手がけやすいのは自転車用品の手作りでしょう。自分が自転車に乗る時にいつも使うバッグにLEDとリチウムイオン電池やリレー回路を使って、点滅するパッチを取り付けました。カバンを持つのが楽しくなるだけでなく、視認性の面で安全にもなります。
ヘルメットを自作してしまう人もいます。法的な安全基準を満たすのは試験などの面でたいへんですが、持ち運びやすい組立式のヘルメットが欲しかったようです。これならば、カバンにも入りますし、普通のヘルメットと違って、持ち運びにかさばらないのが便利です。
自転車のギヤやチェーンは、格好の工作材料になります。ただ、普通にスプロケットを使っただけでは面白くありません。文字のほうを回るようにしたところがユニークです。このGIFファイルは早送りですが、実際は、1時間に1回転するようになっています。
ちょっと意外な工作ですが、こちらは子供用のジャンプ台です。角度は調整できます。普通に道路を走行したことしかないと、自転車でジャンプするのは怖いものですが、小さい頃から慣れ親しめば、将来はBMXでトリックを決められるようになるかも知れません。
最後にもう一つ。こちらは道徳的に使用は推奨出来ませんし、器物損壊などの罪に問われる可能性がありますが、その発想はユニークです。自転車用のポンプですが、道端に駐車中のクルマのタイヤにつなぎ、空気を頂戴しようというのです。圧力が高いので、そのままつなぐだけです。かさばらないのも緊急用に向いています。
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こういう作品を見ていると、発想を刺激されたり、ハンドメイドするモチベーションが湧いたりします。子供たちに、工作の宿題をしろとプレッシャーを与えるだけでは、なかなか進みません。まずは、家にころがるガラクタ、いらなくなったパーツを集めて、眺めて、発想するところから始めさせるのがいいかも知れません。
夏の甲子園も始まりました。これがないと夏という気がしませんが、試合の間隔は考えてあげてほしいものです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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