April 25, 2020

自分一人だけでも出来る工夫

世界中で感染拡大防止が求められています。


“STAY HOME”、自宅にいて、人との接触を減らすことが求められています。ただ、食料品の買い出しなども必要ですし、運動不足にもなります。生活習慣病などのリスクが高まりますし、ストレスがたまります。免疫力を下げてしまうことにもなるでしょう。

そこで、世界各地でサイクリングする人が増えています。格好の運動になりますし、やむを得ない通勤や買い物などの移動に使うにしても、公共交通機関を使うのに比べて密集が避けられるので、感染のリスクは低いとされています。自転車に乗る人が急増している街も少なくないようです。

しかし、自転車だからいいとは限りません。特定の場所で自転車に乗る人が集まってしまえば、感染のリスクは高まってしまいます。場合によっては“Social Distancing”、社会的距離をとれないことにもなってしまうでしょう。自転車でも2メートルの間隔があればいいと思っている人が多いのも問題です。

社会的距離飛沫感染

先日も書いたように、ベルギーとオランダの研究チームは一般的に言われている必要な社会的距離、1〜2メートルは、動いている場合には当てはまらないと警告しています。同じ方向へ歩いている時は4〜5メートル、ランニングと遅い自転車の場合は10メートル、速い自転車は20メートルの間隔を空けるべきとしています。

自転車に乗っている時間だけでなく、目的地が集中してしまうのも問題です。日本でも、一部の海岸などに人が集まってしまっていると報じられています。行政が駐車場を閉鎖するなどしているため、地元の人は自転車で移動しているようですが、多くの人が集まる手段となってしまっては意味がありません。

Bike tag仲間と一緒に自転車に乗るのも問題です。例え、20メートルの間隔を意識していたとしても、一緒に休憩したりすれば、濃厚接触となりかねません。走り終わって、一緒に食事を取ったりもしたくなるでしょう。どうしても感染を広げかねないわけです。

やはりこの時期、自転車に乗るなら1人で乗るしかありません。しかし、1人で乗るのはつまらない、モチベーションに欠けるという人も多いでしょう。特に、いつもグループでツーリングなどをしていた人にとって、1人で淡々と走るのは、運動にはなりこそすれ、退屈と感じてしまう人は少なくないかも知れません。

このコロナ禍では、自転車の乗り方にも工夫が必要です。1人であてもなく走るのが面白くない人も、何かの目的があれば違ってくるでしょう。自転車に乗るのに、ゲーム性を取り入れるのも一つの方法です。“Bike tag”もその候補の一つとなるでしょう。

これは、いま始まったものではなく、2007年頃に始まったものです。例えば、アメリカ・ミネソタ州のミネアポリスの“Bike tag”は、同市内や近郊に住む人なら誰でも参加できます。サイトにアクセスすると、域内のどこかに自転車がとめられた写真が出てきます。

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

写真の背景などから、その場所を推理します。思い当たる場所へ自転車で出かけ、発見したら同じ場所で写真をとるわけです。一番最初に、その場所を発見して写真をとった人が勝ちです。次のタグ、課題となる写真を提供することになります。ですから、あらかじめ場所を考えて、問題として出す写真を撮っておく必要があります。

当然ながら、背景が白一色の壁などではダメです。特徴のある景色や、何かヒントとなるようなモノが背景に映りこんでいる必要があります。地元の人なら、見たことがある景色で、場所の見当がついたとしても、ピンポイントでその場所を確定するのは簡単ではないかも知れません。実際に現地で探す必要もあるでしょう。

当然ながら、一般の人がアクセスできる場所である必要があります。背景が移動してしまうようなもの、例えばキッチンカー、移動販売車などではダメです。場所を見つけた証拠写真と、自分が次に出す「謎の場所」に写っている自転車は同じものでなくてはならないなど、若干のルールがあります。

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

場所を推理するクイズであり、誰が最初に行くかの競争でもあります。よく知っている地元でも、インスタ映えするスポットを知るなど、発見もあるでしょう。簡単にはわからなそうな場所を探して、どんなヒントを入れるか考えて写真をとるという、問題を出す楽しみもあります。これはなかなか面白そうです。

始まった当初は、まだスマホの普及が始まったばかりの頃であり、デジカメで撮影して自宅のコンピュータからアップしていました。今は、その場で写真を撮ってアップできます。場所を探すにも、グーグル・ストリートビューなどがありますし、“Bike tag”もかなり、やりやすくなったと言えるでしょう。

ミネアポリスの“Bike tag”は3グループに分かれ、同時にプレイする人も多いと言います。近くでないと参加は困難ですが、テキサス州オースティン、オレゴン州ポートランド、イリノイ州シカゴ、ジョージア州アトランタ、カリフォルニア州ロサンジェルス、ワシントン州シアトルなど、各地にそれぞれの“Bike tag”があります。

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

このゲームが、このコロナ禍で向いているのは、基本的に1人で行動するところです。自然とタイムラグが出来ますし、出発場所もそれぞれ違うので、同じ道路を同時に走行する可能性は低いでしょう。当該ポイントで競技者同士が行き会ってしまうことも少ないと思います。

これはアメリカでの話であり、私の知る限り、日本では行われていません。でも、今はスマホやSNSなどのツールも豊富ですから、仲間内で始めようと思ったら、すぐにでも簡単に始められるのではないでしょうか。仲間内なら盛り上がりそうです。

それでいて、直接会うことはないと思われます。もしタイミングが合ってしまったら、お互いに離れたまま近づかないようルールで決めておけばいいだけです。それぞれ別れて自宅に帰るだけですから、一緒に走行するという場面は無い、あるいは無くすことが出来るはずです。

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

Bike tagBike tag

もちろん、自分の地元で、独自の“Bike tag”を立ち上げてもいいでしょう。知らない人であっても、同じ地元、同じサイクリスト同士です。SNSなどを通じて募集すれば、賛同者が集まる可能性はありそうです。得点ランキングを作って競うなど工夫をすれば、コミュニティとして成立し、盛り上がるかも知れません。

このコロナ禍でも、今はネットを使えば、直接会わずにいろいろなことが出来ます。友達と集まって一緒に走行するのも楽しいですけど、今はそれをやるべきではありません。自転車に乗るにも上手く工夫すれば、いろいろ楽しみ方はあります。早く友達と集まって遊べるよう、今は1人で乗り、感染拡大を防ぎたいものです。





◇ ◇ ◇

パチンコ店の中には営業自粛要請に従わない店もあるようです。この期に及んでも店に行く人はギャンブル依存症の可能性があり、店名を公表すると余計に集まるという話もあります。店も大きな賃料負担があるなど難しいのでしょう。しかし、今少し我慢すれば、早く終わるかも知れないと、みんなが信じて協力しているのですし、少しの非協力者によって台無しになりかねません。今閉めたほうが、かえっていいという可能性を考えてほしいものです。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんばんは.

ソロサイクリングなら,郷土の自然,地理,歴史,産業(特産品)などを調べて回る研究学習型のサイクリングも推奨できると思います.私は主に植物や歴史的な建物などの観察を絡めてサイクリング活動を多年にわたって続けてきましたが,一例としてそういう発想が無いから長続きしない(しなかった)人が多いのではないでしょうか.

数多ある野外活動の中でも,私はサイクリングほど楽しみながら“ためになる”知的で創造的なスポーツはおそらく他にはあるまいと思っております.学校の休校も長期化しておりますが,こういう状況下でこそサイクリングの教育的な意義や効用が評価されて良いと思います.勿論,人混みは極力避ける配慮は当然必要になりますが.

ごく少数ながら,親子でサイクリングを楽しんでいる光景を見かけると嬉しくなります.
Posted by マイロネフ at April 26, 2020 21:43
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
研究学習以外にも、写真撮影とか食べ歩きとか、博物館めぐりとか、さまざまな趣味のアシとして自転車を使っている人も多いでしょうね。
サイクリングは知的で創造的なスポーツというのは独自の見方だと思いますが、同時に移動手段ということが大きいのだろうと思います。
人それぞれ興味の対象は違うと思いますが、この際ですから、自転車で友人と集団走行するなどの、自転車走行そのものを楽しむ以外の楽しみ方も見つけてほしいものです。
Posted by cycleroad at April 27, 2020 21:42
 
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