June 21, 2023

根源にあるものを冷静に見る

今日は1年で昼の最も長い日、夏至です。


梅雨の晴れ間の強い日差しで、本格的な夏を前に、すでに各地で猛暑日が相次いでいます。これからの夏の暑さが思いやられます。さて、そんな時期になってきましたが、今回は最近の自転車関連のニュースの中から、目についたものをいくつか取り上げてみたいと思います。


着用率自転車用ヘルメット着用率は9.5% 努力義務化前から+3.2%【新潟】

自転車「ヘルメット着用率調査」着用していた人は7%「髪型が崩れるのが嫌」着用しない理由 愛知

自転車のヘルメットの着用率1割、香川県警が計測…「努力義務なので」「髪のセット崩れる」

自転車ヘルメット着用率、1割届かず 「髪形崩れる」傾向続く

自転車ヘルメットの着用率4% 改正法施行前、13都府県調査―警察庁


地域も時期もそれぞれですが、ヘルメットの着用率のニュースが各地で報じられています。たしかに、以前より着用者が増えた感はあります。もちろん、私が個人的に見た範囲だけで判断するわけにはいきませんし、場所によるでしょうが、言われるほど増加していないような気もします。

これらは報道の一部に過ぎませんが、どのニュースを見ても、記者が1時間ほど目視で数えただけとか、調査したのは警察ながら、サンプル数が少なかったりとか、およそ統計的な信頼性が疑問な数字です。つまり、根拠の薄い数字を元にしているわけで、報道姿勢からして問題だと思います。

地域による差だけでなく、時間帯や調べる交差点によっても大きく違う可能性があります。曜日によっても違うかも知れません。それを何%と数字で報道することで、間違った印象を与えることになりかねません。使う数字によっては印象も変わるわけで、マスコミのいい加減さ、無責任さは否めません。


致死率ヘルメット非着用、致死率2.4倍 自転車ルール順守を―交通安全白書


政府は20日の閣議で、2023年版「交通安全白書」を決定した。13〜22年の自転車事故について、ヘルメットを着用していなかった場合は着用していた時に比べて致死率が約2.4倍だったと説明。

23年4月から全ての自転車利用者を対象にヘルメット着用を努力義務としたことを踏まえ、ルールの順守を訴えた。(2023年06月20日 時事通信)



交通安全白書の致死率2.4倍も疑問です。統計をとる手法に問題があります。この期間、日本でヘルメットを着用して走行していた人のほとんどは、ロードバイクに乗っているような人たちでしょう。交通ルールの重要性を理解し、自転車の特性やリスクもわかっています。相対的に事故に遭いにくいのは間違いありません。

一方で、交通ルールを知らず、あるいは無視して危険な走行をする人、ママチャリに乗っている人の、この期間のヘルメット着用率は限りなく低かったはずです。これらの条件が違うのに、ヘルメットを着用していれば、致死率が2.4倍違ってくるかのように結論づけるのはおかしいと思います。

つまり、ヘルメット着用の有無ではなく、ルール無視や危険な走行をせず、安全意識の高い人の致死率が低く、交通ルールを無視し、傍若無人の危険な走行をする人の致死率が高いという結果を示している可能性は高いでしょう。この点を考慮せずにヘルメット着用の有無で致死率が番うと結論づけるのは、間違いと言わざるを得ません。


「ヘルメット」で済むなら警察いらない? 交通事故防止で本当に必要なのは「自転車レーン」だ

ヘルメット2023年4月1日から、自転車に乗るときのヘルメットの着用が努力義務となった。しかし、ヘルメットを着用すれば本当に事故は減るのだろうか。

ヘルメット着用努力義務の開始

2023年4月1日から、自転車に乗るときのヘルメットの着用が努力義務となった。これまでは13歳未満の子どもが着けるよう、保護者たちへの努力義務があった。それが全年齢に広げられた形だ。理由について警察庁が公表した2022年の交通事故分析資料では、ヘルメットを着用していない場合、事故にあったときの致死率が「約2.6倍」になることなどを挙げている。

ヘルメット着用で事故は減るのか

驚いたのは努力義務となった4月1日以降、自転車事故のニュースを多く見るようになったことだ。象徴的だったのが4月9日、京都府京田辺市の自転車道「木津川サイクリングロード」で起きた自転車同士の正面衝突事故だ。ヘルメットなしの男性が死亡したのに対し、 ヘルメットを着用していた女性は命に別条はなかったという状況で、努力義務となって初の死亡事故だったこともあり、多くのメディアで報じられた。

これ以降もしばらくは、ヘルメット未着用の自転車利用者が関わった事故のニュースが多く見られた。衝突した自動車側の過失が明らかであるにもかかわらず、「ヘルメット未着用ばかりを強調する」報道もあった。

ここまで読んできた人の一部は、すでに疑問を抱いているだろう。ヘルメットを着用すれば事故は減るのかと。もちろんそうではない。警察庁の2022年の統計でも、自転車乗車中の死者数は年々減っているのに、自転車対歩行者の事故による歩行者の死傷者数は横ばいであることも示されている。

ここから推察できるのは、自転車のための独立した走行環境、つまり「自転車道や自転車レーンを増やす」ほうが、事故防止には効果があるということだ。

ヘルメット世界的に珍しい日本の「自歩道」

2023年7月から、特定小型原動機付自転車(原付)という新しいルールが導入されることで増加が予想される電動キックボードについても、同じことがいえる。

「日本は狭い国なので自転車道や自転車レーンを作るのは難しい」と、反論する人がいるかもしれない。しかし世界的に有名な自転車先進国であるオランダの国土面積は日本のおよそ9分の1にすぎない。しかも人口は約1750万人なので、人口密度は日本を上回っているのである。

そのオランダでも、自転車事故による犠牲者の増加に悩んだ時期があり、ヘルメット着用義務が議論に上がったものの、それよりも走行環境整備が大事という意見が多く、ヘルメット着用は任意のまま、走行空間の整備が進んだという経緯を聞く。

一方の日本は高度経済成長期に自動車が増加し、自転車事故が増えた際、一部の歩道を走っても良いという、世界的にも珍しいルールを導入した。いわゆる自歩道(自転車歩行者道)だ。

青い円の中に歩行者と自転車を描いた交通標識は、今なお多くの道路で見かける。その結果、欧州ではあまり問題にならない、歩行者と自転車の接触事故が多数発生している。自転車マナー悪化の原因のひとつも、この曖昧なルールにあると感じている。

日本の「自転車はなんでもあり」

例えば、全国の交差点に増えつつある歩車分離式信号では、自転車は車両なので、車道を走るときは自動車の信号が青のときに進むことになるのだが、自歩道を走ってきた自転車は、逆に歩行者の信号が青のときに交差点を渡ることになる。

つまり、走る場所を変えることでいつでも交差点を通過できることになる。このルールが、「自転車はなんでもあり」的な考えを生んではいないだろうか。とにかく、日本の自転車インフラは世界的に見れば例外的であり、欧米などでは自転車走行空間の整備が、急ピッチで進んでいる。

ヘルメット筆者(森口将之、モビリティジャーナリスト)が訪れる機会の多いフランスのパリでは、2021年時点ですでに1000kmの長さを誇る市内の自転車レーンを、さらに450km延長するとともに、駐輪場などの整備を、2.5億ユーロ(350億円。1ユーロ140円換算)もの予算をかけて行うとしている。

ヘルメット着用義務化で「利用者激減」

対する本年度の国土交通省の東京都道路関係予算配分は、約240億円。しかも東京都では、2019年度末で305kmだった自転車走行空間を、2021年度から10年間で900kmにする計画を掲げてはいるものの、予算配分の内訳を見る限り、自転車のみを掲げた項目はゼロだ。

実は前述した京都府の事故現場も、鉄道の線路をアンダーパスする場所で、下り坂ということで勢いづいた自転車同士が衝突したのではないかと、インフラの問題点を指摘する人もいる。しかしマスコミの報道はヘルメットの着用に終始していた印象がある。

警察庁でも、こうした風潮は好ましくないと思ったのだろう。5月30日に全国一斉の指導取り締まりを行った。自転車の利用が多い都市部で定められた、自転車指導啓発重点地区・路線を中心とした全国2880か所で、警察官約9300人が動員されたという。

その結果、いわゆる違反切符などの交付を受けた摘発件数は約500件。信号無視と指定場所一時不停止の2件だけで、全体の約4分の3を占めたそうだ。谷公一国家公安委員長によれば、2022年秋比で「45.4%」の増加だったという。

ヘルメットこうした取り締まりはもっとひんぱんに行ってほしいものだが、それでも事故が減らないとなると、現状から予想すれば、かつての原付同様、ヘルメット着用義務に進むことが予想される。そうなれば原付がそうなったように、「利用者の激減」が予想される。

これだけ警察庁が自転車の安全性を高めようとしているのに、道路を管理する国土交通省からは自転車走行環境を急ピッチでよくしようというメッセージが聞こえてこないので、そういう方向に進むことは十分に予想できる。

原付ヘルメット義務化の際は、やや遅れて電動アシスト自転車という受け皿が生まれたが、自転車もヘルメット義務化となれば、もっとも身近な乗り物に乗るためのハードルが上がるわけで、ヘルメットが嫌な人は歩くしかなくなる。

果たしてそれが、「モビリティ = 移動可能性」を高めることになるだろうか。ヘルメットの着用を進めれば問題解決などと思わず、インフラを含めた抜本的な対策を望みたい。(2023.6.18 メルクマール)


これはニュースではありませんが、ヘルメットの着用が事故防止の切り札のように扱われていることに対し、疑問を呈する記事が載っていました。私もさんざん指摘してきたことであり、私の意見と共通する部分があります。冷静に考えれば、ヘルメットをかぶっただけでは交通事故を防げないという、至極当たり前の話です。

ヘルメットの着用が無駄だと言いたいのではありません。ヘルメットをかぶりたいと思う人はかぶればいいわけで、そのこと自体は問題ではありません。法律で努力義務とは言え市民に強制するものではないとは思いますが、推奨したり啓発するのも構いません。

着用率もちろん、以前何度か取り上げたように、死亡に至るような事故に対しては自転車用ヘルメットの効果は期待出来ないという欧米での研究は多々あり、効果のほどには異論もあるでしょう。その是非は別としても、警察が自転車の交通安全の切り札のようにヘルメット着用に力を入れるのには違和感があります。

ヘルメット着用は、不運にも事故に遭った場合の被害軽減策に過ぎないわけで、交通事故を減らす効果はありません。むしろ、ヘルメットを着用していると、ドライバーがとる側方間隔が狭くなるという調査もあります。つまり、事故防止とは別の話です。

事故を防止するために交通ルールを遵守させたり、道路上での交通秩序を実現するべく、道路インフラを整備するのが警察や行政の仕事でしょう。それを疎かにしてヘルメット着用促進活動ばかりやっていることに、違和感を感じている人は私だけではないようです。

なるべく事故が起きないようにするのが警察や行政の仕事です。事故被害軽減策としてヘルメット着用を推奨するのとは別の話です。それが交通安全対策になるかの印象を醸成するのは間違っています。本来やるべき交通安全対策に対する無為無策、あるいは怠慢から目をそらさせようとしているようにも見えてしまいます。


「ぼーっとしながら運転していた」自転車の女性が乗用車にはねられドクターヘリで搬送

ぼーっと北海道・美深町で、自転車に乗っていた高齢とみられる女性が乗用車にはねられ重傷を負う事故がありました。事故があったのは美深町東1条北3丁目の交差点で、午前11時ごろ自転車で渡っていた女性が、左からきた乗用車にはねられました。

警察によりますと、この事故で自転車の女性が重傷を負い、ドクターヘリで旭川市内の病院に搬送されたということです。現場の交差点には信号がなく、横断歩道もありませんでした。警察は乗用車を運転していた女(46)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。

調べに対し女は「ぼーっとしながら車を運転していて事故を起こし、けがをさせたことは間違いない」と容疑を認めているということです。(6/19 STVニュース)


ドライバーが、『ぼーっとしながら運転し』たために、自転車に乗っていた人が重傷を負うのはあまりに不条理と言わざるを得ません。ぼーっとしながら運転するのも問題ですが、こうしたことで事故が起きないような啓発活動・取締りやインフラ整備こそを、警察や行政には力を入れて欲しいと思います。


自転車に乗るなら肝に銘じておきたい…ひき逃げで逮捕なら勾留最大23日、解雇のリスクも

ひき逃げひき逃げというと、クルマが加害者になる事故や事件をイメージするだろう。しかし、最近は自転車が加害者になるケースが相次いでいる。自転車といえども、加害者が逃げると、警察沙汰になりかねない。(中略)

救護義務違反で10年以下の懲役、または100万円以下の罰金

自転車事故への取り締まりが強化。厳罰化の流れにある。通勤やレジャーなど自転車を利用している人は、万が一、人や自転車などとぶつかった挙げ句、逃げると、場合によっては大変なことになるのだ。弁護士の山口宏氏が言う。

「道路交通法上、自転車は軽車両に位置づけられていて、事故を起こしたら、自転車を停止して負傷者を救護する義務や、警察に事故を報告する義務などがある。それらの義務を怠り、人身事故を放置して逃げ去る行為がひき逃げです。そのまま逃げ続けると、警察から『逃亡や証拠隠滅の恐れがある』とみなされるため、捜査の状況次第で逮捕される可能性が高い」

救護義務違反は10年以下の懲役または100万円以下の罰金で、報告義務違反は3月以下の懲役または5万円以下の罰金だ。救護義務違反の方がより重いことからも分かるように、万が一、事故を起こしたら、とにかく被害者の救助が優先される。

静岡の事故も神戸の事故も、被害者は幸い軽傷で済んでいるが、だからといって、加害者が逃げ続けていいことにはならない。神戸の事故では、発生当時、目撃者がいなかったそうだが、今は街のあちこちに監視カメラが設置されている。そのどこかの映像から足がつく可能性は十分あるだろう。それでひき逃げした人が、捜査の網にかかると……。“うっかり”では済まない自転車事故を起こした加害者が受ける罪や社会的責任などについて、山口氏に聞いた。

「多くの会社の就業規則では、『社員が犯罪行為をしたこと』を懲戒解雇の事由に挙げています。ひき逃げによる逮捕が即、解雇につながるわけではありませんが、たとえばマスコミ報道が重なったりすると、その企業の信用が大きく損なわれるため、解雇が認められる可能性が高い。社会的な影響がとても大きいだけに、逃げた人は“うっかり”では済まされません」

逮捕されると、起訴されるまでの間、最大23日間、留置場などに身柄を拘束される恐れもある。その間、当然、出社はできない。家族とも会えない。

重過失が問われるケースは?(以下略 2023/06/10 日刊ゲンダイ)


これもニュースではありませんが、自転車に乗っていて歩行者と事故を起こして逃げた場合に問われる責任について書かれた記事です。拘留や刑罰に加え、解雇などの社会的責任を問われ、当然ながら損害賠償責任も生じます。つい逃げてしまうと、取り返しのつかない事態を招きかねないことを肝に銘じたいものです。


「お酒を飲んでも、自転車であれば運転しても大丈夫」6人に1人が誤った認識 1000人に調査

飲酒運転全交通事故に占める自転車関連事故の割合が上昇している昨今、みなさんは自転車の飲酒運転についてどのような意識を持っているのでしょうか。

社用車ドライバーで、お酒を飲む習慣がある全国の20〜69歳の男女1000人(男性899人/女性101人)に調査をしたところ、約2割の人が「お酒が抜けきっていないと思いながら自転車を運転することがある」と回答しました。また、6人に1人が「お酒を飲んでも自転車であれば運転しても大丈夫だと思う」と回答したそうです。

株式会社タニタ(東京都板橋区)が、「飲酒運転に関する意識調査2023」と題して、2023年4月にインターネットで実施した調査です。

自転車の運転にあたって運転免許は不要であるものの、法律上、自転車は「軽車両」に該当するため、自転車の場合でも飲酒運転をすると処罰の対象となります。

社用車ドライバー1000人に対して、「お酒が抜けきっていないと思いながら自転車を運転することはありますか」と聞いたところ、21.5%の人が「運転することがある」(よくある:2.6%・ときどきある:7.4%・1〜2回ある:11.5%)と回答しました。

これを男女別にみると、「女性」が9.9%であったのに対して「男性」では22.8%と、12.9pt高くなっていたほか、年代別では、「40代」(23.5%)が最も高くなっていました。

また、16.7%の人が「お酒を飲んでも自転車であれば運転しても大丈夫だと思う」(非常にそう思う:2.0%・ややそう思う:14.7%)と回答し、道路交通法について理解しているはずの人であっても、6人に1人は誤った認識を持っている実状が明らかとなりました。

これを男女別にみると、「女性」が11.9%であったのに対して、「男性」では17.2%と、5.3pt高くなっていたほか、年代別では、「20代・30代」(19.3%)が最も高い結果となっていたそうです。(2023.06.08 まいどなニュース)


これも、ついやってしまう人の多い、自転車の飲酒運転の記事です。この割合が多いか少ないかは別として、飲酒運転は事故のリスクを大きく増やします。検挙されて処罰された事例もあります。自転車での飲酒運転は、やはり刑罰や損害賠償、社会的に重大な結果を招きかねないことを深刻にとらえるべきです。


自転車でベルを鳴らした子連れ母親にブチ切れる男性の動画が波紋…「ベルはダメ」「守られて当然」と賛否真っ二つ

ベルある女性が6月19日に投稿したツイッターの動画が物議を醸している。

投稿によると、そのユーザーは自転車で子供を病院に連れて行く途中、狭い通路だったため歩行者の男性に対し注意喚起のため一度ベルを鳴らしたという。

すると、ぶつかったわけでもないのに、男性に前カゴを捕まれ大声で怒鳴られたというのだ。投稿者は、恵比寿でのベビーカーの事例を挙げ“最近こういう事増えて今いません?”と、問題提起をしていた。

「恵比寿でのベビーカーの事」とは、モデルでプロポーカープレイヤーの“ななちゃら”こと實近菜那(23)が今月8日、東京・恵比寿駅で、中年男性からベビーカーにわざと体当たりされ、ベビーカーを掴まれる被害に遭ったことをツイッター報告し、テレビなどのニュースでも取り上げられ話題になった件を指している。

投稿者は、《チャイルドシートが前乗せタイプを使っている方ならわかると思うんですが、非常に重いため急に掴まれたりすると転倒しかけます》と危険を感じたことも明らかにしていた。

問題の動画は前カゴを掴み自転車を通行させないように立ち塞がる男性に対し「『どけどけ』ってことじゃなくて、普通に通りますよってことで鳴らしただけじゃないですか」と母親が釈明するシーンから始まる。

すると男性は「それじゃ『通ります』って言やぁいいじゃん! 声出して、違うかぁ〜!! オイっ!!」と大声で女性を恫喝し、さらに両手で自転車のカゴを掴み威嚇。怒鳴り散らす男性の顔の正面には、チャイルドシートに座った子どもがいるようで、子どもは恐怖のあまり泣き出してしまった。

泣き続ける子どもにはお構いなしで怒りの収まらない男性に身の危険を感じた女性は、近くの通行人に助けを求め、通行人が男性を制止しようとするものの、男性は「オレ動かねえからな」と自転車のカゴに肘を乗せて立ち塞がったままの状態で動画は終了する。

最終的には、通行人や警察の仲介を経て親子共々無事だったようだ。小さな子どもを連れた母親の恐怖心は想像に難くないが、ネットでは”ベルを鳴らす行為は違法”だということで母親にも非があるとする意見も多くみられた。

《注意喚起でもベル鳴らすのはだめですねー》
《ベルは注意喚起じゃなくて危険防止のため、緊急の時なんですよ。ベルは「自転車が通るから危ないよ、自転車に気づいてよ」という注意喚起のためのものじゃない》
《こどもを理由にするのは論外。自分が子連れで道路交通法違反をしなければ怒鳴られない
自転車通行可の歩道でも、邪魔だから、退いて欲しいからでベルを鳴らすのは駄目ですよ。子供連れてるからって、弱者とは限らない》
《子供がいれば何をしてもいい訳ではないと思います。正直、最近の自転車はむちゃくちゃな運転をしてる人ばかりです。歩行者にベルを鳴らして退け!というのはどうなのかな?自転車を一旦降りてご自身が避けて通り過ぎればいいのでは?私ならそうします》

一方で、ベルを鳴らすことは違法だとしても、男性の行為は行き過ぎであると母親を擁護する意見も多数みられた。

《ルール的にはどうなのか?と議論ありそうですが、それを抜きにして、このおじさんの行為は非常識で危険であり、ともかく、周りの人やおまわりさんが助けてくれたと言うことで、無事で何よりです》
《法律云々の前にたかがベル鳴らした位でこんなイチャモン言ってくる方が怖いと思うのですが、、でもこういう方は「たかがベル」には捉えないのでしょうね。。》
《自動車で追い越し車線走り続けたり割り込み運転したりなんかで道路交通法違反して煽られたら煽って脅喝した奴バッシングするくせに、今度は脅喝した奴ではなく自転車でベル鳴らした程度の奴を叩くのか。お前ら単純に叩きたいだけやろ》
《ベル一回で子連れに絡むこの爺さんが異常に攻撃的なだけなのに、ベルを鳴らしたことを指摘するツイートが溢れているのが、この日本社会の子育てに対する態度の表れですね。子ども、子連れの親なんて、最大限の配慮で守られて当然なのに》

昨今よく起きる、“優先されて当然と思っている子連れウザイ派”vs.“優先してあげようよ、余裕なさすぎ派”の論争はまだまだ続きそうだ。(2023/06/19 女性自身)


自転車が歩行者に対してベルを鳴らしたことによるトラブルは、後を絶ちません。今回の事例はSNSに動画をアップしたことで、大きな反響があったようですが、ニュースにならないようなトラブルは各地で日常的に起きているものと思われます。

鳴らされたほうの人の態度を問題としたり、些細なことでキレる人がいると感じる人もいるでしょう。しかし、どけどけとばかりベルを鳴らして、傍若無人な人がいるのも確かですし、そういう人に腹が立つのも人情でしょう。大人げないとか、ブチ切れる人の増加とか、そういう問題とも違う気がします。

この記事の指摘する論点は、“優先されて当然と思っている子連れウザイ派”vs.“優先してあげようよ、余裕なさすぎ派”としています。そういう見方もあるのでしょうが、マナーとか思いやり以前に、これはあくまで道路交通法で決められたルールの問題です。

トラブルを防ぐためにもルールを守るべきです。道路交通法で禁止されている行為ですから、ベルは鳴らすべきではありません。声をかけるなり、追い抜けるまで待つのがルールです。特に歩道であれば、歩行者優先ですし、徐行しなければなりません。ベルを鳴らすのは論外です。

こうしたルール、道路交通法で決められていることを知らない人がいることに、問題の原因があるようです。基本的にベルを鳴らさなければ起きないトラブルだと思います。意見はいろいろあるでしょうが、それがルールですので、トラブルになったのは、やはりベルを鳴らしたことが問題だと思います。


自転車の男性、クマに襲われけが 郡山の林道でツーリング中

クマ4日午前6時5分ごろ、福島県郡山市熱海町安子島の国道49号中山トンネル北側の林道で、県内の男性(40)がクマに襲われた。男性は頭や首をかまれて軽傷。

郡山北署によると、男性は自転車でツーリング中だった。クマは体長約1メートルで、山林から突然現れ、男性を襲った後は山林に戻ったという。

一緒にツーリングをしていた知人の女性にけがはなかった。現場はJR中山宿駅から南西に約2キロ離れ、中山峠の山の中を通る林道。2人は、隣接する猪苗代町方面から自転車で走っていた。

同署はパトカーで周辺を警戒するとともに、市に駆除を要請。市は現場付近で注意を呼びかけるなどの対応を取った。猪苗代町ではクマよけの花火が打ち上げられた。

福島で目撃2件

福島市ではクマの目撃情報が2件寄せられた。4日午前8時40分ごろ、同市小田字大石の県道で、車で通りかかった60代女性がクマ1頭を目撃し、福島署に通報した。同署によると、クマは体長約0.6メートル。同日午後5時ごろには、同市松川町関谷字北瓦の県道で、車を運転していた60代男性がクマ1頭を目撃し、110番通報した。同署によると、クマは体長約1.2メートル。(2023年06月05日 福島民友新聞)


以前、ツーリング中の道路でクマに遭遇したニュースがありましたが、今度は林道です。舗装道路でも驚きますが、林道で突然遭遇したら恐怖でしょう。ヒグマでなくツキノワグマだったとしても、襲われて死傷した例はあります。気をつけようがない部分もあると思いますが、リスクとして認識しておくしかなさそうです。




◇ 日々の雑感 ◇

国会議員に月100万の文書通信交通滞在費改革の約束を自民党が反故にしたことは覚えておきたいところです。

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