それは先入観だったり、長年の慣習や出来上がった既成概念、淘汰された結果の形やデザインなど形成された理由はいろいろあるでしょう。しかし、その固定観念が崩れる時もあります。技術的な制約がなくなったり、世の中のトレンドが変わったり、消費動向が変化したり、これもまた理由はいろいろです。
例えば自転車用のライト、多くの人は正面から見た形が小さな円形を思い浮かべると思います。いま使われているライトの多くもそうでしょう。元々ライトは、ダイナモと組み合わせたものや、小型の懐中電灯のような形のものをハンドルバーに取り付けて使われていたことも多いと思います。
光源も豆電球でしたが、最近はLEDのものが主流となってきました。リチウムイオン電池の進化によって全体としてもコンパクトになり、光量や電源性能もアップしました。それでも基本的な形は同じようなものが多いわけですが、必ずしも同じである必要はありません。
つまり、LEDなのですから形も自由に出来ます。光源の部分が丸型である必要はありません。丸でなくても三角形や四角形など、なにか他の形のものがあってもいいでしょう。いろいろな機能や安全性の向上などを考えたら、もっと違う形に進化してもいいはずです。
こちら、“
Light Rail”は横に長い長方形になっています。小さな丸型だと、背景に溶け込んでしまったり、他の車両のライトと見間違えるなど、対向車のドライバーからの視認性の点で問題もあります。このライトは横に長い長方形にすることで、対向車からの視認性をアップしています。
もちろん、前方を照らして安全な走行を助けます。対向車からの視認性を向上させる一方で、ドライバーを眩惑させないようにも工夫されています。形はワイドですが、光まで横に広がると他の交通に対して迷惑なこともあります。そこでライトを下向きにするのに加え、ビームを狭めて走行する場所を照らすようにしています。
たしかに、小さな丸型だと見間違われる可能性がありますが、横型だと、ある程度の幅も意識されますし、光を点滅させたり左右に動かしたりすることで、より視認性は高まるでしょう。ライトは小さな丸型という従来の固定観念に囚われない形と言えるでしょう。
こちら、“
SeeMe”も横型です。従来型の丸型だと、その光軸から外れたり、ハンドルがブレたりすることで、気がつかれなかったり、見過ごされたりする可能性があります。つまりライトの指向性が強いわけです。そこで、前方を照らすだけでなく、横型にすることで視認性をアップさせました。
側面方向にもライトを広げる形で、前方も含めて視認性を高めました。真ん中の丸いライト部分は従来通りの働きをしますが、左右に広がった部分は周囲から見逃されにくくする役割です。さらに、こちらは前後のライトに、HDカメラが搭載されています。記録媒体はSDカードです。
こちらも前方だけの従来型のライトとは形的にも一線を画しています。周辺360度を照らす高出力のLEDライトは、ライトと統合されたHDビデオカメラによる動画の撮影にも光源となって、明瞭な画像の記録という点でも役立つ形になっています。
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Light Rail”も“
SeeMe”も、自転車用ライトの形という固定観念に囚われないことで、より視認性や安全性、照明性能、後者は記録性能を向上させた製品と言えるでしょう。どちらもクラウドファンディングサイトで販売・資金調達をしており、すでに両者とも目標金額を大きく上回っています。
なるほど、私も現在は従来型を使っていますが、従来の小さな丸型の一点のライトである必要はないわけで、固定観念を崩された気がします。同様に感じた人も多いのではないでしょうか。ちなみに、調べてみたら上記の2つのような機能性は別として、横に長いライトはすでにいろいろ売られていました。
私は、走行中に他の人が横長のライトを装着していることを見たことはありませんが、気がつかなかっただけで、実際には導入している人は増えているのかも知れません。このくらいの幅であれば、フラットハンドルだけでなく、ドロップハンドルなどにも取り付けられそうです。
今は見慣れない形にも思えますが、それこそ固定観念のせいであり、光源が一点である必要はありません。より視認性や照明性能が上がることになるのならば、少なくとも次回の買い替えの時に十分に選択肢になりそうです。これから、街で見ることも増えるかも知れません。
◇ 日々の雑感 ◇
大阪万博で「火星の石」が展示されるそうです。火星で採ってきたわけでなく南極・昭和基地近くで採取されたものに果たして集客効果はあるのでしょうか。前回の「月の石」の二匹目のドジョウ狙いであまりに安易な気がします。
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Posted by cycleroad at 13:00│
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