電動アシスト自転車や、電動だけで動く自転車、e-bike などのバッテリーを搭載した自転車です。世界各国で売り上げを伸ばしています。普通の自転車よりラクなので、これまで自転車を敬遠していた人も乗るようになったり、乗り換える人も多いことが背景にあるようです。
クルマの代わりに使う人もいて、環境面からも歓迎されるわけですが、問題も起きています。欧米では、バッテリー火災が起き、死傷者も出て社会問題となっています。日本では違法なモペットの歩道走行などが懸案となっていますし、規制や状況は国によって違いますが、それぞれで問題が持ち上がっています。
この件については、これまでにもその背景や動向、対策などを取り上げてきました。日本では火災はあまりクローズアップされていませんが、社会問題となっている国もあります。最近、いろいろ動きがありましたので、それを取り上げてみたいと思います。
バイデン大統領、対中関税を大幅引き上げ EVや半導体など
[ワシントン 14日 ロイター] - バイデン米大統領は14日、電気自動車(EV)、半導体、医療用製品など中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると発表した。11月の大統領選を控え、米中対立のリスクを冒して有権者の支持拡大を図る。
バイデン大統領は「米国の労働者は競争が公正である限り、誰よりも働き、(競争相手などを)打ち負かすことができるが、あまりにも長期にわたり公正ではなかった」と述べた。中国商務省は14日、米国の対中関税引き上げを受け、強い不満を示し自国の権利と利益を守るために断固とした措置を取ると表明した。
また、バイデン大統領はヤフーニュースのインタビューで、中国が対抗措置を講じる公算が大きいものの、「国際紛争などにつながるとは思わない」と語った。同時に、中国が「無関係の製品に対する関税を引き上げる方策を見い出そうとする可能性がある」という認識を示した。
米国は1974年通商法301条に基づき、今年、EVの関税を25%から100%に、リチウムイオンEV電池・その他電池部品の関税を7.5%から25%に、ソーラーパネル用太陽電池の関税を25%から50%に引き上げる。「一部の」重要鉱物についても関税をゼロから25%に引き上げる。(2024年5月15日 ロイター)

これは一般のニュースとして大きく報じられました。中国製のEVに100%の高関税を課すというものです。中国は多額の補助金をEV産業に出して生産を拡大し、経済の失速で国内で過剰生産となったものをアメリカに輸出していると非難しています。これによって米国企業が苦境に陥り、雇用が失われるとの不満があります。
中国製のEVに100%関税とはトランプ前大統領も主張していましたが、
バイデン大統領が一足早く導入した形です。中国との関税合戦はトランプ氏の十八番に思えますが、対中強硬姿勢については共和党か民主党かにかかわらず超党派の賛同があります。もちろん、11月の大統領選に向けてのアピールもあるでしょう。
このニュース自体は自転車と関係ありませんが、同時にバッテリーのリチウムイオン電池やその部品に対する関税も上げられます。これによって、自転車のバッテリーの価格も上がると見られています。電動自転車業界は、影響が必至であり、その行方が懸念されています。
なぜならトランプ時代の関税上げ競争の時にも巻き込まれた過去があるからです。当時は、関税引き上げによって米国での、e-bike 製造が不可能になると言われました。輸入部材を使った自転車の価格が上がり、消費者に転嫁できない部分を負担せざるを得ない小売りを中心に打撃を受けたのは、つい6年前でした。

近年、バッテリー火災問題を解決すべく、スタートアップ企業などが安全なバッテリーを開発する動きもあり、中国製の粗悪な自転車用バッテリーが入ってきにくくなる点にはメリットもあります。ただ一方で、バッテリーの原材料や部品が高くなる影響が懸念されています。
充電の仕方などの問題もありますが、バッテリー火災の要因の多くは粗悪なバッテリーであり、そのほとんどは中国製と広く認識されています。これが関税によって、他国製の比較的高品質のバッテリーが流通し、中国製が駆逐されるようになれば、火災の減少に寄与する可能性があり、期待される面もあります。
一方、中国は、この関税のニュースの前、つい先週ですが、電動自転車のバッテリーに関しての規制を大幅に変更した新規制を発表しました。中国でもバッテリー火災は起きていますので、その対策の面もあると思います。しかし個人的には、中国政府がごく一部の火災のため素早く対策を打ったようには思えません。
やはり欧米で広がる中国製バッテリーへの問題意識が、このような対策をとらせた面があると思います。この対策とは関係なく、関税引き上げが発表されたことになります。もちろん、あくまでクルマ、EVの輸出が問題の核心で、自転車バッテリーは焦点ではないと思いますが、中国政府は面白くないのではないでしょうか。
中国の電動自転車用電池の安全性に関する国家基準発表についての発表
イギリスでは、火災も起きていますが、電動自転車や電動キックボードなどが路上強盗などの犯罪に使われる事例が増えています。これら電動モビリティによる人身事故も増えていますが、窃盗などの犯罪に使われるケースが多発しており、この点も大いに問題視されているのです。
窃盗犯を捕まえようにも、電動バイクで素早く逃げられてしまうことも多いようです。犯罪発生時でなくても、違法に走行している電動自転車に職務質問しようにも止まらないケースも多いと言います。徒歩で追いかけるのは困難ですし、パトカーだと小回りのきく自転車に路地などに逃げこまれると追いきれません。
そこで、電動自転車、電動スクーター、電動キックボードなどを
強制的に停止させるための機材の開発が検討されています。報道によれば、昔の映画、ゴーストバスターズに出てきたようなスタイル、すなわち背中に機材を背負い、手持ちのホースを向けて電磁パルスを照射するようなものだと言います。

このSF映画に出てきたのはゴーストを吸い取る掃除機のような機械だったと思いますが、こちらは現実のハイテク装置です。電動自転車に向けて電磁パルスを発射すると、そのモーターに対し、異常発熱と認識させ、安全装置を作動させることで強制的に停止させることが出来ると言います。
この装置は、すでに技術ショー等で公開されており、エンジン車にも効く可能性があると言います。すでにイギリス警察は、
電磁波を使って遠隔操作でクルマを停止させる技術を開発しており、それを持ち運び可能にして、取締りに使おうというわけです。
ひったくりなどの路上犯罪は今までもありました。しかし、電動のモビリティが使われることが検挙率を下げています。そもそもこれらの電動モビリティが、市街地を高速で走行することが問題に根底にあります。ひったくりをしようと歩道を違法走行するなどもあり、危険でもあります。
電動モビリティは便利でラクでスピードが出る一方で、犯罪に使われる格好のアイテムになっているわけです。このシステムが、どのくらい効果を上げるのかはわかりませんが、このような装置の導入も仕方ないところでしょう。もし上手くいくならば、日本の警察は輸入してもいいかも知れません。
バッテリー技術の進歩で、各種電動モビリティが急速に増加しており、今後さらに普及していくことは間違いないでしょう。ビジネスとしても電動モビリティの市場は、さらに巨大なものになっていくと目されています。過渡期として起きる問題に対しては、今後もさまざまな動きが出てきそうです。


◇ 日々の雑感 ◇
昨日のお昼時に起きたPayPayの不具合では広範囲に混乱が広がったようです。こういう事態も起こり得るのでしょうが、もはやインフラとなっているわけで、予期せぬアクセス集中くらいでダウンさせないよう願いたいものです。

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Posted by cycleroad at 13:00│
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