July 27, 2023

便利さや快適さを実現する鍵

ふだん意識していないものがあります。


典型的なのが空気でしょう。空気が無ければ文字通り生きていけず、死活的に重要なのですが、あまりに当たり前に存在しており、目に見えないこともあって、ふだんは意識することすらないでしょう。気温や気象現象として大気の状況が注目されることはあっても、空気そのものには関心が向かいません。

自転車には空気を意識する部分があります。言うまでもなくタイヤです。空気圧が不足してくるとスピードが出なくなったり、乗り心地が低下したり、パンクなどのトラブルが起きやすくなります。一部にエアレスタイヤなどもありますが、ほとんどの自転車はタイヤに空気を注入するおかげで快適に走れます。

そのため、空気を入れるためのポンプ、インフレーターは必須の自転車用品です。家に置いておく空気入れは、使いやすい一般的なもので十分ですが、出先でパンクした時などに対応するため、携行するポンプとなると、何を使うかは人それぞれでしょう。

コンパクトな手動式の携行用空気入れを使う人、CO2のインフレーターボンベを使う人もあるかも知れません。コンパクトで携行しやすいポンプは持ち運びには便利ですが、ストロークが小さく力が必要で、イザ空気を入れようという時には大汗をかくことになったりします。

AirGoAirGo

AirGoAirGo

この“AirGo”は電動のポンプです。一般的に電動だと大きくなりがちですが、このコンパクトさです。電動ですので、力も必要ありません。さらに重さもわずか135グラムしかありません。携行するポンプとしては、魅力的と言えるのではないでしょうか。

内蔵されたバッテリーで、自転車のタイヤ4本の空気を充填することが出来ます。出先で4本分も使うことはないでしょうから、十分な容量で、途中での電池切れを心配する必要もありません。サイズも小さく軽いので、バックパックやサドルバッグなどに入れても、ジャージの背面ポケットに入れてもかさばりません。

AirGoAirGo

AirGoAirGo

電動ポンプとしてのパワーも十分で、ロードバイクのタイヤなら、わずか2分で100PSIまで空気を入れることが出来ます。マウンテンバイクのタイヤなら、45PSIまで、1.5分です。バスケットボールならば、45秒でゲームを開始できます。

充電はUSB3.0で高速、満充電まで20分です。各種のバルブにも対応し、手間もかかりません。アルミ合金製で頑丈、加圧時に熱くなっても火傷したりしないようシリコンでカバーされていて安全に使えます。耐久性にも優れ、過酷な使用条件にも耐える設計になっています。



バッテリー容量は630mAh×2です。クラウドファンディングサイトで資金調達・販売をしていますが、まだ33日を残して目標金額の6.7倍に達しています。この仕様やスペックは理想的、ぜひ使ってみたいというサイクリストも多いのでしょう。

自転車用のヘルメットも空気で便利になる可能性があります。空気を入れて使うインフレータブル・ヘルメットです。“Bumpair”は普通のヘルメットに比べて8倍コンパクトになります。空気を抜いて最小にすれば、パッグなどに入れて運ぶのも苦になりません。

BumpairBumpair

BumpairBumpair

フランスの電動スクーターシェアの会社と協力して、“Bumpair2.0”も開発中です。シェアスクーターのロックをスマホアプリから解除するとヘルメットが自動で膨らむようになっています。そして従来の一般的なヘルメットと比べて最大4倍の保護力を備えるとしています。

電動スクーターを借りて、ロックを解除すると自動的に膨らむというのは便利です。もちろん、運ぶ時には空気を抜いてコンパクトにすることも出来ます。ヘルメットの背面に圧力インジケーターがあり、使う時に適正な空気圧になっているか簡単に確認できるようになっています。

BumpairBumpair

BumpairBumpair

見た目の好みは別として、空気を出し入れすることで、ヘルメットがコンパクトになり、持ち運ぶのに邪魔にならないのは大きなメリットでしょう。この“Bumpair”は、欧州規格の、CE EN1078 に準拠しており、フランスの2022年の交通安全イノベーション賞を受賞しています。

空気が衝撃を緩和するので、脳震盪のリスクも軽減すると言います。今のところフランスでしか入手できませんが、持ち運びに邪魔にならず、重さも軽量、しかもヘルメットとしての保護性能も従来の4倍というならば、実用的で魅力的な選択肢と感じる人は少なくないかも知れません。





もう一つ、空気を使って便利になるアクセサリーが登場しました。“Hover X1”、ポケットサイズの自動飛行カメラ、つまりドローンです。空気を使うというより、空気中を飛ぶのですが、空気が無ければドローンも飛ぶことが出来ないわけですから、空気のおかげで機能を実現していることになります。

手のひらに乗るほどコンパクトなポータブル・ドローン・カメラです。重さはわずか125グラム、どこへでも携行して使えます。わずか3秒で起動できるので、撮りたい瞬間を捉えることが出来ます。単に上空から撮影するだけなら、従来のドローンに搭載したカメラでも可能です。

Hover X1Hover X1

Hover X1Hover X1

しかし、この“Hover X1”は、ホバーモードで上空に静止させ撮影するだけではありません。フォローモードで、時速20キロまでなら、追従して撮影することが出来ます。つまり、自転車で走行しているところを上空から撮影して動画として記録することが出来るのです。

前方に飛ばしたり、後方に飛ばして後ろからの撮影も可能です。コンピューターによるビジョンアルゴリズムにより、フレームの中央に被写体が表示されるように自動で調整してくれます。近影からズームアウトするような映像を撮ることも可能です。もちろん、飛行の揺れによるブレも補正してくれます。

Hover X1Hover X1

Hover X1Hover X1

コンパクトなだげてなく、本体は折りたたみも可能なので、持ち運ぶのに便利です。今までも自転車にカメラを取り付けて映像を撮影していた人もあると思いますが、固定で景色やライダー自身をフレームに収めるような映像ではなく、俯瞰したような映像が素人でも撮れることになります。

こちらもクラウドファンディングで資金調達・販売をしており、すでに目標の300倍以上、日本円にして2億円以上に達しています。価格もリーズナブルですし、自動で追随するドローンカメラが使えるのですから、かなりの人気になっているのも不思議ではないでしょう。









空気をキーワードに最近のアクセサリーを取り上げてみましたが、いろいろと開発する人がいるものです。ただ、新しく開発された製品が売れて定着するとは限りません。新定番になるものがある一方で、早晩消えていくものもあります。そのあたり、消費者の動向や市場の空気を読むのは簡単ではないということでしょうか。




◇ 日々の雑感 ◇

女子サッカーW杯で、なでしこジャパンが4大会連続の決勝トーナメント進出を決めました。他のスポーツやニュースに隠れがちで、今回は今いち国民の盛り上がりに欠けている感がありますが、優勝を目指してほしいものです。

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