各競技の代表選手が続々と決まり、メディアでも取り上げられて少しずつ期待も高まってきています。開会式のパレードがセーヌ川で行われたり、エッフェル塔前に2つの仮設スタジアムが建設されたりなども話題となっています。日本選手団の選手数は海外で行われる大会では史上最多となる400人余りとなる見通しです。
自転車競技も行われます。日本では人気が今一つで、他の人気競技と比べて取り上げられることが少ないのが残念ですが、選手には期待がかかります。どうしてもマイナーな競技のように見られますが、1896年の近代五輪最初の大会、第1回アテネオリンピックから行われている歴史のある競技です。
しかも、陸上、競泳、体操、フェンシングの4競技とともに、第1回から途切れることなく実施されている由緒のある競技であり、欧米などでは高い人気があります。ご存知のように、ロードレース、トラックレース、マウンテンバイク、BMXの各競技が行われます。

全体では、おなじみの28の中核競技のほかに、ゴルフ、ラグビー、レスリングが追加で当初競技に組み入れられています。この中に日本が得意とするレスリングがあるのが意外ですが、東京大会から当初中核競技から除外され、最後にIOC追加競技として復活した経緯があります。パリ大会までは追加競技の扱いです。
野球とソフトボールは残念ながら除外されました。一方で、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、ブレイキン(ブレイクダンス)が開催都市提案の追加種目として実施が決まっています。これらの種目でも日本人選手が頑張っているので期待が高まります。
時代の変化をとらえ、新しいスポーツが実施競技として取り入れられるのはいいことですが、競技数が増えてしまって、オリンピックの肥大化が問題になっているのも確かでしょう。日程や競技場の問題もありますし、費用の膨張で、開催都市に立候補する都市が年々減ってしまっているのが懸案です。

自転車競技は、ロードレースとトラックレースは、いくつかの種目追加や廃止も行われていますが、伝統的に実施されてきた種目です。マウンテンバイクは1996年から、BMXは、2008年から追加されました。各種目でそれぞれ事情があって、実施されない種目もあります。
トラックレースは2012年から、男女同数種目の原則により、中長距離系個人、ないしペア種目がほとんど姿を消すという大幅な種目変更が行われました。これにより、世界選手権で行われている種目の約半数しか実施されないということになってしまいました。
BMXは、比較的新しいので男女のレーシングとフリースタイルの2つだけしかないのは仕方ないとして、マウンテンバイクが男女クロスカントリーのみというのは、いかにも少ないと言えるでしょう。世界選手権では7種目(そのうち男女別は6種目)あることを見ても足りない感じはあります。

あまりにマウンテンバイクの種目が少ないため、例えばダウンヒルやフォークロスの選手がBMXに出場するなどの例もあります。マウンテンバイクでも、ダウンヒルとクロスカントリーでは大きく違いますから、ダウンヒルなどの選手にとっては不満もたまると思います。
ただ、ダウンヒルのコースは、どこの都市でも用意できるわけではありません。クロスカントリーならば、都市の近郊などに特設することも出来るでしょうが、高低差の必要なダウンヒルは難しい街も多いはずです。マウンテンバイクの種目数が少ないのは、仕方ない部分もありそうです。
ところで、マウンテンバイクの選手や愛好者と言うと、一般の自転車乗りから見ても信じられないような走行、あるいはチャレンジが多いと感じるのは私だけでしょうか。脚力が違うながらも、ロードレースやトラックレースは真似出来ますが、マウンテンバイクでは、とても真似出来ないようなものもあります。
例えば、高低差のある街中の坂や階段を下るレースです。狭い場所を観客ギリギリに走り降りたり、途中にはジャンプがあったりします。ゆっくりなら、ある程度は出来るかも知れませんが、フルスピードで走り下りるのは、題名にもあるように、“CRAZY”と言わざるを得ません。( ↓ 動画参照)
レッドブルの大会なども行われているので、種目としては成り立つと思いますが、参加する選手は限られるかも知れません。開催都市に適地があるとは限らないので、オリンピックの種目として採用するのは難しそうです。練習するにしても、失敗したら大ケガでしょう。
こちら、ショッピングモールの中を走り抜けるのは常識外れでしょう。撮影の許可はとっているようですが、これも題名にあるように“CRAZY”なチャレンジです。こちらなら、場所はどこの都市でもありそうですが、とても競技にはなりそうにありません。( ↑ 動画参照)
雪上を滑り降りるレースも行われています。いくらMTBのブロックタイヤでも、滑ってたいへんなのは容易に想像がつきます。ただ、意外と各地で行われているようで、場合によっては雪上のダウンヒル競技として採用されないとも限りません。( ↑ 動画参照)
スキー場を滑り降りるチャレンジをする人もいます。( ↑ 動画参照)
さらに驚くのは、スキーのジャンプ台を使って、自転車でジャンプをする人です。Johannes Fischbach というドイツの選手のチャレンジですが、変な姿勢で転倒したら首の骨を折りかねません。命がけのチャレンジと言ってもよさそうです。( ↑ 動画参照)
ちなみに、こちらは成功したジャンプで、ワールドレコードです。スキー場を使って雪上を走り降りたり、ジャンプ台を使ってジャンプをするならば、冬の五輪では、あるいは可能でしょう。冬の五輪の種目はまだまだ少なく限られているので、増やす余地もあります。( ↑ 動画参照)
さすがにジャンプ台を使った自転車ジャンプの実施は難しそうですが、雪上のダウンヒルレースならば可能性は無くはないと思います。考えてみれば、トライアスロンだって酒の席での賭けから始まったそうですし、何がいつ正式種目になるかわかりません。MTBは、もしかしたら冬の競技にも採用されるかも知れません。


◇ 日々の雑感 ◇
パリ五輪はエコのため選手村にエアコンが無いことも話題です。各国独自に設置するようで物議を醸しそうです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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