推進する経済産業省は、廃棄物の削減、省資源、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの理由を挙げています。有料化すれば、マイバッグを持参する人が増え、レジ袋の利用が抑制されるという目論見でしょう。私も環境に配慮しようという目的意識は否定しません。海洋プラスチックごみも減らすべきです。
ただ、前にも少し書きましたが、レジ袋有料化がそうした目的に適うのかという点には疑問もあります。レジ袋は、家庭のゴミ袋として再利用する人が大多数という調査もあります。レジ袋を使わなくなれば、そのぶんゴミを入れるための新品のビニール袋が必要になるわけで、無駄な手間ですし、結局廃棄物は減りません。
省資源ということで言えば、エコバッグのほうがはるかに資源を消費するので、かえって逆効果という説もあります。レジ袋の原料はポリエチレンですが、原油を精製する過程でどうしても出来るので、それを使うのは、むしろ資源を上手に無駄なく利用することになります。
海洋プラスチックごみを減らす点でも疑問です。たしかに、レジ袋が捨てられて、川から海に到達すれば、プラスチックごみになるでしょう。しかし、多くはゴミ袋として焼却されるわけで、ポイ捨ての問題は、また別の話です。レジ袋以外にも弁当のパックとかプラスチックの容器など、ポイ捨てされるものはたくさんあります。
そもそも、海洋プラスチックごみに占める、レジ袋の割合は多くても2%程度と言われています。そのほかのプラスチックごみのほうが圧倒的に多いわけです。プラスチック製品は、私たちの身の回りに無数にありますし、98%を占める無数のプラスチック類や、漁具などのほうが問題です。
もちろん、レジ袋もプラスチックごみとして海洋に到達しているわけですから、それを減らしたほうがいいのは間違いありません。しかし、わずか2%のレジ袋ゴミを苦労して減らしても微々たるものです。それで減らした気になってしまうほうが弊害は大きいと言えるでしょう。
レジ袋をゴミ袋に使って焼却すれば、理屈としては温暖化させることになりますが、それはゴミ全体から言えば微々たる量であり、レジ袋がなければ、他のビニールのゴミ袋が使われるので、結局一緒です。その意味でも、温暖化防止になりそうで、なりません。
そもそも、レジ袋を使わなかったとしても、中に入れる商品のほうには、ビニール袋や、プラスチックの容器、発泡スチロールのトレーなどがふんだんに使われています。昔のように、鍋や釜を持って食材を買いに行くのでもなければ、プラスチック容器は減らせません。レジ袋だけ減らしても意味がないでしょう。
レジ袋の使用をなるべく削減すれば、地球環境への負荷を減らせるように思えますが、実際はほとんど役に立っていないというのが実態ではないでしょうか。つまり、レジ袋有料化は欺瞞であり、環境に優しいと思い込んだり、やった気になってしまうぶんだけかえって有害かも知れません。
ただ、私もエコバッグは使っています。よく考えれば、ほとんど効果は期待できないと思いますが、世の中の流れですし、一人逆らっていても周囲には理解されません。有料化されなくても、ずっと以前から習慣になっており、買い物にはエコバッグを持って行きます。
最初から買い物に行く時以外に、出先で急に買い物をする必要が生じることもあります。そこで、いつも持ち歩くバッグに、別にエコバッグが入れてあります。クルマにも別に載せてあります。もちろん無ければレジ袋を買ってもいいわけですが、一応、考えられるケースには、なるべく用意するようにしています。
私の場合、自転車に乗って出かけている時に、家人に買い物を頼まれることもあります。スマホを持って出ているのに、無視するわけにもいきません(笑)。また、何かの理由で荷物を運ぶ必要が生じる事もあるので、自転車用にもマイバッグを用意しています。愛車には前カゴも荷台もないので、そのままでは荷物を積めません。
少ない荷物、少しの距離なら、レジ袋をハンドルにひっかけても運べるでしょう。でも、やはり自転車の場合、レジ袋では運びにくいものがあります。そこで、小さく折りたためてコンパクトになるリュック型のバッグを携行するようにしています。
小さくたためるだけなら、いろいろなエコバッグが出ています。私が徒歩の時、ふだん使うバッグに入れてあるのも、小さくて邪魔にならないバッグです。同じものではありませんが、上の写真のような製品です。しかし、自転車の場合、手提げバッグは向きません。
そこで、同じものではありませんが、上の写真のような製品を使っています。やはり自転車には、コンパクトに折りたためて、広げると背負えるリュック型のバッグや、メッセンジャーバッグなどが重宝するでしょう。レジ袋を買う買わないではなく、イザ荷物を運ぶ必要が出来た時に便利です。
ふだんのアシにママチャリや、荷台のついたシティサイクルなどに乗っている人もあるでしょう。ママチャリの前カゴには、それなりに荷物が入ると思いますが、荷台は意外と荷物を載せにくいのではないでしょうか。そんな時には、“
BIKEZAC”のような商品もあります。
デンマークの、
COBAGS 社の製品で、日本でも手に入ります。荷台に取り付けて、自転車用のパニアバッグ、サイドバッグのように使えます。ただの取っ手がついているだけの袋では、意外に荷台に固定しにくいと思います。留め具をつけただけで、荷台にセットでき、自転車で運びやすくなっています。
私は使ったことがありませんが、レジかごにセットできるエコバッグで、背負うことも出来るバッグもあるようです。最初から自転車でスーパーに買い物に行く場合には重宝するかも知れません。ちなみに、宅配代行が使いそうな保冷や保温のできるリュックも売られています。
有料化の問題は別として、自転車とレジ袋の相性はいいとは言えません。ハンドルに下げるなどして乗るのは、重さや場合によっては危険でもあります。プラスチックごみ問題の解決にはならないとしても、自転車用のエコバッグは検討してもいいかも知れません。
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Posted by cycleroad at 13:00│
Comments(4)
こんばんは。
おっしゃる通り、レジ袋の有料化では何の解決にもなりません。
私は基本的に街中は車なので、買い物も車です。自転車で買い物することはまずありません。山形の街中は自転車を乗るには危険すぎるのです。
しかしながら、上尾に住んでいたころは、スーパーサイクルというママチャリを作ったことがあり、とっても便利でした。要するに、マイバスケットを積載できる自転車を作っただけですが・・・。マイバスケットを義務化すれば、詰め替えスペースが要らないのでメリットは大きいのです。
私も、ポケッタブルリュックを自転車のバッグに忍ばせています。
バッグの石油使用量について考えてみます。100均のエコバッグは、ブランド料がほぼなく、レジ袋も同様ですので、価格=原材料費+作成費用+輸送費用∝原油使用量と考えることが出来ます。100均のエコバッグが100円、レジ袋が0.1円とすると、1000回以上使ってやっとエコになります。途中で洗濯すると1回の洗濯で+10円(洗剤+水+電気)かかるとして、追加でさらに100回ほど使わないと、エコになりません(経済的にも、環境的にも)。マイバスケットだと、5000回くらいでイーブンでしょうか。どちらも、エコになる前に壊れてしまいそうです。
輪行菩薩さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
常に自転車で買い物に行く人は、自分なりの工夫をしているのだろうと思いますが、そうでない人、急に買い物をしたり、荷物を運ぶ必要が出た時に困るでしょうね。
レジ袋有料化は別として、荷物を運ぶ可能性のある人は対策しても良さそうです。
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、資源の有効利用という点でも疑問です。
何より、レジ袋だけやめて減らしたとしても、お弁当もパンもおにぎりも、菓子も総菜も、すべてプラスチックごみになる素材で包装されているわけです。
その点だけでも、レジ袋だけ減らすのは、ほとんど無意味で、わざわざ有料化して手間をかけるのは無駄だと思います。レジ袋が減ったぶんの多くは、専用のゴミ袋が増えるだけでしょう。このバカバカしさに気づけば、政府の欺瞞だと悟るのではないでしょうか。
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