June 08, 2022

事故から学ぶべき教訓と自戒

関東などでは梅雨入りが宣言されました。


沖縄・奄美地方に続いて、九州南部より早い梅雨入りです。サイクリストにとっては、雨が多くて自転車で出かけにくく憂鬱な季節でしょう。さて、そんな折りですが、最近の自転車関連のニュースの中から気になったものを、いくつかピックアップしてみたいと思います。


スマホゲームしながら運転 自転車の男性をはねて死亡させた44歳の高校教諭の男 ブレーキを踏まずに衝突か 名古屋・西区



スマホでゲームをしながら車を運転し、自転車の男性をはねて死亡させた男が、ブレーキを踏まずに自転車と衝突したとみられることがわかりました。

逮捕された、名古屋市西区に住む県立名古屋工科高校の教諭、伊藤啓介容疑者(44)は、5月31日、西区の信号のない交差点で、軽乗用車を運転中自転車と衝突。高貝真也さん(55)を死亡させた、過失運転致死の疑いで、2日朝送検されました。

取り調べに対し伊藤容疑者は、運転中、スマホ向けゲームの「ドラクエウォーク」をしていたと話し、容疑を認めているということです。

その後の捜査関係者への取材で、車のブレーキ痕が自転車と衝突した地点よりも先にあったことが新たにわかりました。警察は、伊藤容疑者が高貝さんに気付くのが遅れ、ブレーキを踏まずに衝突したとみて、詳しく調べています。(2022年6月2日 CBCニュース)


スマホゲームに夢中になる人がいるのは確かですし、高校教師はやるなとは言いません。しかし、運転しながらゲームに熱中する危険性を、44歳にもなって理解していないのは問題でしょう。本来なら生徒に注意喚起すべき立場の人が、人を死亡させてしまったわけですから、弁解の余地もありません。

自転車はクルマに対して弱い立場であり、混在して走行している道路上では、最終的にはドライバーの安全への配慮に依存させるを得ない部分がどうしても生じます。それが、前を見てもおらず、ブレーキもかけずに追突するのですから、自転車側としては避けようのない事故で怖い限りです。

「ポケモン GO」が大流行した時にも、いろいろな事故が多発し、問題が顕在化しました。こうした現実空間を利用する位置情報ゲームは、人が死傷させる可能性を十分に自覚して、脇見運転などが出来ないような仕様にすべきです。ゲームメーカーは、社会的責任をもっと自覚してもらいたいものです。


注意に逆ギレも? 商店街を爆走する危険自転車



各地で人出が増えているなか、都内の商店街を悩ませているのが危険な運転をする自転車。驚きの光景をカメラが捉えた。

歩行者専用の道を傍若無人に走行し、多くの人で賑わう商店街で人の間を縫うように通過する自転車。この商店街は、通学路にもなっている。近隣住民は「みんなそういう意識がないもんね。これだけの看板が出ているが関係ない」と話す。

多くの飲食店や商業施設などが立ち並ぶ、東京・赤羽のJR赤羽駅の東側。駅から歩いて3分ほどの赤羽スズラン通り商店街には約330メートルに120の店舗がひしめき、平日は1日あたり約1万5千人、休日は約3万人が通行している。コロナ以前の日常を取り戻そうとするなか、赤羽駅の周辺は去年と比べ1割ほど人出が増加している。

人通りが多くなる正午から午後8時は歩行者天国に。商店街と警察は、看板や横断幕などで自転車から降りて通行するよう呼びかけていた。

しかし、たくさんの人通りがあるにも関わらず、歩行者をすり抜け、自転車を降りることなくこぎ続ける様子が見受けられる。商店街によると、自転車を降りて通行する人は2割ほどで、ほとんどの自転車が交通ルールを無視してそのまま商店街を通っている。

商店街の秋廣教雄理事長は、自転車から降りるよう口頭で呼びかけを行なっているが効果はないそう。また、注意すると嫌がられ、逆に怒られることもあるという。また、この現状を少しでも変えようと商店街は近く警察、北区と合同で注意の呼びかけを行う予定としている。(2022/6/1 ABEMAタイムス)


アーケードなどを持つ、ある程度の規模の商店街では全国各地で同様の問題を抱えていることが、時々報じられます。330メートルもあれば、駐輪場にとめて買い物をしろというのは現実的ではないでしょう。荷物を徒歩で運びたくないですから、自転車に乗って商店街を移動したくなるのは人情です。

しかし、それが歩行者への脅威になっていることを多くの人が理解していません。禁止の表示があるのに意に介さず、商店街であろうとなんだろうと、自転車で走行するのは権利くらいに思っている人も少なくないでしょう。これも、自転車の歩道走行が認められてきたことの弊害の一つと言わざるを得ません。

商店街にとっては、お客様なこともあり、物理的に進入できないようにするわけにもいかず、なかなか難しい問題です。ただ、おそらく同調圧力が働くようになれば、押して歩くようになると思われます。どこでも自転車走行できるわけではないことを周知し、商店街では大多数が降りて押すようになるまで徹底するしかなさそうです。


危険自転車“時速30キロ”道路の真ん中に あわや…



車とほぼ同じスピードで、道路の真ん中を堂々と走る一台の自転車。センターラインを越え、逆走状態です。 対向車が来ても、全くスピードを落とす気配がありません。この時、車の速度は30キロを超えています。

先月30日に、滋賀県大津市の県道を走る車のドライブレコーダーの映像です。さらにスピードを上げ、車を追い越し、そのままセンターラインを走っていると、あわや衝突という危険な場面。車の横、すれすれを通過していきます。その後、センターライン上で蛇行運転を繰り返しました。

ドライブレコーダーの持ち主:「自転車が右側から抜かして来るなんて思わないのでビックリしました。対向車線の車からしたら怖いと思う。突然、前の対向車の後ろから自転車が飛び出して来るので」自転車の危険な走行に、専門家は、次のように話します。

元千葉県警・交通事故捜査官 熊谷宗徳氏:「まず、大きい違反としては、2つありまして。1つ目は、左側を通行していなかった通行区分違反ですね。もう1つの大きい危険な違反としては、追い越し禁止場所での追い越し違反ですね。道路の中央が黄色い実線になっているので、中央線から右側にはみ出して追い越しをすると、追い越し禁止違反になります」

3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があるということです。(2022/06/02 テレ朝ニュース)


動画を見る限り、前カゴのついた普通の自転車のようです。あまりペダルをこいでいませんが、おそらく長い下り坂だったのだと思われます。継続してセンターライン付近を走行し、対向車線のクルマを驚かすような挙動も見られるので、いわゆる煽り運転でもあるのでしょう。

危険な行為なのは間違いありません。無謀な走行で事故になって死亡するのは当人の勝手ではありますが、巻き込まれるドライバーにとっては、たまったものではありません。こういう非常識で傍若無人な自転車利用者がいると、サイクリストのイメージが悪くなり、自転車の乗る人全般に対する反感を招く点でも迷惑な話です。


捜査車両で自転車の女性はねる、一時現場離れた巡査長「職を失うこと怖くなり逃げた」

ひき逃げ兵庫県姫路市の市道で3月、姫路署の男性巡査長(29)が捜査車両を運転中に自転車の女性(74)をはねて重傷を負わせた事故で、県警は3日、事故後に逃げたとして巡査長を道路交通法違反(ひき逃げ)と自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)の両容疑で書類送検し、停職1か月の懲戒処分とした。

発表では、巡査長は3月4日、姫路市の市道で捜査車両で自転車の女性をはね、肋骨(ろっこつ)を折る重傷を負わせ、逃げた疑い。約300メートル離れた後、3分後に現場に戻っており、「職を失うことが怖くなって逃げた」と容疑を認めたという。

また、県警は3日、警察手帳を紛失した県警警備部の男性巡査長(28)を戒告の懲戒処分とした。4月4日以降、ロッカーに保管すべき手帳の所在を確認せず、同18日になくなっていると気づいた。手帳は見つかっていないという。(2022/06/04 読売新聞)


警察官がひき逃げです。ひき逃げで一番非難されるであろう立場の警察官でも、怖くなってひき逃げしてしまうのですから、ひき逃げの誘惑は相当強いのだろうと想像します。逃げても、ほぼ必ず捕まりますし、罪は重くなるわけで、例え自転車であっても、万一自分が人身事故を起こした時、逃げないよう自戒したいものです。。

しかし、なぜ警察官だと実名が報道されないのでしょう。高校教師でも市議会議員でも、事故を起こして捕まれば名前が明らかにされるのに、警察官はいつも匿名のような気がします。このような事例は、他にも増して非難されるべきであり、実名報道すべきではないでしょうか。


シマノの自転車変速機、走行中に脱落の恐れ 対象24万個、無償点検や修理の対象か調べる確認方法は

シマノシマノは6月1日、自転車に搭載されている同社製の変速機約24万個を対象に無償点検や修理を行うと発表した。一部が走行中に脱落し、後輪に巻き込まれると転倒してけがをする恐れがあるとしている。

同社ホームページ(HP)によると、対象になるのは2021年9月以降に販売された自転車に搭載されている変速機の一部。該当モデルは、RD-TY21B。製造ロットは、TF/TG/TH/TI/TJ/TK/TL。

同社は「お客様に大変ご迷惑・ご不便をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」としている。問い合わせ先はシマノ品質管理センター=電話0120(660)850。(2022年6月2日 福井新聞)


シマノのパーツがリコールになっています。クルマの場合だと、ディーラーなどから連絡が来ますが、自転車の場合は自転車店から連絡は来るのでしょうか。量販店などでは、必ずしも買った店に住所氏名を知らせるとは限らないでしょうし、怪我の危険性のあるリコールが、ユーザーに伝わるのか気になります。


電動アシスト自転車に力不足を感じてしまうのは乗り方に原因が?

コツさえつかめば、キツい上り坂も大丈夫!!

e-BIKEバッテリーを電源に、電気モーターで人力を補助(アシスト)してくれる「電動アシスト自転車」(以下、e-BIKE)は、とくに急な上り坂などを進む時にそのありがたさを感じます。

しかし中には、実際に乗ってみると「イメージしていたよりもパワーが足りない」と感じることがあるかもしれません。それは乗り方が関係している場合があります。ちょっとしたコツを掴めば、急な上り坂でもスイスイ走るのす。

まず前提として、国内で流通しているe-BIKEには、道路交通法で定められた制限があります。

人がペダルを漕ぐ力を「1」とした場合、時速10キロ以下で最大「2」のアシスト力が加わります。その後はスピードが上がるにつれてアシスト力は低下し、時速24キロに達するとアシスト力は「0」にならなければならないというルールです。どんな上り坂でも2倍以上のアシストにはならず、走行速度が時速24キロ以上では電動アシスト機能がない自転車と同じ状態となります。

したがって、坂道を上る際にはアシスト力が最大になる時速10キロ前後を維持すると良いでしょう。「パワーが足りない」と感じてしまう理由はほかにもあります。それは「e-BIKEがかなり賢いから」です。

最近では店頭に並ぶe-BIKEの大半が、自転車に乗る人のペダルを漕ぐ力を測る「トルクセンサー」を搭載しています。これはペダルを漕ぐ力に応じてアシストする力を決めるための重要な部品です。

これまで電動アシスト機能のない自転車に乗っていた人の多くは、坂道に差し掛かると無意識のうちにペダルを踏む足に力が入ると思います。そうすると、トルクセンサーが「あ、この人は強い力でペダルを漕ぐ気だな」と判断して、安全の確保や省エネのため、アシスト力を下げてしまうのです。

e-BIKEもちろん力いっぱいペダルを漕いでスピードが上がると、さらにアシストが弱くなります。こういった状況が重なると、力んでいる自分と照らし合わせて「パワーが足りない」と感じることになってしまいます。

e-BIKEで上り坂を進む際は「アシストを信じて力を抜く」と良いでしょう。上り切れるか不安になるかもしれませんが、平地で自転車を漕いでいる状態よりも少しテンポを落とす程度で踏み込む力は変えずに進む方が、無駄に力を入れるよりラクに坂道を上ることができるはずです。

e-BIKEにパワーが足りないと感じている人は、ぜひこの方法を試してみてください。(6/2 ヤフーニュース)


ニュースではありませんが、電動アシスト自転車の記事がありました。私も何度か乗ったことはありますが、ふだんは乗らないので、こういうことがあるとは知りませんでした。常用されている方には周知のことかも知れませんが、知らなかった人は試してみる価値がありそうです。


自転車が踏切“無謀進入” 間一髪で“接触回避”も…列車緊急停止



大阪市内の踏切で、警報機が鳴っているにもかかわらず、女性が線路に進入し、あわや事故となる一部始終がカメラに捉えられていました。

■踏切に自転車“無謀進入”

大阪市内の踏切で、撮影された映像です。警報機が鳴り、遮断機が下りるなか、自転車に乗った女性が線路内に進入。焦る様子もなく、渡ろうとします。ところが、渡り切る直前で遮断機が下り、女性は踏切内に閉じ込められてしまいます。

自転車に乗ったまま、遮断棒をどかそうとしますが、うまくできません。線路への進入からおよそ30秒。列車が近くまで迫っていたその時、車で踏切待ちをしていた男性が走って助けに来ました。

遮断棒を持ち上げ、自転車を引き寄せた次の瞬間。女性は倒れながらも、間一髪のところで接触を回避しました。しかし、列車は緊急停止。その場に3分以上、停車する事態となりました。その後、列車が発進した後の現場を見てみると、危険な横断を行った女性は、その場からいなくなっていました。

動画撮影者:「もう、見てびっくり。ちょっとドキドキしました。ほんま1秒、2秒ですよね。遅れていたら、もうダメやったと思います」男性は、2日前にも同じ場所で、「無謀な横断」を見たといいます。

動画撮影者:「2回続いたし、やっぱり社会全体で考えなアカンことやなと思って。少しでも、こういうの(無謀な横断)がなくなればという感じです」(2022/06/02 テレ朝ニュース)


クルマだと、不用意に進入しない人が多いと思いますが、徒歩だと走って通り抜けようとする人はいるでしょう。自転車もその延長のような感覚で通り抜けてしまおうと思ったのかも知れません。しかし遮断機が降りて難儀し、あやうく列車と接触するところでした。

この人が、なぜ自転車を降りて逃げようとしなかったのかはわかりません。自転車はその場に倒し、歩いて遮断機をくぐって脱出し、なんなら後に外から自転車を引っ張るなどの方法もあったはずです。自転車に乗ったまま通ろうとしていますが、命の危険が迫っているわりには、のんびりしているように見えます。

よくあるのが、焦ってしまうと常識的な行動が出来ない事態です。冷静に考えれば、まず逃げればいいだけなのに、そのことに思いが至らない場合があります。周囲から見れば、何を考えているのかわからないいう場面です。頭がパニックになると、ありえることのようなので、気をつけたいところです。


小池都知事「東京を自転車天国に」 レインボーブリッジ封鎖の自転車イベント開催に意欲

都知事東京都の小池百合子知事は5月31日、都内で開催された「東京都自転車政策勉強会」で登壇し、レインボーブリッジ(高速道路)を封鎖して自転車で走行する11月の「臨海部レガシースポーツイベント」の開催に向けて「東京を自転車天国にしたい」と意欲を語った。

新型コロナウイルス禍にあった昨年5月、都は自転車需要の高まりに応える格好で走行環境の整備や安全利用などを掲げた「自転車活用推進計画」を改訂、取り組みを加速する方針を打ち出している。計画の推進と併せて大規模なイベントを開催することで自転車利用の機運を高め、政策の後押しにつなげたい考えだ。

■臨海部に加え来年度は多摩地域でも

臨海部レガシースポーツイベントは、1993年の開通以来初となるレインボーブリッジ上の自転車走行をはじめ、「東京港海の森トンネル」など普段通ることができない東京のランドマークとなるスポットを交通規制し、走行可能にする都市型イベント。その他にもプロの自転車選手によるエキシビションレースや家族連れも参加可能な体験イベントなど、総額約20億円の予算を投じて開催される一大イベントだ。

11月23日に開催予定で、公募開始は7月を見込んでいる。東京五輪で新たに整備されたスポーツ施設が多く集まる臨海部での開催に加え、さらに来年度は五輪競技の一種目であるロードレースの舞台となった多摩地域での開催も予定されている。

都市部の道路を自動車通行止めにして開催する大規模な自転車イベントは、米国のニューヨーク市で開催される「バイクニューヨーク」や、ロンドン五輪を機に誕生した大型自転車イベント「ライドロンドン」が知られる。いずれも数万人規模の一大イベントで、海外からの参加者も多く観光効果も高い。

今回の都のイベント規模は全体でおよそ3000人としているが、同イベントの発案者の1人である東京都議会議員の白戸太朗氏は「規模も定員も現状がゴールだとは思っていない。いずれはバイクニューヨークやロンドンのように数万人規模の開催に成長させていきたいが、まずは安全面で実績を作ることが優先」としている。

■社会を変える後押しに

新型コロナウイルス禍で「密閉、密集、密接」の3密を回避する交通手段として拡大したとされる自転車の利用。自転車を取り巻く社会情勢が大きく変化するなかで、自転車の走行空間の問題や交通ルールをめぐる新たな課題も浮かび上がった。

小池知事は、「コロナ禍を乗り越えた先に元の東京に戻るのではなく、その経験を都市の持続的な発展に繋げる『サステナブル・リカバリー』の視点で政策を展開する必要がある」と強調。自転車の活用に関して「利点を伸ばし、課題に対処していくことが将来にわたって安全で快適な都市を実現することに繋がっていく」とし、今後10年間の具体的な施策を総合的に取りまとめた「東京都自転車活用推進計画」に基づいて取り組みを強化する考えを示した。

白戸議員は、「自転車道を整備するにも都民に必要性を感じてもらうことが重要。いかに自転車利用の機運を高められるかがこの先の自転車計画のベースになる」と強調。「東京が変われば地方に派生し、日本全体が変わる。マラソンでも自転車もそれはできると思っている」とレガシーイベントの開催に向けて意欲を語った。

同イベントの実行委員長を務める、元F1レーサーでジャパンサイクルリーグ(東京都千代田区)の代表取締役の片山右京氏は「残念なことに(現在の走行環境では)自転車が悪者扱いされるケースが多い」との見方を提示。「車としての自転車のプレゼンスを上げるには道路の再配分という大きな話にもなるかもしれないが、そういうところからやらなければ変わらない。これをターニングポイントに日本の自転車文化を世界の水準に近づけていきたい」とした。(6/1 ヤフーニュース)


東京都もイベントなどを通して、自転車による観光振興を狙っているようです。東京五輪のレガシーもあるわけですし、レインボーブリッジや東京港海の森トンネルなどを使って、都市型のイベントによって経済波及効果を狙うのは、コロナ禍による観光業や飲食業などの苦境を考えても意味があると思われます。

ただ、イベントの開催で「東京を自転車天国にしたい」といのは少し違うと思います。このブログでは、海外の自転車天国と呼ばれる都市をいろいろ取り上げてきましたが、イベントではなく、いかに自転車インフラが整備されていて、市民が便利で快適に自転車を活用できているかの視点で、自転車天国と言うべきだと思います。

「東京都自転車活用推進計画」についても触れてはいますが、一部の道路の路肩を青く塗ったり、自転車マークをペイントしたくらいで、自転車天国とは呼べないでしょう。何より、自転車が歩道を我が物顔で走行しているような外国人から見たら野蛮な状態は、世界的には天国どころか非常識です。

当時のボリスジョンソン・ロンドン市長とか、マイケルブルームバーグ・ニューヨーク市長など、都市の自転車インフラの充実に力を入れた首長は、いかにインフラが重要で、それが何をもたらすか理解していました。イベントを企画したからとか、道に色を塗ればとかで自転車天国なんて言わないのも当然です。

小池都知事が、そのあたりの知識や理解、意味合いがわかっているようには思えません。自転車天国に限らず、キャッチーな言葉でアピールするのは得意ですが、選挙で掲げた公約はほとんど実現しておらず、政治的な実績は、ほぼないと指摘する専門家も少なくありません。

「サステナブル・リカバリー」など、横文字を使うのも得意ですが、もっと本質的な部分で東京の都市インフラとしての自転車走行空間を考えてほしいものです。その意味で、都知事の「東京を自転車天国に。」という言葉は、あまりに軽く、その場限りのリップサービスに聞こえてしまうのは私だけでしょうか。




◇ 日々の雑感 ◇

12連敗のエンゼルスのマドン監督が電撃解任ですか。後任監督の起用方法が変わったりしないといいですが。

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