暮れも押し詰まってきました。
「災害対応にアシスト自転車」ってアリ? 内閣府 3.11後に導入の車両が大量廃棄 問われる意識
内閣府の庁舎の一画で、大量の電動アシスト自転車が廃棄を待っています。聞けば、東京都心で大渋滞が発生した3.11の教訓から災害対応のために導入したとのことですが、実際にはほぼ使われなかったもの。今後も更新が予定されています。
ほぼ使われなかった?「緊急参集」のためのアシスト自転車
内閣府の自転車置き場に、廃棄を待つ車両が大量に野ざらしになっています。電動アシスト自転車は国会との往復などのため多くの省庁が採用していますが、廃棄されるのは「防災目的」で購入された自転車。取材を続けると、“通勤”のための自転車として現物支給になっていることもわかりました。
首相官邸の向かいに位置する内閣府。その建物の自転車置き場の一角に2021年11月下旬時点で、「廃棄処分」と朱文字にて書かれたシールを貼り付けた電動アシスト自転車がずらりと並んでいます。使い込まれた形跡はありません。自転車の後ろの泥除けには持ち主を示す「防災予備自転車」のラベルが貼ってあります。廃棄を待つ車両は、この内閣府の防災担当が所有する一部でした。
「廃棄するのは過去から買い増ししてきた古い車両が捨てずに残っていたもので、今回廃棄するのは23台。最も古いものは2011(平成23)年に購入して10年経過している」
取材に対応した政策統括官室(防災担当)の担当者は、廃棄自転車についてこう説明しましたが、整然と並べられた車両の見た目はまだまだ現役。風雨にさらされてサドルはひび割れているものの、タイヤの摩耗はほとんどなく、錆も目立ちませんでした。取材当初には「使われもしない車両なのにもったいない」という関係者の声も聞かれました。内閣府の担当者は防災担当の使命をこう話します。
「内閣防災には約150人の職員がいるが、突発的な自然災害ですみやかに参集する『緊急参集対応』が求められる。3分の1の50人がその対応要員で、事務局である合同庁舎8号館(内閣府本府)に集まり、一部は首相官邸にも入らなければならない」
内閣府防災は、大規模地震や広域風水害が発生した場合に設置される災害対策本部で、国土交通省や自治体との調整役となる重要な機能を担っています。アシスト自転車はここで緊急参集が求められる職員のために用意された移動手段であり、時と場所を選ばない災害対応のためであることを強調します。
緊急用だけど…通勤自転車としても貸与
一方で、電動アシスト自転車購入は逆に「防災の備えにはならない」と問題点を指摘する声があります。関係者は話します。
「いつ起こるかわからない大規模災害時に備えて、ずっと充電をし続ける手間。発災時に充電できるのかという電源供給の備え。アシストが効かなければ、移動手段として使いづらい重量。アシスト自転車は平時に使う車両で、災害の移動手段には不向き」
緊急参集が必要な職員の宿舎は、内閣府から2、3kmの近距離にあります。徒歩でも30分あれば到着できる立地です。一等地なので通常タクシーは24時間、いつも走っています。
他の省庁の防災担当者は「東京を直撃するような災害では自転車だって使えないことが想定できる。それ以外の場合ならタクシーを使うこともできるはず」と話します。
これについて内閣府の担当者は「地下鉄が利用できない深夜、発災場所によっては道路渋滞などでタクシーが使えない場合は歩かなければならない」と訴えます。
2011年3月の東日本大震災では、東京都心でも発災時から公共交通が止まり、その影響で霞が関周辺の道路は、ほとんど動かなくなりました。災害時の自転車移動は、その経験から生まれたものですが、このアシスト自転車以外にも、内閣府は国会や他省庁への連絡移動のための自転車を別に購入しています。新しく購入された電動アシスト自転車は、どこに備えられているのでしょうか。
「自転車は千代田区内の公務員宿舎か、内閣府のどちらかに置いてあり、緊急時にすぐに使えるように、職員が通勤用にも使っている」(内閣府 防災担当)
大規模災害に緊急参集が必要なのは内閣府だけではありません。そもそも自費購入の通勤用自転車を使う。あるいは公費購入する場合も、がれきを走破でき、いざという時の空気抜けにも備えられるノーパンクタイヤを装着したアシストなし自転車という選択も。大きな工場などでの導入例もあります。
こうしたアシスト自転車は「対応が必要な職員50人に対して50台を貸与」(内閣府担当者)。これからも更新が予定されています。(2021.12.07 乗り物ニュース)
2人乗りタンデム自転車、香川でも解禁 車椅子なしで遍路道楽しむ
2人乗りのサドルなどを備えた「タンデム自転車」の公道走行が香川県内でようやく解禁された。後ろの人はハンドル操作が不要で、体力差がある親子や男女らが協力してペダルをこいで進むのが魅力だ。
車椅子なしで四国の遍路道を旅しようと、障害者らが高松市内から自転車と一緒に電車に乗り、さぬき市でサイクリングを楽しんだ。
12月中旬の快晴の土曜日。障害者4人を含む19人が高松市の瓦町駅前に集合し、自転車を引いて高松琴平電気鉄道(ことでん)に乗り込んだ。
身体に障害があっても自由に移動できる社会を願って愛媛県の認定NPO「タンデム自転車NONちゃん倶楽部」が企画した。10年以上、タンデム自転車の普及を進めている。この日の参加者は全員、愛媛県在住で自転車10台はトラックで駅まで運んだ。
同団体理事長の津賀薫さん(70)は「旅そのものも楽しんでもらいたい」と考え、ことでんが6年前に導入した自転車ごと乗車できる「サイクルトレイン」を利用することにした。土日祝日の志度線(瓦町―琴電志度)で約1時間に1本運行している3両編成の1車両で利用できる。ことでんによるとタンデム自転車の乗り入れは初めて。担当者は「ぜひタンデムで列車の旅も楽しんでほしい」と話す。
タンデム自転車は東京都と神奈川県を除く45道府県の公道を走れるようになった。愛媛は全国で4番目に早い2010年に解禁されている。四国では18年に高知、20年に徳島と続き、香川は21年3月に全国40番目でやっと解禁された。所管する香川県警の交通企画課は「これまで県民からの要望が少なかった」と説明しており、津賀さんは「これで障害者が車椅子なしで四国中をお遍路巡りできる」と感慨深げに話す。
車窓を楽しみながら琴電志度駅に到着すると、健常者と障害者らがペアになってサドルにまたがり、さぬき市の四国霊場87番札所・長尾寺を目指してサイクリングがスタートした。
記者も一行が立ち寄ったレストランの駐車場で試乗させてもらった。車体の多くは2メートル超と長く小回りがきかない。後部座席に乗るとバランスを取るのが難しく、最初はぺダルをうまくこげなかった。前の男性が「普通の自転車に乗れる人ほど、後ろは乗りづらいと感じる」とフォローしてくれた。しばらくすると相手にハンドル操作を委ねながらリラックスしてサイクリングの時間を前の人と共有できる楽しさに気が付いた。
参加した松山市の久保大翔さん(14)は脳性まひの障害があり、普段は車椅子の生活を送る。後部座席のぺダルに足を固定し、約10キロ先の長尾寺まで40分ほどかけて完走した。「上り坂はしんどかったけど、自分の力で走り抜けられた」。母親の美紀さん(49)は「障害児の家族にとって外出は大変。タンデム自転車は簡単に乗れるので、多くの障害者に楽しんでほしい」と語った。障害者らがペダルをこがずに前に乗るタイプの三輪自転車に乗った渡辺楓雅さん(10)=愛媛県四国中央市立土居小学校4年=も「風を切って走れて気持ちいい」と話した。
障害者と健常者が二人三脚で楽しさを分かち合えるタンデム自転車は、多様性を認め合うこれからの社会にふさわしいと感じた。
タンデム自転車
タンデムとは英語で「座席が前後に二つ並んだ」という意味で、前後に複数のサドルとペダルが並ぶ自転車。パラリンピック種目にも採用されている。道路交通法上は軽車両に当たり、公道を走るには都道府県の公安委員会規則の改正が必要となる。走行できるのは車道のみ。香川県警は「ヘルメットを着用し、安全な場所で十分に練習してから乗ってほしい」としている。価格は10万〜20万円程度。(毎日新聞 2021/12/23)
全盲の女性が初めてこいだペダル 60歳でかなった夢、絵本に
全盲の女性が自転車に乗る夢をかなえた喜びを基につづった童話が絵本になった。タイトルは「ポンタ タンデム自転車に乗る」(A4判17ページ)。
イヌのポンタが、視覚障害者でも乗ることができるタンデム自転車に女性を乗せ、隣町に住む孫のもとまで一緒に行く物語。
タンデム自転車や視覚障害者に対する理解を深めることができると同時に、夢を持つことの大切さを子どもたちに伝えている。
女性は愛媛県鬼北町の鍼灸師(しんきゅうし)、渡辺純江さん(70)。国指定難病の「網膜色素変性症」を患い、生まれつき弱視で、その後、視力を失った。
タンデム自転車は複数のサドルとペダルがある自転車で、ハンドルは前に座る人が操作し、後ろの人はペダルをこぐだけ。渡辺さんは2012年、知人の紹介で認定NPO「タンデム自転車NONちゃん倶楽部(くらぶ)」(松山市)のイベントに参加し、初めてタンデム自転車にまたがった。
子どものころは親と一緒に練習する妹をうらやみ、大人になってからは自由に移動できる象徴のような存在として自転車に憧れを抱き続けてきた。「乗れるのかなという不安はあったけど、足を踏み出せば不安は吹き飛んだ。私がしたかったことはこれだったんだ。走れたんだ。夢がかなったんだ」
自らペダルをこいで風を切ることができた喜びを物語にして倶楽部に送ったところ、理事長の津賀薫さん(70)の提案で絵本制作に結びついた。絵本の中では渡辺さんが「スーちゃん」として登場。
スーちゃんがタンデム自転車に乗る様子を見たポンタが練習を重ね、最後は2人で一緒に乗って隣町へ行くというストーリーになっている。また物語の展開に合わせ、前に乗る人を「パイロット」と呼ぶことや、前後でサドルの高さを変えられること、視覚障害者と話す際には右側を「3時」、左側を「9時」など時計を用いて表現すると理解しやすいことなど役立つ知識も節々につづられている。
「絵本を通じて子どもたちや障害を持っている人みんなに夢を持ってもらいたい」。60歳になって夢をかなえた渡辺さんはそう願っている。問い合わせは津賀さん(090・3189・5918)。(毎日新聞 2021/12/11)
電動アシスト自転車を買った人が「まさかこんなことに!」想定外の危険性
コロナ禍で満員電車を避けるための需要などで利用者が増えた電動アシスト自転車。発売当初は数十万円のモデルが一般的だったが、今ではネット通販を中心に安価なタイプが登場して5万円程度で手に入るようになった。
しかし、それに伴い事故が増えているという。交通事故総合分析センターの統計データによると、ここ10年間で自転車による事故が半減した一方、電動アシスト自転車の事故は2倍に増加している。購入者たちが直面した、その意外なリスクとは──。
昨年、電動アシスト自転車を購入したという30代の男性が語る。
「坂道を上っている時に急に充電が切れて車体が重くなって横転し、その衝撃でペダルのパーツがボキッと折れてしまいました。普段は子供を乗せているので、考えただけでもゾッとします」
この男性のケースでは転倒した際にパーツが折れたというが、電動アシスト自転車の事故では走行中に起きたパーツの破損が原因のものが少なくない。消費者庁の「事故情報データバンクシステム」には、「走行中に自転車が真っ二つに折れた」「坂道を下っている途中にブレーキの部品が折れた」「子供を乗せているカゴの溶接部分が外れて子供が落下した」といった事故が報告されている。なかには走行中に前輪上部のカゴを支える金属部分が外れ、その金属が前輪に巻き込まれて前のめりに転倒し頭蓋骨骨折を負ったという大きな事故もある。
そうしたなか、国民生活センター商品テスト部は12月9日、走行中にフレームが前後に割れた事故の原因を検証し発表した。なぜ、電動アシスト自転車の事故が多発しているのか。担当者に聞いた。
「最近人気の折りたたみ式タイプの電動アシスト自転車で事故が多くなっています。ネット通販で購入し、自分で組み立てるタイプの自転車で車体が真っ二つになる事故がありました。フレームをつなぐ部分の溶接に問題があり、何度も折りたたむことで疲労破断を起こして亀裂が大きくなり、最終的にフレームが外れたと考えられます。そもそも折りたたみ自転車は普通の自転車に比べてパーツを溶接する部分が多いため、それだけ弱点が増えます。
また、フレームやパーツの問題以外にもバッテリーの充電中に発火したケースも報告されています。いずれも国産の大手メーカーの製品より、ネット通販などで購入した安価な製品のほうが事故発生率は高いと言えます」
コロナ禍もあり、ネット通販が普及して輸入品の安価な電動アシスト自転車が出回るようになったが、場合によっては大きな事故に発展する可能性もある。また、事故を起こした時に補償をどこに求めればいいのかも曖昧になりがちだという。
「消費生活センターの窓口に相談すると、販売事業者と消費者の間に立って処理のあっせんをしてくれます。ただし、販売業者が海外に事業所を構えている場合、返品や補償に応じてもらえない可能性もあります。街の自転車屋などでしっかりと点検された製品を購入するほうが心配は少ないでしょう」(前出・国民生活センター担当者)安物買いの銭失いにならないようにしたい。(2021年12月21日 マネーポストWEB)
電動アシスト自転車、30代の子育て世代の約4人に1人が保有 6人に1人が「乗せる前」にヘルメット着けず
電動アシスト機能付きの自転車の利用が進んでいる。経済産業省のデータによると、出荷台数は、2018年66万5,710台、2019年69万8,227台、2020年には73万7,738台と、年々増加傾向にある。
モーターの補助により楽にこいで走行することができ、特に子育て世代の保有率が高い一方、車体の重量や発進力の高さからヒヤッとする危険な場面を経験している人も少なくないようだ。
事故やヒヤリハットの内容
au損害保険(東京、以下au損保)は、全国の自転車利用者を対象に、「電動アシスト付自転車」の保有状況や利用しているシチュエーションなどについてインターネット調査を行った(調査期間:10月28日〜10月30日)。5,670人を対象に、保有している自転車の種類を尋ね(複数回答)、電動アシスト付自転車を利用している1,000人について、性別・年代を均等に配置。1,000人のうち、電動アシスト付自転車保有率は年代別で30代が最も高く、約4人に1人(22.3%)だった。
電動アシスト付自転車利用者1,000人に利用しているシチュエーションを尋ねたところ(複数回答)、「買い物」がトップで83.6%。次いで「通勤・通学」33.6%、「子どもの送迎」23.1%だった。年代別のシチュエーションでは、買い物を除くと20代は「通勤・通学」(51.0%)、30代は「子どもの送迎」(54.0%)に利用している人が半数を超えた。幼児期の子どもを乗せ荷物と共に移動することが多い30代の子育て世代には、電動アシスト付自転車は大きな助っ人だろう。
一方、電動アシスト付自転車に乗っていて、事故や事故になりそうだった(ヒヤリハット)経験がある人は少なくない。1,000人のうち、5割弱(46.4%)はヒヤリハットの経験者。子どもの送迎時に利用している142人を対象に見ると、6割超(61.5%)が「ある」と答え、状況は「バランスが崩れた」が約7割(69.7%)で圧倒的多数。「急発進した」「スピードが出すぎた」「小回りがきかなかった」がそれぞれ約7%だった。
ヒヤリハット経験時のエピソードとしては、「子どもを乗せる時にバランスが崩れ、倒れそうになった」(京都府・30代女性)、「子どもを前に乗せていたが、段差で自転車が転倒しそうになった。しかも道路脇で車が近くを走っており危なかった」(広島県・30代男性)、「自分が自転車に乗り、後ろに子どもを乗せたまま駐輪場の扉を開けようとしたら、バランスを崩して自転車ごと横に倒れてしまった。ヘルメットとシートベルトのお陰で、子どもにケガはなかった」(神奈川県・30代女性)などが寄せられた。
電動アシスト付自転車は一般的な自転車よりも重量があり、バランスを崩すとそのまま転倒する可能性も少なくない。バランスを崩しやすい大事な場面の一つが「子どもの乗降時」。
そこで、「子どもにヘルメットを着用させてから電動アシスト付自転車に乗せているか」を尋ねたところ、「着用させている」84.0%、「着用させていない」16.0%。保護者の6人に1人が、「自転車に乗せる前に」子どもにヘルメットを着用させていなかった。道路交通法では、保護者は13歳未満の子どもにヘルメットをかぶらせるよう努めることが義務付けられており、大半の保護者が実践していても、「乗車前から」となると割合が下がるのかもしれない。
子育て世代の4人に1人が電動アシスト付自転車を保有し、子どもの送迎時を中心に日常的に利用している中、バランス崩れによる転倒や急発進による衝突などに十分注意する必要がある。au損保では、万が一の転倒に備え、子どもを自転車に乗車させる前に必ずヘルメットを着用させることを呼び掛けている。(2021.12.20 共同ニュース)
電動自転車バッテリー40個以上を窃盗&転売…男子高校生を逮捕 中野区
20日、都内の通信高校に通う19歳の男子高校生が、今年9月に中野区の駐輪場で電動アシスト自転車のバッテリー1個(2万5000円相当)を盗んだ疑いで逮捕された。
逮捕された男子高校生は、バイクで現場付近をゆっくり走行し、何度か物色した上で犯行に及んだという。この男子高校生、2020年の夏ごろから、こうした犯行を繰り返していたとみられている。
男子高校生はまず、手元にはないバッテリーの写真をフリマアプリに出品。その後、購入者が決まると、同じ型のものを盗んで転売していた。男子高校生は「去年の夏から中野区、杉並区で40個以上盗んで、フリマアプリで売り50万円稼いだ」と話している。さらに、男子高校生は、後輩にこうした犯行の手口を教え、4000円程度のマージンを受け取っていた。
警視庁の調べに対し、男子高校生は「友達と遊ぶ金が欲しかった」と容疑を認めている。(2021/12/21 ABEMAニュース)
「自転車に乗っていただけなのに…」 自転車で赤切符を切られたまさかの事態 一体何が? 車との違いは
自転車で「赤切符」!? 一体何が?車との違いは
クルマに乗っている人なら、「切符を切られる」という表現を聞いたことがある人も多いでしょう。そんななか、先日SNSで「自転車に乗っていて赤切符を切られた」という投稿が話題になっています。投稿主であるあしゃさん(@asami2692)は、自転車で買い出しの途中に警察の人に止められて赤切符を切られたといい、当時の状況について以下のように説明しています。
「交差点で、歩行者信号が青の状態で横断歩道からはみ出して車道(赤信号)を横断していたのと、その際どうやら歩行者の進路を妨げてしまっていたらしい。違反してる気なんてなくてまったくの無意識だったから怖い」
当時車道を走行していたものの信号は歩行者用の信号を見ていたため、「信号無視違反」となり、さらに横断歩道を渡っていた歩行者の通行を妨げたとして、「歩行者妨害」の2つの違反に該当し、その後、後日赤切符を持って出頭したそうです。その際に、警視庁の担当者と話をしてから検察官からの取り調べを受けたといいます。
この投稿についてユーザーからは、「自転車のルール見直そう」「自転車のルールもっと理解しないと」「自転車走行に関する認知がもっと上がると良いですね」など、多くの反響の声が寄せられています。通常、クルマの運転で交通違反をした場合には「白」「青」「赤」の3種類の切符が切られます。
白切符は反則金はなく違反点数のみ加算され、青切符は違反点数が6点未満の比較的軽微な違反に対して切られる切符で、青切符には反則金の納付という方法で処理される「交通反則通告制度」が設けられています。
3つ目の赤切符は、「酒酔い運転」や「無免許運転」など加点6点以上の重大な違反に対して切られる切符で、免許停止や免許取消、さらには刑事処罰になることも多いとされています。
一方、自転車の場合には「一時停止違反」や「傘さし運転」など危険行為にあたる場合に、「自転車指導警告カード」と呼ばれる黄色いイエローカードが交付されます。これは自転車運転者に対して、警察官がイエローカードに記載されている違反内容に該当する項目にチェックマークが記され、自転車運転者へ警告を促すというものです。
このイエロカードをさらに上回る悪質なケースとみなされた場合には、「赤切符」が交付され、出頭命令が下されます。自転車の場合、クルマとは異なり青切符が設けられていないため、赤切符が1度交付されることで刑事処分となると、前科がついてしまう可能性もあります。
自転車の赤切符の交付について、都内警察署の交通課担当者は以下のように話します。
「赤切符は、踏切に無理やり入ろうとした場合や、危険行為を重ねておこなった場合などに交付されます。自転車は、クルマの反則制度の対象外となっているため、自転車には青切符はなく赤切符の交付となります。こうした赤切符が交付されないように警察のホームページなどで自転車の正しい交通ルールを確認して、安全な自転車走行を心がけるようにしてください」
※ ※ ※
今回の事例を受け、投稿主のあしゃさん(@asami2692)は、以下のように呼びかけています。
「私のような無知による違反は、知ることで減っていくはずです。
交通事故に関するニュースを決して他人事と思わず、今一度ルールを確認する機会を持っていただけたらと思います」自転車は免許がない分、誰でも手軽に乗れる乗り物ですが、自分自身で安全運転について気をつける必要があります。
あなたは大丈夫!? 自転車運転時の15類型の「危険行為」とは
今回の投稿主は自転車での走行ルールなどを把握しておらず、知らずのうちに危険行為に該当する自転車走行をしていたというものでした。しかしこの投稿主に限らず、自転車でのルールや危険行為の認知度は未だに高くなく、街中で危険行為にあたる自転車走行をしている人が多く見られます。
赤切符交付の可能性もある自転車運転時の危険行為には「信号無視」、「通行禁止違反」、「歩道通行時の通行方法違反」など15類型が存在し、なかには自身でしっかりと把握しておかないと、知らぬ間に危険行為に該当する場合も考えられます。
例えば、通常自転車は車道を通行することが原則として定められていますが、交通量が多い場合や、「自転車通行可」と書かれている標識がある場合には、歩道を通行することが可能です。しかし、こうした場合にもあくまで歩道は歩行者が優先なため、歩行者の通行を妨げるような速度や方法で通行する行為などは、「路側帯通行時の歩行者の通行妨害」に該当します。
このため、歩道を走行できるからといって、車道と同じ速度で走行していたり、道路をふさいでいる歩行者に対して自転車のベルを鳴らしたりなどの行為は、歩行者の通行の妨害とみなされてしまいます。このように、自身で気をつけないと今回の投稿主のように思わぬところで悪質なケースと取り締まられる可能性があります。
さらに危険行為を繰り返した場合に、自転車の安全講習である「自転車運転者講習制度」を受講命令が出されてしまうため、自転車の運転時には15類型の危険行為をしっかりと把握する必要があります。(2021.12.02 くるまのニュース)
詐欺はサンタとともにやってくる!? 続々出現中 自転車販売の偽サイトにアクセスして危険をお知らせ
クリスマスが近づいてきて「どんなプレゼントをあげようか」とネットで調べる方も多いことでしょう。それに年末年始に向けて、商品を買う機会も増えるかと思います。
こうしたなかで、詐欺師たちも販売サイトに偽の商品を並べて、私たちのお金をだましとろうとしてきます。
まさに詐欺サイトはサンタクロース、歳神様とともにやってきます。
今月に入り、知人の男性から「うちの奥さんが、偽の通販サイトにひっかかってしまったようです」との連絡を受けました。さっそく、そのサイトのURLを送ってもらい、見てみました。ここには「クリスマス限定」「このタイミングを逃すな!」の文字が躍ります。
その下には、カテゴリ一覧として、三つの商品が紹介されています。電気助手自転車、折りたたみ自転車、電動自転車です。おそらく「電気助手」とは「電動アシスト」のことをいいたいのかもしれません。これは日本語への誤訳か誤字と思われますので、すでに偽サイトの兆候がみえています。
さらに商品の紹介ページを見ると、電動自転車の定価65,800円に線が引かれて10,290円、電動アシスト自転車は定価137,478円が、10,490円の格安の値段になっています。どの商品も1万円台の激安価格になっており、ここにも偽サイトの印(しるし)が表れています。
誤字、激安の価格表示、これに嘘の運営会社の住所の3点セットとなれば、ほぼ偽サイトが濃厚です。運営会社の住所を見てみると、N社とあり、その下に「茨城県〇〇市4−1*−*」と書いてあります。
もうおわかりの方がいるかもしれませんが、地図アプリで調べる必要もなく、虚偽の可能性大の住所です。というのも、「市」の後に、町名が抜けた記載になっているからです。
さらに調べると、もう一つのY社と住所が出てきます。こちらも調べてみました。なんとここは大手通販会社の住所でした。しかも責任者の名前として、ここの有名社長の名が書かれています。
そこで大手通販会社に問い合わせをして、このY社について尋ねると、この住所に籍を置くグループ会社ではないことがわかりました。
住所も虚偽の記載なので、まず偽サイトでほぼ間違いありません。
ただし、最近の偽サイトの決済方法には、代金引換とクレジットの二つの決済パターンがありますので、それを調べる必要があります。そこで、定価143,020円が10,490円に大幅に値引きされている電動アシスト自転車の注文画面をタップしました。(後略 12/19 Yahooニュース)
3人に1人が被害…重大事故も引き起こす「イヤホン運転」自転車の危険な実態
12月2日午前5時半すぎ、東京都足立区で歩道を自転車で走行していた男子高校生が、通行人の男性と接触。通行人の男性はぶつかった衝撃で車道に倒れ、2トントラックにはねられて死亡するという痛ましい事故が起こった。
各メディアによると、男子高校生は通学途中で耳にイヤホンを着け無灯火の状態で自転車を運転しており、「前をあまり見ておらず、ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているという。
このニュースを受け、ネット上では「イヤホン運転」が話題に。「イヤホンをつけての運転は危険だから危ない」という声が多い一方、「イヤホンを付けていること自体が悪いわけではない」との指摘も目立った。実際にイヤホン運転にはどれほどの危険が潜むのだろうか? 今回は、WEB上のアンケートを通じて、イヤホン運転の実態を探った。
■正面から衝突するケースも……
イヤホンをつけて自転車を運転する人に危険な思いをさせられた経験がある人はどれくらいいるのだろうか? 今回の女性自身が実施したアンケート調査では、全回答者のうち37%の人が、イヤホン運転をする自転車に危険を感じたり事故に巻き込まれたことがあると答えた。
寄せられた体験談の中で目立って多かったのは、自転車運転手が歩行者に気づかず正面から衝突しかけるケース。さらに、イヤホンを付けているため注意が聞こえない、接触しても事の重大さに気づいていない、などの声も寄せられた。
前から近づいて来るのに、こちらに全く気づかずぶつかられそうになった。(こちらがギリギリ避けた)(50代・女性)
曲のリズムにのって軽快に自転車を運転しているためか、真正面しか見えていないようで……。すれ違いざまに歩いている私のバッグと買い物袋をこするように無理やり追い抜かれたことがあります(30代・女性)
急に自転車が飛び出してきて、子供がひかれかけた。イヤホンで子供の声に気づかなかったよう(30代・男性)
イヤホン着用で自転車に乗っていた男性が左右確認なしに曲がってきたところ、信号待ちの為自転車で止まっていた私に横から衝突……。勢いで倒れて膝を打撲し、1ヶ月以上痛みが残りました。相手の方は謝罪だけしてすぐその場から逃げるように消えました……。逃げなくてもと残念な気持ちです(40代・女性)
正面からぶつかりそうになりました。そして、イヤホンをつけているから、こちらの抗議や怒りに反応出来ないんですよね。悪びれる様子も無く、ただ「すいません」だけで去っていった。腹が立った(40代・女性)
■事故を起したら車の運転手にも責任が……
歩道を歩いているときだけでなく、車を運転する際に危険な思いをする人も多い。車の走行音やクラクションが聞こえておらず、ドライバーにとってはやっかいな存在のようだ。
車を運転中、自転車の人が車の接近や、クラクションに全く気付かない事がありました(40代・女性)
自転車の後ろを車で走っていたら、いきなり道を横切って反対側へ……急ブレーキを踏みました。轢いたら車を運転している私の責任になるので怖かった。音が聞こえないから、後ろに誰もいないと思ったのかもしれないが、非常識(20代・女性)
車を運転しているとき、イヤホンを付けて自転車を運転していた20代ぐらいの男性が、後ろを一度も見ることなく車道を左から右に横断して轢きそうになった。クラクションを鳴らして反射的に睨んでしまったら、相手側もかなり睨んできた。自分が違反運転をしていることなど全く思ってもいないような態度でイラッとした(30代・女性)
イヤホン運転経験者のうち、4人に1人が危険な思いをしたことがあると回答
被害の声が切実なイヤホン運転だが、実際にイヤホンを付けて自転車を“運転したことがある”と答えた人は31%だった。そのうち26%がイヤホンを付けての運転中に、危険な思いをしたり、事故を起こしたことがあると回答。注意力が散漫になったり、外部音が聞こえず車や人の接近に気づかなかったりするようだ。どのような状況だったのか見ていこう。
周りの音が聞こえにくく注意力が散漫になり信号無視しかけた(50代・男性)
車のわずかな音が聞けず、目視で確認できない車に気付けなかった(30代・男性)
背後の左折する車の音に気付かず接触しかけた(20代・女性)
イヤホンをつけて音楽を聴いていて車のクラクションの音が聞こえなくてぶつかりかけた(30代・女性)
事故は無いが10年以上前、高校生の頃。イヤホンで音楽を聴きながら自転車に乗っていて、落とし物に気付いたすれ違った人が追いかけて来たことがある。赤の他人だけど息を切らしていて、申し訳なさでその日からイヤホン運転はやめた(20代・女性)
片耳だけでイヤホンしていたのですが、ちょうどしている側の方からくる歩行者の方とぶつかりそうになったことがありました(20代・男性)
イヤホンをつけたまま自転車で横断歩道を渡っている時に、自分の右側から車が来ていることに気づかずはねられたことがあります。幸い自身には大きな怪我はありませんでしたが、自転車のボディーが折れ自身も2メートル先まで飛ばされました。それ以降二度とイヤホンをつけたままの自転車走行はやめています(20代・女性)
まさかのカバンごと落としても気づかなかったってことがあり、イヤホンつけたらあかん! とおもいました(40代・女性)
■片耳だけのイヤホンなら大丈夫?
国が定める道路交通法は、自転車を運転中のイヤホン使用を明確に禁止しているわけではない。都道府県によってはイヤホンに関する規定があるものの、使用自体を禁止しているものは少ない。たとえば、東京都ではイヤホンの使用について以下のように規定している。
《高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。》(東京都道路交通規則の第8条(5)より)
このように東京都の場合“安全に運転できない音量”で、イヤホン等を利用して音楽などを聴くのは違反となる。しかし、安全に運転できない音量がどれくらいなのかは、明記されていない。
このように、違反となる明確な基準が存在しないことが多いため、片耳だけならば大丈夫、との意見も見られるイヤホン運転。しかし、今回のアンケートには片耳イヤホンでも危ない思いをしたことがあるという経験が寄せられている。
安全のことを考えれば、両耳でも片耳でも、着用しての走行は避けるのが無難だろう。仮にどうしても着用する場合は、自分だけでなく誰かの命をも危険にさらすリスクが上がることを認識し、いつも以上に注意をはらって運転してほしいものだ。(2021/12/21 女性自身)