April 09, 2022

新たなモビリティと使い分け

道路交通の種類が増えつつあります。


クルマの分野ではEVの開発が進んでいますし、ライドシェアをはじめ新しい形態も広がりつつありますが、それだけではありません。小型、超小型モビリティと呼ばれる新しい交通手段が続々と登場しています。主に電動のものが多く、EVの開発に伴う世界的なバッテリーの高機能化、量産化なども背景にあるのでしょう。

クルマの世界では、100年に一度の変革CASE、すなわち、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングやサービス化)、Electric(電動のクルマ)が進んでいくと言われています。いろいろな交通手段が補完し合い、つながっていく流れも影響していると思われます。

今までのように電車やバス、タクシーなどを別々に利用するのではなく、アプリ一つでそれらを合わせて連続して目的地まで利用するようになると言われています。途中で乗り換えはありますが、目的地までの一連の移動としてルート比較が出来たり、必要な場合の予約や決済が一括で出来て便利になると目されます。

そのためには、既存の交通手段を結ぶ方法が必要になる場合もあります。歩くと遠い時、例えばシェア自転車があれば接続に使えたりするでしょう。シェア自転車に限らず、小型モビリティのシェアリングなどを手掛ける業者が登場し始めているのは、世界的な傾向です。



最近は自転車シェアリングも、電動アシスト自転車の採用が増えており有力な選択肢ですが、短い距離をつなぐならば、他にもいろいろな手段が考えられます。例えば、電動キックボードです。日本でも、電動キックボードの規制緩和に関する道路交通法の一部改正案が、2022年3月4日に閣議決定されています。

EVの開発は世界的に競争状態ですが、これまでの一般的なガソリン車の動力を単に電動モーターに置き替えるだけでなく、もっといろいろなスタイルも登場してきそうです。平均して一台に1.2人しか乗っていないと言われるクルマに、今のような大きさのままというのは、少なくとも都市部では効率的ではありません。

AvvenireAvvenire

ボディを大幅にコンパクトにして、いわゆる1人用、2利用のミニカーにすれば、車体も軽くなって燃費ならぬ電費もよくなります。バッテリーが小さくなれば本体価格も下がるでしょう。特に都市部での移動手段としては、ミニカーや相対的にコンパクトなEVというコンセプトは十分に考えられます。

同じ方向で考えるならば、EVでなく、電動アシスト機構を搭載したベロモービルでもいいはずです。クルマのようなキャビンのある自転車です。ペダリングと併用すれば、さらに電費もよくなります。EVよりコンパクトで、保管スペースやそのほかのランニングコストも減って経済的になるはずです。

AvvenireAvvenire

ベロモービルについては、これまでにもいろいろ取り上げてきましたが、欧米では開発が進んでいます。既存のメーカーからスタートアップまで、多種多様なベロモービルを提案し、普及を模索する動きがあります。EVより環境負荷が格段に低いこともあって、サステナビリティの点でもアピール度は高いものがあります。

自転車については、電動アシストだけでなく、モーターだけで走るフル電動の自転車も有力な交通手段でしょう。ペダルをこがずにラクに利用できますし、近距離なら十分です。欧米では、e-bike として、自転車の一種として既に無数のモデルが発売されています。

MopetMopet

 ICOMA ICOMA

バッテリーで動く自転車としては、これまでの一般的な自転車の形でなく、さまざまなスタイルが考えられます。折りたたみであったり、ペットが乗せられたり、前輪を交換するだけで電動バイクになって荷物が運べたりなど、バラエティーに富んだスタイルが考えられています。

Front Rack and E-Bike ConversionFront Rack and E-Bike Conversion



高齢者や足の不自由な人が乗るバッテリーカーも、広い意味では道路交通の一種と言えるかも知れません。車イスに前輪を装着することでバッテリーカーになるキットなども販売されています。車イスは法的に歩行者に分類されるとしても、バッテリーカーは、新たな乗り物として発展する余地もありそうです。

UNAwheelUNAwheel

そして、電動キックボードです。キックボードが電動になり、都市によっては立派な近距離の交通手段として認知されつつあります。国によって自転車と同じ扱いだったり、原付バイクと同じだったりと、法的な扱いが違いますが、今後の普及の仕方によっては有力な移動手段として定着する可能性は十分にあります。

E-ScooterE-Scooter

もはやキックボードは、子どもの遊具ではありません。MaaS(マース:Mobility as a service)として、都市部での既存の交通手段をつなぐ存在としてのポテンシャルを秘めています。シェア自転車より場所をとらずに配置できますし、距離によっては気軽で便利な乗り物です。



キックボードが電動になるのですから、スケートボードが電動になっても不思議ではありません。実際に開発されています。果たして、これを移動手段として使うことが実用的かどうかはともかく、スケボー好きの人ならば、楽しい移動手段となりそうです。



ところで、クルマは自動運転になっていくと言われていますが、自動運転の配達ロボットを開発する動きも加速しています。宅配やフードデリバリーの人手不足を補い、コストを下げることが出来ます。すでに開発が終わって、市街地での実験に入っている会社、都市もあちこちにあります。



自動運転と言えば、自転車も自動運転になるのでしょうか。単に無人走行する技術は実現していますが、人が乗る自転車としては、あまり意味がないようにも思います。自動運転に必要なバッテリーやセンサーなどを搭載して、自動でバランスをとるため機構も複雑で重くなるでしょうし、実用的とは思えません。

もし無人走行で自動で回送できるようになれば、シェア自転車の再配置という点で大きなメリットになると思いますが、もし途中で転倒してしまったら、自立的に起き上がることは出来ないでしょう。3輪なら可能性がありますが、自転車の自動運転車が普及するかは、現在は見通せません。

Ascento ProAscento Pro

ところが、二輪では転倒してしまうので自動運転は無理だろうと思っていたら、実現している会社があります。“Ascento Pro”は、前後の2輪ではなく左右の2輪です。なるほど、これなら前後のバランスさえとれば、転倒して起き上がれなくなることはありません。

動画を見て驚くのは、階段を登れるところです。今のロボット技術の進歩はめざましいものがあります。現在はロボットとして広い敷地内を巡回して警備をしたり、監視や検針したりする用途が見込まれているようですが、人を乗せて未来の車イスとして使われるようになるかも知れません。



いろいろ挙げてみましたが、さまざまなモビリティが開発されています。楽しみな部分がある一方で、これら、さまざまなモビリティが普及したら、大きさも速さも違う乗り物が道路上に混在して混乱しそうです。淘汰されるものはあるにしても、道路の使い方、分け方が問題となっていくのかも知れません。




◇ 日々の雑感 ◇

注目のエンゼルス・大谷翔平選手は投打二刀流で初の開幕投手としてシーズンをスタートしましたし、マスターズでは松山英樹選手が好調をキープ、トータル3アンダー2位タイで決勝ラウンドに進むなどいろいろと楽しみです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 デル株式会社


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 楽天トラベル

 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)