April 29, 2021

電動アシスト自転車の浸食性

電動アシスト自転車が伸びています。


日本でも売れていますが、世界的に売り上げが拡大しています。海外では国によって規制が違い、電動だけでも走る、e-Bikeも含まれますが、欧米だけでなくアジアなどでも軒並み伸びているようです。例えば、自転車先進国と言われるオランダでも、2020年に販売された自転車の約半分を占めるまでになっています。



オランダ最大で最も有名な自転車メーカーは、“Gazelleです。1892年創業と歴史があり、ヨーロッパ全体でも、ブランド調査で最も信頼できる自転車ブランドに選ばれるような伝統的な自転車メーカーですが、今や当然のように、e-Bike のラインナップを増やしています。( ↑ 動画参照)



オランダのメーカーでは、“VanMoof”のような電動自転車専業の新興ブランドも人気を集めています( ↑ 動画参照)。イギリスの“BROMPTON”は、多くのファンを持つ伝統的なフォールディングバイク、折りたたみ自転車のメーカーですが、4年ほど前から“BROMPTON ELECTRIC”を展開しています。( ↓ 動画参照)



Ampler Bikes”は、最近電子政府で有名なエストニアの新興メーカーです。スタイリッシュでオーソドックスな自転車に見えますが、全て電動アシスト自転車です。形からそれとわからないようなデザインのモデルを展開しており、都市の通勤者向けの軽量な電動自転車として人気を集めています。( ↓ 動画参照)

AmplerAmpler



ロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツバイクにも、電動アシスト機構を搭載したモデルが多数登場していることは、これまでにも取り上げてきました。もはや電動アシスト自転車というカテゴリー、1ジャンルではなくなり、全てのカテゴリーに、電動と非電動のモデルが用意されているような形になりつつあります。

AmplerAmpler

自転車本体だけではありません。デンマークのメーカー、“Biomega”は、電動アシストのトレイラー、“EIN”をラインナップに加えました。荷物を運ぶだけでなく、子ども2人を乗せられるキッズトレイラーとしても使えます。普通の自転車に簡単に着脱でき、牽引することができます。( ↓ 動画参照)



自動で速度や状態を検知し、適切にアシストするのでスムースに走行出来ます。世界初のインテリジェントな電動アシスト・トレイラーだとしています。ヨーロッパでは電動アシストのカーゴバイクも増えていますが、必要に応じて着脱できるのがトレイラーの利点です。トレイラーもこれからは電動アシストになっていくのでしょう。

TorpedoTorpedo

Kent”はアメリカの自転車メーカーで、たくさんのブランドでさまざまなタイプの自転車を販売しています。“Kent Torpedo”は、電動アシストのキッズバイクです。子どもの頃から電動アシストでなくていいのではと思ってしまいますが、子どもでも今や電動アシストに乗る時代なのでしょう。( ↓ 動画参照)



さらに低年齢、幼児向けのキックバイク、あるいはバランスバイクと呼ばれるようなペダルのない自転車にも、電動アシスト式が登場しています。キックバイクは、自転車に乗れない幼児が自転車に乗る練習をするのに使われる自転車です。ペダルはなく、地面を蹴って進みます。

TeslyarTeslyar

今の大人の多くは、子供のころ自転車に乗れるようになるため、親に後ろを支えてもらいながらペダルをこぐ練習をした記憶があるのではないでしょうか。なかなか真っ直ぐに進むことが出来ず、ころんでヒザを擦りむきながら練習した思い出があるかも知れません。

今は、キックバイクとかバランスバイクと呼ばれる幼児用のペダルのない自転車で練習するのが主流になってきています。これにまたがり、足で蹴って進みます。これなら親が支えたりする必要はなく、自分だけでも乗ることが出来るでしょう。

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足で蹴って進んでいるうちに、徐々に足を浮かせた状態でもバランスが取れるようになります。自転車の基本であるバランス感覚、スピードが出るほど安定する感覚が早く身につくことになります。頃合いを見てペダルをつける、あるいはペダルの付いた自転車に乗り換えるわけです。

従来の補助輪による方法と比べ、きわめて早い期間、中には1日で自転車に乗れるようになる子どももいるそうです。なるほど、この方法のほうが上達が早そうなのは想像がつきます。今の大人世代にすれば、転んでヒザを擦りむきながら、ずいぶん苦労して自転車に乗れるようになったのは何だったのだろうという感じでしょうか。



このバランスバイクにも、e-Bike というわけです。見た目は、子どもが喜びそうなオートバイ風だったり、クラシック風だったりしますが、これは足で蹴る必要すらありません。ユニークなのは、親が持つためのリモコンが用意されていて、遠隔でブレーキをかけられるようになっています。これなら暴走することなく安心です。( ↑ 動画参照)

もはや、自転車はことごとく電動になりそうな感があります。もちろん、非電動の自転車も無くならないと思いますが、スポーツとして乗る以外では、少しでもラクを求めて電動ということになるのでしょう。メーカーも利幅が増えます。将来の自転車は電動が普通で、人力だけの自転車は少数派になってしまうのかも知れません。




◇ 日々の雑感 ◇

政府が東京と大阪に自衛隊が高齢者にワクチン接種をする会場を設置するようです。しかし最大1日1万の目標に達しても両会場で対象者の2.5%足らず、わざわざ近隣から高齢者を呼び寄せるのも疑問です。米英は街の薬局から球場、教会まで使ってボランティアが接種しています。もっと抜本的、大規模な接種促進策が必要でしょう。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,こんにちは.

私はあまり幼少期から,自転車に電動アシストは賛同はできませんね.男子中学生の体力ですと,5〜6段ギヤの通学自転車でも200m程度までの高低差は電動アシスト無しで登れるようですよ.それでも余程毎日の荷物の重量があるなら認められても良いかもしれませんが,やはり軽量のスポーツ自転車で自分の体力だけで峠を越えて長距離を完走する,独特な達成感を味わう経験も必要だと思います.

電動アシストを付けるなら,あの古典的な構造の実用スタイルの自転車にこそ相応しいと思うのですが.
Posted by マイロネフ at May 02, 2021 10:03
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も最初は普通の自転車でいいと思いますが、買い与える親の考え方によるでしょう。
『独特な達成感』を知らない親は多いですし、当たり前のように、よりラクな、「いい自転車」を買い与えようと考えるかも知れません。
電動アシストに乗る子どもが増えれば、仲間はずれにならないようにとの配慮も出てくる可能性があるでしょう。
重くて遅いママチャリより自転車の楽しさが味わえるという意見もありそうです。今後のスポーツバイクの普及度合いにもよるでしょうね。
Posted by cycleroad at May 02, 2021 14:17
 
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