ウクライナの人々は戦時下で、爆撃や停電、寒さや物資の不足など厳しい環境の中での生活を余儀なくされています。前回は、そんなウクライナの市民の一人で、豊かな発想力を持つエンジニアにして YouTuber の、
Sergii Gordieiev さんの発明の数々を取り上げました。
ページの読み込みに時間がかかるので10個ほどに抑えましたが、実は他にも自転車関連の作品があります。せっかくですので、それらも載せておきたいと思います。動画の一部に、他社の商品のプロモーションが含まれていたりしますので、少しでも再生数が増えれば、Gordieiev さんの応援にもなるでしょう。
How to Make a Wooden Bike for 200 Hours
こちらは木製の自転車です。木という素材は強さとしなりがあるので意外と自転車に向いており、木製の自転車を製作したり販売したりする会社もあります。しかし、チェーンやタイヤまで全て木工というのは、なかなかないでしょう。しかも、展示用などではなく実際に乗れるところがユニークです。( ↑ 動画参照)
EXPERIMENT: Shock Absorbers in Bicycle Wheels
こちらは、タイヤの中、スポークの部分にサスペンションを使うことで、衝撃を吸収するというアイディアです。MTBなどにはフロントフォークやフレームの一部にサスペンションが組み込まれているものがありますが、これならタイヤを交換するだけで、ハードテールもサスペンション付きに変身します。( ↑ 動画参照)
Epic Cycling | Truly Unique Bicycle that Walks
こちらは後輪がタイヤではありません。このブログでも以前取り上げたことがありますが、実は、Theo Jansen さんと言う著名なアーティストがいて、風の力で動く、"Strandbeest"( ↓ 動画参照)が有名です。もしかしたら、この仕組みからインスパイヤされたのかも知れません。( ↑ 動画参照)
Smooth Cycling on $15 Homemade Bike Rollers
こちらでは、いわゆる3本ローラーのローラー台を自作しています。一般に普及する市販のものもあるくらいですから、特に奇抜な発想や新しいアイディアというわけではありません。ただ、製作費がわずか15ドルというのが、ある意味スゴイところです。( ↑ 動画参照)
Weird Bike with Invisible Wheels
こちらは、ハブがあるのにスポークがありません。実は、スポークの代わりに透明なアクリル板を使って、まるで魔法のような見えないホイールを実現しています。言われなければ気づかない人もいそうですが、気づけば驚くでしょう。いわば、そのためだけに制作しているようなところが笑えます。( ↑ 動画参照)
How to Make a Drift Bike at Home
こちらもユニークな発想です。自転車でドリフト走行するための仕組みです。普通のタイヤの自転車でドリフトするのは、なかなか難易度が高いと思いますが、これなら誰でもドリフトが出来そうです。そのためだけの自転車です。もしかしたら、グランドをならすローラーくらいには使えるかも知れません(笑)。( ↑ 動画参照)
Making a Monowheel out of Wood
木製の一輪車です。一輪車と言っても、市販されている一般的なものではなく、自分が車輪の内側に入ってこぐ、大きな車輪の一輪車です。木の梯子のような部分でバランスをとっているようです。手間もかかると思うのですが、こういった工作が心底好きなのでしょう。( ↑ 動画参照)
How to Make a Tricycle
今度は3輪車です。しかし、やはり普通のトライシクルではありません。3本のタイヤが縦に並んでいます。こうなってしまうと、3輪の意味がないと思いますが、いたって真面目に制作しています。3輪は珍しくないですが、よくこんなことを思いつくものです。( ↑ 動画参照)
Build a Motorized Bike using 25kW Motor at Home
電動バイクも作っています。25kWのブラシレスの家庭用モーターを使っています。自作ながらパワフルで、理論上は時速100キロまで出るそうです。ベースはファットバイクなので安定感もあり、これは電動バイクとしては実用性が高いのではないでしょうか。( ↑ 動画参照)
I built an insane 2WD fat bike
前後輪が駆動輪となる、2WDの自転車も自作しています。こちらもファットバイクがベースになっており、砂地やぬかるみ、雪上などの悪路を走破するのに、両輪駆動は有効だと思います。こちらも発想が特別ということはないですが、実用性は高そうです。( ↑ 動画参照)
insane hubless bike
こちらは、ハブレスタイヤの自転車です。いとも簡単に制作していますが、独自のギヤを作る必要がありますし、まともに走行するようにするための難易度は決して低くないと思います。構想だけでなく、それを実現する技術力もたいしたものだと感じます。( ↑ 動画参照)
How to make a rear wheel riding trainer | Indoor Willie
こちらは発想がユニーク、ウイリー走行を練習するためのインドアトレーナーです。たしかに、ウイリー走行をマスターするのは簡単ではないと思いますが、そのための練習装置、しかもインドアでというのは、なかなか思いつかないでしょう。( ↑ 動画参照)
Insane chainless bike prototype
自転車のトラブルの原因としてパンクと並んで挙げられるチェーンをなくした自転車、チェーンレス自転車です。これは、市販されているものもありますので珍しいわけではありませんが、ドライブシャフトを実現するためには、相応の技術力が必要なのは間違いないでしょう。( ↑ 動画参照)
bike for speed
こちらは、速く走るためにチェーンホイールを巨大化させてしまいました。しかも固定ギアです。こぐのにも止まるのにも相当の脚力がいりそうです。競輪選手などならともかく、このギヤ比を回すのは簡単ではないと思いますが、見た目はユニークです。( ↑ 動画参照)
Incredible Studded and Drilled Bikes
こちらは、スパイクタイヤまで自作です。鋲を一つずつ埋め込んでいます。さらに家庭用のドリルを動力源として使っています。これは雪や氷の上を走行するのには強力なアイテムとなるでしょう。スパイクタイヤくらい市販品を買ってきてもいいような気がしますが、そのあたりが“Incredible”なのでしょう。 ( ↑ 動画参照)
How to Make Fatbike
こちらでは、F1レースで使うようなクルマ用のタイヤを自転車に取り付けてしまいました。究極のファットタイヤ、ファットバイクと言えるでしょう。ただ、脚力は変わらないので、取り立てて意味はないと思いますが、そんなことは関係ないようです。強いて言えば、スタンドが無くても自立するのが便利でしょうか。( ↑ 動画参照)
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100 brick double domino effect
そのほか、自転車に関係していない作品もいろいろ生み出しています。ナンセンスだったり、笑えるものも多いので、興味のある方は、
サイトをご覧になってはいかがでしょうか。まだまだウクライナの苦境は続きそうですが、Sergii Gordieiev さんの今後の創作に期待したいところです。
◇ 日々の雑感 ◇
ロシア軍の総司令官が3ヶ月で交代しました。しかも新しい司令官は軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長となると、もうこれ以上責任をとらせる人がいなくなるわけでプーチン大統領は追いつめられて焦っているのでしょうか。