February 16, 2020

自転車好きが広がるきっかけ

関東などではあたたかい日が続いています。


東京の都心でも、昨日まで4日連続の15度超えとなり、2月としては65年ぶりの異例のあたたかさが続いています。一方、巷では新型肺炎関連のニュースが多くなっていますが、ここでは例によって最近の自転車関連のニュースの中から気になったものを取り上げてみたいと思います。


相模原市が五輪観戦PR動画を公開 おすすめポイントなど紹介、與那嶺恵理選手も出演

東京五輪ロードレース神奈川県相模原市が東京2020オリンピック競技会における自転車ロードレース競技の実施に向けて、同市内の観戦ポイントや、競技の観戦マナーを普及させるためのPR動画『相模原で応援しよう!!』を制作・公開した。

動画にはプロサイクリストの與那嶺恵理選手、人気YouTuberの水溜りボンドが出演している。

東京五輪の自転車ロードレースでは、相模原市内では約30kmがコースになる。與那嶺選手は同市内のロードレースコースを実際に走行し、プロ選手の視点から同市内でのレースの見どころを詳細に解説。自身の東京五輪出場も有力視されているだけに、本番を見据えたコメントに注目だ。(以下略 2020/02/15 サンスポ)


オリンピックまで5ヶ月となり、他の競技と比べて地味ですが、自転車競技の記事が出ていました。人気や知名度は劣りますが、ロードレースの場合、なんと言ってもチケットがなくても観戦できる有利さがあります。動画の中ではお勧めの観戦ポイント、観戦のマナーなども紹介されています。

私も、五輪のチケットは、全ての機会でフルに応募しましたが、ことごとくハズれてしまっていますが、全ての競技を足してもチケットの数がごく限られることを考えれば、同様の人が大多数でしょう。この点で、ロードレースを観戦してみようかと考える人が増えていくかも知れません。



もちろん、この記事の相模原市だけではなく、コースは長いので、他の地域にもたくさんのポイントがあります。他の競技のチケットがとれないからという消極的な理由だったとしても、間近で観戦すれば、その速さや迫力が味わえるでしょう。日本では、どうしてもマイナーなロードレース人気の向上に寄与するかも知れません。


聖火ランナーに99歳男性「自転車に乗って体力増進」…日本コカ・コーラ社選出

聖火ランナー東京五輪の聖火リレー(3月26日、福島からスタート)のプレゼンティングパートナーを務める日本コカ・コーラ社が12日、都内で会見を開き、リレーの隊列車両や同社が選出した聖火ランナーをお披露目した。

会見には同社五輪担当オフィサーで、競泳男子平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介さん(37)も参加。平昌五輪などで聖火ランナーを務めた北島さんは「沿道の応援もあってみんなで走っている感覚。走る人も見る人も一体になって楽しんでください」と呼びかけた。

一般公募で選ばれ、都内を走る99歳の矢崎文彦さんは、64年東京五輪の際はマラソンコースの柵を作る仕事をしており「今回はこのような形で参加できてうれしい。自転車に乗って体力増進しているので、私が走ることで自転車を普及できれば」と笑顔で語った。(2020年2月13日 スポーツ報知)


聖火リレーの話題も増えてきました。こちらでは、なんと99歳という男性が聖火ランナーに選ばれています。この方は、ふだんから自転車に乗って体力増進に努められているようで、そのことで自転車の健康効果をアピールして、その普及に貢献しようとされているようです。


なんばCITYで自転車暴走 建造物侵入罪で2人略式起訴

集団暴走2019年11月に大阪市中央区の南海電鉄難波駅に直結する商業ビル「なんばCITY」内を自転車で集団走行したとして建造物侵入の疑いで書類送検された6人について、大阪区検は14日までに、44歳と21歳の男性を同罪で略式起訴した。大阪簡裁は同日までに、いずれも罰金10万円の略式命令を出した。少年4人について、大阪地検は同日までに同罪で家裁送致した。

大阪府警は繁華街・心斎橋などの路上で警察に無許可でパフォーマンスを繰り返し行ったとして、6人を道路交通法違反の疑いでも書類送検したが、大阪地検は14日までにいずれも嫌疑不十分で不起訴処分とした。(2020/2/14 日本経済新聞)


この事件は、昨年11月の事件の直後にも取り上げました。さらに、その後最年長の40代の男が開き直ったコメントを発表し、一部のテレビなどでも大きく取り上げられましたので、覚えてられる方も多いでしょう。自転車の競技人口を増やして広げたいなど、ふざけた言い分にも呆れました。

道路交通法では不起訴処分になってしまったようですが、建造物侵入で略式起訴したようです。動画という明らかな証拠があるのに不起訴というのは疑問も感じますが、検察も、無罪放免とはしたくなかったのでしょう。建造物侵入で立件しています。

この立件は、ほとんど報じられていません。本当は、同様の危険行為や、法規無視の行動に対しての抑止効果という意味でも、罰せられたことが知られたほうがいいと思います。ただ、事件が起きた時と比べ、ニュースにならないのは、その話題性から言って仕方のないところなのでしょう。


人気店だったのに…客の自転車撤去相次ぎ、ステーキ丼店が無念の移転 「駐輪場不足」市の対策に店主不満

駐輪場不足「誠に残念ながらこの地での商売は不向きと判断致しました」。2019年12月、京都市の人気ステーキ丼店が、そんな文面の張り紙を残し、街中から郊外へと移転した。市の駐輪取り締まりが厳しく、来店客の自転車をたびたび撤去されたことが理由という。

路上駐輪は持ち主の責任としつつ、「市のインフラ整備にも問題はあるかと思われます」と不満がつづられていた。京都市の駐輪対策は放置自転車の台数をピークの1%以下に減らすほど効果を上げているが、負の影響もあるのかもしれない。店主に詳しい話を聞いた。

京都市左京区の叡山電鉄・元田中駅近くに店を構えていた、その名も「すてーき丼屋」。国産牛のステーキを載せた丼が手ごろな値段で食べられるうえ、京都大の吉田キャンパスに近い好立地も手伝い、学生らでにぎわっていた。男性店主(51)は「2014年7月に開業してから3年ほどは、右肩上がりで売り上げが伸びていました」と振り返る。

状況が一変したのは2018年。「そのころから、放置自転車の撤去が急に厳しくなりました」。賃借している建物の前に駐輪できるスペースがあまりないため、利用客の多くは歩道上に自転車を止めていた。それを市から委託を受けた業者が次々に撤去し、トラックで一時預かり所に運び去っていったという。

「撤去作業のトラックが1日に何度も店の近くに来るんです。来店して食事中の客の自転車が半年で40〜50台は持ち去られたと思う。京都観光に来たタイ人の女性グループがレンタサイクルを持って行かれ、泣きついてきたこともありました」

来店客が半減

自転車がすぐに持って行かれるとなると、客もおちおち食事を楽しんでいられない。当然ながら客足に響いた。「ピークで1日120人くらいだった来店客は、半減しました」店主も手をこまねいていたわけではない。店の近くには臨時駐輪場がないため、駐輪場所を自前で確保しようと近隣の月極駐車場に問い合わせた。「だけど、自転車が倒れたときに契約者の車が傷ついてしまうからと断られた」

格安メニューを設けるなど営業努力も重ねたものの、売り上げ減に歯止めがかからず、とうとう2019年12月22日に閉店。約6キロ離れた左京区静市市原町に移転した。

店主は、市の条例で禁じられている歩道上の駐輪は良くないとしながらも、「そもそも駐輪場や路線バスといったインフラを十分に整備していないのはどうなのか。店が面している東大路通で撤去作業が多いのも納得いかない。京大生を狙い撃ちにしているのでは」と、市のやり方に疑問を投げ掛ける。放置自転車対策による影響を受けているのは、このステーキ丼店だけではない。

東大路通の向かいで営業するうどん店も、駐輪の取り締まりで客足が大きく減ったという。店主の男性(61)は「2018年に駐輪の取り締まりが厳しくなり、学生の自転車が根こそぎ持って行かれた。一度離れた客は戻ってこない」と嘆き、「駐輪場を十分に設けず、厳しく取り締まるのはひどくないか。それに元田中駅周辺の撤去回数は、ほかの場所に比べて多いと思う。市内を均等に取り締まらないのは不公平ではないか」と憤る。(以下略 2020.02.13 まいどなニュース)


駐輪場不足放置自転車の撤去・移送という行政の施策によって、商店が閉鎖を余儀なくされたという話題です。実際の現場の状況を知らないので、軽々にコメントは出来ませんが、おそらく商店側、行政側にそれぞれの言い分があり、簡単に解決できる問題ではないのでしょう。

このような事例は、いちいちニュースにはならないでしょうが、全国各地の都市で同様のことが起きている可能性がありそうです。厳格に放置自転車の撤去をされたら商売あがったりで、行政としても苦情を放置できない、かと言って駐輪場を設置する場所も予算もない、というケースです。

放置自転車の撤去には莫大な予算をとられており、自治体の悩みのタネなのは理解できます。しかし、それだけ市民が自転車を使いたいというニーズがあり、駐輪のニーズがあるのも確かです。地方自治の理念から言えば、住民のニーズに沿うのが本来のあり方でしょう。

場所がなく予算が無いとは言っても、きちんと駐輪場を整備している自治体も数多くあります。住民サービスという地方自治体の責務に沿うならば、駐輪場を増やすのが仕事のはずです。放置自転車の撤去も緊急避難として仕方ない面があるのは認めますが、それは本来のあり方ではないと思います。いたちごっこになるだけです。

放置自転車の撤去・移送そのものが目的化してしまい、その成果を誇るような間違った方向へ走る自治体も少なくないように思います。中には、市民に自転車を使うなと強調したり、自転車を目の敵にするような自治体もあります。いつの間にかズレていないか、本来目指すべき方向、基本に立ち返って考えるべきだと思います。


太平洋岸自転車道、再整備へ 静岡県、新年度予算案に4億7千万

太平洋岸自転車道千葉県銚子市から和歌山市まで静岡県など6県にまたがる「太平洋岸自転車道」のナショナルサイクルルート(NCR)への指定を目指し、静岡県は2日までに、県内区間の走行環境の改善を図るための再整備に取り組む方針を固めた。2020年度当初予算案に関連事業費として4億7千万円を計上する。

東京五輪・パラリンピックの自転車競技が県内で開催され、大会レガシー(遺産)として「自転車の聖地」を目指す取り組みの一環とする狙いもある。

NCRは日本を代表する自転車道として世界にPRする狙いで、政府が国内の自転車道を指定する取り組み。指定を受けるには、走行環境やサイクリストの受け入れ環境などの一定水準を満たす必要がある。

県は太平洋岸自転車道の県内区間の現状について、NCR指定を目指すには管理水準を引き上げる必要があると判断。具体的には、劣化した防護柵や舗装の補修、消えた区画線の引き直しなどを検討している。

静岡県同自転車道のNCR指定を巡っては昨年9月、国、本県と静岡、浜松両市を含む6県2市が協議会を発足させた。指定に向けて20年までに、ハード、ソフト両面の環境整備を完了させることにしている。

国は昨年9月にNCR指定の第1弾候補として、瀬戸内海の島々を巡る「しまなみ海道サイクリングロード」など3ルートを選んだ。国はこれまでに、太平洋岸自転車道も「速やかな指定を図る」との見解を示している。

<メモ>太平洋岸自転車道構想 千葉から神奈川、静岡、愛知、三重各県を経て和歌山県に至る太平洋沿岸への整備を目指す自転車専用道で完成すれば計約1400キロ。地域交流の促進や地域振興への貢献が期待されている。安全性の高いルートやコースで自転車の利便性を高め、交通事故削減につなげる狙いもある。(2020/2/3 静岡新聞)


東京オリンピックは当初、コンパクトな会場がウリだったはずですが、結果として各県に会場がまたがる形になっています。マラソンが札幌になっただけではなく、千葉や埼玉、神奈川でも開催されます。野球やサッカーは、茨城、宮城、福島など各地で行われます。

静岡県自転車競技に関しては、その多くを分担する形になったのが静岡です。ロードレースは、東京から神奈川と山梨を通って静岡の富士スピードウェイがゴールです。タイムトライアルも行われます。マウンテンバイクは伊豆のサイクルスポーツセンターのコースですし、トラック競技は同じく伊豆ベロドロームです。

そのこともあって、静岡ではこの機会を活かして、五輪後も自転車による観光を地域振興につなげることを目指しているようです。千葉県から和歌山県まで6県にまたがる「太平洋岸自転車道」の整備にもいち早く乗り出しています。来年度予算にも4億7千万円を計上しています。

自転車の各競技が行われるのは、合わせても数日、あっという間ですが、やはりオリンピックというイベント、ネームバリューは大きいものがあるようで、静岡がやる気を出しています。オリンピック後も、サイクリストが安全に楽しめる道路の整備が進むことを期待します。


「何で部屋に自転車が?」 ロードバイク好き夫婦の漫画がほのぼのしていて癒される

ロードバイク好き夫婦ロードバイクを楽しむご夫婦の日々を描いた漫画がTwitterで人気を集めています。ロードバイクを愛する「雪わいこ」(@waiko084)さん。乗り始めたきっかけは、まだ彼氏だった頃の旦那様だといいます。

漫画には、ロードバイクとの出会いや愛車を大切に思う気持ち、実際に出掛けた時の爽快感などが描かれています。今ではご夫婦となったお二人の仲良しエピソードもほっこりさせてくれます。

自転車夫婦始まり物語

結婚前、彼氏の家に遊びに行った雪わいこさん。部屋の中に陣取る自転車に驚きます。「ロードバイクはデリケートだし、盗難もある」と言う彼氏さん。今度、ロードバイクで富士山の5合目まで登るイベントに参加すると話します。(以下略 2020年02月05日 ねとらぼ)


友人や彼女が自宅に遊びに来て、部屋の中に自転車があることに驚かれたという経験を持つサイクリストもあるでしょう。そこで説明を聞き、持って見たら軽くて驚き、値段を聞いてまた驚くというのも、ありがちなパターンです。それが自転車好きを増やす結果になった例も少なくないに違いありません。



たしかに、可愛らしい絵柄ですが、ロードバイク趣味が注目を浴びるようになってきた一例と言えるのでしょう。少し前までは、オタクか変人と見られることも多かったように思いますが、最近はアニメなどのヒットもあって、自転車趣味や、自転車の室内保管も少しずつ市民権を得てきているようです。

テレビや一般の雑誌で取り上げられる事も増えましたし、SNSを通して関心が高まる傾向もあるようです。この漫画にあるように、知らない人は驚くことばかりかも知れませんが、その驚きが好奇心を生み、調べるなどの行動を経て、自転車趣味の扉をたたく結果にもつながっているのだろうと思います。


ぴよぴよ貧脚夫婦
ぴよぴよ貧脚夫婦2
ぴよぴよ貧脚夫婦3
ぴよぴよ貧脚夫婦4


多くのサイクリストの共感を呼んだのでしょう。コメントやリツイート、いいねの数も伸びています。自転車趣味に無理やり引き込むつもりはありませんが、少なくともその認知度、理解度が欧米並み程度に高まって、サイクリストが色眼鏡で見られたり、道路で嫌がらせを受けることがなくなるといいなと思います。




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新型肺炎の国内の蔓延は市中感染と言うべき新たなフェーズに入ったようです。更なる感染の拡大が心配です。

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