May 22, 2024

道交法改正は現状を変えるか

一昨日は二十四節気の小満でした。


立夏の次の小満は、万物が勢いよく成長し、天地が生命力で満ちるとされる季節です。たしかに、草木は生い茂り、その緑が目に鮮やかです。さて、そんな折りですが、最近の自転車関連のニュースの中から目についたものを、いくつかピックアップしてみたいと思います。


自転車違反に反則金、改正法成立 ながら運転、酒気帯びに罰則

反則金16歳以上の自転車の交通違反に反則金納付を通告できる交通反則切符(青切符)制度の導入を柱とした改正道交法が17日の参院本会議で可決、成立した。

自転車走行中の携帯電話使用(ながら運転)や酒気帯びに罰則を新設した。青切符制度は公布から2年以内に、ながら運転、酒気帯びへの罰則は6カ月以内に施行する。

近年は自転車の利用拡大によって、違反や事故が目立っていた。青切符は、起訴を見据えた捜査が必要な現状の交通切符(赤切符)交付より違反の処理時間を短縮でき、効率的な取り締まりと違反者への安全運転の指導が可能となる。自転車の取り締まりが大きく変わることになる。

青切符対象となる115種類程度の違反のうち、重点対象行為と位置付ける「信号無視」や「指定場所一時不停止」といった違反を中心に取り締まる。運転中に手に持った携帯電話で通話したり、画面を注視したりする、ながら運転も対象だ。反則金を納めずに起訴されて有罪になると、6月以下の懲役または10万円以下の罰金となる。反則金の額は5千〜1万2千円ほどになる見込みだ。(2024/05/17 共同通信)



自転車違反に反則金 改正道交法成立、取り締まり転換点

反則金自転車の交通違反に交通反則切符(青切符)を交付する改正道路交通法が17日、参院本会議で可決・成立した。自転車運転の違反処理が戦後初めて見直され、周知期間を経て2026年にも運用が始まる。

取り締まりが自転車利用の萎縮を招かないために、正しい交通ルールを啓発する安全教育と、安全走行を確保する交通規制を同時に進めることがカギになる。

自転車への反則金制度は、対象とする違反行為を「信号無視」や「指定場所一時不停止」など115種類程度とし、反則金額は5千?6千円が中心となる。

現行の反則金制度は自動車やバイクの違反行為が青切符の対象で、自転車は対象外。自転車には刑事手続きの対象となる交通切符(赤切符)が主に使われてきた。

反則金制度の運用は主に指導警告が前提で、警告に従わず違反行為を継続したり歩行者に危険を生じさせたりする悪質性や危険性が高い場合に青切符を交付する想定だ。

改正道交法には車道を走る自転車を守る法整備も行われ、車道を走る自転車を追い抜く車に対して自転車との間隔に応じた安全な速度で走行するよう義務付けた。

携帯電話の「ながら運転」や酒気帯びへの罰則も盛り込まれた。赤切符対象の酒気帯び運転は有罪になれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。ながら運転で実際に危険を生じさせた場合も赤切符対象で、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。

新たな違反処理の運用や交通ルールについて理解を進めるため、警察庁は交通安全教育の強化に向けた体制整備を進める。

改正法の公布後速やかに、交通安全を啓発する警察庁を事務局とした官民連携協議会を設置する。協議会では主に自転車利用者の世代ごとに適切な安全教育の内容をまとめたガイドラインの策定や安全教育の担い手の拡充などについて議論する。

例えば小学生の場合、低学年は保護者同伴で歩道上を走行するようになり中学年では一人で走行し、高学年になると学区外まで行動範囲が広がると想定される。高校生や大学生はクロスバイクなど速度が出やすい自転車の利用者も増える。

高齢者の場合、遠距離を走行する機会は減るが身体能力の低下を正しく理解した運転が求められる。世代ごとに注意すべき観点は異なることから、ガイドラインなどできめ細かに注意点を示す。

交通安全教育は民間団体が担う場合も少なくない。協議会では、適切な安全教育を行う団体を警察が認定することで「お墨付き」を与える制度の策定についても議論する。児童生徒への教育機会を設けたい学校などが認定を得た団体に依頼するといった運用が想定される。

警察幹部は「違反処理に目が行きがちだが、交通安全教育と自転車の安全を確保する交通規制の三位一体で安全で快適な自転車利用を推進することが重要だ」と話した。(2024年5月17日 日経新聞)



スマホ見ながら自転車運転で『青切符=反則金』導入 ヘルメット着用は努力義務化から1年、着用率上がらず啓発が課題( ↓ 動画参照)




以前から報じられていました、自転車に対しての青切符制度を導入する改正道路交通法が17日、参院本会議で可決・成立しました。いよいよ自転車にも青キップが交付されることになります。国会では裏金問題関連の審議が話題の中心ですが、このニュースも各メディアが一斉に報じています。

反則金の額は5千〜1万2千円ほどとなっています。もし反則金を納めずに起訴されて有罪になると、6月以下の懲役または10万円以下の罰金となりますから、違反してキップを切られたら、多くの人が反則金を納付することになるでしょう。おおむね2年以内には施行されることになります。

ただ問題は、自転車に関する道交法の理解が足りない人が多いことです。中には知っていても違反する人もいて、違法行為が常態化している面があります。法令の周知が必要ですし、クルマを運転しないので青キップ制度を詳しく知らないという人もいるでしょうから、最初は混乱も予想されます。

世界では、自転車の車道走行が当たり前ですが、日本だけはそうではありません。当然のように車道走行する国では、自然と秩序が出来ていますが、日本の場合は、この秩序が出来ていません。歩道を歩行者感覚で走行するため、左側通行も一時停止もいい加減で、遵守する習慣がないわけです。

青切符青キップが導入され、どのくらい交付されることになるのかは未知数ですが、この反則金の導入によって、果たして道路上の秩序が形成されていくのかは見通せません。下手をすれば、反則金が課されるようになっても、実態は今と何も変わらないなんてことになる可能性もあるでしょう。

反則金を課されて、道交法を遵守する人が大多数になっていくのか、あるいは警察の人的資源も限られますから、現在のような日常的に違反をしている人であふれている状態が是正されないことになるのか、予断を許さないと言えるでしょう。

何と言っても、半世紀も歩道走行で来てしまった結果、なかなか歩道走行は改まらないでしょう。そうだとすれば、逆走や一時不停止なども、なかなか遵守されないことは容易に想像されるわけで、道路秩序の確立は相応に困難だと予想されます。今後の行方が注目されます。


一時停止せず、1時間で7人に警告 自転車反則金、ルール浸透課題

ルール自転車の悪質な交通違反に「青切符」を交付し、反則金を納付させることを新たに規定する改正道路交通法が17日、参院本会議で可決、成立した。

公布から2年以内の2026年までに施行される。自転車の違反取り締まりの大きな転換点となる。

自転車は免許が必要ないため、ルールを正しく知らない利用者が多い。混乱などを生まないよう、ルールの浸透が課題となる。

「自転車も一時停止をお願いします」

16日午前、東京都大田区のJRと東急の蒲田駅に近い交差点。警視庁蒲田署の警察官6人が自転車利用者に声をかけていた。

蒲田駅は、周辺に止められている自転車の数が都内で2年連続トップ。警察官は笛を鳴らしたり、誘導棒を振ったりしながら違反がないか目を光らせた。

違反や事故が目立つ自転車だが、ここでも一時停止の標識があるにもかかわらず、止まらずに車の横を走り抜けていく様子が見られた。1時間ほどで、注意を促す指導警告カードが7人に交付された。一時停止をせずに、横断歩道の歩行者の通行を妨げたとする危険性が高い違反でも2人が取り締まられた。(毎日新聞 2024/5/17)



一時停止が指定されている交差点で一時停止をしなかった疑い 自転車に乗っていた男を現行犯逮捕

一時停止18日午後、福岡県久留米市で、一時停止が指定されている交差点で一時停止をしなかったとして、自転車に乗っていた50代とみられる男が逮捕されました。

18日午後6時ごろ久留米市天神町で、自転車に乗っていた50代とみられる男が、一時停止が指定されている交差点に一時停止をせずに進入しました。

目撃した警察官が停止を求めましたが、男はそのまま逃走。400メートルほど逃げたところで、男は警察官に身柄を確保されました。(以下略 2024年5月18日 RKB毎日放送)


反則金導入はこれからですが、警察の取締りはすでに強化されているようで、取締りのニュースが増えています。いかにルールを浸透させていくかが問題なのは誰もが指摘するところですが、浸透しても遵守されるとは限りません。青キップを切られるから遵守しようという意識が一般的になるでしょうか。


ルール無視“すり抜け自転車”「何してんの!」4台で“危険走行”



ルール無視。すり抜け自転車、危険な走行の瞬間です。 夜間、国道14号を走行中の出来事です。左側には数台の自転車が走っています。

運転していた男性 「3台か4台か、まとまって走っていて、駐車している車両もあったので、一度、右車線に移って自転車を追い抜いて左車線に戻ってきた」

右折信号が付いた赤信号の交差点で車を止めました。そして正面の信号が赤に切り替わった、その瞬間…。

運転していた男性 「何してんの」

突然、車の横を自転車がすり抜けて飛び出し、そのまま車道を右折をしていきました。

運転していた男性 「びっくりしました。交差する道路が青(信号)になってたので、まさか、このタイミングで入ってくるとはという感じ」

後方のカメラには飛び出してきた自転車の様子が映っています。

運転していた男性 「自転車同士も追い抜いたりしていたと思うので、かなりスピードを出していたんじゃないか」

猛スピードで信号を無視し、右折していった自転車。さらに、その後ろから出てきた3台の自転車も歩行者が渡っている横断歩道を右折していきます。歩道を渡る自転車に危うくぶつかりそうになった自転車もいます。

本来、車道を走る自転車が交差点を右折する時は一旦直進し、その後、右折をする「二段階右折」をしなければなりません。4台の自転車の危険な走行。一歩間違えれば重大な事故にもつながりかねませんでした。

運転していた男性 「自転車に乗っている人自身も危険だと思うけど、それを避けようとした車だったり、歩行者が巻き添えになる事故になる可能性があるので、そういう責任を考えて運転してもらいたいなと思う」(5/17 KHB)


近年はドライブレコーダーの普及で、ルール無視の自転車の動画が公開されることが増えています。たしかに危険な走行です。最初の人は論外ですが、後の3人のように止まらずに横断歩道を渡り、歩行者が危険にさらされる場面は日常茶飯事でしょう。このような行為まで取り締まれるのかには疑問もあります。


違反してるのに逆ギレも!危険な自転車の取り締まり【しらべてみたら】



スマホのながら運転に信号無視!さらには、警察官を無視したり、逆ギレする違反者まで!相次ぐ危険な自転車、その取り締まりの現場をしらべてみました。(2024年5月20日 FNN)


取締りの現場の映像も公開されています。警察官もご苦労なことですが、果たしてこれが青キップ導入で抑止されることになるのか、数が多すぎて取締りきれず、歯止めがかからないのか不透明です。とにかく自転車利用者は膨大な数であり、人的な制約から、片っ端から交付するというわけにもいかないでしょう。

やはり、他国のように、ある程度秩序が出来ている状態で、一部の違反者に青キップというのなら効果的だと思いますが、日本の場合は前途多難に思えます。まず秩序を形成することが必要であり、自転車利用者全般が、歩行者感覚から車両としての走行へ、全面的に意識を転換することが必要なのではないかという気がします。


都内「自転車が命がけ!」危険スポット5選 「左折車こわっ!」「マジで、ここ進むの…?」

危険スポット自転車の通行方法はしばしば議論になりますが、都内には、ルールに厳密な自転車が、危険な思いをするスポットもあります。通行注意な5か所を紹介します。

「車道の左側を走行」すると、かなり怖いスポットも

2007年の道路交通法改正に合わせ定められ、2022年に改訂を受けた「自転車安全利用五則」では、自転車は「車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先」と、「自転車は車道を走る乗り物」というルールが強く打ち出されています。

しかし東京の道路は、その整備の観点がクルマのスムーズな通行と歩行者をクルマから守ることに重点が置かれたためか、「自転車は車道」という原則を守っていては安全に走れない場所があることも事実です。
 
今回はそうした東京の道路のなかから、道路の構造や地形などで「自転車が通行するのが命がけ」なところを5つピックアップしたいと思います。(以下略 2024.05.19 乗り物ニュース)


車両としての自覚を持って、道交法を遵守してもらうためには、まず歩道走行を止めることだと何度も指摘していますが、車道に走行空間が乏しかったり、危険な箇所があるのは確かでしょう。まず、このような車道走行が困難な場所を無くしていくことから始めるべきではないでしょうか。


「幅寄せだ!」左折車の左をすり抜ける自転車の動画に批判殺到「チャリ乗りの主張」は正しい?教習所指導員に聞いた

幅寄せ自転車の悪質走行が後を絶たないなか、自転車に乗る人物が投稿した、「左折車の横をすり抜ける自転車」の動画がX(旧Twitter)で大きな話題になった。

自転車乗りの主張によると、左折に備えて道路の左側に寄せた自動車は、後方を走行する自分(自転車)に対する「嫌がらせ」であり、「幅寄せ」なのだという。たちまち多くの反響が寄せられた。

道路走るなら自転車も「免許」を取って

「道路交通法にも左に寄せろと書いてありまして…」
「確かに左に寄せて停まるのは一見世知辛く見える…が、左折したい際に左側に寄せるのは、自転車やバイクを巻き込まないため。教習所でも教官にめっさ指導される」
「左折のウインカーも出してる車の前に行く自転車乗りはダメだよ」
「左折で巻き込まないようにすっごい確認するのに、こうやって来られるのは本当に怖いから止めてほしい。自転車は歩行者ではなくて軽車両なので、道路走るなら免許取ってほしい」

コメントにもあるように、動画の自動車の左折方法は、道路交通法・第三章・第三十四条「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」に従った左折方法であり、教習所でも厳しく指導される。

動画の検証と自転車側の主張について、運転のコツを楽しく伝えるYouTubeチャンネルも人気の、滋賀県大津市にある自動車教習所「ツキノワプロダクション(from 月の輪自動車教習所)」(@tsukinowapro)さんに聞いた。

自転車による「無理なすり抜け」

ーー自転車は「車による幅寄せ」と主張しているようですね。

「この動画ですと、自転車の方が左折車の側方を無理にすり抜けしている、という印象ですね。自転車が本来取るべき行動は、『左折車の後ろで停止して信号待ちをする』です」

ーー動画の自転車が走行していたのは、「自転車専用通行帯」ですか?

「動画に映っていた車道と歩道の間に引かれた白線は、自転車専用通行帯を示す白線ではなく、『車道外側線』と言います。この車道外側線と歩道の間も車道になり、自動車が進行しても違法ではありません。自転車専用通行帯の場合は標示があるので、その有無で判断してもらうのがいいですね」

ーー先生自身もこういった自転車に遭遇された経験が…?

「路上教習中、大学生が運転する3台ほどの自転車集団を追い越し、左折をするために教習車を左に寄せて信号待ちをしていた際、追い越した自転車集団から、『教習所の車ってめっちゃ意地悪やん!』と、こちらに聞こえるように後ろから罵倒されながら、動画と同じように無理にすり抜けされたことをいまだに記憶しています……。巻き込み事故を起こさないため、ルール通りに左に寄せた行動をしただけなのに、悲しい気持ちになりました」

幅寄せ二輪車のすり抜け行為はやめて

ーー自転車やバイクに対して、伝えたいことはありますか?

「すべての人がそうではありませんが、人間には先急ぎの本能があり、時間に間に合わないといった状況でなくても、周囲よりも先に行きたい、という衝動が起きることがあります。このようなことから、前方が渋滞していて、横にすき間があればすり抜けたくなるのが、人間の性なのかなと思います。こういった場合、いかに周囲の車に危険を感じさせず、安全なすり抜けができるかが大事なのですが、そもそもすり抜けをしないことがいちばんなのですけどね…」

ネット上では、「車道を走行するのなら、自転車も免許取得と同様の交通教育は必須」といった、「自転車側の交通知識」を求める声も多く見受けられた。(2024.05.21 まいどなニュース)


SNSで話題となったようです。たしかに、自転車側からみれば幅寄せに見える一方で、ドライバーにしてみれば、左折時に自転車を巻き込まないような配慮である場合も考えられます。左に寄せず、中央寄りからいきなり左折すれば、それはそれで危険なことは間違いありません。

この記事にあるように、自転車専用通行帯か車道外側線かなどをいちいち判断して対処しろというのも無理があると思います。海外では、交差点で停止する場合はバイクボックスと言って、自転車をクルマより前に停車させる国もありますが、日本ではそのようなコンセンサスもなく、道路標示もいろいろなのが現状です。

幅寄せされたように感じる人もあると思いますし、その気持ちはわからないではありません。急に、あるいはワザと、嫌がらせとして幅寄せするような人も実際にいると思います。ただ、感情的になっても損です。すり抜けようとせず、クルマを先に行かせてから直進したほうが安全だと思います。


許すまじ!! 自転車のあおり運転が多発中!? ドライバーが身を守る術は?

あおり運転「あおり運転」というと、「ああ、クルマのね……」と思いがちだが、実は自転車のあおり運転(妨害運転)というものもある。そして自転車による危険運転も2020年6月30日から処罰の対象になっているのだ。

■自転車による“あおり運転”ってどんなもの?

2020年6月、道路交通法の一部改正により、今までは個別の交通違反として取り締まるしかなかったあおり運転に当たる行為を明確化。さらに自転車の危険行為として、新たに“妨害行為”が追加されたのをご存じだろうか?

あおり運転を取り締まる妨害運転罪には、道路交通法の条文に見られる「軽車両を除く」という一文は存在せず、“軽車両”である自転車も処罰の対象なのだ。

■自転車も妨害運転罪が適用される!

自転車への法規制としては、2015年6月からの「自転車運転者講習制度」により、次の14項目の危険行為が挙げられていた。(中略)

■自転車によるあおり運転に遭わないために&遭ってしまったら

こちらに過失はないと思っていても、交通弱者である自転車を引っかけたり、轢いてしまったりした場合は過失ゼロとはならない。

逆走を見かけた場合は、2車線の場合は周囲の安全を確認しつつ右側の車線に移動。そのタイミングがない、もしくは1車線の場合は後続車に停止の意思を示し、停止できたら即警察に通報。

ドラフティングの場合は、そもそも体力温存しつつ高速走行を望んでいる場合が多いので、こちらも徐々に減速するか停止→即警察に通報。一般道に最低速度はないので、こちらがノロノロ運転すると多くは先に進んでくれるだろう。

この実例以外でも、自転車であってもあおり運転はれっきとした道路交通法違反であることを私たちは認識すべきだし、加害者にも認識してほしい。

加害者にその認識がない、知っていても「知らない」という場合もあるので、やはりドライブレコーダー+ステッカーの設置は必須。「相手が悪いのになぜこちらが?」と思うかもしれないが、自分の身を守るための証拠を得るためにはしかたない。なお、くれぐれも相手に仕返しを……など考えないように!(2024年5月15日 ベストカー)


通称「ひょっこり男」の事件も記憶に新しいわけですが、このような記事が出る背景には、やはり自転車による煽り運転が増えているのかも知れません。先ほどの幅寄せの記事のように、クルマのドライバーに腹を立てたり、トラブルになるようなこともあるでしょう。

しかし、煽り運転などすれば、例え弱い立場とされる自転車でも加害者として送検される可能性があることは、「ひょっこり男」の事例でも明らかです。煽られるのも困りますが、煽るのも無謀です。下手をすれば命の危険があるわけで、腹の立つこともあるでしょうが、くれぐれも感情的にならないようにしたいものです。


前年比30%増! 「自転車盗難事件」が急増している2つの理由 しかも、鍵をかけたほうが戻ってこない逆転現実

自転車盗警察庁が発表した最新の犯罪統計資料によると、2023年の自転車盗の認知件数は16万4180件であった。これは前年比で3万5297件、率にして27.4%の大幅な増加である。

無施錠自転車の被害

自転車盗難が急増している――。

警察庁が発表した最新の犯罪統計資料によると、2023年の自転車盗(じてんしゃとう。自転車の窃盗を行う犯罪)の認知件数は16万4180件であった。これは前年比で3万5297件、率にして27.4%の大幅な増加である。1日あたりの発生件数に換算すると約450件。10分ごとに1件のペースで自転車が盗まれている計算だ。

平成期後半から令和初期にかけて、自転車盗は一貫して減少傾向にあった。ところがコロナ禍の影響で減少していた自転車盗難が、2022年に入り再び増加に転じた。2022年には12万8883件と、前年比で2万件以上も増加した。

この自転車盗難のなかで特に問題なのが、「無施錠の自転車」の被害だ。警察庁の資料では2022年までのデータを分析しているので、それをもとに解説しよう(最新版は『令和4年の刑法犯に関する統計資料』)。

2022年に発生した12万8883件のうち、実に8万2113件が無施錠の自転車であり、全体の63.8%を占めている。一方、施錠していた自転車の被害は4万6770件で、36.2%にとどまる。

つまり、自転車盗難の約3分の2は無施錠が原因で発生しているのだ。この傾向は近年に始まったことではない。2013(平成25)年から2022年までの10年間を見ても、無施錠自転車の被害割合は常に60%前後で推移している。無施錠の自転車が狙われやすいという構図は、長年変わっていないのだ。

自転車盗盗難目的の違い

では施錠していれば安心かというと、そうとはいい切れない。2022年のデータによれば、施錠していた自転車の被害回復率は45.4%、無施錠自転車は52.4%となっている。無施錠自転車の方が、回復率は高いのだ。これは一見矛盾しているように思える。施錠していない自転車の方が見つかりやすいとは、どういうことだろうか。

その理由はこう考えられる。無施錠の自転車は、面倒な錠を解除する必要がないため、気軽に盗んでそのまま乗り捨てられることが多い。一方、わざわざ施錠を解除して盗む自転車は、「転売目的」であることが多い。盗品が闇市場に流れてしまうと、発見が難しくなるのだ。特に高額な自転車は、盗難後にバラバラに分解されてパーツごとに転売されるケースもあり、発見が一層困難になる。ゆえに、最低限の施錠は必須であり、さらに施錠方法や駐輪場所の選択にも工夫が求められる。(以下略 2024.5.14 Merkmal)


自転車盗についての記事もありました。施錠するより無施錠で盗まれたほうが被害回復率が高いという話です。しかし、よく読むと、施錠して盗まれるのはスポーツバイクなどの割合が多いため、統計の見かけ上そうなるようです。回復率が高くても見つかるとは限らないですし、無施錠は犯行を誘発するのも間違いないでしょう。


ビンテージ自転車が集結 伊豆の国などでサイクリングの祭典が開催 360人参加

ビンテージビンテージ自転車によるサイクリングの祭典「エロイカ」が11、12の両日、静岡県・伊豆の国市などで開催された。海外からも含む約360人のサイクリストが参加し、伊豆の自然を満喫しながら思い思いにペダルをこいだ。

エロイカはイタリア中部の小さな村を発祥とし、ビンテージ自転車で厳しいコースを走ることで参加者一人一人が英雄(イタリア語でエロイカ)になるというコンセプト。日本では10回目の開催となり、伊豆の国市や伊豆市、下田市などを走行する28〜183キロの計6コースが設定された。

11日は韮山文化センター(伊豆の国市)周辺で参加者によるパレードがあり、多様なビンテージ自転車が一堂に会し、お祭りムードに包まれた。前輪が大きいペニーファージング型自転車に乗った長裕(おさゆたか)さん(65)=神奈川県厚木市=は「ビンテージ自転車は決して便利ではないが、乗ると幸せ感がある。伊豆は景観もよく、走り応えがある」と笑顔だった。(2024年5月14日 東京新聞)


前輪が大きいペニーファージング型自転車などに乗るライドイベントがあったようです。海外では、ときどき聞きますが、360人も集まるとは意外です。日本でも、趣味の自転車乗りのスタイルが広がり、さまざまなイベントも行われるようになってきたと言えるのかも知れません。


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◇ 日々の雑感 ◇

政府は6月から実施する定額減税で、会社員らの給与明細に所得税の減税額を明記するよう企業に義務付けて企業は手間が増しています。国民に手取りが実際に増えたと実感させ、内閣支持率の低迷が続く政権の浮揚を狙っているようですが、こんな恩着せがましい細かな部分にこだわるより、裏金の解明こそ進めるべきでしょう。

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この記事へのコメント
 いつも、なかなか気づかない情報を提供していただきありがとうございます。

 自転車青切符に関してですが、警察庁の統計によれば、25歳の時点で、男女とも80%以上が運転免許を取得しているとのこと。すなわち、これらの人は、道路交通法を「知っている」ことになります。これら、免許保持(経験者を含む)が、しっかりルールを守り、家族に指導すれば、状況は改善するわけですし、(車の免許よりはおそらく簡単な内容になるであろう)自転車免許などは、現実的には不要なわけです。

 しかし現実には、小中学校の先生が、「自転車は左右どちらでも走りやすいほうを通行」「車道よりも歩道を通行」と”自信をもって”指導している現実があります。まあ、学校の先生で自転車通勤という方はあまりいないからでしょうが。

 この現状を打破するには、
  ・大人には、厳正な取り締まり(すでに法律は知っているので)。
  ・子供には、小中学校からの正しい教育(免許を取得するまでのつなぎ)。
が必要に思います
Posted by ひでさん at May 22, 2024 16:19
こんにちは。

私が自転車を走らせていつも恐怖に感じるのが、左折専用レーンのある交差点を直進する場合です。

スピードの出る自転車に乗ってるときは、手信号を上げて直進レーンに移ってから直進しています。

問題はスピードの出ない自転車に乗っているときです。
左折専用レーンの左側を左折巻き込みの恐怖にさらされながら直進せざるを得ません。

警察にこのことを質問しても明確な答えは返ってきません。

また、車道を走る際車と同じ停止線で止まっていると発進の時恐怖を感じます。ヨーロッパなどでは自転車用停止線は車用停止線より前にあります。

このように、自転車が車道を走ることを前提に道路設計を変えていかなければなりませんがどうも後回しになりそうです。
Posted by 輪行菩薩 at May 23, 2024 12:53
cycleroadさん,こんにちは.

日本(人)の自転車に対する意識は以下の配信記事に端的に現れていると思います.

https://news.yahoo.co.jp/articles/38b35daf9fd0659231e0494d607474925cf96b25

「たかが自転車」という意識.実際には警察(庁)までがこういう意識でいるとしか思えません.

とにかく日本(人)は,「自転車」に金や労力や用地を費やす事を非常に嫌う傾向が有るのは確かだと思っております.こんな安易な考えの為に,これまでどれ程多くの犠牲者が出たことか.

大量の自転車をどのようにして円滑に流し,体裁よく駐輪を吸収するか,その辺の発想が欠けています.

今後とも,先ずは車道左側通行を基本とする自転車の交通ルールの正常化に,私としても積極的に協力してゆきたいです.
Posted by マイロネフ at May 25, 2024 08:14
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も自転車に免許はナンセンスだと思っています。中高年でクルマの免許を持っていない人もいますが、基本的には法令を知っている人が多いのはその通りでしょう。
問題は、自転車でもそれを遵守するという意識や習慣がないことです。
学校の先生も安全を重視して歩道を走行をさせることしか念頭にないものと思われます。

果たして青キップが導入されて、どのくらい交付されるのかによっても違ってくると思います。実際に自分に交付される確率が低いと思えば、現状が維持され、なかなか法令遵守は進まない可能性もあります。
子どもへの教育は当然必要ですが、街に出れば周りの大人がちっとも守っていない状態だったとすれば、守らせるのは難しいかも知れませんね。
Posted by cycleroad at May 25, 2024 13:33
輪行菩薩さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

たしかに、一番左のレーンを走行できない場所はありますね。私も直進レーンに移りますが、そもそも、車道走行を想定していないわけで、安全に走行というのが無理です。
最近は、自転車の通行場所を示すために青い矢羽根を交差点の中までペイントしているところもあります。それが全て安全なルートかは別ですが。

高規格の自転車専用レーンを設置するならともかく、道路標示を変えてペイントするだけならば、とりあえずすぐ出来るはずです。
警察庁も国土交通省も明確に方針を打ち出しているのですから、すぐに始めてほしいと思います。
Posted by cycleroad at May 25, 2024 13:45
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

長い間、歩道走行させてきたため、自転車は歩行の延長という感覚、「たかが自転車」という意識が警察も含めて日本人に定着してしまっているのは否めませんね。

おっしゃるように、それが事故を誘発することになり多くの犠牲者を出してきたという重大な事実があります。それを関係者も気づいているわけですから、車道左側通行を基本とする自転車の交通ルールの正常化を早急に進めるべきです。

警察庁も国土交通省も明確に車道走行の方針を決定し打ち出しているのに、その具体策が遅々として進んでいないのは、明らかな交通行政の怠慢と言わざるを得ません。
Posted by cycleroad at May 25, 2024 13:54
 
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