June 09, 2023

ヘルメットに求められるもの

ヘルメットが進化しています。


日本でも2023年の4月から自転車のヘルメット着用が努力義務とされ、各地で啓発活動に力が入れられていいます。日本の自転車の大多数がママチャリであり、一部のスポーツバイクに乗る人を除けば、ほとんど着用している人はいなかったわけですが、これを機に着用し始めた人もあるようです。

まだ着用している人の割合は少ないですが、一部では普通の帽子に見えるヘルメットが注目されたり、既存のスポーツバイク用のヘルメットの在庫が足りなくなる自転車用品店が出るなどの話も聞かれます。そもそも自転車用のヘルメットに馴染みがなかった人が多い中、多少は関心も高まったのでしょう。

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基本的に、個人が自身の判断でヘルメットを着用するのはいいと思います。もちろん私も、車種や場面によってヘルメットをかぶります。ただ、ママチャリで移動するような場面では着用しません。個人的には、日本で当たり前のように歩道走行している人が、ヘルメットを着用している光景には違和感もあります。

努力義務化以降、ヘルメットをかぶるようになったと思われる人が、歩道上でスピードを出したり、歩行者を縫うように走行しているのを見ることもあります。そもそも歩道では徐行して通行すべきですし、下手をすれば歩行者に対する脅威にもなりかねないわけで、傍若無人に見えます。

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さて、日本の状況とは別に、海外ではヘルメットが進化しつつあります。これまで、いわば定番の自転車用品として、色やデザインは違ったとしても、似たような製品がならんでいました。しかし、ヘルメットに単なる頭部の保護だけではなく、もっと違う機能を求める人が増えています。

こちら、“JY Smart Helmet”は、一見これまでの自転車用ヘルメットのデザインに見えます。でも、実はいろいろな機能が搭載されています。まずライト、前照灯がヘルメットに内蔵されています。ヘルメットに取り付けることで、見たほうを照らせるなどのメリットがあります。

JY Smart HelmetJY Smart Helmet

JY Smart HelmetJY Smart Helmet

後ろ側にはリアライトが装備され、しかもウィンカーとしても使えます。さらに、ステレオ Bluetooth オーディオにデュアルスピーカーが内蔵されており、走行中に音楽を聴けます。スピーカーですので、イヤホンのように耳をふさぐことによるリスクも回避できます。

Bluetooth で手元のスマホと連携させられるので、かかってきた電話に出たり、天気予報を聞くなども可能です。しかも、音声で操作できるので、ハンドルから手を離さずに済み、そのぶん安全です。ツーリングにスマホを携行する人は多いと思いますが、その画面を注視しなくて済み、また操作の問題を解決します。

JY Smart HelmetJY Smart Helmet

さらに電子手ぶれ補正カメラを搭載しています。サイクリング中にヘルメット内蔵のカメラで写真や動画を撮影できます。ハンドルバーに取り付けるリモコンボタンで、撮影や停止などを簡単に制御します。撮影する方向を変えるのは、見る方向を変えるだけですむのも、ヘルメット内蔵の利点でしょう。

電子的な機能が満載です。ハンドルバー回りにいろいろな機器を取り付けなくても、ヘルメットをかぶるだけで済むわけです。近年は、こうした電子的なアクセサリーが増えているわけですが、それらをヘルメットに統合することで、ユーザーのニーズに応える製品と言えるでしょう。( ↓ 動画参照)



開発したのは中国、深センを本拠とする企業です。例によってクラウドファンディングで資金調達、販売していましたが、目標の15倍を超える金額を達成し、多くの支持を得ています。世界各国に発送しているので、中国だけのニーズではなかったようです。

こちらの、“UNIT 1 AURA”も電子的な機能を搭載したヘルメットです。これも前後のライトをヘルメットに内蔵する形になっています。ウィンカー、ターンシグナルも内蔵です。さらに、減速時に点灯するブレーキランプも搭載しています。センサーによって機能するため操作の必要はありません。

UNIT 1 AURAUNIT 1 AURA

UNIT 1 AURAUNIT 1 AURA

ヘルメット以外のライトともシンクロさせたり、必要に応じて場所を移したりなどの機能もあります。手持ちのスマホと連携させることも出来ますし、加速度センサーで衝突を検出し、反応が無ければ位置情報と共にS.O.Sのメッセージを発出するなど、ハイテク機能が満載です。( ↓ 動画参照)

UNIT 1 AURAUNIT 1 AURA



軽量化や通気性など、ヘルメットの基本的な機能やデザインにも配慮されています。こちらもクラウドファンディングで資金調達と販売をしていますが、まだ43日を残して目標の13倍を超える金額を達成しています。次世代スマートヘルメットとして支持されています。

こちら、“VIRGO”もブレーキランプとしても機能するリアライトが内蔵されていたりしますが、最大の特徴はフルフェイス型というところでしょう。BMXレース用やMTBのダウンヒル用など、従来からフルフェイス型はありますが、通常のシティユース用の軽量な自転車用ヘルメットのフルフェイス版という位置付けです。

VIRGOVIRGO

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e-bike 用のヘルメットとしています。近年、電動アシスト自転車が増えています。日本では時速24キロでアシストがなくなりますが、国によってはもっとスピードが出ますし、制限のあるアシストでない、フル電動の自転車も普及が拡大しています。普通の自転車より速いスピードになる場合が増えているわけです。

そこで、事故や転倒などに備え、より被害の軽減につながるフルフェイス型のニーズを見据えているのです。言われてみれば、一般的な自転車用ヘルメットを着用するならば、アゴの部分のガードを加えても、さほど変わりません。それならば、フルフェイス型にするのもアリと考える人もいるに違いありません。( ↓ 動画参照)

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オートバイ用のフルフェイス型ヘルメットだとズシリと重みがありますが、こちらは自転車用がベースで軽量というのがウリです。跳ね上げ式の透過性のある色のバイザーも装備されており、高速走行時に目にゴミが入ったりしないようにアイガードの役割を果たします。

やはりクラウドファンディングで資金調達と販売をおこなっていますが、あっという間に申し込みが集まって目標に到達、まだ20日を残す現在は目標の18倍という金額に達しており、シティユースのフルフェイス型というニーズが確実に存在していたことを証明しています。

◇ ◇ ◇

どれも、コンセプトや方向性はともかく、ヘルメットの頭部保護という基本的な部分だけでなく多機能化し、いろいろな工夫で商品性を高めています。それだけ、ヘルメットに求めるニーズが増え、多様化しているということでしょう。こうした市場動向を捉え、ヘルメットはさまざまに進化していきそうです。




◇ 日々の雑感 ◇

ウクライナのロシア占領地にあるカホウカダムの決壊で市民に広範な被害が及んでいます。酷い戦争犯罪です。

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