一番ありふれていて、面倒なのがパンクでしょうか。せっかく快適にサイクリングしている時、突然パンクで走行不能に陥ったりすれば、気分も最悪です。趣味のサイクリストなら修理やチューブ交換などは出来るでしょうが、面倒ですし時間も手間もとられます。
一般的な空気を入れたチューブ式のタイヤは、1888年に実用化されました。それまでは、木製の車輪や、それにゴムを巻いたものでクッション性に乏しく、乗り心地は非常に悪かったとされます。「ボーン・シェイカー」(骨ゆすり)と呼ばれていたのですから、相当に悪かったのでしょう。
空気を入れるタイヤになって、乗り心地は各段に向上したわけですが、パンクというトラブルに悩まされることになりました。言ってみれば、実用化以来130年以上にわたって、サイクリストを悩ませてきた、嫌われてきたのがパンクと言えるかも知れません。
そこで、チューブレスタイヤだとか、ウレタンを注入したパンクレスタイヤなど、いろいろな工夫がなされてきました。ただデメリットもあります。コストや手間、乗り心地や重量増などもあるため、一部の人が採用するにとどまります。空気を入れるタイヤが圧倒的多数でしょう。
根本的な解決策が発明されれば、130年ぶりにタイヤが一新されるかも知れませんが、なかなかそういうわけにはいきません。依然としてパンクは起き、起きると面倒なのは変わりありません。それなら少しでも時間や手間を軽減できないかと考えるのは自然なことでしょう。
レース中にもパンクが起きることはあります。その場でパンク修理では話になりません。プロなら自転車ごと交換かホイールごと交換します。アマでもサポートがあればホイールを交換することになるでしょう。その交換の時間のロスを少しでも短くしようという工夫が、新しいホイール、“
FASTEN”です。
一般的なクイックリリースでも、簡単にタイヤを着脱できます。ただ、スプロケットの最小のギヤにチェーンを移動し、ディレイラーを引き戻すなど一定の手順が必要です。取り付ける場合には、逆の手順をおこなうことになります。“FASTEN”は、もっと簡単に着脱できるようになっています。
下の動画を見れば一目瞭然ですが、チェーンはそのままで、手で回せるスルーアクスルを緩めるだけで着脱が可能です。カセット、スプロケットはホイールと一体ではありません。本体のほうに残るので、簡単に着脱できるわけです。チェーン、ディレイラー、ブレーキもそのままです。
これにより、スペアのタイヤを前輪でも後輪でも取り付けられるのも利点と言えるでしょう。たしかに便利そうです。ただ、従来型のスルーアクスルや、クイックリリースと、さほど手間は変わらないので、レースなどには役立ちそうですが、一般的に採用されるようになるかはわかりません。( ↓ 動画参照)
ちなみに、こうした着脱が簡単な方式は、日本のママチャリにこそ採用されればと思います。じっくり観察するとわかりますが、コストダウンのため、荷台やステーやスタンドなど一体で固定されており、タイヤを外すのが非常に面倒にできています。自転車屋さんでも手間と時間がかかりすぎて敬遠したくなるでしょう。
チューブにパッチを貼ってパンク修理するなら、タイヤを外さなくても出来ますが、タイヤやチューブの交換は無理です。交換しようとすると、とても面倒なので手間賃も高くなり、本体価格が格安なので買い替えたほうが安くなったりします。このため、ママチャリが使い捨てのようにされる一因になっていると思います。
チューブレスタイヤなら、スネークバイトで空気が抜けるようなパンクはありませんが、タイヤに大きな穴が開けばパンクします。“
Vittoria Air-Liner Road”は、タイヤの穴があいて、シーラントなどが穴をふさがない場合、ライナーが膨張するようになっています。
通常の状態ではタイヤの中で圧縮されていますが、タイヤに裂け目や大きな切り傷など穴があいて、空気が漏れる場合には、このライナーがタイヤ内で膨張します。これによって、走行は続けられます。普通と同じようには走れませんが、慎重に走れば家に帰ることが出来る、応急処置となるわけです。( ↓ 動画参照)
なかには、パンクが絶えないことに腹を据えかねて、自分で
エアレスタイヤを作ってしまう人もいます。必要な材料は、今まで使っていたタイヤに加え、よくあるPVC、ポリ塩化ビニルのパイプとボルトとナット、接着剤です。パイプはある程度の厚み、相応の硬さのあるものを使用します。
ファットバイクであってもパンクする時はします。ドリルやカッターも必要ですし、動画で見る限り、けっこう手間がかかりそうです。こうした工作が好きで苦にならない人なら選択肢かも知れません。一度エアレスタイヤを作ってしまえば、もうパンク修理の必要はなくなります。( ↓ 動画参照)
ちなみに、自転車用の電動ポンプは、既に各社から市販されています。クルマにも使えたり、空気圧計が内蔵され圧力が数字で確認できたり、LEDライトがついて暗がりでも作業できたりするものもあります。コンパクトで携帯にも向く、電動エアコンプレッサーです。
もちろん、パンクを修理しなければ、電動ポンプがあっても意味はありません。でも、こうしたポンプはパンクを防止するため、空気圧が減っていないか、こまめに確認し、必要に応じて補充するのに便利です。手動でもいいですが、ポンピングが面倒で、どうしても億劫になりがちです。
電動ならば加圧もラクなので、空気圧の管理もさほど苦にならなくなるのではないでしょうか。空気圧が適性に管理されていれば、そうそうパンクは起きるものではありません。完全に防ぐことは無理としても、パンクの頻度はかなり減らせるでしょう。
結局のところ、パンクを修理するのは面倒です。出来れば出先で修理したくありません。つまり、未然に防ぐに越したことはないでしょう。パンク対策のいろいろな工夫もいいと思いますが、空気圧に気をつけてパンクを未然に防止するのが現実的で、効果的と言えそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
東京都はコロナの警戒レベルを最も低いレベル1に引き下げ、当然でしょう。昨日は21人ですから100万人に付き僅か1・5人です。いまだにスポーツ観戦等の入場制限は必要でしょうか。今のうちに経済を回しておくべきでは?
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Posted by cycleroad at 13:00│
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