November 14, 2022

市販のものでは満足できない

自転車生活は人それぞれです。


通勤や近所への移動手段、休日にツーリング、ビジネスでの移動や運搬、スポーツやダイエット、目的や自転車の使い方はいろいろあります。もちろん複数の用途に使う人もあるでしょう。そんな自転車を使う生活の中で、何かに不便に感じたりすることもあると思いますが、その内容も人それぞれでしょう。

そんな不便を解消すべく販売されているのが自転車関連のグッズです。人によっては全く不要なものもあれば、誰かにとってはとても重宝するものだったりします。ただ、自分の不満を解消するようなものが既製品として存在していない場合もあります。そこで新しい自転車用品を自分で開発しようとする人がいます。

サイクリングを楽しむのに、自宅から出発するとは限りません。MTBでオフロードを走行したり、いつも同じコースだと飽きるので、どこか出先から走り出したい人もあるでしょう。クルマに自転車を積んで出かけ、移動した先からのサイクリングを楽しむ人たちがいます。

Chuck RackChuck Rack

一人ならトランクや車内に積めるかも知れませんが、家族で出かけたりする場合に必要になるのは、自転車を積載するラックでしょう。2〜4人用ならば市販のものもありますが、人数が多くなると足りません。アメリカ・ユタ州はソルトレークシティに住むエンジニア、Charles McNall さんは自分で開発することにしました。

Chuck Rack”と名付けられたラックは最大6台も積めます。大型の自転車ラックもあることはありましたが、非常に重く、ラック装着がたいへんでした。そこで軽量化し、モジュラー式にしてセットアップも簡単にしました。積み込み時にイライラするブレーキラインの挟み込みなども回避するよう工夫しています。

Chuck RackChuck Rack



クルマの塗装を傷つけず、外して保管する時にも場所をとりません。ラックの高さも調整出来、ラックを装着したままトランクルームにアクセス出来るのも長所です。ラックを手前に傾けられるようになっています。既製品で不満に思う点をいろいろ盛り込みました。( ↑ 動画参照)

クルマで自転車を積んで出かける人が、必ずしも大人数で行くとは限りませんが、やはりラックは必要となるアイテムでしょう。Charles McNall さんが、既製品に感じていた不満を改良した結果、クラウドファンディングで目標金額の10倍以上の資金調達、販売に成功しています。

FOVNOFOVNO

FOVNOFOVNO

FOVNOFOVNO

ラックを使いたい人が、みなRV車に乗っているとは限りません。中には2ドアのクルマとか、あまり荷物を積めないような車種に乗っていることもあるでしょう。中国のメーカーが開発した“FOVNO”は、吸盤式でクルマの天井などに取り付けることができます。

自転車を積む時に、まず自転車のほうに吸盤を装着し、そのままルーフなどに取り付けます。あとはポンプを接続して空気を抜くだけです。とても簡単に装着できて、自転車を積む時の作業もラクです。ラック自体も吸盤部とポンプだけなのでコンパクトに収納しておけます。

FOVNOFOVNO

FOVNOFOVNO



ルーフに限らず、後部のガラスとかトランクの上など、クルマのタイプに応じていろいろな取り付け方が可能です。これなら不特定のクルマ、例えば輪行して駅でレンタカーを借りて目的地を目指すような時、どんな車種でも装着できます。自家用車以外で使うときの選択肢になるでしょう。( ↑ 動画参照)

ところで、ラックに自転車を積んで出かけると、つい積んでいることを忘れてしまうこともあるでしょう。そのまま天井の低い駐車場やゲートをくぐったりする時、クラッシュしてしまい、自転車だけでなくクルマにも被害が及び、下手をすれば構築物なども破損するかも知れません。最悪です。

VELOROOFVELOROOF

VELOROOFVELOROOF

そこで、そのような時、地上高が低い場合にセンサーで知らせてくれる装置が欲しいと考えた人がいます。スペインはマドリード在住の、Andre Jaramillo さんです。開発したのは、“VELOROOF”、積載した自転車のクラッシュ防止装置です。センサーによって感知し、音と光で警告します。( ↓ 動画参照)





取り付けも簡単で数秒で出来ます。上方だけでなく、後方も感知できます。後部に取り付けたラックを失念し、後退して壁や他のクルマとの間に挟んでしまうことを防げます。自転車用ラック以外にも空間感知に使えて便利そうですが、こちらはさすがに必要と思う人が少なかったようで、資金調達目標に達せず失敗しています。

雨の日などのトレーニングとして、室内でエアロバイクをこぐ人もあるでしょう。しかし固定式のバイクだと、左右には振れません。坂を上る時のダンシング、立ち漕ぎするようなスタイルで力をいれて体力の限界まで追い込むようなトレーニングには、物足りないと感じている人がいました。

CURVEPLATECURVEPLATE

CURVEPLATECURVEPLATE

オーストリア、ウィーンに住む、Leo Fuchs さんとそのチームです。開発したのは、“CURVEPLATE”、エアロバイクを傾けるためのベースプレートです。最初から左右に傾けることができる機構を内蔵したエアロバイクを開発するのは、そう簡単ではありません。

そこで彼らが考えたのは、エアロバイクの脚、スタンドに取り付けるベースです。特に油圧も電気も使いません。ただベルトで取り付けるだけで、傾ける余地を生み出します。とても簡単な仕組みです。ある意味、目からウロコの意外なアイディアと言えるかも知れません。( ↓ 動画参照)



CURVEPLATECURVEPLATE

これだけで、実際のバイクをこぐのと同じように左右に振ることが出来、リアルな感覚でペダリングすることが出来るようになります。不安定になるぶん、体幹を使うと思いますし、トレーニングの効果も向上するでしょう。こちらは多くの支持を受け、資金調達に成功しています。

自分で使うためだけに自転車用品を開発した人もいます。こちらは、自転車に取り付ける、“Beer Stabilizer”です。例え自転車が揺れたとしても、ドリンクホルダーはほとんど動きません。缶ビールを入れておいても、こぼれたり、振られて泡が出てしまうようなことはありません。



もちろん、ビールを飲みながら自転車に乗るのは交通違反です。しかし、この作品は、“the_colorist”さん(ハンドルネーム)が個人的に、Burning Man で使うためだけに作りました。Burning Man とは、アメリカ北西部の人里離れた荒野で年に一度、約一週間に渡って開催されるイベントです。

つまり公道ではなく、ビールを飲むのは違法ではありません。広大なイベント会場を移動するために自転車を使うわけですが、その時専用のボトルホルダーということになります。コーラなど炭酸飲料でも重宝しそうですが、これは量産したりするつもりはないようです。

◇ ◇ ◇

かなりニッチなものもありますが、いろいろなことを考える人がいるものです。それだけ、自転車生活のスタイル、自転車の使い方は人それぞれということもあるのでしょう。おそらく、個人的に制作しただけのものを含め、まだまだいろいろなグッズが開発されているのは間違いなさそうです。




◇ 日々の雑感 ◇

アメリカの中間選挙は与党・民主党が議会上院で半数の議席を維持することが確実、議会下院はまだ確定していませんが予想外の健闘です。はたして、トランプ氏の目論む次の大統領選での返り咲きは実現するのでしょうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 デル株式会社


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 楽天トラベル

 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)