January 16, 2023

自転車を絡めるのがポイント

現代社会にはポイントがあふれています。


線路の分岐のことではありません。ポイントプログラムやポイントサービスなどによって、付与される点数のことです。発行主体によって、マイルとか、マネー、コインなど呼び方は違いますが、貯めると商品やサービスの代金の一部として充当したり、景品などと交換できたりします。

This image is in the public domain.通信会社や航空会社、クレジットカード会社、ネット通販会社、一般の小売りチェーンから各種のサービスを提供する会社、地域の商店街に至るまで、いまやポイントを発行していない主体のほうが少ないくらいでしょう。中には共通化しようという動きもありますが、多くは個別のもので互換性はありません。

最近はキャッシュレス決済などとも絡んで、多くのプログラムを併用し、どこに何のポイントがいくら貯まっているか把握するのは、もはや困難という人も多いでしょう。それぞれのポイントは、使い方によって金銭と同等の価値を持つわけですが、一定の量にならないと使えなかったり、直接換金出来ないものも多いと思います。

発行主体が違えば、別の商品やサービスのポイントと交換したり合算したりすることも出来ないケースは多いですし、ポイントに有効期限があったりするのもネックでしょう。定期的によく使うものならともかく、失効したり、忘れたり、使いきれないことも多いに違いありません。

キャンペーンなどでポイントの付与率が変わったりすることもありますが、効率的に獲得したり使おうと思うと、かえって無駄なお金を使ってしまったりして本末転倒だったりします。企業の囲い込み策なのはわかっていますが、出かけた先に、いつも使うチェーン店がなかったりして、ポイントの種類は増える一方です。

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それでも、上手く使えれば割引になったり、トクをするわけですから、ポイントをもらって損はしません。なるべくなら、ポイントの種類をまとめ、有効に使いたいと考える人は多いでしょうから、競合の店は使わないようにして、企業の思う壺ですが囲い込まれたりします。

最初からポイント分を値引きしておいてくれれば消費者としてはラクなのですが、企業にすれば、そうはいきません。囲い込むことが競争の手段ですし、いかにポイントの会員にするか、アプリをダウンロードさせて使わせるかに、しのぎを削ることになります。

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さて、ドイツには、少し違うポイント発行主体があります。商品やサービスを買うのではなく、自転車に乗るとポイントがたまるサービス、“Radbonus”です。専用のアプリを使うことで、自転車に乗った距離に応じてポイントが付与されます。

休日に、趣味でサイクリングをしてもポイントがたまります。自転車通勤などをしていれば、何も買わなくても自然とポイントがたまっていくわけです。たまったポイントは、スポンサー企業の割引クーポンと交換するなどして使え、金銭的な価値があるのは一般的なポイントサービスと同じです。

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スポンサー企業にとってのメリットは、商品やサービスを購入してもらえるだけではありません。普通のポイントだったら、いつも買う店は一緒ですが、自転車に乗ることが条件なので、今までの商圏より遠くからの集客が見込めるかも知れません。距離をかせぐために、多少遠くても来てくれる可能性があります。

使うユーザーとしては、自転車に乗るモチベーションになります。どうせ移動するならば、自転車に乗ってポイントを獲得したほうがトクになります。ポイント獲得というモチベーションによって、運動不足の解消やダイエットにもつながるに違いありません。

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使い方は簡単です。自転車の乗り始めに専用アプリの開始をタップし、到着したら停止をタップするだけです。アプリが位置情報とモーションセンサーなどを使って、走行距離を測り記録します。一方で、どこへ行ったかなどの個人情報は取得されません。

もちろん、クルマを使うかわりに自転車に乗れば、環境負荷を減らすのは間違いありません。環境意識の高いヨーロッパの人々にとって、これも重要な点です。そして、結果として自身の健康増進にもつながり、生活習慣病などの予防になり、目には見えませんが、医療費支出の削減にも貢献するでしょう。

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商品やサービスを展開する企業、店舗だけでなく、例えば保険会社にとってもメリットがあります。加入者が自転車に乗って健康になれば、そのぶん保険金を支払う確率が減る計算になります。スポンサー企業として、メリットを提供することで収益に寄与すると判断する会社もあるに違いありません。環境団体などに寄付も出来ます。

健康経営を指向する企業が、自社の社員だけに限定してメリットを提供することも出来ます。社員が健康になれば、健康保険組合の支出を減らす効果があるでしょう。地方自治体にとっても、市民が健康になれば、医療や介護などの予算が低減する効果が見込めるわけで、スポンサーとしてのメリットが期待出来ます。

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単に距離数に応じてポイントが増えるだけでなく、ゲーム性が取り入れられており、自分のプライベートな目標を立ててチャレンジしたりも出来ます。定期的に大会やキャンペーンなどがあって景品が得られたり、全体から見た自分のパフォーマンスを比べたりすることも出来ます。

なかなか面白いシステムです。普通のポイントだと、その商品やサービスを購入した時だけしか貯まりません。でも、この“Radbonus”は、自転車に乗ることでポイントがたまります。ポイントを増やそうと思えば健康になり、地球環境にも貢献することになるわけです。

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日本では、ポイントプログラム間の競争というと、使えるブランドや店舗を増やして利便性向上させたり、期間を決めた付与率のアップキャンペーンなどが一般的でしょうか。加えて差別化を図るならば、この“Radbonus”のように、運動や健康、環境という側面を取り入れてみるのも面白いのではないでしょうか。










◇ 日々の雑感 ◇

中国政府がコロナ感染による中国国内の死者数を発表しましたが、まだ正確さには疑問も残ります。中国の統計は他のものも怪しいですが公衆衛生に関しては、共産党のメンツや都合で数字を操作するのは止めるべきです。

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