ふだん、文化的な活動とは縁遠い私のような人間が年に一度、文化を意識する日と言っても過言ではないでしょう(笑)。そのような私が言うのも、甚だおこがましいわけですが、芸術の秋でもありますし、たまには何か文化的な活動をしてみてもいいかも知れません。
文化的活動と言ってもいろいろあります。絵画や彫刻といった芸術だけでなく、音楽や書画・骨董、園芸や生け花、哲学や宗教、科学や歴史、演劇やダンス、映画鑑賞から読書、あるいはサブカルチャーと呼ばれるようなものまで含めれば、たくさんの選択肢があります。

今年はコロナ禍のせいで、音楽や演劇、美術鑑賞などにも大きな影響がありました。ライブハウスや劇場、美術館などが閉鎖され、一般の人の趣味の集まりなどでも三密になりかねないため、オンラインで行う新しい形が模索されたりしているようです。
外出自粛を強いられた結果、新しい趣味として文化的な活動を始めた人も多かったのではないでしょうか。三密を避けるため、アウトドアの活動をする人も増えました。キャンプや釣りなどがブームだと言います。もちろん家で動画鑑賞したり、料理をしたり、庭やベランダで菜園・園芸を始めた人も少なくなかったようです。
ブームと言えば、「鬼滅の刃」の人気がとどまるところを知りません。「どうぶつの森」などのゲームが世界的なヒットとなったのもそうですが、今年ならではの事情が指摘されています。もちろん、流行りのものでなく、詩を書いたり、楽器を習得したり、絵を描いたり、写経を始めたりといった人もあったに違いありません。
なかなか、きっかけがないと始められないものも多いと思います。しかし、やってみると新鮮だったり、予想外にのめり込んだり、時間が経つのを忘れて集中するなど、リフレッシュやストレス解消になることも多かったりします。あまりピンと来ないものでも、試してみる価値はあります。
ふだん、現代人は仕事や勉強などで、左脳ばかりを使っていると言われています。左脳、つまり言語を使って考えたり、行う作業がほとんどでしょう。一方、例えば絵を描いている時には、言葉で考えていないことが多いと思います。空間認知や感性を司る右脳を使っているからです。

このことが、脳内であれこれ言語で考えない時間を創り出し、リフレッシュやストレス解消につながるようです。気づいたら夢中になっていたり、時間が経つのを忘れて集中するのも、言語を使わないのが理由の一つだそうです。頭がからっぽになる感覚があったりします。
私たちは普段、特に意識していなくても、気づくと常に何かを考えています。いろいろな説がありますが、1日に7万回とか9万回考えているそうです。しかもその多くはネガティブなものであり、昔のことを思い出して後悔したり、クヨクヨしたり、無駄なことを考えていると言います。脳も疲れるわけです。
それが芸術活動などをしている間、頭を空っぽにして集中し、くだらないことを考えなくて済むとしたら、それだけでも有意義なことと言えるかも知れません。リフレッシュ出来ます。こんなことを書いてることを含めて、このブログも理屈っぽい話が多いわけですが(笑)、今回は右脳を使うことを考えてみたいと思います。
たまには何かアート作品を創ろうと思って、例えば絵を描いたりしても、自分の下手さ、才能のなさにガッカリすることも多いのではないでしょうか。アートに上手い下手は無いとしても、モチベーションが著しく下がり、現実に引き戻されたりすることも多いでしょう。
絵は、やはりテクニックの部分が影響しそうです。でも、何か造形作品を創るならば、必ずしもテクニックを必要とせず、直感とか感性でも、それなりのものが制作でき、作業中も夢中になれる可能性があります。やり方はいろいろあると思いますが、何か特定のものを材料にして作品を創るという手があります。



例えば自転車の部品です。サイクリストなら、家に交換したチェーンやスプロケットが転がっていたりするでしょう。燃えないゴミの日に出さないで、なんとなくストックされたりしてるかも知れません。これを使って、何か作品を制作してみるのも一興でしょう。
チェーンの曲げ方とか、スプロケットの配置や組み合わせならば、それほど巧拙の差は出ないと思います。途中で自分の下手さに気持ちが萎えることもない点で、このことは重要です。どのように作品に仕上げるかについては、アメリカ・アイオワ州を拠点に活動する、
Drew Evans さんの作品が参考になるでしょう。



彼の工房は、その名も、“
CHAINBREAKER STUDIO”です。何を材料にしてもいいのですが、チェーンやスプロケットなどが中心です。もちろん、彼のように溶接を使うのはハードルが高いので、接着剤を使うなど、いろいろやり方はあると思います。彼が溶接を使うのは、加熱すると色とりどりの表情が出せるからだそうです。
お察しの通り、Drew Evans さんは自転車の整備の仕事をしています。彼の場合、身近に自転車部品の廃材がたくさんあるわけです。もちろん、アート作品を制作するのに、自転車部品である必要は全くありません。ただ、家にある雑多なガラクタだと、小学生の工作のようになりがちです。



遠くから見ると美しい造形だけど、近くに寄って見たら、全部チェーンで出来ていたとなれば、それなりに感心しするでしょう。テーマを自由に設定でき、なんでも表現できる点で、何か同じものをたくさん使って、アート作品を制作するというのは、おすすめかも知れません。
自転車ブログなので、自転車との関連でチェーンを使うアーティストを取り上げていますが、サイクリストであっても、必ずしも自転車パーツにこだわる必要は全くありません。身の回りのもので試したり、素材を考えるところから始めてもいいでしょう。




素人なのですから、人に見せる必要もなく、自由に挑戦できます。極端なことを言えば、プラモデルでもフィギュア制作でも構わないでしょう。自分が楽しいと思うジャンル、素材、方法で構いません。何でもアリです。それで、少しでも熱中できて、頭が空っぽに出来れば言うことありません。
最近は瞑想、マインドフルネスやヨガなどをする人も増えているようです。アート制作とは違いますが、頭を空っぽにする、なる、という点で共通する部分がありそうです。何をやってもいいわけですが、この秋を何かに挑戦する機会にしてみるのもいいかも知れません。
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いよいよ世界が注目するアメリカ大統領選です。私は大方の予想に反しトランプ大統領が再選される気がします。
Posted by cycleroad at 13:00│
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