September 17, 2021

気候と気質から需要は大きい

日本は年間降水量の多い国です。


南北に長いため、亜寒帯から亜熱帯にまで広がっていますが、全体としてみれば夏は暑く、冬は寒く、四季が明確です。主に温帯モンスーン気候で年中降雨があって、一部を除き梅雨、夏に台風、秋の長雨、冬の降雪と年間の降水量は平均で1700mm以上になるくらい雨の多いのが特徴です。

テレビの天気予報では、必ず降水確率がアナウンスされて、大きな傘のほうがいいとか、折り畳み傘があると安心などとお節介なくらい注意喚起されます。年間平均して3分の1の日は雨が降ると言いますし、雨や傘が身近な国なのは間違いないでしょう。

日本では、雨が降れば傘をさすのが当たり前ですが、実はこれ、日本の特徴と言っても過言ではありません。つまり、海外では雨が降っても、あまり傘をささない国も多いのです。日本人は、水に濡れることを極端に嫌う民族と言われており、外国では雨を気にしない人も多いのです。

テーマパークのライドアトラクションなどで、頭から水をかぶってズブ濡れになれば、日本だとクレームものですが、海外では、時々あります。欧米人は逆に喜んでいます。すぐ乾く気候だったりすることもありますが、たしかに日本人は水に濡れるのを、どこの国の人より嫌うようです。

日本のように、まとまって降らず、スコールのような雨が降ってすぐ上がるため、短い時間の雨宿りが一般的で、傘をあまり使わない国もあります。レインコートと帽子が普通という国もあります。南アフリカのように、そもそも傘をさす文化がなく、やむのを待つか濡れて歩くという国もあります。

ヨーロッパでも、傘をさすのが当たり前ではありません。霧雨が多いとか、すぐやむ、といった気候的な理由もあるのでしょう。そもそも傘をさして歩くのが面倒とか、さしたり閉じたりが面倒、持ち歩くのが面倒という理由も少なくないようです。多少濡れても気にしないというのが根底にあるようです。

AllWeatherBikeAllWeatherBike

AllWeatherBikeAllWeatherBike

ただ、あまり傘が使われない欧米でも、自転車に乗った時、出来れば濡れたくないと考える人はいます。ベロモービルという選択肢は別として、自転車に傘をつけられないかと工夫する人がいます。“AllWeatherBike”と名付けられた自転車を考えたのは、ドイツのサイクリストで起業家の、Tom Eisner さんです。



雨が降り出したら、前方のシールドを引き上げ、不要な時には巻き取っておくことが出来ます。天気のいい時まで空気抵抗を大きくする必要はないわけです。ダウンチューブ部分のガードを広げることで、下半身も濡れずに済むように工夫されています。もちろん電動アシストです。

RainRiderRainRider

RainRiderRainRider



こちら“RainRider”は、手持ちの自転車に取り付けることが出来ます。やはりドイツの会社が開発しました。駐輪中はシールド部分を倒しておくことも出来ます。その都度、着脱するのは多少手間がかかりますが、自転車を買い替える必要がないのは利点でしょう。

Fahrrad-SchirmFahrrad-Schirm

こちら、ドイツの物理学者が開発した自転車用の傘は、首から下を覆います。手元も濡れません。ポンチョなどを着ると蒸れて不快なので考えました。視界を確保するため、頭は出てしまいますので、必要なら、首から上は別にカバーする必要があります。これは商品化には至らなかったようです。



ドイツ人も多少の雨では傘をさしませんが、一応傘を持ち歩く人も少なくないと言います。世界初の折り畳み傘を開発したのは、実はドイツの傘メーカーです。ヨーロッパでは、“knirps”という固有名詞が折り畳み傘の代名詞になっています。ドイツ人は、やはり合理的に考えるのでしょうか。

CanopeCanope



ドイツばかりではありません。アメリカ人が考えたのが、“Nubrella”です。自転車専用ではありませんが、傘を手で持つ必要がないので、自転車でも便利です。今は別の企業が引き継いだようで、“Canope”という名前で展開されています。日傘としても使えるので、日焼けを避けたい人にもアピールしています。

UberhoodUberhood



Uberhood”は、自転車のハンドルバーに取り付けて、傘を固定するための器具です。傘の形が特殊で、空気抵抗を受け流すような形になっています。これに似た器具を見たことがある人は多いでしょう。日本でも同様の器具が売られています。

なぜか大阪での売り上げが断トツだと言います。いわゆる大阪のおばちゃんの御用達です。傘を手で持って乗るのは道交法違反になります。これなら傘を持たなくて済むわけですが、地域によっては、使用すると条例違反だったり、危険なので控えるよう指導するところもあるようです。

かさキャッチ
かさキャッチ


こうして見てくると、やはり雨の中で自転車に乗るのは不快な部分がありますし、視界を確保して安全に走ることが出来れば、と考えるのは海外でも同じようです。むしろ、徒歩の時には、あまり傘をささないことの多い欧米人のほうが、自転車用にいろいろな工夫をしています。

日本でも、自転車用に傘の固定器具は売られていますが、違反にならなかったとしても、効果的に雨が防げない、視界が悪い、歩行者に危険などの短所が指摘されます。これだけ雨が多く、傘をさすのが当たり前の日本でこそ、自転車用に、何か工夫を考える人が出てきてもよさそうな気がします。




◇ 日々の雑感 ◇

都知事は今が正念場と毎回言ってますが、都民に外出自粛を呼びかけるより、今のうちに医療体制の拡充に努めるべきではないでしょうか。臨時の病院も頑として設置しませんし,都民に自粛を請うしか能がないのでしょうか。

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この記事へのコメント
cycleroadさん,おはようございます.

自転車に雨除けを取り付けるのは,やはり風に煽られたり車に接触するなど危険度が高いと思われ,地域によって条例で禁止(規制)するのは妥当であると考えます.やむを得ず雨の中でも乗るなら登山用の雨具を使うのが良いと思います.私も経験していますが,透湿性の有る素材であれば汗がこもることもなく比較的快適に乗ることができます.

日本で効率的,効果的な自転車政策が進まないのは,主にヨーロッパの「自転車」強豪国と比べて多い降水量,気象災害の影響も一因として大きいのだろうと思いますね.
Posted by マイロネフ at September 19, 2021 07:37
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も使うならレインウェアやポンチョですし、安全面などから、そのほうがいいと思っています。
しかし、ここでは、そういう話をしていません。

スポーツバイクでなく、ママチャリに乗るような一般的な層では、傘をさしてしまう人が多いのは確かでしょう。日常的に見かけます。
そういうニーズに対して、いわばママチャリ用に何か考えられる工夫、現状よりもっといいものはないものかという視点です。安全面、規制、手軽さを備えたものが出来たらヒットすると思います。
Posted by cycleroad at September 20, 2021 13:55
 
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