サイクルロード 〜自転車への道
世界の都市で自転車が選ばれ始めている。さまざまな角度から自転車の話題を。
February 22, 2021
新発想と新技術が生む新製品
前回はヘルメットについて取り上げました。
既存の製品に飽き足らず、新しい製品の開発を続ける人たちがいました。ヘルメットで夜間の視認性を向上させようとする点が共通していました。しかし、ヘルメットの改良は視認性だけに限りません。もっと違う観点から新しいことを考えている人たちもいます。
こちら、“
FEND(FOLDING)HELMET
”は、折りたたみヘルメットです。自転車から降りた後のヘルメットの持ち運びに不便を感じている人は多いはずです。これは折りたたむことで、幅は半分ほど、体積は1/3ほどになるので、バッグなどにも入れやすく、邪魔にならないのが特徴です。
すでに、いくつか折りたたみ式のヘルメットはありますが、この製品はアメリカのCPSCや、ヨーロッパのEN1078という安全基準の両方を満たし、性能的にも通常のヘルメットと変わらない安全性を実現しました。“Red Dot Design Award”や“Edison Award”といった賞も受賞しています。
当初のデザインを見直し、蛇腹のような折り目構造をやめ、よりシンプルで安全性の高い構造にするなどの改良を行いました。ABSシェルや軽量ポリカーボネート、高衝撃吸収性のEPSコアなど素材を厳選し、調整可能なストラップやダイヤル式のフィットシステムを採用するなど、機能性にも配慮しています。
ヘルメットをかぶるスポーツは自転車だけではありません。夏は自転車、冬はウィンタースポーツという人もあるでしょう。こちら“
Bridger
”は、1つのヘルメットでいろいろな使い方が出来るように、モジュラー型という新しいスタイルを生み出しました。
シェルのパーツを交換することで、寒い時用の断熱材の入ったヘルメットにしたり、暑い時向けの通気性の良いヘルメットにすることも出来ます。自転車に乗るにもシーズンで切り替えられますし、夏のサイクリング、冬のスノースポーツと、一年中使うことも可能になります。
衝撃性能などの安全性だけでなく、人間工学に基づいたイヤーパッド、フィットシステム、ストラップ、磁気バックルなどの部分にも工夫がこらされています。シェルを交換するのに工具などは必要ありません。なるほど、これも新しい発想と言えるでしょう。
“
IWIND
”は、ヘルメットに装着する空気清浄機、パーソナルエアフィルターです。鼻と口元を覆うガスマスクのようなタイプだと、どうしても邪魔ですし、運動をするのに呼吸が苦しくなってしまいがちです。これは口元を密閉することなく、新鮮でキレイな空気が吸えるようになっています。
大気汚染と言うと、日本人は中国やインドなどを思い浮かべますが、実はヨーロッパなどでも深刻な問題となっています。ディーゼル車の割合が高いため、PM2.5などによる大気汚染により、EU域内で年間50万人も早死にしていると報じられています。こういう機器が考案されても不思議ではありません。
マスク型がいい人には、拡張キットもあります。必要な場合には、温風を出したり、空気を加湿する機能もあります。自転車用のヘルメットなら、通気のために何らかの穴があいていますので、それを利用してどんなタイプのヘルメットにも装着出来るようになっています。(残念ながら資金調達には失敗しています。)
こちら、“
Voronoi Bicycle Helmet
”は、遠目からだと毛糸の帽子のようにも見える不思議な外観ですが、新しい発想のヘルメットです。一般的なものとは逆に、外側のメッシュ状の部分が衝撃を吸収し、内側にあるカーボンファイバー製の部分が頭蓋骨を保護する役割を果たしています。
この外殻部分は、動物の骨の構造や亀の甲羅などに見られるボロノイパターンを模倣しています。この構造により軽量性と高い衝撃吸収性を両立させているのです。外から力が加わった場合に、より優れた安定性で、従来の一般的な製品よりも、高い保護性能が期待出来ると言います。
パラメトリック技術と生体工学を組み合わせることで、より高効率で力を分散させるのだそうです。一般的なヘルメットの武骨なデザインと比べて、個性的なシルエットで、見た目的にも柔らかな印象を与えます。普段着にも合わせやすいなど、ファッション性も評価されそうです。
◇ ◇ ◇
自転車のヘルメットと言えば、定番の自転車用品です。デザインやブランドの面を除けば、基本的な部分は枯れた技術でコモディティ化した製品、どのメーカーのものを買っても大差がない、価格でしか差別化できないようなアイテムのように見えますが、必ずしもそうではありません。
さらに、もっと根本的な部分での革新性や機能、大きな性能差、あるいはこれまでにない役割を持たせようと考える人たちもいます。それが万人受けするかどうか、広く普及するかは別として、これまでにない、アッと驚くようなヘルメット、自転車用品が登場してくる可能性はありそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
ワクチン接種を希望する人の割合が増えているようです。1年足らずと急に出来たように見えますが、mRNAの基礎研究は10年前から進められていますし、副反応は他と同じレベル、効果は非常に高く発症や重症化を防ぐなど、私もメリットがはるかに上回ると考えています。なるべく早く打って普通に友人と飲みに行きたいものです(笑)。
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Posted by cycleroad at 13:00│
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