今般のコロナ禍では、世界的に自転車に乗る人が増えたと報じられています。海外では、いまだに自転車が品薄で、手に入りにくい国も少なくありません。公共交通機関を敬遠して自転車で移動する人や、運動不足の解消やストレス発散のために乗る人も増えました。
普通に自転車に乗る以外に、部屋の中でペダルをこぐ人も増えています。これまでも、スポーツとして乗るサイクリストの中には、雨天や冬季などにローラー台やトレーナーを使って室内でトレーニングする人はいましたが、コロナによるロックダウンは、雨天以外でも室内でペダリングする人を増やしました。
国や地域によっては、ロックダウンで外出制限されました。練習するのに、集団走行での密集を避けるため室内でのペダリングに切り替えた人たちもいます。中には公式のレースやイベントライドが、オンライン化した例もありました。“
Zwift”などを使ったオンラインでの仮想レースを楽しむ人も増えました。( ↓ 動画参照)
以前は、室内でペダリングする人は、サイクリストの中でも限られていたと思います。それが、これまで室内ではペダリングしなかった人でも、せざるを得なくなり、その単調さからモチベーションアップで始めた“Zwift”などで、オンラインのレースの面白さに気づいて、ユーザーが広がったようです。
サイクリスト以外でも、フィットネスやダイエット目的でエアロバイクをこぐ人が増えました。この分野では、“
Peloton”が人気となったことも大きいでしょう。フィットネス用のエアロバイクをオンラインでつなぎ、自宅にいながらエクササイズや、人気インストラクターのライブ・クラスに参加出来るようになりました。
“Peloton”の普及はコロナ以前からですが、コロナ禍でフィットネスジムが休業したり、テレワークで自宅での勤務が増えたことも、自宅でエクササイズする人を増やした面があるでしょう。単にペダルをこぐのとはモチベーションが違います。サブスクリプションですが、解約率は非常に低いそうです。( ↓ 動画参照)
同じ室内でのペダリングでも、かたや仮想の走行やレースをする人、かたやライブクラスに参加する人と分かれるわけですが、どちらも自宅での巣ごもり、ステイホームを迫られたことがユーザー増の背景にあります。詳しい統計はありませんが、室内でペダリングする人が大きく増えたのは間違いありません。
さて、もう一つ、新しいスタイルの室内ペダリングが増えるかも知れません。“
Playpulse ONE”という新しいタイプの製品が登場しました。見た目はエアロバイクと変わりませんが、ゲーミングバイク、ゲーム機です。ゲームのハードがエアロバイク型をしているのです。
“Zwift”でロードレースやバーチャルツーリングをするのとは違います。“Peloton”でエクササイズコースやライブクラスに参加するのとも違います。これは、ゲームを遊ぶためのハードなのです。ゲーム端末である証拠に、ハンドルにはジョイスティックや、A・B・X・Yのボタン、トリガーなどがついています。
ゲームで操るキャラクターは、基本的にペダルをこぐことで進むようになっています。“Zwift”のレースもゲーム性がありますが、基本的にはバーチャルな自転車走行です。こちらはあくまでゲームなので、ペダル以外の要素もありますし、ペダリングの動作もゲーム内容によって独特になってくるでしょう。( ↓ 動画参照)
今のところ遊べるゲームは4種類ですが、今後いろいろな拡大が予定されています。もちろんオンラインで友達と対戦でゲームを楽しむことが出来ます。ハンドルには心拍センサーも内蔵されており、ゲーム中の心拍数をモニターしたり、記録することが出来るなど、ゲームをしながら運動になるのも確かです。
ゲーム以外に、“Amazonプライム・ビデオ”“Netflix”“hulu”“YouTube”“twitch”といったストリーミングサービスを楽しむことも出来ます。設定で、ペダルをこぎ続けないと、ムービーを見続けられないようにも出来ます。運動のモチベーション機能です。
エクササイズバイクの面もありますが、あくまでゲーム端末です。ロードレースやエクササイズクラスでは、モチベーションアップにならない人、例えば子どもでも、夢中になってペダルをこぐことになるでしょう。子どもがゲームに熱中して運動不足を心配する親も、これなら許容できるかも知れません。
ちなみに、modder と呼ばれる人がいます。コンピュータゲームの改造を行ってプレイするようなマニアックな人のことです。その、modder で、ユーチューバーの、Mechachoi さんは、“NintendoSwitch”のフィットネス用コントローラーを改造して、人気ゲームである任天堂のマリオカートをプレイしています。( ↓ 動画参照)
エアロバイク型コントローラーと、ハンドル型のリングコントローラーを改造して、身体全体を使ってマリオカートを楽しむようにしました。任天堂が出さないので、自分で作って、よりリアルなマリオカートを楽しもうと思ったわけです。こうした潜在的なエアロバイク型ゲーム端末のニーズもありそうです。
今、世界中でブレイクしている、eスポーツは、ゲームテクニックや反射神経、チームワークなどが勝敗を分けると思いますが、こうしたスタイルのゲームが流行すれば、eスポーツにも脚力、体力、持久力などの要素が関わってくることになるのかも知れません。( ↓ 動画参照)
この“Playpulse ONE”が、どのくらいヒットするかはわかりません。ただ、ゲームやVRとペダリングマシンとの相性は悪くありません。仮にVRやゲームで、歩いたり走ったりした距離やスピード、方向を入力する端末をつくろうとしたら、かなり大がかりな装置にならざるを得ないでしょう。
ペダリングによるコントローラーなら、コンパクトで相対的に安く出来ます。その場から動かないで移動が入力できるので、VRゴーグルをしていても危険になりません。大型のゲームセンターならともかく、家庭で使うなら、やはりエアロバイク型の装置が現実的でしょう。
そう考えると、“Zwift”タイプ、“Peloton”タイプに加え、今後はこの手のペダリングマシン、エアロバイク型ゲーム端末が登場してくる可能性があります。室内でペダリングする人、そして没入型のペダリングを楽しむ人は、ますます増えることになりそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
最終日は天気が崩れつつありますが、このゴールデンウイークは天気に恵まれ私も自転車で出かけてきました。
Posted by cycleroad at 13:00│
Comments(0)