January 05, 2024

どんな目的にAIを使うのか

2024年はどんな年になるでしょうか。


今年は世界で注目の選挙が多く予定されていますし、政治や経済、安全保障などの面では予想外のことも起きるでしょう。今年1年とは言え、なかなか先を見通すのは難しいわけですが、技術的なトレンドについては、大方の人の予測が一致するようなこともあります。

その1つがAIのさらなる進歩と活用の拡大ではないでしょうか。2022年末に公開された“ChatGPT”は世の中を大きく変えたと言われています。ここまで大きく変わるとは予想しなかった人も多かったと思いますが、結果として2023年はAI元年になったとも言われます。

ChatGPTChatGPT

すでに仕事のやり方が大きく変わったり、生産性が大きく向上したという職場も多いに違いありません。昨年1年間だけでも、“ChatGPT”は急速に進歩し、加速度的に普及が進んだわけで、その勢いが続いて今年もAIの進歩がいろいろな形で見えてくるのは間違いないと思われます。

もちろん、AIとの親和性やニーズの問題がありますから、何にでもAIが搭載されるわけではありませんが、それを探る動きは増えてくると目されます。少し前に取り上げましたが、自転車にAIを搭載する動きもあります。電動アシスト自転車に“ChatGPT”を搭載しようというものです。

ChatGPT e-bikeChatGPT e-bike

Urtopia”という企業ですが、前回取り上げたモデルに加え、新しいモデルを今月9日からの“CES 2024”という展示会で発表するようです。さらにユーザーエクスペリエンスを向上させたAIが搭載される予定です。音声認識と組み合わせて、対話式でナビゲーションをするなどの機能が搭載されるのでしょう。

新しいモデルについては、まだ詳細な情報はありませんが、“ChatGPT”は大規模言語モデルですから、音声で話しかけると目的地への最適かつ好みのルートを案内したり、観光スポットや見どころを案内したりといった、まるで人間が案内するようなナビゲーションが実現すると考えられます。

UrtopiaUrtopia

いち早くAIを搭載することによる話題性や差別化を狙う意図もありそうですから、果たしてそのようなナビゲーションが便利で必要不可欠なものになるかはわかりません。初めて行った観光地などでは役立ちそうですが、普段乗る自転車にあっても有益かどうかは疑問な気もします。

自転車にAIを搭載するメリットが今一つピンと来ないのは私だけではないでしょう。例えばAIが自動でシフトを変えてくれるのも便利かも知れませんが、自分でやれば済むことですし、わざわざその分の対価を支払って使うという人がどれほどいるか、広く普及するかは疑問と言わざるを得ません。





要するに、AIと自転車との親和性、ニーズがどれだけあるかという問題です。しかし、AIをクルマに搭載するならば、自転車利用者にとっても大きなメリットが得られる可能性があります。すでにさまざまな用途でのクルマでのAIの利用が想定されていますが、また違った構想も出てきました。

クルマのドライバーをAIでモニタリングするというものです。イスラエルのスタートアップ、CorrActions 社は、ソフトウェアによるモーションベースのドライバー監視製品を開発しています。無意識の制御不能な筋肉の部分的な動きなどを利用して、脳の活動を監視するのです。

AIを活用したソフトウェアとセンサーやカメラなどを使い、ドライバーの動きを追跡、幅広い認知状態を検出できると言います。たとえば、疲労、不注意、眠気、不安、アルコール、薬物利用までわかります。これらを遠隔でモニタリングすることも可能ですし、ドライバーにフィードバックして事故を防ぐことも出来ます。

CorrActionsCorrActions

ドライバーにしてみれば、自分の脳の状態をAIに監視される気味悪さがありそうですが、これが可能になれば、交通安全に大いに役立つことになるでしょう。ここからは、私の勝手な想像ですが、もしドライバーの認知状態が把握できるとするならば、いろいろな利用が可能になるはずです。

バスのドライバーをバス会社の人が営業所から監視するような用途に限りません。例えば、このAIを搭載したクルマに、タクシーの屋根についている行灯のような表示灯をつけたらどうでしょう。これならば、職業運転手だけでなく、自家用車のドライバーも含め、周囲のクルマが相互に監視することが出来ます。

例えば、飲酒運転を検知したら行灯が赤く光るようにすれば、警察が直接取締ったり、周囲のクルマが通報することも可能になります。その前に、飲酒運転がわかってしまって検挙されるとなれば、運転を回避する人も増えるでしょう。飲酒運転の抑止に貢献するはずです。



黄色に点灯すると、脇見運転や、スマホを見ながらの走行をしているとわかれば、周囲のクルマや自転車は、そのクルマから離れて安全を確保できたりするのではないでしょうか。隣の車線のドライバーが居眠り運転を始めたとわかれば、すみやかに離れて事故を回避する行動がとれるわけです。

さらに、行灯による表示だけでなく、異常を検知したら周囲に信号を送り、他のドライバーや自転車のライダーに無線で通知するようなことも出来るに違いありません。自転車の方にも、その受信機なり、スマホのアプリを起動しておくなどの操作が必要になると思いますが、危険を未然に察知することが出来ます。

サイクリストは、ある意味、周囲のクルマのドライバーに命を預けているような部分があります。法規を守って車道の左端を走行していても、よそ見をしているドライバーに後ろから追突されたら、どうしようもありません。しかし、あらかじめ危険なクルマを検知して回避行動がとれるとしたら、大きく安全性が向上するでしょう。

CorrActions

実際に、スマホをいじりながら運転しているドライバーを見ることがあります。どのくらいの割合がわかりませんが、ヒザの上などに置いて、チラチラ見ながら運転しているドライバーの割合は、決して少なくないと思われます。事故にならなければ、ほとんどバレることもないでしょう。

私は自転車関連のニュースを定期的にチェックしています。路上に自転車と一緒に倒れている人が見つかり、その後死亡が確認された、なんてニュースは後を絶ちません。あまりにありふれているので取り上げることもありませんが、自転車に乗った人が事故に遭うのは日常茶飯事です。

おそらく、後ろから来たクルマに衝突されたか、接触して転倒させられた、といったケースも少なくないでしょう。ニュースからだけでは、その割合はわかりませんが、よそ見や、ながら運転の結果ということも多いと推測されます。動転したドライバーが逃げて、ひき逃げ事件になる例もあるに違いありません。

CorrActions

ふだん、あまり意識していないかも知れませんが、自分の後ろから危険なクルマが走って来て、事故に巻き込まれる可能性は常にあります。走行中に、多くのクルマに追い越されるわけですが、その中に不注意なドライバーもいて、運が悪ければ追突されたり接触して転倒したりして死傷することになるわけです。

飲酒運転なんて論外ですが、一定の割合で不注意な人がいるのは確かです。脇見や、ながら運転も少なくないでしょう。そのようなドライバーをAIが検知して、サイクリストにも通知してくれるならば、安全性や安心感が大いに向上することになるでしょう。こういう交通安全の用途に、ぜひAIを活用してもらいたいものです。

技術だけでなく、社会的なコンセンサス等も必要ですから、今年や来年実現するような話ではありません。ただ、AIの進歩やいろいろな分野への活用は急速に広がっています。ナビゲーションの搭載が悪いとは言いませんが、サイクリストの安全に寄与する、CorrActions 社のような取り組みも広がる年になってほしいものです。




◇ 日々の雑感 ◇

今年は元日に能登で地震と津波による災害が発生しました。今も懸命の救出活動が続いています。亡くなった方のご冥福をお祈りすると共に、一刻も早い救出と支援が行き届いて復興と生活の再建が成ることをお祈りします。

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