October 21, 2022

根本的に解決すべき事がある

季節もだいぶ進んで来ました。


ついこの間まで真夏日と言っていた気がしますが、特に朝晩は、ぐっと気温が下がってきました。明後日は二十四節気の霜降(そうこう)、文字通り霜が降りる頃です。さて、そんな時期ですが、最近の自転車関係のニュースの中から、気になるものを取り上げてみたいと思います。


悪質走行の自転車に赤切符…「徐行せず歩道走る」「右側通行」など4違反対象

赤切符全国の警察が自転車による交通違反の取り締まりを強化している。警視庁はこれまで大半は警告で済ませてきた「徐行せずに歩道通行」「右側通行」など四つの違反で、悪質な場合に赤切符を交付する。重大な死亡事故や交通違反への苦情が後を絶たないためだ。

昨年5494件

警視庁がほかに赤切符の対象にするのは、「信号無視」と「一時不停止」。先月、新たな取り締まり要領を各警察署に通達した。今月下旬から、東京都内の事故多発地点や通学路周辺を中心に運用を始める。

警視庁によると、都内では年々、自転車が加害者となる事故が増え、昨年は5年前の約2・5倍の5494件に上った。今年はさらに増え、先月末時点で5507件に上り、昨年1年間を既に超えている。

苦情も多く、警視庁には昨年、自転車関係の苦情が916件寄せられた。このうち230件は「歩道の自転車が徐行しない」「自転車の右側通行が危ない」などとして取り締まりを求めるものだった。

昨年12月には、足立区の歩道で男子高校生の自転車が徒歩の男性(当時75歳)に衝突し、車道にはじき出された男性がトラックにはねられて死亡した。こうした重大事故では従来も違反者に刑事罰を科してきたが、今後はけが人などがなくても、具体的な危険を生じさせた悪質性があれば赤切符を交付し、刑事事件として処理する方針だ。

自転車の違反は2000年代以降、取り締まりが強化されてきた。歩道での危険走行が目立つことから、07年には道路交通法に「安全確保のためにやむを得ない場合」などと歩道走行の要件を明記。15年からは、信号無視などの危険行為を繰り返した違反者に安全講習の受講を義務づけた。

コロナ禍で自転車通勤する人や配達員による違反が増えたことも踏まえ、警察庁は今年1月、悪質な違反は刑事事件として処理するよう全国警察に指示。警視庁の対策はこれを受けたもので、各地の警察も取り組みを強化している。

人口10万人あたりの自転車事故死者数が全国で最も多い香川県では、自転車の摘発者数が今年8月時点で昨年1年間の2・6倍に上っている。福岡県警は取り締まりなどの重点地区・路線を見直し、計45か所で月1回のペースで集中取り締まりを行っている。警察幹部は「悲惨な交通事故をなくすための取り組みを理解してほしい」と話している。

◆ 赤切符 =交通違反の現場で交付される交通切符。警察に出頭して取り調べを受けた後、道路交通法違反容疑で書類送検され、罰金を科されるケースが多い。反則金を科す青切符(交通反則告知書)は自転車には適用されない。(2022/10/18 読売新聞)


記事の冒頭にあるように、全国の警察が自転車の取締りを強化しています。地区を決めて重点的に取締りをするなど、力を入れているわけですが、警視庁、つまり東京では、悪質な違反に対して赤切符を切ると発表したため、このことの報道であふれています。それだけインパクトもあったということなのでしょう。


悪質運転自転車「赤切符」強化 飲食宅配など事故増加 警視庁

自転車の悪質交通違反 取り締まり強化「赤切符」交付へ警視庁

今月下旬からは自転車4違反に赤切符…品川駅前、警視庁が警告カード渡し一斉指導

自転車の交通違反 警告ケースも赤切符に 取り締まり強化の内容は

自転車の交通違反 取り締まり強化へ「警告」から「赤切符」も

自転車で信号無視、警察官に「青だった」と反論も…警視庁の取り締まり現場で見た悪質運転

悪質自転車に“赤切符” 今月末の摘発強化に向け品川駅近くで警察官が警告

【しらべてみたら】悪質自転車VS警察 “赤切符”で裁判所に出頭?!( ↓ 動画参照)



自転車の悪質な交通違反 対策強化前に都内で集中取り締まり

「自転車の取り締まり強化」に思う〜強制と自律は社会の両輪


特に対象となるのは、「徐行せずに歩道通行」「右側通行」「信号無視」と「一時不停止」です。これまでも警告票を渡すなどしてきたものの、一向に違反やそれに伴う事故が減らないため、赤キップの交付に踏み出した形です。メディア各社が一斉に報道しています。

クルマを運転する方ならご存じの青キップではなく、いきなりの赤キップです。自転車には青キップにあたる制度がないため、比較的軽微な違反でも刑事罰として罰金などが科されることになります。これは、かなり重い処分であり、クルマと著しく不公平になるのが問題でした。

同じ一時不停止でも、クルマなら青キップで反則金と減点で済みます。裁判所へ行く必要もないですし、刑事罰として前科になることもありません。それが自転車で一時不停止をしたら、いきなり赤キップで送検されれば前科になるというのは、納得がいかない人も多いでしょう。不公平感は否めません。

これまでも赤キップは切れたわけですが、この制度的な不備があったため、適用は限られてきました。しかし、死亡事故なども起きており、ついに摘発に踏み切るということなのだろうと思います。不公平さという問題は依然として残るため、この方針には反発もありそうですが、取締りの強化については賛成の声が多いようです。


「自転車に赤切符」ついに取締り本腰へ!? 車と異なる「切符切られた後の措置」とは? SNSでは「もっと」の声も

赤切符「自転車に赤切符」警視庁が取り締まりに本腰!?

警視庁が自転車による交通違反の取り締まりを強化し、悪質な交通違反に対しては赤切符を交付するといった内容が一部で報じられました。では、自転車で赤切符が交付されるとどうなるのでしょうか。

警視庁が公表している交通事故のデータによると、2021年に東京都内で発生した交通事故2万7598件のうち、自転車が関与している事故は43.6%にあたる1万2035件に上り、多く発生している状況がうかがえます。

また2021年に都内で発生した自転車が関与する交通死亡事故は18件で、そのうち16件が信号無視や交差点安全進行義務違反、指定場所一時不停止など何らかの違反があったことが分かっています。

コロナ禍の影響でデリバリーサービスが普及するなど、自転車を利用する人が増加傾向にあり、それに呼応するように交通事故や危険運転も多発している状態といえます。警視庁はこれまでも自転車の交通取り締まりをおこなっており、すでに過去には赤切符交付で検挙している事例も。

しかし絶えず発生する交通事故のほか、さらなる取り締まりを求める声が上がっていたことから、今回取り締まりを強化する運びとなったと考えられます。

報道直後、SNSでは「もっとやってほしい」「都内だけでなく全国でおこなってほしい」など、自転車の交通取り締まり強化を歓迎するユーザーの声が多数見られました。今回は警視庁の取り締まり強化について報じられましたが、これを機に都内の自転車の危険運転が減少し、徐々にこうした取り組みが全国的に展開されることが期待されます。

では自転車で赤切符が交付された場合、どうなるのでしょうか。自転車の交通取り締まりでは、警察官から指導警告を受けるケースと、赤切符が交付され検挙されるケースの2パターンがあります。

指導警告の場合は、警察官から違反の日時、場所、違反内容などが記載された指導警告票を渡され、注意を受けます。こちらの警告票を交付されたとしても罰則はありませんが、警察に氏名、住所などを控えられることになります。

一方で赤切符は悪質、危険性のある運転など重大な交通違反を行った際に交付されるもので、刑事罰の対象となります。さらに3年以内に2回以上、赤切符を交付されたり、自転車で交通事故を起こして送致されたりした場合は、自転車運転者講習を受けなければなりません。

赤切符この講習は時間や手数料がかかるほか、受講命令に従わなかった場合に5万円以下の罰金に処される可能性もあります。

※ ※ ※

今回、警視庁は信号無視、指定場所一時不停止等、右側通行、徐行せずに歩道を通行という自転車の4つの違反に関して、これまで指導警告としていたケースについても取り締まりを強化して検挙すると報道されています。

一方で実は、自転車には全15種類の行為について悪質、危険とみなされるケースがあります。警察では信号無視、通行禁止違反、遮断踏切立入り、交差点安全進行義務違反等、指定場所一時不停止等、制動装置不良自転車運転、酒酔い運転など15種類の行為を危険行為として定めています。

今回取り締まりが強化される違反はもちろんですが、このほか定められている自転車の危険行為について、今一度確認しておくことが大切といえます。(2022.10.19 くるまのニュース)


これまでも、全国で赤キップが交付された事例は、それなりの件数があります。しかし、書類送検されて刑事罰が下されるのは重い意味を持つため、重大事故につながった場合などに適用されたケースが多いようです。警視庁は、事故がなくても、悪質な場合に赤切符を交付するとしていますが、悪質の程度は不明です。

つまり、同じ違反であっても、赤キップを交付される場合とされない場合が出てくることになります。現場の警察官の裁量ということになるのでしょうが、そのあたりでも不公平感を生む可能性はあるでしょう。実際に、どれほどの件数の赤キップが交付されるかは現時点ではわかりません。

私個人は、取締りの強化には肯定的です。歩行者としては歩道を暴走する自転車に危険を感じることがありますし、自転車に乗っていても、右側通行や一時不停止、信号無視で脇道から飛び出してくる自転車と事故になりかねないと感じるケースもあって、非常に迷惑だと感じています。

車道を走行する場合、左側通行だとクルマが後ろから来る形になるので怖い、右側通行をすれば、正面から来るので見えて安心という理屈で、確信犯として逆走する人もいると言います。理屈はわからないでもありませんが自分勝手です。クルマや他の自転車にとっては危険であり迷惑で、法律違反が許されるわけではありません。

もちろん、交通法規を知らずに逆走している人もいるとは思いますが、危険なことには変わりありません。最近は先を急ぐフードデリバリーも問題になっていますし、こうした危険で混沌とした状態を是正するため、取締りを強化することには基本的に賛成します。

ただ、上記で述べたような不公平感が問題にならないか、また、どうしても人員的に取締りの場所や時間は限られるでしょうから、どれほどの実効性のある取締りが可能なのかについては懸念も残ります。警察官が取締りをしていなければ、依然としてルール無視を続ける人も出そうです。


実は国民ほとんど「前科者」?正しい自転車マナーはなぜ浸透しないのか

前科者宅配代行サービスの浸透や健康ブームなどで広がる自転車人口。一方、SNSなどで信号無視や危険運転など、マナー違反も数多く報告されています。

そこで「テレ東プラス」では、自転車の危険運転についてアンケートで実態を調査し、結果を踏まえて専門家に話を聞きました。

「自転車ルールが浸透していないと思う」が9割以上

Yahoo!を通じて、全国の10?60代以上の男女2000人にアンケートを実施(2022年8月11日)した結果、そのうちの67.2%は「これまで危険運転に遭遇したことがある」と回答。

「どんな危険運転でしたか?(複数回答可)」で最も多かったのは「信号無視」の38.9%で、「スマホ、傘差しによる片手運転やイヤホン、ヘッドホンを装着しての運転」が僅差の37.5%、続く「過度な速度」(34.4%)「道路のすり抜け」(31.1%)「無灯火運転」(30.6%)も3割を超える結果となりました。

そして「自転車の運転ルールは浸透していると感じますか?」の問いには、なんと「いいえ」が92.1%。ほとんどの人にとっていまの自転車の交通状況は納得できない様子です。

「なぜか?(複数回答可)」と尋ねると「自転車に合わせた道路づくりができていないから」(58.4%)、「取り締まりの緩さから」(55.8%)、「免許制ではないから(または、講習が義務付けられていないから)」(54.0%)と50%台の答えが連発しました。

アンケートの集計内容や寄せられた意見や疑問をもとに、NPO法人・自転車活用推進研究会の小林成基理事長にお話をうかがいました。

Q.アンケートでは多くの人が自転車のトラブルを経験したと答えました。

「自転車による事故やトラブルは『自転車は車両である』と全国民が正しく理解すれば、ほとんど解決できるものばかりです。例えるなら50cc以下のバイクと同じものだと考えるとわかりやすい。原付きバイクに乗る人はヘルメットをかぶるし、信号が赤なら止まります。歩道は通らないし、傘も差さない。イヤホンをしていると後ろ指をさされます」

前科者Q.ですが、実際にはそのような理解は進んでいません。

「それを説明するには、まず歴史を振り返る必要があります。自転車は明治時代に登場して以来、経済の大動脈の一つとして活躍をしていました。そのため税金もかけられ、車道を通るルールも徹底されていた。

ところが、1950年代の終わりから60年代にかけて急速なモータリゼーションの盛り上がりがあり、まちづくりが自動車主流のものにシフトしていきました。

自動車産業育成のために、ありていにいえば路面電車や自転車が邪魔になった。そこで、東京では40路線以上あった路面電車の廃止や道路交通法を改正して『自転車は危なかったら歩道を通っていい』というルールに変えました。

コンビニなどに入る際、一時的に歩道に乗り上げるなど、いわゆる緊急避難の考え方は世界中に根付いていますが、日本だけが車の事故の誘発を減らすため、つまり“自動車ファースト”実現のためにわざわざルール化してしまいました。これが混乱のもとになっているわけです」

Q.ということはルール上、危ないと感じたら自転車は歩道を走っていい?

「いいえ。通っていいというのは徐行という意味です。走ってしまえば3ヵ月以下の懲役、または5万円以下の罰金になり、警察は違反切符を切ることができます。つまりいまの自転車走行の状況をみると、国民の多くは『前科者』になる可能性があるわけです」

Q.ですが現実には、警察は歩道を走る自転車を取り締まっていません。

「2008年4月以前に発行された警察官の持つ手引き書には『自転車は主に歩道に誘導せよ』との意味の言葉が書かれています。そのため警察官の多くは“車両といえども自転車は歩行者の仲間”と思い込んでしまいました。

2007年の閣議了解で自転車は本来車道を走るべき、という確認がありましたが時すでに遅し。このころには、警察官を含めたたくさんの人のなかで『危ない場合は歩道を(徐行して)通ってもいい』が湾曲し『自転車は歩道を走ってもいい』という“常識”が出来上がっていました。

こうした二転三転の末に、道路における自転車の存在は非常にいびつなものになりました。今回のアンケートにあるようなトラブルや事故が絶えないのはこのためです」

赤切符Q.自転車による事故は増加しているのでしょうか。

「国の人口減少に合わせて、交通事故全体の死傷者は年々減っています。ですが、そのなかで自転車関連事故の減り方は鈍化していて、そのために自転車事故が表面化しています。

日本の自転車事故のほとんどは自動車を相手に交差点で起きています。その割合は70%台で、これは欧州の30%台と比べても特筆すべき多さです。

なぜ起きるのか。国の調査でも、私たちの研究でも、自動車のドライバーは車道脇を走行するオートバイなどに比べ、歩道の自転車を認識しにくいということがわかりました。つまり歩道から交差点にそれなりの速度で飛び出してくる自転車は、自動車のドライバーにとっては突然目の前に現れる存在。自転車が歩道を走る日本の特異性が、交差点での事故を増加させているといえます」

Q.飲食宅配代行サービスの危険運転がニュースで取りざたされています。

「以前から自転車を移動手段の主力とする人ならまだしも、経験則が少ない人たちもこうした仕事を始めています。状況判断ができず、しかも時間に追われているため速度も上げる。ここに日本の特殊な自転車事情が加われば、トラブルや事故が起きるのは当然です。

とはいえ、運営会社としても放置しておけばサービスに支障をきたすため、交通安全の啓発活動を強化していくでしょう。また“プロ化”した配達員も事故を起こせば仕事なくなるため、自然と安全運転を心がける。新しいサービスがどうこうよりも、自転車マナーの根の部分を解決の方向に導かなくてはいけません。

電動キックボードの件も同様で、新しい乗り物が出て来て『これは車の仲間か、自転車の仲間か』となったとき、自転車の仲間と考えた結果、例の日本独特の問題が出てくる。つまり歩道を通ってしまい事故になるわけです」

Q.自転車が免許制になれば問題が減るのでは、という意見もありました。

「免許制が有用なら、世界中がそうなっているはずです。ですが実際には、自転車が免許制の国はどこにもありません。膨大なお金をかけて免許性を維持した効果がどれほどあるのかも疑問が残ります」

集中取り締まりQ.海外の自転車事情はどのようなものでしょうか。

「欧米にはしっかりとした自転車レーンがあり、例えばドイツでは歩行者が自転車の空間(レーン)に立ち入ると捕まるほど区分けが徹底されています。

あとは意外かもしれませんが、デンマークやオランダのような自転車大国では、ヘルメットをかぶっている人はそこまで多くありません。さまざまなルールが徹底されているので、それでも成り立つわけです。

現在の世界の交通思想は、フランスが1982年に制定したLOTI(国内交通基本法)に始まります。ここには誰もがいろいろな選択肢で移動できる権利『通行権』が盛り込まれ、例えば自転車を優先して使いたい人が使えない環境は、間違っているとしています。この考え方は世界中に広まっていますが、日本はまだその状態にありません」

Q.極論ですが「税金を払わない自転車は自由に通行する優先権が低くなる」と考えることもできます。海外ではこの点をどうクリアしたのでしょうか。

「自転車運転などの運動を定期的することは医療費削減の効果が大きく、欧米では国家的な財政戦略の重要な位置づけとなっています。つまり、皆が健康になればそれだけ医療費の負担が減るため、国としては自転車の利用が増えるのは願ったりかなったりというわけです。

ですが何十年もの調査の蓄積が必要で、日本ではあまり理解が進んでいません。そこで自転車部品大手のシマノが10年以上かけて、自転車が健康に役立つかどうかのエビデンスを集めています」

Q.日本の自転車の通行に対し、現在どのような対策が行われているのでしょうか。

「ここ十数年の間、車道の左端に自転車の矢印マークが描かれているのを目にするようになった方も多いのでは。あの『自転車ナビマーク』は自転車が通行すべき部分と進行方向を明示するもので、2012年に国土交通省と警察庁が導入ガイドラインを発表しました。

私もガイドライン作成に携わった専門委員の一人でしたが、私たちが考えたのが『50年続いた自転車走行の勘違いをどうやって本来の状態に戻すか』ということでした。例えば小中学校へ出向いてマナーの講習をしても、どこまで浸透するのかわかりません。それならばと、わかりやすく地面に矢印を描いた。一度の講習なら忘れがちですが、毎日通る道で目にすれば、徐々に意識が高まるのではと考えました」

赤切符Q.一方でネットには「こんな狭いところを通るのか」という声も上がっています。

「あのマークの何より大きな意味合いは、自動車のドライバーに『ここを自転車が通る』と知らせていることです。自動車教習所では自転車がどのように走るかを知識として学びますが、実際に車道に出ると頭の片隅にいってしまいがちです。車道は自転車も走って当たり前という認識を高めるためにもあのマークの役割は大きいはずです。

海外の自転車レーンとは異なり、厳密にその場所しか通ってはいけないというものではありません。日本の狭い道路事情では実用的でない場所もあると思います。ですが、あのマークは本格的な自転車レーンをつくるための前段階のようなものと考えてほしいのです。

地面を青色などに塗った自転車専用通行帯に路駐が絶えないとの話も耳にしますが、取り締まりも数年前から強化されています。矢印が明確で、自転車の逆走も減っていると聞きます。

50年積み重なってしまった“常識”を正しい形に戻すのには一筋縄ではいきません。いまは人の心を変えるための仕掛けを、時間をかけてやっている最中です。信号でも一時停止でもきちんと止まり、傘は差さず、イヤホンもせず、歩道を通らないのが当たり前。そんな自転車本来の姿を取り戻すため、少しずつ舵を切っている段階と思っていただけると何よりです」

追記:警視庁は2022年10月下旬にも自転車の違反の取り締まりを強化すると発表。「信号無視」「一時不停止」「右側通行」「徐行せずに歩道を通行」の4項目のうち悪質な違反について、今後は交通切符(赤切符)を交付して検挙する方針を固めた。(2022.10.19 テレ東プラス)


赤キップを切ることで取締りを厳しくするのは、一つのやり方だと思います。しかし、危険な行為を取り締まることで、自転車利用の秩序が形成されていくとは限りません。私は、何度も書いているように、自転車を完全に車道走行にしなければ、このルール無視の混沌とした状態は解決しないと思っています。

つまり、赤キップの交付による取り締まりの強化は対処療法に過ぎず、根本的な解決に結びつかないのではと思います。これだけ利用者が多いのに、一部で赤キップで取り締まるだけで、法令が遵守される状態、みなが交通ルールを守り、秩序ができるような状態になるとは到底思えません。

こちらの記事にもあるように、自転車が車道走行するのは世界共通、当たり前のことです。それを50年間も間違えてきてしまった結果、自転車走行空間の整備が十分とは言えません。もちろん、ヨーロッパの国々だって、必ずしも自転車とクルマが道路を共有できるような余裕があるとは限りません。

でも、当たり前のこととして車道を走行し、自転車は車両と意識しています。向こうでも違反者がいないとは言いませんが、一定の秩序が出来ており、逆走したり信号無視や一時不停止など危険で無理な走行はしません。それが自分のためでもあり、それが当たり前の社会になっているからです。

日本人は他の国よりも秩序を守る民族と言われます。出来ないわけはありません。しかし、その秩序が形成され、社会的なコンセンサスが出来なければ、守りようがないでしょう。出来てしまえば、それに従うほうがラクですし、安全なので、みなが守るようになり、秩序が保たれていくと思います。

秩序の形成のためには、自転車は車両であり、当然車道走行だという常識が徹底される必要があります。今のように、車道でも歩道でもいい、歩くのと同じ感覚で、どちらの方向に向かってもいいという状態では、秩序形成の土台が出来ていないということになるでしょう。まず車道走行が当たり前という状態にする必要があります。

ただ、日本では車道走行が危険と感じる人が多いのは否めません。これまで、自転車を歩道走行させるため広げてきた歩道を削ってでも、自転車の為の走行空間をつくる必要があるでしょう。その上で、自転車の車道走行を徹底して、車両であることを意識させ、法令を遵守し秩序を保って走行するようになってこそ、問題は解決します。

そのような根本的な解決策へ向けた整備は遅々として進んでいません。それなのに、今事故が多いからといって、赤キップで取り締まりを強化しても、果たしてどれだけの効果があるかは疑問と言わざるを得ません。取り締まりの強化は否定しませんが、根本的な解決を目指すことこそ必要なのではないでしょうか。


水素で走る電動アシスト自転車、中国企業が発売 手軽なカートリッジ式で26万円

水素電動アシスト自転車中国でシェアサイクル事業などを展開するモビリティ企業「永安行科技(Youon)」が9月28日、水素燃料電池の電動アシスト自転車を発表した。

一般消費者向けに量産する燃料電池自転車としては中国初となるもので、一般消費市場をターゲットに、低圧水素貯蔵・交換技術を採用してカーボンフリーに貢献する。この燃料電池自転車には5年間に水素カートリッジ500本のサービスが含まれており、販売価格は1万2800元(約26万円)。

永安行のエンジニアによると、同社初の消費者向け水素電池自転車「Alphaシリーズ」はGPSやIoT通信、データ収集・処理などコネクテッドカー技術を搭載しており、スマートセンシングやインタラクション、ビッグデータサービスなどの機能を実現できるという。

この自転車は、車両に内蔵した水素の電気化学反応により電気エネルギーを発生させ、直接モーターに給電する仕組みだ。リチウムイオン電池とは異なり、燃料電池は充電の必要がなく、固体水素貯蔵技術を採用しているため安全で環境にも優しい。車両重量は約27Kg、最高速度は時速22km、0.7リットルの水素カートリッジ1本で2時間半の連続走行が可能で、航続距離は55km。都市部で生活する市民にとって便利でカーボンフリーな移動手段となることが期待される。

燃料電池自転車の各車両には水素カートリッジが装備されている。消費者の利便性を高めるため、永安行の水素エネルギーデジタル運用プラットフォームが各車両の水素カートリッジのデータ追跡やデジタル管理を行っており、水素の残量が少なくなると、その情報が運用センターに送られ、保守担当者がすぐさまカートリッジ交換に向かう。発電機に使われている燃料電池は、製品寿命に達した後にリサイクルでき、リサイクル率は80%以上に達する。

「水素カートリッジの交換に要する時間はわずか10秒。私たちは1年以上にわたる燃料電池シェアサイクル市場での運用を通じて、水素カートリッジ交換サービスが安全で効率的であると同時に経済的で環境にも優しく、水素充填ステーション建設という難題を回避できると考えた」と燃料電池自転車プロジェクトの責任者は語る。

今回発表した燃料電池自転車には5年間に2万6000kmまで水素供給無料サービスや、水素カートリッジ500本無料サービス、無料メンテナンスが付帯している。モデルチェンジの際には、下取りサービスやリサイクルサービスも提供する。

水素電動アシスト自転車永安行の孫継勝董事長によると、この自転車は中国で初めての一般消費者向け燃料電池自転車であり、便利かつカーボンフリーな都市部の通勤の足となることを目指しているという。

同時に「ダブルカーボン」目標や国家のエネルギー戦略の転換を実現する手段、また自転車の新たな発展の方向ともなっている。

同社は5年前から水素製造、水素貯蔵、燃料電池などに着手してきた。小出力燃料電池の生産ラインが昨年10月に稼働を始めており、生産能力は1ライン年産5万台で、今年10月にはフル稼働する予定。また年産20万台の小出力燃料電池の生産ラインの設置も進めている。

水素製造のコストについて孫董事長は、現在は水素の販売価格が1kgあたり50元(約1000円)にまで下がっていると話す。水素製造には太陽光発電で作られる電力を利用するため、太陽光発電のコストがコスト全体を左右するといい、「今後3年のうちに、1kgあたり35元(約700円)以下にまで下がるだろう」と語った。

永安行は燃料電池自転車のシェアサービスをすでに上海市と江蘇省常州市で展開している。より多くの燃料電池自転車ユーザーに水素充填や水素カートリッジ交換サービスを提供できるよう、今年8月には上海市に「永安行(上海)?能科技有限公司」を設立した。

同社は杭州市、南京市、蘇州市、上海市など周辺都市で水素エネルギー産業のサプライチェーンを積極的に構築し、長江デルタ地区の水素エネルギー産業全体の発展を後押ししている。(2022年10月17日 36Kr Japan)


燃料電池によるアシスト自転車は、日本でもずいぶん前に開発されていました。しかし、実用化、製品化はされていません。この中国企業は、今後の温暖化ガス削減という方向性、電動モビリティの可能性を見据えて、実用化に踏み切ったのでしょう。中国企業には勢いがあり、新しい分野を切り開こうとする起業精神にあふれています。

日本の場合、技術力があったり、開発で先行していても、なかなか実用化に踏み切らず、結局は欧州などにルールづくりで負けたり、各分野で後れをとることになっています。問題があってもまず実用化し、修正しながら進むという点で、中国に負けている分野は、たくさんあるでしょう。

この燃料電池アシスト自転車が、どうなるかはわかりません。しかし、日本のメーカーが参入するのは、これが有望だと評価されたり、採算がとれそうだとわかったり、人々が競って使いだしてからということになるでしょう。少なくとも、これまでの事例ではそうでした。

もう一つ、日本は自転車の歩道走行ということもネックになっています。電動キックボードなどのマイクロモビリティによる移動が、将来、“MaaS”に組み込まれるなど有望視されていますが、日本では歩道走行する人が出てきたり、自転車と同じように、ルール無視で走る人が出ています。

世界で交通が、“MaaS”として一つになっていくと目される中、日本では自転車の歩道走行という環境がネックとなりかねません。交通面や産業面でも、日本が欧米や中国に立ち遅れないために、日本の自転車の歩道走行という、世界からみて異常で、著しく混沌とした状態は早急に解消していくべきではないでしょうか。


「最も幸福」な通勤手段は自転車、調査結果で判明

最も幸福米ミネソタ州ミネアポリスで行われた調査で、通勤は「自転車を使用した場合の幸福度が最も高い」ことがわかったという。

2011年から通勤のための移動に関するデータを収集・分析しているミネソタ大学のインリン・ファン教授(都市・地域計画学)が明らかにした。

交通行動データを収集・処理するスマートフォン向けアプリ「Daynamica」を開発した米デイナミカ(Daynamica)の共同創業者でもあるファン教授は、収集したデータに基づき、「交通幸福度マップ」を作成している。

デイナミカのアプリは、特定のルートを通るユーザーの位置情報データを追跡、ユーザーにそのルートを通ったときの感情について評価するためのアンケートに答えてもらい、ルートと「幸福度、意義深さ、苦しみ、悲しみ、ストレス、疲労感」といった感情の関連性を明らかにするものだ。

調査の結果、ミネアポリスで「幸福度」のスコアが最も高かったのは、ミシシッピ川沿いの自転車道、ウエスト・リバー・パークウェイだった。教授はこの「移動幸福度マップ」を紹介する動画のなかで、「都市計画の担当者は、人々の感情を形づくる大きな力を持っているということだ」と述べている。

また、同州運輸当局の関係者は、「通勤といえば多くの人が、車で渋滞に巻き込まれている状況を思い浮かべるでしょう。それはまさに不幸な状況です」と語っている。

一方、車より自転車や徒歩で通勤する方が幸福だとする調査結果は、ファン教授の研究以外でも示されている。カナダ統計局の調査によると、自転車または徒歩で通勤している人の66%は、通勤の方法に「とても満足している」という。

だが、自動車と公共交通機関で通勤している人のうち、同じように答えている人はそれぞれ、32%、25%にとどまっている。また、通勤の方法に「不満がある」人は、利用する交通手段が自転車の人では6%。車では18%、公共交通機関では23%となっている。

そのほか、国際ストレス・マネジメント協会のフェロー、デビッド・ルイス博士によると、車や電車で通勤している125人の心拍数と血圧を戦場に向かう戦闘機のパイロットと訓練演習に参加している機動隊員と比較したところ、通勤中の人たちの方が、強いストレスを感じていることがわかったという。

機動隊員や戦闘機のパイロットには、自分が置かれた状況がもたらすストレスに対抗するために取り得る行動がある一方、通勤客には何もない、つまり「どうすることもできない」という無力感を持つことが原因だという。博士は、車や電車での通勤は、人を「いら立たせ、不安にさせ、気落ちさせる」と説明している。

また、スイスの経済学者ブルーノ・フライとアロイス・スタッツァーは、1時間かけて車で通勤している人が徒歩や自転車で通勤する人と同程度の幸福感を得るためには、「収入を40%増やす必要がある」との研究結果を示している。(2022/10/09 Forbes JAPAN)


アメリカでの調査結果です。地形、気象条件、道路整備の充実度、住宅事情、雨に濡れることを極端に嫌う民族性など、いろいろな条件によって違ってくるとは思います。しかし、自転車好きの人には、「最も便利な」ではなく、「最も幸福な」通勤手段というところに、共感する人もあるのではないでしょうか。

東京圏のような大きな都市では、通勤する距離が長く、コンパクトな地方都市のように、自転車で通勤するのが現実的でないということもあるでしょう。そのぶん鉄道網が発達していて、速くて便利ということもあります。温帯モンスーン気候で、非常に雨も多いのも難点です。

実際に職場まで自転車で通勤する人の割合は小さくなっています。ただ、満員電車による通勤は苦痛ですし、自転車で通えたら通いたいという人もあるでしょう。以前は変人としか見られませんでしたが、近年は認知度も上がって、職場まで直接自転車通勤する人は少ないながらも増加傾向にはあるようです。

実は自転車でも、思ったより遠い距離の通勤が出来るものです。しかし、インフラが整っていないと、やはり快適でない部分が出てきます。日本は、自転車走行空間の貧弱さという点で、自転車という幸福度が最も高い通勤手段を使いにくいという不幸を強いているようです。




◇ 日々の雑感 ◇

なったばかりのイギリスのトラス首相が辞任表明しました。市場の大混乱を招いた為ですが、日本でも円安が進んでおり似たような状況に陥るリスクが指摘されてます。これを教訓として政策運営に気をつけてほしいものです。

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この記事へのコメント
自転車の交通問題。


違反自転車への赤切符の問題は、東京都だけの話。

地方警察は静観の状態です、何故なら、そもそも自転車に対して、本来の軽車両道交法を運用する意思はないのが地方警察。

地方では新設される道路でさえ、自転車にも歩道通行を奨励させているのが実態。

自転車横断帯を削除させていながら、歩行者用信号柱には、従来の歩行者、自転車専用表示板を残している事が多い。

免許制度までしなくとも、講習制度位は全ての自転車利用者に義務とすべき。
Posted by 香川 at October 27, 2022 10:26
香川さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
今のところ報道を見ても、赤キップの適用を打ち出しているのは警視庁だけとなっていますから、都道府県によって温度差があるのは確かでしょう。
歩道走行の弊害などの状況もそれぞれ違うでしょうし、おっしゃるような軽車両としての道交法の適用に関しても、考え方に違いがあるようです。
免許制度はもちろんですが、講習であっても多大な費用が必要となり、そこには大きな利権が発生するのも問題でしょう。
わざわざ講習をしても、遵守するようになるか、効果のほども不明です。
なかなか改善は簡単ではないと思いますが、まず車道走行という当たり前のことを徹底することから始めるべきだと思います。

同じもののようなので、一つ削除させていただきました。
Posted by cycleroad at October 27, 2022 13:58
 
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