趣味やスポーツで乗る人もいれば、通勤通学や買い物など日常の移動に使う人、業務用など仕事で使う人、幼稚園の送迎に使う人もあるでしょう。生活のなかで多用途に使われるため、目的や状況によって、必要とされる機能は、その都度変わってきたりします。
人によっても違うわけですが、自転車に乗るシーンや楽しみ方によっても変わってくる、いろいろなニーズに応えようとするのがアクセサリー、自転車用品です。関連する用品にはさまざまな種類があります。そして、さらに新しいグッズを生み出そうとする人たちがいます。
前回は、プロダクツデザインやエンジニアリングを学ぶ学生や若手のエンジニアやデザイナーによる、“
JAMES DYSON AWARD”の2019年の応募作品から、主に自転車本体のアイディアを取り上げました。今回は関連する自転車用品、アクセサリーなどについて見てみたいと思います。
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Wheelson”は、荷物を安定して運ぶためのツール、アタッチメントです。簡単に着脱でき、そのまま転がして買い物カートのように使うこともできます。荷物が低い位置になるので、前カゴや荷台よりも重心が低く安定します。トレイラーと違って前後長があまり変わらない点も、扱いやすさにつながるでしょう。
こちら“
AIR-PUMP”は、パンク修理や空気圧調整に欠かせないエアーポンプを、出先で使えるように自転車本体に組み込むというものです。考え方はよくありますが、この作品はハンドルのグリップ部分に組み込み、ブレーキレバーを握ることで空気を入れる仕組みです。
こちらは“
STAY LOCK”、最近、街で増えてきたフードデリバリーなどの配達者用に、フードコンテナを安定して運べるようにサポートするグッズです。担いだことがないので、よくわかりませんが、確かに見た目にはコンテナは担ぎにくそうです。荷物を安定させ、担ぎ手の痛みや重さを軽減します。
こちらは“
UNIMOUNT”、ボトルホルダーです。通常はダウンチューブやシートチューブに取り付けます。ただ、必ずしもドリンクのボトルだけでなく、小物入れとか、何か他のものを入れておきたい時もあるでしょう。取り付ける場所が足りなくなった場合に、フロントのフォークに取り付けるというアイディアです。
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SOAR”は、ハンドルバーに取り付けるスピーカーです。ブルートゥースで手元の音楽プレーヤーと接続します。イヤホンは周囲の音が聞こえない場合があって危険ですし、違法となる国もあります。若い世代に、イヤホンのせいで難聴が増えているという話もあります。これなら、イヤホンの代わりに手軽に持ち歩けます。
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STINGRAY”は、フォークに取り付けたダイナモで発電し、蓄電しておくバッテリーです。本体はトップチューブに取り付けます。最近はスマホなどの電子機器を持ち歩くことも多く、屋外で充電したいというニーズは大きいでしょう。USBポートやコンセントがついています。ちなみに、“STINGRAY”はアカエイのことです。
ヘルメットに、もっと機能を持たせたいと考える人は少なくないようです。左、“
INDICYCLE”は、ハンドルバーから手を離さずに方向を示すものです。似たようなことを考える人は多く、右の“
Z-ONE”も同じですが、ブレーキや信号機能に加えて、通気性などにも工夫がされています。
もっとハイテクな機能を搭載したい人もいます。左の“
HERMES”はスマホと連携させて、ナビゲーションします。曲がるタイミングでヘルメットの左右が振動することで合図します。右の“
CONNECT”は、マイクやスピーカーを搭載して音声通信が出来ます。操作はグリップ部分で可能です。
左の“
O2”は、空気清浄機能を搭載したヘルメットです。有害な粒子を除去します。ヨーロッパでは都市部の大気汚染が深刻なことも背景にあるのでしょう。右の“
STREETSMART”は、道路上の危険を知らせます。搭載されたカメラと画像認識ソフトを使って検知し、CPUが分析して危険を判断するという設計です。
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PROLO”は、子供用のヘルメットと自転車のロックを連動させました。子供がヘルメットをかぶらないと自転車のロックが解除されず、走り出せません。脱ぐとロックがかかります。子供の安全性を高めるためです。日本からの応募作で、日本国内の最優秀賞を受賞しています。
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THE BULB BY OLEVELO”は、その名の通り、電球からインスピレーションを得ました。ヘルメットがどこから見ても光っており、電球のように見えます。夜間の視認性を高めるためですが、その効果は高く、インパクト抜群です。とてもシンプルで、ある意味、虚を突かれるアイディアですが、ユニークです。
自転車の使い方や、乗る人によってニーズもさまざまですが、開発しようとする人たちのアイディアもいろいろです。たくさんのアイディアがある中で、実際に商品化できるのはごくわずかだとは思いますが、自転車生活をより便利に、安全に、楽しくする、新しいグッズの登場を期待したいものです。
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自粛疲れもあり、コロナを怖がり過ぎと揶揄する人もあるようですが、感染爆発すれば武漢のように医療崩壊する可能性は十分にあります。個人のリスクはともかく、社会的に甚大なダメージを防ぐために協力したいものです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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