当然ながら盗難防止のために、頑丈なチェーン錠やU字錠などを使うと思いますが、相手は最初から盗もうとしている窃盗犯です。大型の油圧カッター、電動のグラインダー、あるいはピッキングツールなど、プロが使うような工具で狙ってきます。わずかな時間で切断されても不思議ではありません。
このブログでもいろいろ取り上げていますが、なんとか盗難を防ごうと新しいロックが次々と開発されています。例えば、こちらは“
LITELOK CORE”、比類なきコアの強度と柔軟性、使いやすさを追求した革新的ロックという触れ込みです。クラウドファンディングで既に目標額の4倍を超える金額が集まっています。
こうした新たなロックは次々と開発されるものの、いたちごっこなのは否めないでしょう。強力なロックが使われるようになれば、それに応じて窃盗の手段も進化し、相変わらず盗まれます。絶対安心というロックは無いのが現実です。あとは、少しでも盗難されにくい状況を心がけるしかないでしょう。
頑丈な構築物などに固定するのはもちろん、複数のロックを使って、少しでも時間を取らせるのも有効とされています。周囲の人目につきやすい場所に駐輪するとか、管理人のいる駐輪場を使う、防犯カメラが設置されていて、映る場所にとめるのも一案でしょう。
ただ、例えば勤務先のビルの専用駐輪場など、一般に知られていない場所、人が入って来にくい場所などでも、かえって油断してしまうのか、狙われる事例もあるようです。高価なスポーツバイクが多いため、犯人にしてみれば選び放題、時間さえかけなければ犯行は容易ということもあるのでしょう。
実際にあった話ですが、屋根のついた部屋になっている自転車置き場で、ドアに鍵がかかる駐輪施設があったそうです。レンガの壁の穴は通気性を確保し、暑い夏でも風が通って快適そうですが、これがセキュリティ上も穴でした。ウソのような話ですが、こんな事例も無いとは限りません。
頑丈な構築物などに固定したつもりでも、実はその構築物を固定しているボルトが、工具を使えば簡単に緩められたりします。ロックではなく、構築物のほうが切断しやすい場合もあるので、よく確認すべきです。ちなみに、ロックで施錠する場合、その位置が高いほうがいいと言われています。
例えば頑丈な電信柱に固定したとします。でも、使ったロックが地面に接していれば、犯人はカッターなり、グラインダーが使いやすくなります。力が入れやすいからです。これが空中、地面から離れている場合には、力を入れにくかったり、工具が使いにくいため、犯行を敬遠する可能性が上がると言われています。
(左は、地面に固定しているボルトが簡単に外せてしまう。右は論外(笑)。)
自転車の盗難保険に加入しておくという手もあります。ただ、掛けられる保険金額の上限が限られていて、購入金額に見合わなかったりします。保険金が満額おりても、原状回復にならないわけです。掛けられても保険料が高くてリスクに見合わない場合もあるでしょうし、そのへんは考えどころです。
盗難を完全に防ぐことは出来ないとしても、もし盗まれた時、発見する可能性を残しておくことも考えられます。製造番号やパーツの型番、防犯登録の番号などを控えておいたり、写真に撮って保存しておくのです。直近の愛車の写真を各方向から撮影しておき、傷や特徴のある汚れなどを記録しておくのもいいでしょう。
それが役に立つとは限りませんが、最近はネットオークションやフリマアプリなどを使って売りさばこうとする事例も少なくないようです。そのような場合、傷の形などで自分の愛車だと特定できる可能性があります。警察に被害届を出すのにも役立つかも知れません。盗まれる前に撮影しておいて損はないと思います。
最近、増えてきている盗難防止グッズを使う手もあります。例えば、こちら“
SHIELD”は単なるテールランプのように見えますが、それだけではありません。首を動かすことでウィンカーが点灯したり、減速するとセンサーによって点灯するストップランプ、ブレーキライトでもあります。
さらに駐輪した際には盗難防止アラームとして機能します。誰かが自転車を動かそうとした場合、110デシベルという大音量のアラームが鳴ります。警報は手元のアプリにも届くようになっており、盗まれてしまった場合には、場所を探す機能もついています。
自転車生活のリスクは、ほかにもあります。例えば、最近は電動アシスト自転車の販売が伸びています。海外、例えば自転車王国として知られるオランダでも、2020年に販売された自転車の約半分は電動アシストと電動自転車でした。急速に普及しています。
当然ながら、バッテリーの充電が必要になります。オーストラリア・シドニーで今月起きた火災の原因は、電動自転車のバッテリーでした。一晩中充電されたままだったと言います。バッテリーパックだけを持ち帰って、家の中で充電するタイプでも、夜中に発火する可能性が無いとは言えません。
バッテリーの発火というと、スマホやスマホの予備のバッテリーが発火して火傷を負うなどの事例がよく報じられますが、電動アシスト自転車のバッテリーも同じことが起きかねません。あまり報じられませんが、日本でも自転車用のバッテリーが発火する事故が発生しています。
パナの電動自転車で発火など事故37件 バッテリー34万6千個無料交換
パナソニックは21日、電動アシスト自転車用のバッテリーが発火する恐れがあるとして、平成24年10月から26年12月にかけて製造した34万6291個のバッテリーを無料で交換すると発表した。
同社が電動自転車用バッテリーを交換するのは、27年7月と28年9月に計6万2856個の回収を発表して以来となる。
回収対象のバッテリーで、27年11月から今年2月までにケースが溶けるなど計37件の事故が確認され、このうち16件が周囲を焼くなどした。利用者がけがをするなどの人的被害の報告はない。同社によると、原因はバッテリーパックの設計ミスで、内部の空気に含まれる水分の影響でショートを起こしたとみられる。
回収対象の内訳は自転車に搭載して販売したものが約31万6千個、交換用が約3万個。品番は最初の「NKY」と末尾3字の「B02」が同じで、間に「449」から「514」まで21種類の数字が入る。
問い合わせはフリーダイヤル0120・870・355。5月20日までは毎日午前9時から午後9時まで受け付け、その後は受付時間などを短縮する。同社ホームページでも受け付ける。(2020.4.21 産経新聞)
もちろん、なんでも発火するわけではありませんが、最近は電動アシストが増えたことによって火災という可能性も加わったことになります。身近にバッテリーが使われる製品は増えており、電動アシスト自転車ばかりのリスクではありませんが、相対的に出力・容量も大きいので注意が必要でしょう。
事故もそうですが、盗難や火災など、起こり得る被害やそのリスクが予想できることに対しては、対策をしたり、備えておいて損はないでしょう。あまり起こる確率は高くないと、どうしても慣れてしまって油断しがちですが、起きてしまった時には、まさに後悔先に立たず、被害に遭ってからでは遅いのも間違いありません。
◇ 日々の雑感 ◇
河井克行被告がここまで辞職を引っ張ったのは自民党の選挙の都合としか思えません。それを他人事のように他山の石と言う二階幹事長、マスクいつまで?発言の麻生大臣、自民党は国民の目など気にしないのでしょう。
Posted by cycleroad at 13:00│
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