染色体からして違うわけですし、性別的な違いがあるのは当然です。身体も違いますし、ホルモンなどの働きもあって、はっきりとした違いが見られます。これが社会的な男女差別につながるのは問題ですが、生物学的にみて違っているのは間違いありません。
男女では脳も違うと言います。構造的には左脳と右脳をつなぐ神経の束、脳梁の太さが女性のほうが太いため、例えば言語処理能力に違いがあるのだそうです。男性と違って、女性は会話の時に左右の脳の複数の場所を使い、その連携にも優れるとされています。
女性が数人でおしゃべりをしている時、それぞれが別の話題、一人が子供のこと、一人が仕事のこと、一人が料理の話、一人がダイエットの話を同時にしていても、互いにそれぞれ理解しながら会話を進められるそうです。男性には難しいと思いますし、女性が一般的におしゃべり好きとされるのも、もっともです。
この言語処理能力を生かした仕事が同時通訳です。テレビのニュースなどを見ていると、外国の要人の発言を同時通訳で伝えていることがありますが、これは決まって女性が担当しています。例外もあるかも知れませんが、あまり男性の同時通訳というのは聞いたことがありません。
これは進化の過程で、男が狩りに出かけ、女は集団で助け合いながら果実を収集したり子育てをしていたからだと言います。男は、お互いに合図はしても、会話をしていたら獲物に気づかれてしまいます。女は集落の女性同士の共同作業や情報交換のために会話が不可欠だったからなのでしょう。
そのほかにも、男性の脳は獲物を捕らえるために空間認知能力に優れ、現代でも地図をみるのが得意だったりします。どのように仕留めるか、効果的かを考え続けるため、論理的思考が身についたとか、素早い決断力が磨かれたとも言われています。
一方の女性は、子どもの表情で状態を察知する必要があったり、集落の他の女性の気持ちを察する能力に長け、共感や感情的な面や、共同で作業をするためのコミュニケーション能力を発達させたと言われます。男女それぞれ役割を分担したり、環境が違ったため、変化してきた部分もあるのでしょう。
私は専門家ではないので、これらがどこまで正しいのかはわかりません。例外や個人差もあるでしょうし、必ずしも男性はこう、女性はこうと分けられない部分もあると思います。現代人の複雑な生活環境・社会環境の中で一概には言えないこともあって、決めつけるべきではないのも確かでしょう。
ただ、実際問題として男女差が見られることはあります。例えば、スポーツバイク(ママチャリではなく、)に乗るのは男性が圧倒的に多いという事実です。友人を考えてもそうですし、街を走っている人を見ても9:1、あるいは、それ以上の割合で、男性のほうが多い気がします。
人数的にみて、明らかに男女差があります。これは、なぜなのでしょうか。上記で述べたような違いがあるとしたら、地図を読むのが不得意、または方向感覚が鈍いため、一人でツーリングに出かけるのが苦手ということが考えられます。今どきはナビアプリもありますが、それでも道に迷う人はいます。
メカニカルなことが苦手で、メンテナンスをするのが苦痛、やりたくないという理由も考えられます。サイクルウェアだと身体の線が出るのが嫌という人もいるでしょう。そのほか、日焼けがイヤ、髪型が崩れるのが嫌い、一緒に走る人がいないなど、理由はたくさんありそうです。
男性でもロードバイクなどのスポーツバイクに興味を示さない人、インドア派の人、身体を動かすのがイヤな人もいるわけですし、それぞれ乗らない理由はあるでしょう。ただ、周囲に女性サイクリストが少ないがゆえに、一緒に走る人がいないから乗らない、それが増えていかない負のループとして働いているのかも知れません。
女性1人で乗って遠くへ行くのは抵抗があるし、迷ったら困る。1人だと、おしゃべりの相手がいなくてつまらない。一人黙々と走るのは面白くないなど、女性ではないので推察に過ぎませんが、周囲にスポーツバイクを趣味とする女性がいないというのは大きな理由かも知れません。
逆に、一緒に趣味の自転車を始められる仲間が近くにいたら違ってくるはずです。そう考えて、オーストラリアはブリスベンで、女性コミュニティを立ち上げた人がいます。Jordana Blackman さんです。彼女自身、そもそも自転車に乗ったことがありませんでした。
曲折があって、スポーツバイクに乗るようになりましたが、同じように始めたくても始められない、始めるきっかけがない女性が少なくないという事実に気がつきました。そこで、女性サイクリストが一緒に走れる人を探すことが出来るコミュニティをつくることを考えました。
“
Chicks Who Ride Bikes”という女性のサイクリングコミュニティです。これは、単なる女性サイクリストのツーリングクラブではありません。このサイトでは、専用のアプリを使って、一緒に走る女性を見つけられます。一度のイベント参加ではないので、まず、近くに住む人である必要があります。
さらに、レベルが一緒でないと長続きしないでしょう。どちらかが一方的に教えたり、引率したりということでは、どちらも面白くありません。さらに好きなライディングの種類もあります。どんなスタイルを好むか、そこが違うと、やはり長くは続かないでしょう。
この、“
Chicks Who Ride Bikes”のアプリは、そのような条件を入力して、一緒に自転車趣味を共有できる友達を探すための、世界初の女性向けサイクリングアプリだとしています。いわゆるマッチングアプリとも言えますが、女性用で、サイクリング目的専用です。顔認証で本人確認をするなど、なりすましを防いでいます。
ただ、女性用とは言っても、性的マイノリティを除外するわけではありません。女性に加えてトランスジェンダー、ノンバイナリーの人なども利用できます。生物学的な特徴などによって排除したりはしません。いわゆる、“WOMXN゛全般が対象です。
本当はスポーツバイクに乗ってみたい女性、乗りたいけど周囲に一緒に走ってくれる人がいない人、始め方がわからない人、ダイエットを目的に一緒に頑張る仲間を探している人、子育てしながら乗りたいママもいるはずです。そのような女性同士をマッチングする、つなげる、そして背中を押すためのコミュニティなのです。
女性がスポーツバイクに乗って得られる素晴らしい体験、自由、自立、喜びを享受できるようにしたいと考えています。スポーツバイクの魅力に気づいていない人も多いと思われますし、スポーツバイクに乗ってみたい人、機会があれば乗るようになる人は、もっとたくさんいるはずなのです。
もちろん、必ず集団で走行しようと言っているわけではありません。慣れたらソロライドにしても構いません。あくまで入り口を支援する仕組みです。そして、自転車趣味だけでなく、地元の素晴らしい友達と出会うきっかけにもなるかも知れません。
自転車という趣味を通して、全く違う世代やバックグラウンドを持ち、普通ならまず知り合うことのない人に出会う人もいます。これによって一生の友たちと言える仲間が出来た人もいます。今まで1人で乗っていた人で、グループで出かけるという楽しみが増えた人もいます。
なるほど、これはなかなか魅力的なコミュニティです。女性がスポーツバイクに乗る、自転車の趣味を始める敷居を確実に低くしてくれます。男女で違いはあるとしても、これほど女性の比率が低いのは不自然な気がします。このような仕組みがあれば、女性サイクリストは確実に増えていくのではないでしょうか。
◇ 日々の雑感 ◇
政府がマスク着用緩和と言い始めています。世界一マスクをしている日本が世界一コロナ患者が多いと言われ、中国でもマスクを徹底していても感染爆発した事実を見ても、マスクは防げてる気がしているだけで、実はしなくても一緒なのではないでしょうか。マスクをしてない欧米より感染が増えるならば、そもそもマスクは無意味でしょう。
Posted by cycleroad at 13:00│
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