August 02, 2023

泊まれる自転車という選択肢

キャンプのスタイルはいろいろあります。


ファミリーで、いわゆるオートキャンプをする人も多いでしょう。テントをはじめとするキャンプ用品をミニパンやSUVなどに積んで家族でオートキャンプ場に出かけるスタイルが一般的でしょうか。テントを設営するサイトからトイレや洗い場などまで必要な施設が備わっていて手軽です。

近年は、グランピングと呼ばれるスタイル、豪華な施設で至れり尽くせりのキャンプも人気があるようです。キャンプは自分でテントを設営したり、火をおこしたり、日常生活とは違って不便なことも多いけれど、それこそキャンプの醍醐味だとする人から見れば、邪道もいいところかも知れません。


テント
バーベキューコンロ・焚火台


一人でリュックを背負い、必要な装備を運んで山に上り、一人用のテントで野営をするような本格的なキャンプをする人もあるでしょう。持って行ける装備、食材などは運べる範囲なのでかなり限られます。不便さも大きいと思いますが、それを愛する人もいます。

テントをいちいち張らなくて済むからと、キャンピングカーで各地を回る人もいます。キャンピングカーが駐車できる場所があれば、どこでも泊まることができます。ホテルやキャンプ場を予約する必要もないので、気の向いた時に好きなところでキャンプが出来る利点があります。

Burley
Burley


中には自転車でキャンプに行くという人も、少ないながら存在します。1人用のテントをはじめ、最小限の装備を自転車やトレーラーを連結して運び、どこか場所を見つけて野宿するような旅をする人もいます。気ままな自転車旅ですが、マニアックなキャンプとも言えるでしょう。

フィンランドに住む、Urpo Merranmaa さんもキャンプが好きです。ある時、電動自転車をプレゼントされました。それまで普通の自転車にしか乗ったことがなかったので、そのパワーとラクさに驚きました。そして、これならばキャンプに使えると感じ、自転車用のキャンピングトレーラーを制作してしまいました。

hupihupi

hupihupi

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Hupi”と名付けられたトレーラーは、自転車で牽引できるようコンパクトですが、1人分のベッドスペースが確保出来ます。寝るだけではなく、ベッドルームがリビングルームに代わり、キッチンも備わって、快適に宿泊できるよう工夫をこらしました。

小型の冷蔵庫も備えていますし、屋根にはソーラーパネルを載せ、発電できるようになっています。もちろん別途、電源用のバッテリーも搭載しているので、照明を含めた家電製品も使えるようになっています。トレーラーにはリアライトとウィンカーが装着され、走行中の安全にも配慮しています。

hupihupi

hupihupi

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電動自転車のシートポストに連結するヒッチや、野営地でトレーラーを安定させるスタンドなども装備され、内装にもこだわった結果、車重は78キロになりました。でも、十分牽引できます。趣味が高じて、Merranmaa さんは自分で楽しむだけでなく、地元の企業とタイアップして売りだそうと考えています。( ↑ 動画参照)

カナダのオンタリオ州にもロンドンという街がありますが、そこに住む、Jeffory Beland さんも、カスタムキャンピング自転車を自作しました。少しビンテージなデザインと、快適に泊まれる装備を工夫しました。もともと大工だった、Beland さんにはお手の物です。

Jeffory BelandJeffory Beland

Jeffory BelandJeffory Beland

室内は狭いですが、ベッドに転換できる座席に、折りたたみ式のコンロ、ポンプを備えたシンク、食料を保管するクーラー、窓にはカーテン、屋根にはソーラーパネル、寒い夜用の暖房まで備えています。狭いながらも快適に宿泊できるよう、細かな工夫が満載です。多くの部品はリサイクル材料を使っています。

彼は、この自作のキャンピングバイクを役立てられないかと考えています。それは、地元ロンドンのホームレスの人に使ってもらうというアイディアです。実は、Beland さん自身、短い期間でしたが、ホームレスとして暮らさざるを得なかった時期があったのです。

Jeffory BelandJeffory Beland

地元では、路上生活者が増える状態にあり、少しでも彼らの役に立つものが作れないかという考えたのです。キャンピングカーと言うより、移動式のシェルターです。これを屋外で寝る以外に選択肢のない人に使ってもらえば、少しは雨露をしのげるのではないかと考えたのです。

彼には資金がありませんので、この自作のキャンピングバイクを買ってくれる人を探しています。その代金で、またキャンピングバイクを製造し、ホームレスの人に寄付したいと考えているのです。あるいは資金を拠出してくれる人がいれば、一台でも多く製造して提供出来ないかとも思っています。

Jeffory BelandJeffory Beland

彼は地面に直接寝る辛さを知っています。屋根も無い寒い屋外で目覚めるのは、キャンプとは全く違います。雨に濡れることもなく、少しでも身体の痛くない状態で眠れる環境を提供したいのです。それが、この自転車キャンピングカーならば実現でき、困っている人の助けになると信じています。

用途は違いますが、どちらも自転車で移動して、そのまま泊まることが出来ます。趣味のキャンプか、雨露を防ぐシェルターかという違いはありますが、宿泊が出来るキャンピングトレーラー、あるいはキャンピング自転車というのは、意外と役に立つかも知れません。







◇ 日々の雑感 ◇

アメリカのトランプ前大統領がまた起訴されました。しかし起訴されるたびに支持率が上がり、第3政党の候補者の擁立なども取り沙汰され、前大統領の返り咲きが現実味を帯びてきたとの話もあります。どうなるのでしょうか。

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