March 19, 2022

何かをしないと気がすまない

近年、減ってきたと思うことがあります。


それは暇な時間です。あくまでも一般論としてですが、時間を持て余すことが減ったのではないでしょうか。予定がキャンセルになって、やることが無くなってしまった、時間が空いてしまったということはあるとは思いますが、日常の隙間時間の中でヒマとか、何もせずにボーっとしている時間は減ったように思います。

言うまでもなく、スマホの存在があります。例えば、電車に乗っている時間は典型的なスキマ時間だと思いますが、いまや大多数の人がスマホを見ています。暇で何もやることがないから見ているというより、スマホを使うのに夢中な人が多いように思えます。でなければ、歩きながらスマホは使わないでしょう。

スマホスマホスマホスマホ

スマホを使ってやることはいろいろでしょう。SNSや動画を見たり、ニュースのチェック、ネット上のコンテンツや、ゲームなどで楽しむ人も多いと思います。暇つぶしと言えなくもないですが、もはやSNSチェックやコンテンツを楽しむのは生活の一部であり、欠かせないという人も多いに違いありません。

近年は、ネットフリックスやアマゾンプライム、ディズニープラスをはじめ、多くの大企業が映像コンテンツのサブスクリプションサービスを展開し、会員数の増加を競っています。ゲーム会社なども同じです。コンテンツ企業は、人々の可処分『時間』を奪い合う形になっています。

スマホスマホ

映画を見るか、ゲームをするか、いずれにせよ時間をとられます。誰でも1日24時間しかありませんから、全ては出来ません。魅力的なコンテンツは増えているので、いかに時間を使うかが問われます。無断でストーリーを明かす短い違法動画、ファスト映画が問題になるのも同じ文脈にあると思います。

少しでも時間があれば、スマホを取り出して何かをするため、ヒマでボーっとする時間は極端に減った気がします。今までも電車に乗ったら新聞や本を読むとか、パズルや詰め将棋を解くとか、いろいろ過ごし方はあったわけですが、スマホを使うのに忙しい人が増えたように見えます。

スマホスマホ

もちろん、スマホでSNSや動画を見たり、ゲームをするのもヒマつぶしと言えばヒマつぶしかも知れません。中には、典型的なヒマつぶし、クロスワードや数独、詰め将棋などのパズルが、本からオンラインのコンテンツになっただけという人も一定の割合でいるはずです。

それを象徴するのが、今年になって人気になった、“Wordle”でしょうか。ご存じの方も多いと思いますが、主に英語圏で評判になったので、知らなかったという人もあるでしょう。ウェブ上で楽しむ無料のパズルゲームです。ニュースサイト“Reddit”の元従業員でソフトウェアエンジニアの、Josh Wardle さんが開発しました。

WordleWordle

5文字の英単語を6回の試行で推測するという、典型的なパズルです。単語を入れると、正解のアルファベットが正しい位置にあれば緑、位置は違うけれど含まれているアルファベットは黄色、使われていないアルファベットはグレーで表示されます。これをヒントに正しい単語を当てるというものです。

シンプルなパズルですが、英語圏で大人気となりました。ある種の中毒性があるのか、世界中で多くの人に遊ばれるパズルとなりました。昨年10月に公開され、プレイする人が急拡大し、今年の1月にはニューヨークタイムズ社が、数億円とも推測される価格で買収しました。

BIKLE BIKLE

典型的なヒマつぶしと言えるでしょう。簡単そうですが、6回以内に当てなくてはなりません。また、入れる5文字は英単語でなければなりません。あまり色がかわる文字がないと、推測するのも意外に難しく、たしかに中毒のようになる人が世界中に広がったというのも理解出来ます。

コンテンツとヒマつぶしの違いを明確に分けるのは難しいですが、スマホのおかげで、隙間時間に出来ることが増えたのは間違いありません。“Wordle”は、たくさんの派生タイプが出来て広がっています。日本語版もありますし、例えばポケモンのキャラクターの名前に限ったものなど、趣味性の高いものもあります。

BIKLE

自転車スポーツファン向けに徹した、その名も、“BIKLE”という“Wordle”もあります。これで出題されるのは、有名な自転車競技の男女の選手です。つまり、まず選手の名前を知らなくては、単語を入れることも出来ません。自転車スポーツファン以外には高いハードルです。

私もやってみましたが、なかなか難しいものがあります。欧米でロードレースは高い人気を誇るので、これで楽しめる人も相当な数になると思いますが、選手の名前縛りというのは、まさに自転車競技ファンの限られた人たちを対象としたパズルと言えるでしょう。

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典型的なヒマつぶしも、スマホで多様化し、ますます時間の使い方の選択肢が増えています。何もせずにボーっとしているのが良いとは言いませんが、もはやスマホが手放せない人、スマホをいじるのをやめられない、スマホ依存の人が増えているのも広く指摘されているところです。

子どもたちにも広がるスマホ中毒は、もはや社会問題です。運動不足の子どもも増やしています。スマホは便利ですし、いろいろなコンテンツが楽しいのは間違いありません。ただ、少しでもヒマな時間は作りたくないという強迫観念のようなものに囚われ、ルーティンを増やし、自らを忙しくしてしまっている人も増えているようです。

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個人的に、もし時間が空いてしまった時には、サイクリングをお勧めします。身体も動かせますし、頭を空っぽにすることが出来、リフレッシュも出来ます。健康にもメンタルにも効きます。スマホも悪いとは言いませんが、心身の健康のためにも、スマホを使わない時間を作ってバランスをとったほうがいいと思います。




◇ 日々の雑感 ◇

気がつけば、東京でも今日にも開花かという陽気になってきました。花見をかねて外に出かけたい季節ですね。

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