December 17, 2022

従業員を健康にする企業経営

近年、健康経営ということが言われます。


健康経営とは、企業が従業員の健康保持や増進を経営課題として捉え、マネジメントすることを言います。欧米で先行した概念ですが、日本でも広がりを見せています。政府もこれを後押しするための制度をスタートさせ、健康経営優良法人、ホワイト500、ブライト500といった認定を行っています。

日本がデフレ経済の元で人件費を削減し、いわゆるブラック企業とか、長時間残業などの問題が噴出し、労働環境の悪化が続いたことの反動もあるのでしょう。企業もそれを明示的に掲げるかは別として、この健康経営ということを無視できない状況になってきました。

健康経営優良法人認定制度

健康経営優良法人認定制度

パワハラや、ワンオペなど過酷な勤務により従業員の自殺が起きれば、世間一般から非難を浴びたり、会社のイメージ悪化は避けられません。労働災害として裁判などのリスクもあります。社員のモチベーションも下がり、内部告発やSNSなどで暴露されれば、いわゆる炎上して会社の売り上げにも直結しかねません。

ブラックな会社でなかったとしても、従業員が健康を害して長期に欠勤すれば、戦力ダウンになります。離職率が高まっても、人手不足の中で欠員の補充が容易とは限りません。うつ病などのメンタル面も含めて、社員の健康に配慮し、状況を把握しておくことが求められています。

MotionMotion

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最近、よく言われる企業の社会的責任(CSR)の面でも不可欠ですし、労働人口が減少していく中、従業員を安定的に確保していくため、あるいは離職率を低く抑えることも重要でしょう。もちろん、社員が健康でウェルビーイングな状態で働ければ、より生産性の向上や業績への反映も期待できます。

社員の健康が増進されれば、エンゲージメント(組織に対する愛着心)も向上するでしょうし、健康保険組合の赤字補填等のコスト削減にもなるはずです。人的資本への投資がますます重視される中で、健康経営に取り組むのは必須の要素となりつつあり、それが会社のブランディングや株価にまで影響するようになっています。

MotionMotion

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健康経営に必要な具体策は企業によってもそれぞれでしょうが、これまでも会社が行ってきたような福利厚生だけでなく、一人ひとりに対してのアプローチが必要になります。健康診断やストレスチェック、受診や結果確認、課題の把握や指導、社員同士のコミュニケーションの向上まで多岐にわたることになります。

従来のような運動や禁煙への補助といったものだけではなく、保健師が食事の指導を行ったり、具体的な健康増進のプログラムの作成が必要かも知れません。社員の勤務実態や残業時間の把握からワークライフバランスの見直し、メンタルヘルスの確認から、相談が可能な仕組みづくりなど、さまざまなことが考えられます。

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ただ、具体的な方法の確立は簡単ではありません。専門の部署があったり、専門家に委託できる会社ばかりとは限りません。例えば、運動習慣が健康増進に貢献することは論を待ちませんが、具体的にどんな運動をどれだけしたのか、測定や把握するのは簡単ではありません。モチベーションの維持も考える必要があります。

社員の健康増進に資する方策はいろいろ考えられると思いますが、その一つとして自転車の活用が考えられるでしょう。これを健康経営の手段として、企業に対してプログラムを提供している会社があります。オランダはロッテルダムを本拠とする“Motion”です。

MotionMotion

スマホのアプリを通じて、社員に自転車の利用を促します。いちいち自転車に乗ったことを社員が記録する必要はありません。GPSやセンサーによって、自転車移動を検出して記録します。そして、その利用した距離や時間に応じて、勤務先から金銭的なインセンティブが与えられるのです。

どんなインセンティブにするかは、導入企業次第です。運動手当としての金銭の支払いのほかに休暇の増加などの特典の付与も考えられます。距離や時間に応じて比例で増えるだけでなく、一定のレベルを超えたらボーナスの支給とか賞品の授与、金銭支給のレートをアップさせるなど、よりモチベーションを高める工夫も出来ます。

MotionMotion

社員が今までより健康になったと、具体的に判定するのは困難です。この“Motion”の利用では自転車での移動を検出するだけです。しかし、自転車に乗れば乗るほど健康になると想定し、自転車に乗ったぶん、報酬が与えられる仕組みになっているわけです。この想定は妥当と考えていいでしょう。

いちいち体重とか検査値などを記録する手間もなく、健康状態を評価する必要もありません。でも、自転車に乗り始めたことで体重が減ったとか、より健康になったと実感する人は多いはずです。自転車をどれだけ使ったかを測定するだけで、社員の健康が増進され、健康経営にもつながるわけです。

MotionMotion

このアプリを導入した企業では、当然のようにクルマから自転車通勤に変える人が増えています。中にはクルマを売り払った人もいます。会社側でも、従業員用駐車場を減らしてコストダウンになるなど、間接的なメリットを得たところもあります。

このアプリの利用に関わらず、自転車通勤を始めて健康増進が実感されたり、仕事への意欲が増した、効率が上がったという話はよく聞きます。会社としては、インセンティブをどのように設定するか考えるだけで、ワーク・エンゲージメントや生産性向上まで期待できるわけです。

MotionMotion

アプリを自社用にカスタマイズできますし、労務費や税金まで計算してくれます。リアルタイムのデータを取得し、記録・確認したりもできます。通勤パターンを確認して労災の防止に役立てたり、温暖化ガスの排出削減量まで可視化してくれます。会社としては、環境負荷を減らす取り組みとしてもアピール出来るでしょう。

日本の場合、オランダのようにすぐ自転車通勤に切り替えられるとは限らないので、同じようにはいかないかも知れません。ただ、社員の健康増進を目指す上で、自転車の利用を促すことは単純明快で、効果も高く、継続しやすいことは多くの事例からも明らかです。健康経営に自転車を活用することは考えてもいいかも知れません。




◇ 日々の雑感 ◇

防衛力強化の必要は理解しますが、だから増税というのは詭弁です。43兆円の正当性が全く示されていません。税収のやり繰りで3/4賄えるならその範囲でやれという話でしょう。防衛増税しておけば将来他の使途への振替えも可能との見え透いた手です。すでに国民の税負担率は5公5民に迫り、江戸時代なら一揆が起きるレベルです。

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