November 18, 2023

どこかに集中しないイベント

世界ではいろいろなイベントが行われます。


世界各地の有名なイベントは日本でもニュースになったりしますが、実は日本にも世界的に有名なイベントがあります。その一つは間違いなく『渋谷ハロウィン』です。元々、他には見ないような大きなスクランブル交差点を大勢の人が行き交う光景が珍しいと、渋谷は海外から注目されてきました。

外国人観光客、インバウンドも目的地にする、その渋谷でのイベントとして知名度が高く、海外のメディアでも毎年取り上げられる行事となっています。ハロウィンは日本に馴染みのないものでしたが、日本のコスプレ文化と融合したような独特の行事として知られるようになり、これを目当てに来日する人もいます。

Photo by Dick Thomas Johnson,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.2020

文献などによれば、1980年代に渋谷地域の商店会や企業がハロウィンを街の名物行事にしようと始めたようです。それが2000年台に入って少しずつ人が集まるようになり、ハロウィンの仮装と言えば渋谷というイメージが徐々に出来上がってきたわけです。

それが昨今では、ご存知のように一部の人が暴走し、迷惑行為や窃盗、暴行、痴漢、路上飲酒、ゴミのポイ捨て、周辺の店舗への迷惑などが問題となっています。コロナ禍の自粛を経て、2022年のハロウィン直前に韓国の梨泰院での群衆事故が発生したことで、路上飲酒の制限や警察による厳戒態勢が敷かれました。

20232023

2023年には、ハロウィンに渋谷に来ないでとの呼びかけが行われ、ハチ公像に囲いを設置するまでになりました。結果的には、人出も仮装する人も減り、混乱は起きず、静かなハロウィンになったと渋谷区長も胸をなでおろす状態になったのは記憶に新しいところです。

元々は若者が勝手に集まったのではなく、地域の商店会などが始めたことなのに、手の平を返したような制限をすることに対する不満や批判もあったようです。ただ、近年は迷惑行為がエスカレートするなど危険な兆候もあったため、渋谷ハロウィンは廃止にすべきとの意見も多いようです。

Photo by しんぎんぐきゃっと,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.2023

東京の人にとっては、単なるローカルな現象と思っていた『渋ハロ』ですが、実は世界的に有名なイベントとなっていたわけで、1980年代から育ててきた関係者には忸怩たる思いもあるかも知れません。仮装イベントとして楽しみにしていた人たちにとっては、年に一度くらいという気持ちもあるでしょう。

ただ、事件や事故になり、死傷者が出てからでは遅いわけで、比較的知名度の高かった川崎ハロウィンも2021年にコロナとモラル低下により終了となっています。渋谷もあまりに迷惑行為が目立ち、飲酒してのバカ騒ぎがエスカレートしていた以上、やむを得ない措置なのでしょう。

Photo by Toby Ord,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.Photo by 663highland,under the GNU Free License.

もともとは西洋の宗教的な伝統や祭りとしての意味合いがあるハロウィンですが、日本では関係ありません。悪霊を追い払うためにジャックオーランタンを家の前に飾ったり、“Trick or Treat”と言いながら、子どもがお菓子をもらって歩いたりするようなことも、あまり行われないのが実際のところでしょう。

もう一つ、おそらく日本では行われていないハロウィンのスタイルがあります。それは“Halloween Bike Ride”です。ハロウィンに仮装して自転車に乗ってパレードをするイベントです。西洋での仮装はマンガのキャラクターではなく、怖いものが伝統的なので、“Zombies Ride”などと呼ばれることもあります。





日本でも、ごく一部で試みる人もあるようですが、そもそも日本では、自転車に乗ってパレードするというイベントはあまり聞いたことがありません。このブログでも海外の事例はいろいろと取り上げてきました。ハロウィン以外でも、何かの機会や、何かの目的での自転車パレードが行われますが、日本では聞きません。

昼間に飲酒しないで仮装して自転車に乗るだけなら健全ですし、ゴミのポイ捨てもないでしょう。通る場所を選べば、渋滞を引き起こすようなことも防げるはずです。もちろん、これはこれで問題が起きることもあるとは思いますが、特定の場所に留まらないぶん、少なくとも迷惑が集中することは避けられそうです。





近年は日本各地で、自転車を使って観光振興を図る自治体が増えていますが、その一環としてハロウィン・ライドを企画しても面白いかも知れません。各地で行われるようになれば分散しますから、特定の場所に人が集まり過ぎてエスカレートすることも防げそうです。

ハロウィンのような元々日本とは全く関係ないようなものでも取り入れて、独自の文化にしてしまう国ですから、ライドイベントが流行ってもおかしくないと思います。なぜ日本では、各種の自転車パレードが行われないのか、逆に不思議な気がしないでもありません。



クリスマスもバレンタインも、恒常的にバカ騒ぎが起こって問題となることはないわけで、ハロウィンにしても個人個人が分散して仮装を楽しむだけなら問題は少ないでしょう。仮装行列は、自転車である必要はありませんが、一つのスタイルとして取り入れるところが出てこないものかと思います。







◇ 日々の雑感 ◇

大谷翔平選手満票で2度目のMVPは史上初、中継の最近飼い始めた愛犬、移籍先も含め話題が尽きませんね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 デル株式会社


Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。



 楽天トラベル

 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)