自転車に乗る練習ということであれば、ペダルを外す方法のほうがいいように思います。乗れるようになってペダルを取り付ければ、そのまま自転車になるわけで、キックバイクを買わなくて済みます。ただ最近は、すぐに自転車に移行させるのではなく、あえて最初はキックバイクを選ぶ親が増えているようです。
幼児期の一定の間は、すぐに自転車に乗り換えさせることなく、しばらくキックバイクに乗せるわけです。バランス感覚や体幹が鍛えられるなど、身体つくりに貢献すると言われています。運動神経が良くなったり、かけっこが速くなるという話もあります。
基本的に足で蹴って足で止まるので、多くのキックバイクにはブレーキはついていません。子どもの小さな手ではブレーキを掴むのは困難でしょう。自分の足で蹴るだけなので、それほどスピードが出ないぶん、安全という判断もあるのかも知れません。もちろん、必要になれば、いつでも自転車に移れます。
つまり、キックバイクは単なる自転車練習用ではなく、キッズ用の乗り物、キッズバイクとして認知されるようになってきました。海外では、キッズバイクとしてのキックバイク、バランスバイクがメジャーとなり、なんと
世界選手権まで開かれています。2歳〜5歳までしかエントリー出来ない自転車レースです。
子供用ですから、それなりの値段、それなりの性能です。ところが最近は、高性能なバランスバイクも登場しています。なんとフレームはカーボンファイバー製、重さは2キロ程度と軽量です。Specialized 社のバランスバイク、カーボンファイバー製の、
Hotwalk R17000(下の写真) は、なんと1千ドルもします。
子どもの脚力ではスピードは出ないものの、坂などなら加速してしまいます。スピードが出始めたら足で止められなくなる恐れがあります。公園などなら普通は問題ないと思いますが、心配な親のためにブレーキキットも売られています。親がリモコンで遠隔操作して、スピードを落とさせることが出来ます。( ↓ 動画参照)
さらに、
電動のバランスバイクも登場しています。もちろんペダルはないので電動アシストではなく、フル電動のキックバイク、子供用の、e-bike です。これに乗る子どもは、ペダルをこぐ自転車を経由せずに、そのまま電動の、e-bike に進んだりするのでしょうか。( ↓ 動画参照)
子ども用ではなく
高齢者用のバランスバイクも開発されています。高齢者が歩行器を使って歩くより、バランスバイクを使ったほうがいいのではないかという発想です。歩行の補助なので歩道を通れます。歩行器を使うより軽やかに、安定して歩けるケースも少なくないようです。
普通の大人用もあります。折りたたみで、
都市でのモビリティとして使うバランスバイクです。開発者は、スーパーマーケットのショッピングカートを蹴って進んでいて楽しいことに気づきました。それでペダルのついた自転車ではなく、キックスケーターでもない乗り物があってもいいのではと考えたのだそうです。
行きついたのが、折りたたみのバランスバイクです。都市で電車やバスを乗り継ぐ場合でも、折りたたみでコンパクトなので持ち歩き出来ます。ペダルもギヤもチェーンないので軽量で運びやすいのも利点です。そして、歩くかわりに、またがって蹴って進めば、そこそこ速くてラクというわけです。( ↓ 動画参照)
大人はキックバイク、バランスバイクに馴染みがないと思いますが、近年はいろいろなタイプが登場しています。初めての自転車が1千ドルというのも驚きますが、レースや電動、大人用と、いろいろな分野へ広がっており、もはや自転車の練習用、自転車への『つなぎ』の乗り物ではありません。
単なる子ども用の自転車という範疇にも納まらなくなっています。考えてみれば、自転車の起源とされるドライジーネは、足て蹴って進むものでした。先祖返り、あるいは原点に帰ったと考えれば、キックバイクが使われるようになるのも不思議ではありません。
ペダルやギヤ、チェーンなどを省いたことによる特性、利便性、メリットも確かにありそうです。自転車の用途を広げるものでもあります。もはや自転車のカテゴリーの一つと言ってもいいでしょう。さらにそこから電動などの派生もありますし、今後もキックバイク、バランスバイクは独自に発展していきそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
エンゼルスの大谷翔平選手はレンジャーズ戦で逆転満塁弾をあびるなと、調子はイマイチのようです。一方でカブスの鈴木誠也選手は開幕から6試合連続安打3本塁打10打点など好調で、日本人の楽しみも増えていますね。
Posted by cycleroad at 13:00│
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