May 10, 2024

痛みや辛い症状は軽減したい

身体のどこかに炎症が起きることがあります。


ひとくちに炎症と言ってもいろいろです。虫刺されで赤く腫れたりかゆみが出るのも炎症ですし、肺炎、胃炎、腸炎といった、場合によっては怖い病気も炎症です。風邪をひいて熱が出たり、扁桃腺が腫れたりするのも炎症なら、湿疹とか、捻挫して患部が腫れ上がるのも炎症がおきるせいです。

そう考えると、私たちは、しばしば何かしらの炎症が身に起きていることになるでしょう。この炎症は、身体の中で、白血球などの免疫システムが異物を攻撃したり、排除して平常に戻そうと闘っている証拠でもあるわけで、一般的には正常な反応であり、健康を守るためのありがたいシステムなのは間違いありません。

ただ、コロナ禍の時に話題になりましたが、感染の量が多い場合に炎症も酷くなり、サイトカインが大量に放出され、サイトカインストームという状態に陥ることもあります。免疫の暴走が起きてしまい、正常な細胞まで攻撃するようになって重篤な状態になり、死に至ることもあるわけですから、免疫も怖い部分があります。

基本的には、炎症は身体を正常に戻す過程で起きる大切な過程ということになります。病院で外科的施術や薬剤などで治療してもらって病気が治るにしても、治癒に至る上での自分の免疫の働きは重要であり、免疫をいかに活性化させるかが成果を左右することも少なくありません。

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問題は、炎症がさまざまな症状を伴うことです。身体の部位が赤くなったり、腫れたり、かゆみが出たり、熱が出たり、痛みが出たり、機能障害を起こしたりします。例えば、肺の炎症で咳が止まらなければ苦しいですし、高熱が出れば辛かったりします。患者は医師に対して、炎症を止めてほしいと願うでしょう。

そのような病気でなくても、アレルギー性鼻炎とか花粉症などで、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなど、不快な症状を軽減したいと思うのは人情です。帯状疱疹とかリウマチで、痛みや我慢の出来ない痒みなど、少しでも炎症の症状が小さくなれば助かるという人も多いに違いありません。

当然ながら医師は、炎症を抑えるべく薬剤を処方したりするわけですが、必ずしも効果が高いとは限らないのが難しいところでしょう。例えば、虫垂炎のように手術で切り取ってしまえば治るものがある一方で、身体が治癒する過程で、ある程度の炎症が仕方なかったり、上手くコントロール出来ない場合もあります。

多くの炎症は一時的で、徐々におさまり、ほとんどが元通りに治ります。ところが長い期間、炎症が続いたり、はっきりとした症状がないまま起きている炎症、「慢性炎症」というものもあります。最近は、がんや心筋梗塞、脳梗塞、認知症、糖尿病などの生活習慣病、肝炎、うつ病といったものまで炎症が原因ではと疑われています。

ありがたい免疫による結果であると同時に、厄介な症状をもたらすのが炎症ということになります。出来れば炎症に収まってほしいですし、少なくとも炎症による辛い症状を緩和したいのは当然です。そのために、さまざまな薬剤やサプリメントなどの服用を続けている人も多いのではないでしょうか。

ヒザが痛いのを何とかしたい、目や肩、腰などの凝りや痛みを取りたいなど、人それぞれ切実な炎症を抱えています。もちろん、医師に診断してもらうのが必要であり、最初ですが、それ以外にも症状を軽減する可能性のあるものが、フィンランドの研究で明らかになってきました。

European Journal of Public Health”という公衆衛生分野の学際的な国際雑誌に掲載された最近の研究です。フィンランドの6千人以上の働く大人が参加した調査によって、通勤の仕方と身体の炎症のレベルに有意の関連性があることがわかってきたのです。

この研究によれば、毎日45分以上、自転車または徒歩で通勤している人は炎症レベルが低いことが判明しました。クルマなどで通勤している人との差は大きく、約16.8%低いとの結果が出ました。働き方や自由時間の行動など、他の要因を排除しても明らかな相関関係が見られたと言います。

45分間でなく、15〜29分の自転車通勤でも、約7.4%と炎症レベルは低下していました。とくに女性でより顕著でした。つまり、運動は炎症の抑制にも効果があるという結果です。クスリやサプリメントなどによらず、炎症レベルを抑える方法として、私たちの健康に大きな福音となる結果としています。

これまでにも、自転車による運動が、健康増進に寄与するという研究はいろいろありました。それらに加えて、炎症の症状の抑制にも効果があるということが明らかになったわけです。今、自転車通勤をしている人は、知らずに炎症レベルの低下という恩恵を受けている可能性があります。

Photo by Alfredo Borba,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.Photo by Nicolas Volcker,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.

自転車ブログが取り上げる医学研究なので、どうせ答えは自転車だろうと予想はついたと思いますが、欧米の疫学的な研究には、“active commuting”と健康の関係を調べた研究が少なくありません。“active commuting”は活発な通勤ということで、徒歩でもいいのですが、その多くは自転車通勤が対象として想定されます。

欧米では環境面から脱クルマ、カーフリーの意識は強いですし、マイカー通勤が多いので、環境面からも自転車通勤への転換が推奨されるという背景もあるのでしょう。もう一つ、日常的な運動が健康にもたらす効果という点で、自転車通勤が理想的なモデルとして取り上げられる面もあるようです。

つまり、一日一定の時間の運動でもいいわけですが、なかなか運動習慣を維持するのが大変なのは、洋の東西を問いません。単に運動というだけでは、なかなか続きませんが、通勤ならば毎日することになるでしょう。その点で、通勤を自転車にするというのは合理的な行動ということになるわけです。

クスリやサプリメントと違い、飲み合わせの問題は出ませんし、薬学的な副作用もありません。場所によっては大気汚染などのネガティブな要素があるかも知れませんが、炎症だけでなく、さまざまな健康効果があることは広く知られています。炎症軽減を含む健康面で、負の要素を補って余りある効果が見込めるはずとしています。

花粉症の場合は、自転車通勤でより曝露にさらされるという問題があるかも知れません。しかし、ヒザの痛みとか、腰や肩の痛みなど、いろいろな炎症を抱えている人、特に運動習慣のない人、自転車通勤なんて考えてもみなかった人は、試してみる価値はあるのではないでしょうか。


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◇ 日々の雑感 ◇

海上自衛隊の基地で護衛艦がドローンで撮影された事件はセキュリティの甘さを全世界に曝露されたわけで極めて深刻な事態です。これだけの失態なのに誰も責任をとらなかったり処分されないということはないと思いますが。

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