日本は道路網が発達していますので、ロードバイクでバイクパッキングする人が多いでしょうか。ダートと舗装路の両方を走行するため、グラベルバイクを使う人もあると思います。宿泊の場所が限られないので、よく知られた観光地などではなく、人里離れた山奥の秘湯を訪れたりする人もあると思います。
最近は、SNSにアップするため、あまり人に知られていない場所や、写真映えする景色を目指す人もあるに違いありません。ただ、山奥の秘湯であっても、最近は情報が豊富なので、意外に知られていたりします。検索すれば、写真もたくさん出てくるかも知れません。
(上の画像はイメージです)
でも、そんな中でも、あまり人が訪れないような場所もあります。人跡未踏とは言いませんが、滅多に人が行かないような場所です。なぜ、そのようなことを言うのかといえば、自転車ではないものの、たまたま私にもそのような場所へ行った経験があるからです。
詳しい場所は伏せますが、ある無名の山を登った先の景色に感動したことがあります。その場所は企業の管理地で無断での立入が出来ないだけでなく、登山道なども無く、容易には登れない山でした。ですから、案内してくれた人は、この景色を見たことがある人は、数えるくらいしかいないはずと言っていました。
(上の画像はイメージです)
なぜ私が登れたかと言えば、時期がベストだったからです。ちょうど今くらいの時期だったかと思います。そこは北国で、ふもとの雪は解けていましたが、ある程度の標高より上はまだ雪が多く残っていました。でも春先になって雪が固まってきており、スノーシューをはいて歩ける状態でした。
冬場は雪が深く、歩くと沈んで歩行は困難です。天候も厳しくて、それほど高い山ではないですが、遭難する危険があります。でも春先になれば天候も安定しており、雪が解けてまた固まるなどして、ちょうど歩きやすい状態でした。このような状態になるのは一年に数日、ならない年もあるそうです。
(上の画像はイメージです)
冬以外は、登山道のようなものがなく、道なき場所を登る必要があります。ブッシュがすごくて、鉈で刈りながらでないと進めず、時間もかかり過ぎるため、登るのは現実的ではないと言います。つまり、ブッシュの上に雪が積もって固まっている時しか、現実的に行けない場所なのです。
事情を聞けば、その景色を見たことのある人がほとんどいないのも納得です。私が訪れた時、たまたま登れる状況だったので案内してくれたのですが、貴重な経験をしました。日本に山深い場所は無数にありますが、登山道があって登れるような場所でなく、人が行かないような山奥の場所は、けっこうあるのかも知れません。
(Cairngorms,Scotland)
さて、イギリスに、そうしたなかなか行けない場所をバイクパッキングで走っている人がいます。スコットランドで教育者とアウトドアガイドをしている、
Anniele さんです。
ケアンゴームズという山岳地帯の、全く手つかずのバックカントリーです。夏場に自転車で走行するのは困難な地形です。
春先に雪が融解と凍結を繰り返し、程よい状態になった時しか走破出来ません。毎年、彼女は冬がゆっくり春に移り始めると慎重に状況を観察します。天候が落ち着いて、雪が締まったわずかな期間、そこはバックカントリーの楽園になります。しかし、年によってチャンスが来ない場合も多いと言います。
見渡す限り誰もいない雪原です。道はありません。360度、どちらに向かって走ろうと自由です。大雪原の中で全く自由に自転車に乗る感覚は、他の場所では味わったことのないものだと語っています。そんな非日常の世界へ自転車で冒険に出るわけです。
途中のキャンプはテントではありません。雪を掘って雪洞に泊まります。日本の雪国で、かまくらに入ったことのある人はわかると思いますが、雪の中なのにあたたかいのです。風雨も防げますし、テントより保温効果は高いでしょう。周囲何十キロも誰もいない中で雪洞に泊まるというのも、なかなか出来る体験ではありません。
ずっと、この旅をしたかったのだそうです。バイクは、ファットバイクです。誰も走る人のない大雪原を、自由に自分だけの軌跡を描くというのは、どんな気持ちでしょうか。運が良くないと行くことの出来ないという点も含め、なかなか出来ないバイクパッキングと言えるでしょう。( ↑ 動画参照)
近年は、ファットバイクを使えば、雪上でも自由に走行できるようになりました。自転車による行動範囲が大きく広がった形です。日本に、雪のある時にしか行けない場所がどれほどあるかはわかりませんが、おそらく、まだほとんど人目に触れたことのない景色、手つかずの自然が眠っていそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
佐々木朗希選手が日本プロ野球史上16人目、史上最年少の完全試合!達成おめでとうございます。13者連続19奪三振、しかもまだ1軍で投げ始めて通算たった14試合目、完封どころか完投もなかった20歳、もう凄すぎです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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