このコロナ禍で、なるべく人間同士の接触を減らすことが求められた結果、オンラインが利用されるケースが増えました。仕事がテレワークになったという人も多いでしょう。これまでもなかったわけではありませんが、多くの職場で急遽オンラインが導入されました。
病院の院内感染を防ぐため、初診からのオンライン診療も認められましたし、総務省は特別定額給付金の申請のオンライン化を進めようとしました。営業活動をオンラインに入せざるを得なかった企業も多いでしょうし、各種のオンライン教育、オンライン授業・セミナーも急速に広がりました。
感染の懸念もあってリアルの店舗には行かず、ネットショップ、オンラインで購入する人も増えました。飲食物の宅配もオンラインで注文できます。オンライン飲み会をする人も増えましたし、いわゆる巣ごもり消費で、オンラインでの動画視聴なども大きく伸びました。
オンラインライブやフェス、スポーツなどの配信を楽しむ人が出てきましたし、ステイホームでオンラインゲームを遊ぶ時間も大きく増えたと言います。世界的なヒットとなっている任天堂の『あつまれ どうぶつの森』内で、友人や親せきを招待して、オンラインでの結婚式を開く人もいます。
友だちともリアルに会いづらいのでSNSの利用時間が増えた人も多かったでしょう。オンラインで楽しむ旅行を企画販売したり、オンラインで不動産の内覧が出来たり、オンラインのヨガ教室やフィットネスなど、これまでには考えられなかったようなオンラインの使い方も登場しています。
オンラインを使うことが増え、これでも十分なことに気づいた人も多かったはずです。一方、その弱点、不便さも明らかになってきました。例えばオンライン会議だと、プレゼンがやりにくかったり、場の空気が掴みづらかったり、個々の参加者とのコミュニケーションがとりづらいといった不満もあるようです。
そこで、オンラインをさらにVR、バーチャルリアリティーにしようという動きがあります。VRゴーグルを装着する必要はありますが、よりリアルに近くなります。例えばオンラインのツアーでも、画面で正面の景色しか見られないより、周囲を見回したりできれば、ぐっと現実に近づきます。
オンラインで、例えば不動産物件の内覧をするような場合でも、自分の目線で見たいところを見ることが出来ます。単にウェブ上で確認できるというのではなく、実際にその物件の中にいるような感覚になることで、単にオンラインの画面上で確認する以上のものが得られるはずです。
さて、自転車の世界でも一部でオンラインが増えました。コロナ禍で、公共交通機関を敬遠して自転車を使う人は世界的に急増したわけですが、感染防止の観点から、レースや練習での集団走行が出来なくなったという人もいます。そこで室内でトレーナーと、ZWIFT などを使ってレースや練習をする人たちがいます。
ロックダウンの時に、自転車での外出も禁止された街では、オンライン上で集まり、一緒に自転車で走行したり、仮想のレースや集団走行で楽しむ人が増えたと言われています。これも、言わばバーチャルのサイクリングではありますが、現実感に欠ける部分があるのは否めません。
室内でトレーナーにセットした自転車に乗り、パソコンやタブレット、またはテレビモニターなどを使い、基本的に前方の景色を見てペダルをこぎます。ここに、VRを使えないかと考えた人がいます。カナダはオンタリオ州キッチナーという街在住の、Izuchukwu Okongwu さんたちのチームです。
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Blync”と名付けられたシステムは、VRゴーグルを装着してトレーナーにセットした自転車に乗ります。従来のようにモニターでも使えますが、VRデバイスによって、よりリアルな走行感が得られます。左右に視線を向けたり、路面を見たり上を見上げたりすれば、その動きに応じて景色が変わるようになっています。
VRゴーグルのほかに、もう一つ重要なアイテムがあります。それは、“Path Sensor”と呼ばれるパーツです。これは自転車をトレーナーにセットする時、前輪を載せる部品です。普通のトレーナーにセットされている部品と違って、これはタイヤの動きを検知するセンサーになっています。
つまり、ハンドルを切ると、そちらの方向へ景色が変わります。視線の動きはVRゴーグルで検知しますが、自転車の動きによっても景色を動かそうというわけです。これによって、仮想空間での自転車走行が、よりリアルになるに違いありません。
VRゴーグルは見る方向が変わるだけですが、このセンサーでハンドルの角度を検知することで、進行方向が変わります。例えば分かれ道で、左に行くか右に行くか、選ぶようなこともできるわけです。今までのように決まったコースを走るだけではなくなります。
現実の景色ではなく、ゲームの世界のような空想の空間を走行し、道を選んで探検するようなことも可能になるわけです。これは面白そうです。自転車を使って、ロールプレイングゲームをするようなことも可能になるでしょう。( ↓ 下の動画参照。) 単にトレーニングとして乗るのとは違い、モチベーションも上がるに違いありません。
いわゆる一人称視点、自分が見る景色以外に、後方視点に切り替えることも出来ます。ゲーム感覚で乗るには、こちらのほうがいいという人もあるでしょう。その場合はアバターが自転車をこいでいる形になります。ゲーム感覚で室内での自転車が楽しめ、子どもも喜びそうです。
これは、なかなか面白い発想です。自分の自転車と、市販のトレーナーと市販のVRゴーグルを使います。製品としては“Path Sensor”と、トレーナーに取り付けるスピードセンサー、専用のアプリへのアクセス権だけです。これならば、市販のトレーナーやVRゴーグルを持っている人は余計なものを買わなくてすみます。
本当にリアルにするなら、ハンドルを切るのではなく、車体を傾けて曲がりたいところですが、トレーナーとセンサーも大がかりになりそうですし、そこは今後の進化に期待しましょう。今のシステムならば、価格もリーズナブルです。現在
クラウドファンディングで資金調達しています。
自転車を室内に持ち込み、トレーナーにセットして室内でペダリングするなんて、一部の自転車マニアだけの話でした。主に雨天時などのトレーニング用です。それが近年、ペダリングと連動させたアプリを使い、ネットに接続することで、トレーニングのモチベーションにする人も増えてきました。
この“
Blync”のようなシステムが普及するならば、さらに室内で自転車に乗る人が増えていくかも知れません。もはやトレーニングとしてでなく、バーチャルな走行を楽しむものとなり、自転車は一種のコントローラー、ゲーム端末として発達していく可能性もありそうです。
これまでにも増して、今年は何かの手段としてオンラインを選ぶことが増え、外出や移動が少なくなっています。もちろん自転車は基本的にどこかへ移動する手段ですが、VRが普及していくならば、単に走るだけの場合には、屋外に出る必要がなくなっていくのかも知れません。
VRがリアルになり、前方に扇風機を置いて制御するようにでもなれば、現実と見分けがつかなくなっていきそうです。未来は、室内で自転車に乗るのは当たり前になる可能性もあります。もちろん、室内だけでは味気ないですし、私は外に出たいと思いますが、VR技術がさらに進化していくのは間違いないでしょう。
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お盆で検査数が少ないためか増加のペースは落ちていますが、休み明けに急増するかも知れず、死者は7月より増えているそうです。政府が無策に見えますが、せめて病院や保健所の体制強化・財政支援をしてほしいです。
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Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。
Posted by cycleroad at 13:00│
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