今さら言うまでもないことですが、ふだん当たり前のように電力を使って生活していると、つい忘れがちになります。そのありがたさを痛感するのは、やはり停電した時でしょう。電気が使えないと、すぐに不便になりますし、長引けば長引くほど生活に支障をきたします。
自分の家が停電した時以外にも、電力の重要さを思い出すのは、災害や戦争で被災した人の様子を見る時かも知れません。ロシアのウクライナ侵攻や、最近ではイスラエルとハマスの武力衝突、アルメニアやミャンマー、そのほか世界各地で紛争や武力行使が起き、民間人の死傷者と被災者が出ています。
最近ではトルコ、シリア、アフガニスタン、モロッコなどで大きな地震が起きて多くの人が死傷し、家を失ったり、避難生活を余儀なくされています。そのほか、大雨、洪水、山火事、台風やハリケーン、竜巻などの自然災害も各地で起きており、避難生活を送る人たちがいます。

近年は、スマホ1台と通信回線があれば、被災現場から素人でも中継できてしまいますから、テレビやネットなどで被災の様子を見ることがあります。救助や避難の様子だけでなく、避難生活の困難さが伝わってくるような映像もリアルタイムで配信されます。
水や食料などの確保が喫緊の課題なのは当然ですが、避難所などでは、限られた電源にたくさんのスマホをつないで充電している様子が見られます。水や食料と違って、スマホが使えなくてもすぐに命に関わるわけではありませんが、避難した人にとって重要度の高いことがわかります。
つまり、情報やコミュニケーションです。停電していればテレビは見られないでしょうし、単にニュースを知るだけでなく、家族や友人の安否も確かめたいはずです、ローカルな情報や、自分の知りたい情報を得るには、やはりスマホでネットやSNSなどから得られる情報が重要なのは間違いありません。

もちろんスマホの充電以外でも、電力は全てに必要です。日本でも災害があるたびに被災地からテレビ中継されますが、断水やガスのストップとともに、停電が困難さを増幅します。せっかく冷蔵庫に食料や冷凍食品などがあっても、電気がないと冷やせず、傷んでしまって食べられなかったりします。
断水していなくても、共同住宅などではポンプが動かないために給水できないこともあるでしょう。トイレが流せないだけでも困難さは増します。もちろん照明がないので暗闇で過ごさざるを得なかったり、洗濯も出来なかったり、家電も使えないなど、生活の全てが不便になるでしょう。

ここのところ、世界で戦争や災害が頻発しているので、電力の大事さに思いが至る人は少なくないようです。バルト三国の一つ、リトアニアのサスティナブルなエネルギーなどを手がけるスタートアップ、
Tukas EV 社のCEO、Jonas Navickas さんもその一人です。
ウクライナで戦争が始まった時、多くの人が1台の発電機から電力を取り、なんとか携帯電話を充電しようとする人々の姿に衝撃を受けたと言います。リトアニアはベラルーシやカリーニングラードと国境を接し、歴史的な経緯もあって、ロシアの侵攻には穏やかではいられない面もあったに違いありません。

そこで、新製品のパワーステーションバイク、“
HR Bank”を開発しました。室内で使ういわゆるエアロバイクで、ペダルパワーで充電が出来る製品です。ペダルを漕ぐと50〜300W/hの電力を発電出来るだけでなく、2kWのバッテリーを内蔵しており、これに電力を蓄えることが出来ます。
15分ペダルをこげば、スマホをフル充電するだけの電力がバッテリーに蓄えられます。もちろん、15分でスマホを急速充電できるわけではありませんが、バイクのほうのバッテリーに蓄電するので、スマホの充電が終わるまで、何時間もこぐ必要はありません。約1時間こげば、ラップトップ一台分の電力量です。

2kWのバッテリーをフル充電させれば、123台のスマホを充電することが可能です。冷蔵庫を3日間稼働させ、150杯のコーヒーをつくることも出来ます。洗濯機で衣類を5回洗濯でき、1週間連続してライトを点灯しつづけることも出来ます。
20台以上のラップトップを充電し、100食以上の食事を電子レンジで調理することも可能です。そのほか、あらゆる家電に接続して電力を供給できるので、非常の時に役立つのは間違いありません。予備バッテリーとは違い、必要に応じて、またペダルで充電することが出来るのも利点です。

平時にペダルをこいで発電するのは効率的とは言えません。しかし、非常時に電力を得る手段が他にない場合、最後に頼れるのは人力ということになるでしょう。人力で発電するとなれば、一番パワーが出せて、一番持久力のある脚力を使うのは理にかなっています。
でも、この製品、ペダルだけではありません。別途、例えばソーラーパネルがあれば、太陽光で発電した電気を貯めたり、風力発電による電気を貯めることも可能です。非常用の発電機や、クルマのバッテリーから給電することも出来ますし、必ずしも人力だけに頼るものではないのです。

災害時以外は、普通に室内でのトレーニング用のエアロバイクとしても使えます。例えばクルマに積んでレジャーに出かけ、アウトドア用の電源としても使えます。キャスターがついているので運ぶのも容易です。屋外で使う機器などのバッテリーとしても重宝するでしょう。
災害大国日本に住んでいることもあり、非常時に備えている人は多いと思います。しかし、情報の取得用にラジオと乾電池を非常用持ち出し袋に入れておくだけでは十分とは言えません。ラジオが悪いとは言いませんが、やはりこれだけネットやSNSの時代ですから、スマホの充電は欠かせないでしょう。( ↓ 動画参照)
モバイルバッテリーなどを用意している人もあると思いますが、常に充電しておくのも手間ですし、充電が切れたら使えません。やはり発電が出来たほうがベターです。小さなペダル式の発電機も売られていますが、ストロークの大きいエアロバイクのほうがラクですし、バッテリーに貯められれば便利でしょう。
別にこの製品を推すわけではありませんが、イザという時には意外と使えなかったグッズというのも聞きます。実際に使う場面を考えておくのは有意義だと思います。台湾有事だって無いとは言えません。災害は日本全国、どこでも起こり得ます。今一度、非常用の備えを点検してみてもいいのではないでしょうか。








◇ 日々の雑感 ◇
岸田首相はネットなどで『増税メガネ』と呼ばれたことで相当頭に来ているそうです。それで所得税減税を打ち出したとの見方も囁かれています。そんなことで政策が変わるのならば『○○メガネ』と呼ぶべきあだ名は多そうです。
Posted by cycleroad at 13:00│
Comments(0)