December 21, 2023

カーゴバイクの新しいカタチ

自転車のカテゴリーの1つにカーゴバイクがあります。


日本では一般的ではありませんが、荷物をたくさん運べる自転車としてヨーロッパなどでは普通に見かけます。荷物ではなく、子どもを乗せるカーゴバイクもあります。日本のママチャリにチャイルドシートを取り付けるのと違い座席が低く、したがって重心も低いので安定して走行出来るのが利点です。

Photo by Alexander Migl,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.Photo by Ekimebam,under the GNU Free License.

商売道具を載せて露店販売等に使う人もいますし、宅配業者などの荷物運搬にも使われるようになってきました。トラックを使うより小回りがきき、渋滞を避けられたり、駐車スペースを探す手間が省けたり、運転免許がない人でも雇用できるなどメリットが評価されるようになってきたからです。



ヨーロッパでは温暖化対策に対する意識が高く、企業イメージにも影響しますから、各社積極的に導入し始めている面もあるでしょう。ほかにも、荷台部分を特注して、移動式のカフェに利用したり、中には家具を運ぶ人がいたりなど、さまざまな用途に使われています。



運搬に適した自転車としてポピュラーになっているわけですが、その形は一つではありません。ハンドルより前に荷台があるものや、サドルの後ろに荷台があるもの、リカンベントスタイルのもの、車輪も2輪だけでなくトライクがベースになっているものなど、スタイルは多種多様です。

Dolas e BikeDolas e Bike

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しかし、このカーゴバイクは他に類を見ないものと言えるでしょう。ドイツはベルリンを拠点に展開する新興企業、Dolas Bike 社が開発した3輪のカーゴバイク、“Defender 250”です。トライクは珍しくありませんが、これは何と縦一列の3輪です。前2輪や後2輪ではなく、直列3輪です。

縦に3輪並べるなら2輪でもいいような気がしてしまいますが、決して奇をてらったわけではなく、新しいカーゴバイクの形として機能的で多機能、快適性と有用性に富んだデザインとして開発されました。これまでにない奇抜なスタイルだと意識はしていますが、決して珍しいだけでなく、実用性を強調しています。

Dolas e BikeDolas e Bike

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最近のカーゴバイクの例に漏れず、電動アシスト機構を搭載しています。太い4インチ幅の20インチタイヤを採用しており、ヘッドライトを標準装備しているので、一見オートバイかと思ってしまいますが電動アシスト自転車です。ドイツの規制に合わせて、時速25キロまでアシストが効くようになっています。

前輪、中輪、後輪、それぞれにハブモーターが搭載されています。つまり2輪駆動ならぬ3輪駆動、全輪駆動です。それぞれ48V・250Wのモーターで、重い荷物を運ぶ時でも快適に走行できます。サドルの前に大容量の取り外し可能な大型2,544Whのバッテリーが搭載されており、航続距離は180キロに達します。

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結果として重量は78キロとなっていますが、最大積載量は250キロもあります。ギヤはシマノ製の8速、ディスクブレーキです。写真では中輪が浮き上がっているように見えますが、これはスタンドを立てた状態で、特許取得済みのスライド式サスペンションを備えたフレームにより、走行時はもちろん接地します。

スライド式のフレームだけでなく、中輪と後輪にはそれぞれサスペンションが装備されており、これらによって凹凸のあるような路面でも、しっかりとスムーズに走破します。中輪と後輪の間に荷物を搭載する形になりますが、そのためのパニア、バスケットや箱など、荷物運搬用の専用のアクセサリーが用意されています。

Dolas e BikeDolas e Bike

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後部に座席を取り付けて2人乗りすることも出来ますが、ユニークなのは、更に後部座席にハンドルとペダルを取り付けて2人乗り、タンデムバイクにもなることです。前のペダルは中輪とチェーンでつながり、後ろの席のペダルは後輪にチェーンでつながって、それぞれ駆動して2人力になる形です。

防水機能IPX6等級のアルミニウムハウジングに収められた、オートバイスタイルのデイタイムランニングLEDヘッドライトは、昼間発光で視認性を高めます。ハンドル部分には、バッテリーの状況などステータスを素早く確認できる4インチのカラーLCDスクリーンを装備しています。( ↓ 動画参照)







ペアで荷物を積み長距離ツーリング、大陸横断などの冒険旅行にも使えるかも知れません。間もなく販売が開始され、価格は4,650ユーロ、イギリス、オランダ、スウェーデン、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スイスなどにも発送可能です。

重量物を載せて安定走行する上で、また相応の駆動力を出力する上でも縦列3輪が有効と考えています。前か後ろを2輪にするのと違って幅をとらず、2輪と同じ操作性というのも利点でしょう。タンデムのカーゴにもなります。奇抜なデザインに見えますが、実用性を考えた設計になっているというわけです。

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“Defender 250”、なかなかユニークです。3輪駆動の電動アシスト式タンデムのカーゴトライクという、これまでにない車種です。これがポピュラーになるかは未知数ですが、カーゴバイクの形は、これと決まったものがあるわけではありません。これも新しいスタイルのカーゴバイクの一種となるかも知れません。




◇ 日々の雑感 ◇

ダイハツ工業が安全に関わる不正を30年以上前からしていたことが明らかになりました。酷い話です。この間に事故で死亡した人の遺族は衝突試験等の不正がなかったらと考えるでしょう。会社は存続できるのでしょうか。

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