愛車を室内でこぐのは趣味のサイクリストに限られると思いますが、エアロバイクを室内でこぐというスタイルもあります。これまでもトレーニングジムへ行き、エアロバイクで汗を流す人は多かったわけですが、自宅用にエアロバイクを購入する人は限定的でした。それが、いまや流行とも言うべき拡大をしています。
特にアメリカでは、“
Peloton”の存在が大きいと言えるでしょう。2012年にフィットネス関連のスタートアップとして創業した若い企業ですが、今やアップルやネットフリックス、テスラなどに比肩するほどの知名度、ブランド価値を持つと言われるほど注目され、急成長している会社です。
自宅でフィットネスする人に専用のエアロバイクを販売し、オンラインでエクササイズを配信するというサービスです。専用のアプリで、ライブでは同時に多くの人が受講します。エアロバイクの回転数や抵抗値等のデータがやり取りされ、参加者が順位を競い合ったり、コミュニケーションをとったりできます。
カリスマインストラクターのライプクラスともなると、全米から数千人レベルの人が同時にアクセスします。もちろん、自分の都合に合わせてストリーミングでのトレーニングも出来ます。こうしたコンテンツが受講者にとって大きなモチベーションとなり、運動習慣が持続するわけです。( ↓ 動画を参照)
月額制のサブスクリプションサービスですが、解約率が非常に低く、同社の発表で月に1%にも満たないと言うのには驚きます。エアロバイク以外にランニング用のトレッドミルなどもありますが、いまや“Peloton”というのは、自宅でフィットネスをするという『動詞』として通用するくらい、大流行のサービスとなっています。
去年までもそうですが、今年のコロナにより、さらに大きく利用者を増やしたようです。トレーニングジムが閉鎖になったり、テレワークで自宅にいながらのフィットネス需要が増えたのは想像に難くありません。カリフォルニア州の山火事による大気汚染で、外出できなかったことも要因にあったようです。
この人気で、自宅だけでなく、逆にフィットネスジムに“Peloton”を導入したり、ホテルなどに“Peloton”のエアロバイクを置いたりする動きも広がっていると言います。フィットネスとしてペダルをこぐというスタイルが広がっているのは間違いようです。
コロナ禍では、競技としてロードバイクに乗る人などは、大会や練習としての集団走行が出来なくなりました。そこで、“Zwift”とエアロバイクを使って、オンラインで競技をするような人も急増しました。テレワークなどもそうですが、オンラインで出来ることに気がついた、意識されたということもあるのでしょう。
この室内フィットネス市場での“Peloton”の成功には、他の企業も注目しています。類似のサービスや製品を展開している競合企業も増えているようです。Echelon、Bowflex、Myx Fitness、NordicTrack、Nautilus、ProForm、BCAN、Breakaway など、たくさん見つかります。
Apple は独自のウェアラブル端末、アップルWatch を使って“Apple Fitness+”というサービスを展開する予定にしていますが、これも同様のサービス展開を視野に入れている可能性があります。Apple ブランドの次の端末として、Apple エアロバイクが発売されても不思議ではありません。
ちなみに、アメリカのフィットネス市場は日本の7倍以上あり、急速に拡大しています。これまでのように、製品を売って終わりでなく、月額制のサービスを売りたいと考える企業は増えており、例えば、Amazon など、異業種の企業が参入する可能性も十分にあるように思えます。
“Peloton”以外でも、エアロバイクを売りだす会社は増えています。自宅でエアロバイクをこぐと言っても、使っていない時は邪魔です。コンパクトになって収納出来たり、気分を換えるために、持ち運んで設置できたら便利ということもあるでしょう。日本でもたくさんの機器が売られています。
単にペダリングするのに飽き足らず、もっとリアルな動きの再現を目指すものもあります。たしかに、ハンドルもサドルも固定されていては、実際の走行と比べて不自然です。もっとリアルになればバーチャルな走行が、よりリアルになり、モチベーションも上がるでしょう。
忙しいので、何かをやりながらフィットネスをしたいというニーズもあるでしょう。トレーナーにデスクをセットしたり、テーブルの下で出来るようにコンパクトにしたものなどもあります。長くこぐとお尻が痛くなるという人には、リカンベント型もいいかも知れません。
上体もトレーニング出来るようなものもあります。なかには、古典的なペニーファージングと呼ばれる自転車をエアロバイクにしたユニークなものまであります。ここに挙げたものは一部であり、挙げればキリがないほどの製品が流通し始めています。それだけ市場が拡大しているということなのでしょう。
コロナでのステイホームも追い風になっています。コロナが働き方や、世の中のいろいろなものを変えると言われています。コロナ禍で、通勤や移動、運動不足解消に自転車を活用する人が増えましたが、インドアでペダリングする人も増やして行くのかも知れません。
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GOTOは一度停止すべきとの声が多い中、頑なに止めようとしない菅首相、観光業界のドン・二階幹事長に気を使っているのでしょうか。専門家は、高齢者ではなく感染を広げている若者を止めるべきだと間違いも指摘しています。経済を回そうにも感染拡大しては逆効果です。移動は即刻止めて直接給付などに切り替えるべきでしょう。
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Posted by cycleroad at 13:00│
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