August 31, 2022

自転車の新たな展開を目指す

試行錯誤を続ける人たちがいます。


自転車は、ある程度成熟した製品であり、そう大きく変わるものではないと思いますが、それでももっと改良できないか、新しい価値を加えられないか、社会的な問題に貢献できないかなど、さらに工夫して新しいものを生み出そうと試行錯誤する人たちがいます。

例えば、こちら、“Cardigo Bike”は、自転車の特性を変えられないかと考えました。自転車は優れた有酸素運動が出来ますが、どうしても下半身が中心となり、上半身のトレーニングにはならないことに不足を感じていたのです。そこで自転車の仕組みに改良を加えました。

Cardigo BikeCardigo Bike

なんとフレームを可変にしました。ハンドルを握ったままフレームが伸びたり縮んだりします。この動きがチェーンを通じて後輪に伝わるようになっているため、上半身の力を使って推進力を得ることができます。たしかに、従来のペダリングとは違う身体の動きになります。

ボートをこぐ動きにも似ているでしょうか。腕でハンドルを引き付ける動きです。腹筋なども使うかも知れません。フレームを固定したまま通常通りの走行も出来ますが、必要に応じてフレームを伸縮可能にすれば、下半身に加えて上半身の運動にもなるわけです。

Cardigo BikeCardigo Bike

ずっと同じ姿勢でペダリングしていると、背中や肩、首筋などが凝ったりすることもありますが、この運動を加えれば、上半身も動かせることになり、姿勢を変化させることも可能となります。足を休めて上半身だけで自転車をこぐことも出来ます。

まだ開発段階にあり、基本的な設計については特許申請中です。残念ながら、商品化にまでは至っておらず、エンジニアやデザイナーなどの協力者、そして量産化に向けて資金を提供してくれる投資家を募集しています。上半身も使うことを考えた製品はこれまでもありましたが、また新たな試行錯誤の一つと言えるでしょう。





Arcimoto 社は、電動3輪ビークルなどを商品化している会社です。3輪の電動オートバイ、あるいは電動の3輪のクルマとも言える乗り物です。地球に対し、あまりに大きな環境負荷を与えているクルマを、もっと軽くコンパクトにすることで、温暖化ガスや大気汚染物質削減や、省資源にも貢献できるという考え方です。

日常でクルマで移動するのは、一台につき1人か2人であり、大きなクルマである必要はありません。1人で7人乗りのSUVを運転するのは非効率なだけではなく、地球環境に対する大きな負荷となります。そこで大きさも重さもコンパクトな3輪のEVを提案しているわけです。

FUV FUV

たしかに、1人か2人ならば十分でしょう。環境活動家などから批判の的になりがちで、大きくて燃費が悪くて有名なハマー(HUMMER)という会社のSUVを1台製造する材料で、テスラのEVを2台製造することが出来ますが、Arcimoto 社の“FUV”という3輪EVなら8台も製造できます。そのぶん省資源です。

さらに、その先への試行錯誤として、“Mean Lean Machine”というシリーズを開発しています。こちらはEVではなく、電動アシスト自転車です。電動だけでも走行できます。これならば、1台のハマー分の資源で、100台製造できます。“FUV”より環境負荷が小さいだけでなく、省資源も圧倒的です。

Mean Lean MachineMean Lean Machine

ユニークなのは、ペダルをこいで自分で充電ができることです。家でエアロバイクをこいでエクササイズをする人は増えていますが、エアロバイクの代わりにこの“Mean Lean Machine”をこいで充電すれば、さらにエコです。エクササイズの成果は、移動の際の電動アシストとして使えるわけです。



自転車の素材について試行錯誤する人もいます。カーボンファイバーやチタンなどの新素材から、木製や竹製のフレームまで、いろいろな素材で自転車を製造している例があります。木や竹なら、金属よりも環境負荷が小さく、持続可能性が高いという考え方もあります。

一般的に自転車の素材は、軽くて強くてしなやかで、振動吸収性の高いものが求められます。しかし、そんな中で誰もやったことがない、考えもしなかった素材で自転車を制作したグループがあります。その素材とは、なんとコンクリートです。コンクリート製の自転車なんて聞いたことがありません。

Epic CyclinEpic Cyclin

強度はあるでしょうが、重くて硬直的で、振動吸収性もほぼありません。重さは、134.5kgもあります。それでも、ある程度の速度で動きますが、慣性の法則から考えて、動き出しは重そうです。冗談のような挑戦ですが、実際につくってしまったのがユニークです。

史上初のコンクリート自転車です。つくるのに2ヶ月かかりました。その様子は動画に記録されています。これだけ重いのに、一応自転車として機能するのが面白いところです。これが何の発展や新たな展開に結びつくのかはわかりませんが、今までの常識の逆を行ってみるという試行錯誤と言えるでしょう。



今ある自転車に飽き足らず、もっと違うこと、新しいものが出来ないか考える人は大勢います。いろいろな方向性がありますが、実際にやってみなくては何も始まりません。多くの試行錯誤がどれも果実をもたらすとは限りませんが、挑戦する人たちこそが、新しい展開を切り開くに違いありません。










◇ 日々の雑感 ◇

エンジェルスの大谷翔平選手が2試合連発の29号で本塁打ランキング3位に上がってきました。ヤンキースのジャッジ選手の50号は届かないとしても、11勝と併せ連続のMVPも夢ではない成績になりつつあります。さすがです。

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