まだ中国からの訪日客数が戻っていないとは言うものの、コロナの水際対策も終了し、他のアジアや欧米などを中心に、コロナ前のかなりの割合まで戻ってきています。東京なと、街でも多くの訪日外国人を見かけるようになってきました。京都などではオーバーツーリズムが懸念されるほどの盛況です。( ↓ 動画参照)
訪問先も、東京や京都、大阪、あるいは富士山を含む、いわゆるゴールデンルートだけでなく、日本各地に広がってきています。インバウンドに人気の観光地は、調査によってバラツキがあるので一概には言えませんが、今回G7サミットが行われた広島・宮島の厳島神社や原爆資料館をトップに挙げる調査もあるようです。( ↓ 動画参照)
日本人にも人気の観光地が入っているのはわかりますが、日本人にとっては意外な場所が人気だったりもするようです。例えば、山梨県富士吉田市の新倉富士浅間神社です。名前を聞いたことがない人も多いと思いますが、ここは富士山と五重塔、季節によっては桜と、日本を代表するものが一つの画面に収まります。
たしかに日本らしい、いい写真がとれそうです。今では日本人で訪れる人も増えましたが、インバウンドの人気で日本人が気づいたとも言われています。ここは人気の理由に納得しますが、中には日本人が思いもよらないような人気スポットもあります。

もはや日本人にも広く知られていますが、渋谷のスクランブル交差点もその一つでしょう。東京や近郊に住んでいる人にとっては、日常で通る場所でしかありませんが、外国人から見ると珍しい光景に見えるわけです。こんな交差点は世界を探しても無いからだと言います。
寺社仏閣やテーマパーク、水族館や日本庭園といった有名観光地以外でも、近年は日本アニメの世界的人気に伴って、いわゆる聖地巡礼で、ストーリーの中に出てくる場所を訪れる外国人も増えています。スラムダンクなどに出てくる、江ノ電の鎌倉高校前踏切などは、ただの踏切ですが大人気です。

動物も人気です。都会に野生のシカがいる奈良公園とか、サルが温泉に入る長野の地獄谷野猿公苑、野生のウサギがたくさんいる広島県の大久野島、猫島と呼ばれる愛媛県の青島などにも多くの外国人が訪れます。好きな人は好きなのでしょうが、そんなに珍しい動物ではないぶん意外感もあります。
野生でなくても、生き物と触れ合える店、例えばネコカフェとか、フクロウカフェ、爬虫類カフェなど、日本以外にもありそうな気がしますが、世界的に珍しいと言います。閉店してしまいましたが、宇都宮のサルが接客する居酒屋など、たしかに珍しいですが、わざわざその為に足を運ぶほど外国人に人気だったようです。( ↓ 動画参照)
各地にあるサムライや忍者の体験が出来る施設の人気は理解できますが、谷中とか新宿御苑、豪徳寺、新宿ゴールデン街といった身近な街も人気があります。ロボットレストランの人気はわかりますが、レトロなゲームセンターとか、パチンコ店が珍しかったりもするようです。
そのほか、漢字のタトゥー、高機能トイレ、千社札、立ち食いそば、風呂敷、カプセルトイ、中古のテレビゲーム、フィギュア、ドール、メイドカフェ、カプセルホテル、プラモデル、同人誌など、挙げればキリがありませんが、日本独特の文化やサブカルチャーにも興味が及んでいます。( ↓ 動画参照)
日本人でも一部の人しか知らないような店とかスポットが有名になるのは、やはりネットとSNSの存在が大きいのでしょう。YouTuberとか、インフルエンサーと呼ばれる人が、インスタグラムや、TikTok などに挙げた投稿を見て、日本に興味を持つ人も少なくありません。


中には、写真を見れば日本人でも驚く風景があります。例えばこちら、鳥取県と島根県にかかる「江島大橋」です。通称、「ベタ踏み坂」として一時話題になりました。この坂に興味を持って、なんと自転車で上り下りをしようと考えた、
外国人YouTuber がいます。( ↓ 動画参照)
地元の人も、自転車ではあまり上らないのではないでしょうか。私が近くに住んでいたとしても、自転車で行こうとは思わなかったと思います。YouTuber ですから、注目を集める必要があるとしても、クルマで行くのではなく、自転車で登ろうと考えるとはユニークです。
750万回以上視聴されており、有名観光スポットでもない橋なのに、かなりの注目を集めたようです。そのほかに、例えば、ビルの中を通る高速道路といった動画もアップされており、外国人が注目する日本の風景というのは、景色の美しい場所ばかりではありません。( ↑ 動画参照)
都市や建築物、構造物などに限らず、もともと日本は自然の豊かな国です。日本に住んでいるとわかりませんが、地形的、気候的要因もあって、世界的にも貴重で驚くような景色もあります。温泉もたくさんありますし、動植物の分布なども含め、外国人にとって日本がワンダーランドなのは間違いなさそうです。

しまなみ海道など、世界的にも稀なサイクリングロードだけでなく、豊かな緑を楽しめる各地の自転車道を走ることを目的に来日する外国人観光客も増えています。当然、そのようなサイクリングロードは大きな観光資源になりますが、そうでなくても、サイクリング客を引き付ける可能性はあるでしょう。
特に有名な観光地でなく、自然が美しいわけではない場所、それこそ街中であっても、外国人が何に興味を示すかわかりません。「ベタ踏み坂」を登るために来日するインバウンドがいるかどうかはともかく、都市部や近郊の、日本人にはありふれた光景でも、外国人にはパズる可能性がありそうです。
(ちなみに、ベタ踏み坂と呼ばれる道路はほかにもある。下は広島の、はつかいち大橋)

サイクリングによる観光振興、特にインバウンドを集客しようとする自治体は増えています。特にサイクリングロードとしての観光資源を持っていない地域、そして都市部でも、意外な人気を集めるスポットがあります。サイクリングと組み合わせるにも、日本人が気づいていない観光資源は、まだまだ隠れていそうです。
◇ 日々の雑感 ◇
マイナンバーカードを巡るトラブルが相次いで報道されています。目の色を変えて普及させようとしたツケでしょう。
Posted by cycleroad at 13:00│
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