サイクルロード 〜自転車への道
世界の都市で自転車が選ばれ始めている。さまざまな角度から自転車の話題を。
October 04, 2020
時代に応じて定番も改良する
定番と言われる自転車用品があります。
自転車に乗る時に使う、自転車本体以外の定番グッズと言えば、ヘルメット、ライト類、インフレーターやボンベ、パンク修理キット、工具、サイクルコンピュータ、各種の自転車用バッグといったところになるでしょうか。それぞれ、もはや定番と言うべき商品として売られています。
自転車用のバッグには、バックパック、メッセンジャーバッグ、サコッシュなどの身につけるバッグ以外に、自転車に取り付けて使うタイプもあります。サドルバッグ、フロントバッグ、フレームバッグ、パニアバッグといったあたりが定番と言えるでしょう。
何を使うかは時と場合、好みによって変わるにせよ、バッグを使う人は多いと思います。自転車に乗る時には、なるべく荷物を持たないようにする人は多いでしょうが、近所を一回りして帰ってくるだけならともかく、その時々で、どうしても携行せざるを得ないものもあるはずです。
ヘルメット、サングラス、グローブなど身につける物は別として、最小限にしようとしてもスマートフォン、サイフまたは小銭、家のカギ、といった身の回り品は持って行くと思います。場合によっては、パンク修理キットと替えのチューブ、工具、どこかで駐輪するなら各種のロックなども必要になるでしょう。
ツーリングなど一日を通して出かけるならば、携行食も欲しいですし、雨具を持参するかも知れません。ライト類も持参していないと、何かの理由で遅くなった時に困ります。必要最小限にしたいと思っても、意外に荷物があるものです。サイクルジャージの背中のポケットでは入りきらない量です。
そんな身の回りの最低限の荷物を入れて持って行ける、定番のバッグと言えば、フロントバッグやサドルバッグになると思います。メーカー各社から、いろいろなタイプが出ていますが、既存のフロントバッグには、どうしても満足出来なかった人がいます。
アメリカはロードアイランド州、プロビデンスというところに住む工業デザイナー、Justin Sirotin さんです。彼は2年間試行錯誤を繰り返し、自分が使いたいと思えるフロントバッグ、またはハンドルバーバッグと呼ばれるバッグを完成させ、“
RouteWerks
”というブランドを立ち上げました。
ロードバイクに取り付けられるサイズで、見た目は普通です。しかし、いろいろな機能が盛り込まれています。まず、走行中に片手で開けて、中身を素早く取り出すことが出来ます。一番の特徴は、フロントバッグのフタの部分に、各種のデバイスをマウントできるところでしょう。
動画を見ていただければ一目瞭然ですが、ハンドルバーバッグのトップ部分に、アタッチメントを取り付けたスマートフォン、サイコン、GPSロガー、動画撮影用カメラ、ドライブレコーダーといったアイテムを片手で簡単に取り付けることが出来ます。
今どきは、こうした電子機器が増えており、ハンドルバーに直接取り付けようにもスペースが足りなくなっている人も多いと思います。このバッグなら、必要な時に取り出し、すぐに取り付けて使うことが出来ます。言われてみれば、なるほどと思うシンプルなアイディアですが、これまでにない便利な機能と言えるでしょう。
ハンドルバーバッグ自体、ワンタッチで着脱が可能で、そのまま持ち歩くことが出来ます。貴重品などを入れることになると思うので、この点も便利です。さらにバッグのサイド部分には、別途ライトやベルなどを取り付けることも出来ます。サイドポケットもあります。
トップにはバンジーコード(ショックコード)がついており、ちょっとしたものを挟んでおくことも出来ます。バッグの内部にもポケットなどが配置され、こまごましたものも効率よく収納できるよう工夫されています。本体にはリフレクターも付いています。
耐荷重は4キロで、バッグ自体を取り外して持ち歩く時用に、ショルダーストラップも付属しています。オーストラリアの、QuadLock とも連携しており、一緒に組み合わせて使うことも可能です。このバッグ一つあれば、身の回り品は、ほぼ携行出来るのではないでしょうか。
従来のハンドルバーバッグのトップ部分にはマップケースがついていて、紙の地図を挟んで道案内にするタイプもあります。いまや紙の地図に、せっかくの貴重なスペースを占有させるより、必要な機器を必要に応じて固定出来たほうが便利です。この部分をダッシュボードと呼んでいます。
実用的なアイディア、オーソドックスな工夫であり、昨今見かけるようなIT系の派手なアイテムではありません。しかし、
クラウドファンディングサイト
では早々に目標をクリアし、現時点で3倍以上の金額に到達しています。地味と言えば地味ですが、一方でわかりやすく、使いやすそうな製品と言えるでしょう。
自転車用品で定番と呼ばれるものは少なくありません。改良や淘汰され続け、もはや工夫も出尽くして、これ以上変わらない、熟成した製品も多いでしょう。しかし、時代が変わればニーズやスタイルも変わります。今後、定番商品にも改良の余地がどんどん出てくるのかも知れません。
◇ ◇ ◇
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Posted by cycleroad at 13:00│
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