July 07, 2021

これ一台で足りる高い汎用性

軽トラがアシという人は少なくないでしょう。


私の友人にもいますが、農業や漁業、あるいは酪農や林業などに従事している人で、仕事場へ行くのに軽トラを使っている人がいます。都市部のように電車やバスなどの公共交通網が発達していない地域では、基本的にクルマで移動することになりますが、その移動に軽トラを使っている人です。

もちろん普通のクルマ、自家用車の人も多いですが、軽トラには他では代えがたいメリットがあります。何と言っても小型なので、普通のクルマでは入って行きにくいような、田んぼや畑の中の非舗装の細い道でも平気です。傾斜のきつい場所や悪路なら4WDもあります。

燃費が良いため、燃料代が安いのも大きなメリットでしょう。税金や保険、そのほかの諸経費も普通車に比べて安いのもアドバンテージです。荷台があるので、ちょっとした荷物を運ぶことも出来ます。車内に積むと汚れるような荷物、例えば農機具などでも、気軽に積むことが出来ます。荷台が低く、積み下ろしもラクです。

基本的には2人しか乗れませんが、十分でしょう。一般的にクルマは平均して1.2人しか乗らないとの統計もあります。私の友人も、家から農園までの移動に使い、農機具を運んだり、ちょっとした収穫物を載せたり、近所への用事を済ますなど、全て軽トラ一台で済むので便利だと言っていました。

Photo by DY5W-sport,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.Photo by SocketAM2 +,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.

コンパクトなので、駐車スペースが小さくて済むのも利点でしょう。郊外だけでなく、都市部でお店をやっている人なども軽トラを使うのは、配達などの際に小回りがきき、狭い道路でも停め易いなど、スペース効率の良さが決め手になるようです。店舗前の小さなスペースに駐車出来たりします。

軽トラを、何かを売り歩くような商売に使う人もあるでしょう。郊外へ行くと、クルマは一家に一台ではなく、一人一台ですが、特に何を運ぶわけでなくても、おそらく一台や二台は軽トラだったりするのではないでしょうか。近場を移動するには、これで十分という人は多いはずです。

コンパクトで維持費が安く、荷台があり、万能とは言いませんが、日常のいろいろな場面で使えて便利なのが軽トラと言えそうです。日本独自の規格ですが、道狭い道路が多い日本にあっており、都市部から郊外まで、日本中、どこへ行っても使われているのには理由があるということでしょう。

ところで、自転車もエコで気軽で小回りがきき、都市部では渋滞するクルマより速かったりする有用な移動手段です。でも、短所もあります。荷物があまり積めないこと、雨が降ると濡れること、坂などでは疲れることなどでしょうか。こうした点で、自転車の活用を敬遠する人はいます。

Bio-Hybrid Bio-Hybrid

Bio-Hybrid Bio-Hybrid

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そこで、こうした欠点をカバーする、新しいタイプのモビリティをつくろうと考えた人たちがいます。ドイツの企業、Bio-Hybrid 社です。ヨーロッパでは、脱炭素の動きが急です。普通はEVとなりそうですが、EVは製造段階で大量のCO2を出しますし、必ずしも脱炭素ではありません。

そこで、この会社は電動アシスト自転車をベースにしたカーゴバイクをつくりました。4輪でキャビンと荷台があり、見た目には、自転車ベースの軽トラのようです。まさに自転車版の軽トラのような、さまざまなシーンで活躍するモビリティを目指した自転車なのです。( ↓ 動画参照)



Bio-Hybrid

通勤にも使えますし、買い物など、ちよっとした荷物も運べます。商売によっては配達にも十分に使えるでしょう。e-bikeなので初期費用もランニングコストもEVと比べて断然安く、場所もとりません。自転車レーンも通れますし、都市では渋滞を避けて、クルマより速かったりします。2人乗りもあります。

ちなみに、下の動画はドイツのザクセン州、ライプツィヒで9キロ離れた地点をクルマと、この“Bio-Hybrid Cargo Pickup”で競争しています。さほど渋滞はしていなかったようで、クルマのほうが早く着きましたが、その差はわずか30秒ほどでした。( ↓ 動画参照)



Bio-Hybrid Bio-Hybrid

Bio-Hybrid Bio-Hybrid

ヨーロッパ、例えばイギリスでは電動アシスト自転車、e-bike が3分に1台売れています。昨年はEVの売り上げを、e-bike が上回りました。単価が20倍以上違うにも関わらずです。アメリカでは2分に1台売れています。コロナ禍という要因もありましたが、欧米では多くの人が自転車で移動するようになっているわけです。

雨や運べる荷物量など、自転車の弱点を克服するため、電動アシスト自転車に屋根と荷台を取り付けたおかげで、用途は大きく広がりました。これまで以上に移動手段の選択肢が増えるのは間違いないでしょう。エコな上に、電動アシストでラクです。でも、ペダリングはしますから、健康増進にも貢献します。( ↓ 動画参照)







最近はEVに多くの注目が集まりますが、実数としては、それほど売れていません。充電スタンドなどのインフラの整備もこれからですし、まだ相対的に価格が高いのもネックでしょう。航続距離も限られますし、カーボンフットプリントからすると、必ずしもエコでないのも指摘されています。

一方、この“Bio-Hybrid Cargo Pickup”、まさに軽トラのような汎用性の高さが特徴です。次世代のモビリティとして、脱炭素という点でも、こちらのほうが有利であり、価格も相対的に安い、わざわざEVにする必要はないと考える人が出てきても不思議ではありません。

Bio-Hybrid Bio-Hybrid

Bio-Hybrid Bio-Hybrid

Bio-Hybrid

都市部であろうと、農漁村部などであろうと普通、生活圏はそれほど大きくありません。近距離の移動や少しの運搬、通勤や買い物なら、これで十分と考える人は少なくないでしょう。距離がある場合はクルマと使い分ける手もあります。普通の自転車と使い分ける人も出てくるかも知れません。

クルマ好きの人は、普通車を選ぶでしょうが、実用を考えれば軽トラで十分、むしろそのほうがいいと考える人は少なくありません。EU各国の政府もEVの普及に力を入れていますが、案外、こうした、e-bike をベースにしたユーティリティー・ビークルのほうが売れ、普及することになるかも知れません。




◇ 日々の雑感 ◇

まん延防止の延長が議論されています。重点措置下でも東京などでは感染者が増加しており、もはや効かないとの声もあります。これ以上の自粛は期待薄です。重症者用ベッドを増やしておくのが現実的ではないでしょうか。

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