December 23, 2022

支援活動するモチベーション

今年もクリスマスが近づいてきました。


子供たちにとってはビッグイベントです。ちょうど今年欲しいものをいろいろ思い浮かべている最中かも知れません。でも、毎年当たり前のようにプレゼントがもらえる子供たちばかりではありません。自分の元へはサンタクロースが来ないと諦めている子どももいます。

それは途上国の貧困層の子どもばかりではありません。先進国にあっても経済格差が広がり、子どもへのプレゼントどころか、日々の暮らしにさえ困る人が増えています。日本でも格差が拡大し、学校が休みになると給食がなくなるため、満足に栄養がとれない子供たちもいます。

Pedal Thru YouthPedal Thru Youth

欧米も同じです。今年は特に高いインフレが生活を直撃しています。例えばオランダでは、今年の9月にインフレ率が、過去最高の14.5%に達しました。ロシアのウクライナ侵攻によりパイプライン経由のガス供給が止まり、エネルギー価格は前年同期に比べて200%上昇しました。

電気代、ガス代だけでなく、食品もガソリン代も住居費も衣料も日用品も、あらゆるものが値上がりし、家計がひっ迫しています。子どもにかかるさまざまな費用も同じです。そのような状況の中で、子どものクリスマスプレゼント代まで捻出できない家庭が増えてくるのは避けられません。

Pedal Thru YouthPedal Thru Youth

オランダは自転車大国です。オランダの子どもは歩けるようになる前に自転車に乗ると言われるくらいです。それくらい自転車は身近であるとともに、子どもにとっても自転車は必需品であり、日常生活の一部です。この基本的な費用とも言うべき自転車を買う余裕がなくなっている家庭も少なくないのです。

今年に限ったことではありませんが、多くの慈善団体やNPOなどが、こうした家庭、子供たちの支援にあたっています。例えば、ANWB(ロイヤルダッチツーリングクラブ)もその一つです。オランダの旅行者協会で、旅行サービスやロードサイジアシスタンスを提供したりする非営利団体です。

CNY Bicycle Giveaway FoundationCNY Bicycle Giveaway Foundation

ANWBは、家庭で使われなくなった子供用自転車の寄付を受けたり、廃棄された中古の自転車をリサイクルし、整備して子供たちへのプレゼント用の自転車に作り替えます。今年もすでに何千件もの申し込みが届いているため、自転車の寄付を広く呼びかけています。

ANWBは同様の支援を行う団体の一つに過ぎませんが、調査によると、オランダ全体の1/3の250万以上の世帯が使っていない自転車を所有しており、物置などに貯蔵していると推定されています。この使わない自転車を何とか集めて役立てたいと考えているのです。

CNY Bicycle Giveaway FoundationCNY Bicycle Giveaway Foundation

自転車の整備・再生には、メンテナンス技術を持つボランティアが協力しています。オランダでは全ての子供に、学校に通ったり、移動するための自転車が必要だと考えられています。しかし、適齢なのに所有出来ない子どもたちが1割を超えていると推定されています。

自転車を贈られた一人、Myla ちゃんの母親はシングルマザーです。Myla ちゃんは自分の自転車を持つことが出来たのが今でも信じられないくらい嬉しいと話します。おかげで、自転車を持っている友達と出かけられるようになり、初めて図書館に行くことも出来ました。

ANWB KinderfietsenplanANWB Kinderfietsenplan

ANWB KinderfietsenplanANWB Kinderfietsenplan

自転車は、Myla ちゃんの生活を本当に豊かにしたと、お母さんは感じています。まさに天の恵みだったと振り返ります。今、娘のMyla ちゃんが笑顔で自転車に乗っているのを見ると、彼女が幸せに感じているのがわかります。それは自分にも、とても嬉しいことであり、感謝しています。

慈善団体やNPOなどが、このような活動をしているのはオランダだけではありません。アメリカ・マサチューセッツ州で活動する“Pedal Thru Youth”は、自転車やヘルメットを低所得世帯や貧しい家庭に寄付することで、子どものアクティブで健康的なライフスタイルを推進し、地域社会に貢献することを目的としたNPOです。

CNY Bicycle Giveaway FoundationCNY Bicycle Giveaway Foundation

CNY Bicycle Giveaway FoundationCNY Bicycle Giveaway Foundation

Salvation Army of Staunton”(スタントン救世軍)は、アメリカ・バージニア州で、エンジェルツリープログラムと称する仕組みを通して、今年も多くの自転車を贈ることが出来ました。ニューヨーク州・シラキュースの、“Bicycle Giveaway Foundation”の活動は今年で26年目です。

こうした活動をする団体は、世界各地にあって枚挙に暇がありません。特にこのクリスマスの時期には、自転車のプレゼント活動が盛んになります。もちろん、恵まれない子どもに、自転車以外のおもちゃなどをプレゼントする活動もあるとは思いますが、プレゼントとしては自転車が目立ちます。( ↓ 動画参照)



自転車王国オランダほどではないにせよ、子どもにとって自転車は必要ということもあるのでしょう。特定のゲームソフトなどと違い、変わらず子供の欲しいものの定番で希望の上位に来るというのも理由かも知れません。贈るボランティアの大人たちも、初めて自転車を手に入れた時の喜びが幼い頃の記憶として残っていたりするでしょう。

自転車だと、実物の寄付が見込めるというのもありそうです。特に子供用の自転車は、すぐにサイズが小さくなり、使われなくなることも多いはずです。修理や整備をすれば十分にリユースできるので、限られた期間だけ使って廃棄するのは資源の無駄と感じる人も多いに違いありません。

CNY Bicycle Giveaway FoundationCNY Bicycle Giveaway Foundation

CNY Bicycle Giveaway FoundationCNY Bicycle Giveaway Foundation

おそらく、他のおもちゃより長く楽しめますし、子どもによっての好き嫌いも少なく、自転車を持っていない子なら、まず喜んでもらえそうです。そして、子どもの健康にも寄与しますし、行動範囲が広がって自主性を育てたり、子どもの成長に資するなどメリットは多いに違いありません。

子どもが欲しいプレゼントと、親が与えたいものとの乖離はどうしてもありますが、自転車は比較的どちらからも希望が多いのも理由かも知れません。いずれにせよ、自転車は必要で役に立ち、子供へのプレゼントとして定番で、いい効果が見込めるのが、毎年贈られる所以なのでしょう。

ANWB KinderfietsenplanANWB Kinderfietsenplan

ANWB KinderfietsenplanANWB Kinderfietsenplan

親の喜びだけでなく、活動するボランティアのモチベーションも子供たちの笑顔にあることは間違いありません。今年も世界の国の多くの場所で子供たちの笑顔が生まれ、そして自転車に乗った子どもたちが笑顔になるシーンが増えるといいなと思います。




◇ 日々の雑感 ◇

英国の医療調査会社は中国での新型コロナによる死者が1日5千人以上、感染者数は1日100万人以上と見ています。中国産ワクチンの効果が低く医療体制が脆弱で感染爆発したら手に負えないとゼロコロナにしたのは理解できますがデモを受け急転換しての感染爆発、十分予想されたのに習近平氏は何を考えているのでしょうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 デル株式会社


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 楽天トラベル

 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)