私たちの身の回りでも、電動アシストに乗る人は増えています。日本では、自転車の販売数約157万台に対し、電動アシスト自転車は約67万台と4割以上を占めるまでになっています。世界でもeバイクの売り上げは大きく伸びており、2018年に150億ドルに迫る規模に拡大しています。
6%以上の高い伸びが続いており、2024年には210億ドルに達するという予想もあります。例えばアメリカでは2016年から2017年にかけて販売台数が倍増していますし、ドイツでは2018年に、自転車市場全体の23.5%を占めるまでになっています。
日本でも一部で種類が増えていますが、市場ではママチャリタイプの電動アシストが大多数で、通常のママチャリからの乗り換えが多いようです。坂などもラクですし、子供や荷物を乗せたりする人にも、その恩恵は小さくありません。一度乗ってしまうと戻れないというところでしょうか。
海外では、いろいろなタイプの自転車に、電動アシストを搭載する例が増えています。例えば、電動アシストのマウンテンバイクです。山道やオフロードをスポーツ走行するMTBに電動アシストなんて邪道だと考える人がある一方で、電動アシストが欲しいという人も少なくないのでしょう。
ダウンヒルならともかく、頑丈で重いMTBで急坂を上るのはたいへんです。電動アシストMTBがあれば、初心者や脚力に自信がない人など、間口が広がるでしょう。体力的にラクになるのは間違いありませんから、楽しめるフィールドが広がることにもつながります。
ファットバイクなどにも電動アシストが搭載されています。タイヤの幅があってグリップ力の大きいファットタイヤなら雪道でも走破できます。一方で摩擦が大きくなるぶん、圧雪でない雪が積もった道では、体力も必要です。電動アシストにすることで、雪道を楽しむ人、冬でも自転車に乗る人を増やす効果があるでしょう。
国によってもレギュレーションは違うわけですが、ペダルをこがずに電動だけでも走行できる、eバイクの人気も高まっています。ヨーロッパで1980年代に流行したようなモペット、エンジンと自転車のハイブリッドを、モーターとのハイプリッドで再現するモデルなどもあります。利用者層を増やすことが期待出来ます。
カフェレーサーなどのオートバイに似たデザインも、ヨーロッパなどでは根強い人気があるようです。もちろん好き嫌いはあるでしょうが、電動アシスト機構を搭載することで、デザインの自由度が増すというのはメリットでしょう。自転車っぽくないスタイルを好む人もいます。
自転車は、基本的に人間の脚力だけで駆動する以上、車体が軽いに越したことはありません。どうしてもデザインはシンプルになります。そのことは同時に、フレームのデザインの自由度を狭め、似たようなフォルムになってしまうのは否めません。
しかし、電動アシストならば、多少の重量の増加は許容できます。デザイン性を高めた個性的なものも製造可能になります。フレームを太くしても、またぎやすさを優先するなど、機能や利便性を追求することも出来ます。こちらのデザインは、有名な VESPAのスクーターを思わせるシルエットです。
特徴的な後ろの部分は、泥除けだけでなく、荷物の収納スペースになっています。必要に応じて幅を広げると、たくさんの荷物が運べ、荷台に載せるより安定します。車体の軽量化を考えたら採用しにくい機能や利便性を取り入れ、オシャレなデザインにすることも、ユーザーを増やす効果が見込めそうです。
業務用や、警察が使う自転車などにも電動アシストが搭載され始めています。パトロールする警察官の体力的な負担を軽減することになるに違いありません。パトカーやオートバイより小回りがきくので、細い路地などにも入って行けますし、電動アシスト化で、より広い面積をカバー出来るようになるでしょう。
当然ながら、カーゴバイクにも搭載されます。重い荷物でも運べるようになり、クルマなどを代替できる範囲も広がることになります。特に環境への意識の高いヨーロッパでは、より自転車の活用が進み、環境負荷や渋滞を減らすことになる点でも、電動アシスト自転車が評価されています。
あまり一般的でない車種、例えばベロモービルなどにも恩恵は及びます。キャビンのある自転車は、雨でも濡れませんし、荷物の積載性能も高まります。一方で、どうしても車重が重くなってしまう欠点を電動アシストが解消することで、これもクルマやトラックの代替を促進し、環境問題に貢献することになるでしょう。
電動アシストが広がったことで、自転車のタイプを増やしたり、機能やデザイン的にも多様化させています。電動アシスト機構は、乗る人がラクになるというだけでなく、自転車のさまざまな付加価値を増やすことにも寄与しています。このことは、今まで以上に自転車の活用を促すでしょう。
登場当初、電動アシスト自転車は、自転車の種類の一つというだけでした。今や様々なタイプの自転車に、電動アシストと、非アシストがあるという位置付けになりつつあります。非アシストの自転車が淘汰されるとは思いませんが、電動アシストは、自転車の間口を広げ、より役立つもの、魅力あるものにしていると言えそうです。
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PCR検査の出来ない事が問題となっています。重症になる前の治療が大切ですし、体制の不備が懸念されます。
Posted by cycleroad at 13:00│
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