June 15, 2023

働き方も通勤の仕方も変わる

働き方が変わってきています。


コロナによるパンデミック、それに伴うロックダウンによって在宅勤務、リモートという働き方にシフトした人は世界中で多かったと思います。その後、収束によってオフィスでの勤務に戻る人も増えています。あらためて対面でのコミュニケーションの大切さが再確認されたという面もあるようです。

しかし、一旦在宅勤務を経験した結果、必ずしもオフィスへ通勤しなくても仕事が出来るとわかった部分もあるでしょう。パンデミックの最中から賃貸オフィスを解約したり、オフィス面積を減らすといった動きがあっただけでなく、パンデミック後に必ずしも人々はオフィスに戻っていないようです。


世界オフィス空室率、リーマン危機超えも 金融の火種に

世界のオフィス市況が厳しい。主要17都市の空室率をみると、10都市で2008年のリーマン危機後など前回ピークを上回った。在宅勤務の定着や人員削減の影響を受けた。都市部の昼間人口減少で、ホテルなど商業施設の稼働率も低下している。不動産向け融資が焦げ付き、金融不安につながる恐れがある。(以下略 2023年6月10日 日本経済新聞)


先進国を中心に世界的な傾向として、都市部のオフィスビルの空室率が上昇しているようです。都市部への通勤人口が減少したことにより、飲食などの需要も減り、商業施設の稼働率も低下傾向にあります。銀行の融資先としての商業不動産関係の企業の不振、融資の焦げ付きによって経済が動揺するリスクが指摘されています。

一方で、これまでと違う働き方、すなわち都心部への通勤を伴わないスタイルの拡大を見込むデベロッパーもあります。全ての社員が全ての仕事を都心のオフィスでするのではなく、必要な時だけオフィスを借りたり、居住地に近いところで、コワーキングスペースと呼ばれる場所をシェアして仕事をするなどのスタイルが出てきました。

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アメリカ・アーカンソー州、ベントンビルに建てられたビルはユニークです。短期リースのオフィス、コワーキングスペース、商業施設などが入居するビルですが、すべての入り口まで、直接自転車で行くことが出来ます。1階建てではありません。6階建て23万平方フィートの大きなビルです。

建物に階段やエレベーターとは別に、スロープがついているのです。勾配は5%と緩やかなので自転車でそのまま上っていくことが出来ます。今までのビルのように、混雑するエレベーターを待って自転車を載せ、オフィスのある階まで上っていく必要はありません。世界初の自転車で直接アクセスできるビルだとしています。

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共有の駐輪場などにとめずにオフィスまで自転車を持ち込めて盗難の懸念も減ります。パンデミックで増加した自転車通勤を支援することで、クルマで通勤する人を減らし、環境負荷を減らす効果も期待できます。自由で柔軟なオフィス環境を提供します。

敷地の裏の公園には自転車道のネットワークの集結点があり、住宅地やMTBトレイル施設などとも結ばれています。ベントンビルはアーカンソー州北西部で、MTBトレイルの中心的な地域でもあります。自転車で通勤・移動するのに便利な立地にあることも背景の一つです。

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このビルはもともと、コワーキングスペースを展開する企業、WeWork 社が計画する建物でした。しかし、不正会計問題やCEOの交代、上場申請撤回などの一連のトラブルで計画は白紙に戻りました。開発主体の、Ledger 社は、コワーキングスペース用のビルからオフィスを含む商業ビルに路線を変更しました。

臨時や短期リースのオフィス、コワーキングスペースに加え、小売店や飲食などのテナント、屋上イベントスペースなどもあるビルになりました。普通のオフィスビルの店舗やテナントは1階か、せいぜい2階にあります。しかし、このビルの特徴的な点として、5階や6階にもあります。( ↓ 動画参照)



つまり、3階以上にいわゆる路面店がある形です。自転車で路面店にアクセスするのと同じ感覚で、2階以上の店舗やテナントに直接アクセス出来ます。自転車で上れるスロープによって、路面店を立体的に積み上げたようなスタイルになっているわけです。

ビルは上に行くにつれ小さくなっているので、スロープも開放的です。このスロープは、ビル内のオフィスやコワーキングスペースに加え、カフェや小売店、クリニックから自転車サービスの店、ヨガスタジオから結婚式場まで、いろいろな施設の利用者が行き交う公共の道路と同じような役割を果たしています。

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自転車通勤者に対して、各階に安全な自転車保管スペースが用意されていて、eBike の充電も出来ます。各フロアにはシャワー室、ロッカー、更衣室、バイカー用のリフレッシュラウンジまで設置されています。自転車通勤をする人に対し、優しいビルでもあるわけです。

なかなかユニークなビルです。このコンセプトが空室率を下げるかはともかく、今までとは違う働き方にも対応するオフィスの形の一つと言えるでしょう。働き方の変化に加え、その健康効果から自転車通勤をする人の増加に対応する、新しいビルのスタイルでもあります。

L’immeuble a velosL’immeuble a velos

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ちなみに、フランス・グルノーブルには、自転車で部屋の前まで行けるアパートがあります。スロープではありませんが、大型のエレベーターで昇降し、各階の廊下は自転車で通行して各部屋にアクセスできるという共同住宅です。こちらも6階建て、1階は一部店舗で、全部で56戸のアパルトマンです。

こちらも、各人の部屋まで自転車でアクセスできることで、盗難などの懸念に対応しています。最初から、共同の駐輪場ではなく、それぞれの部屋まで自転車を持って行き、室内保管することを前提にしたアパルトマンなのです。ちなみに、この建物も自転車道の始点に立地するという特徴があります。( ↓ 動画参照)



日本では、自転車の室内保管が一般的ではありません。オフィスで、自分のデスクの脇に自転車を置いておく人も、ほとんどいないでしょう。オフィスや共同住宅に共有の駐輪場があったとしても、1階か地下です。まず、そのあたりの違いから、日本では出てこないコンセプトと言えるかも知れません。

海外では日本の格安ママチャリと違い、相対的に高価な自転車に乗る人は多いですし、どうしても盗難の懸念などから、自転車でドア・ツー・ドアで行けることに対する魅力、ニーズがあります。都市の中心部の地価の高い場所へ通勤しなくなれば、働き方だけでなく、自転車通勤事情も変化していく余地がありそうです。





◇ 日々の雑感 ◇

衆議院の解散が取りざたされています。解散は総理の専権事項ですが、まだ任期の半分も経たないわけですし、相応の費用もかかります。本当に国民に問うことがあるならともかく、党利党略での解散なら非難されるでしょう。

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