人によって、あるいは状況に応じていろいろあると思いますが、背負って使うバックパックもその一つでしょう。自転車専用ではないので、ふだん徒歩の時に使う人もあると思いますが、自転車に乗る時に両手が使え、前傾姿勢になっても邪魔にならないので便利です。
そんなバックパックに、自転車用の画期的な製品が開発されました。“
RAF 1 Pioneering Bike Backpack ”です。ライディング体験に革命を起こす最先端の空気充填バックパックとあります。見た目には大きめのバックパックに見えます。でも、このバックパック、実は荷物を運ぶのが主な目的ではありません。
小さなポケットはあるようですが、ほとんどは空気を入れるようになっています。本体は300g未満と軽量なエアーパックで、走行時には空気で膨らみ、乗り手と一体化して空気抵抗を減らします。つまり、走行時の空気抵抗を減らすのが目的のアイテムなのです。空気抵抗が減るぶん、より速く走ることが出来ます。
これはユニークな道具です。これまでにはなかった自転車用品と言えるかも知れません。たしかに空気抵抗が減れば、より速く走れるでしょう。でも、レースをするわけでもなし、一般のサイクリストには不要、特に荷物も運べないなら使う意味はないと思う人も多いに違いありません。
しかし、スピードだけではなく、空気抵抗が減ることで負荷が減り、そのぶんラクにペダリング出来ることになります。つまり、同じ距離を同じ速度で走ったとすれば、使うエネルギーが減るわけです。そのぶん、疲れも少なくなるに違いありません。これはスピードを競わない場合でもメリットでしょう。
近くをサイクリングするのに、わざわざ使わないとしても、ある程度の長い距離をツーリングする場合には、使った場合と使わない場合で疲れに差が出てくるはずです。どのくらいラクになるのかの数値は書かれていないのでわかりませんが、理屈としてはそうなります。テストした人もそう感じたとあります。
ただ、私も含めて素人のイメージでは、後ろ側より前側にあったほうが、空気抵抗を軽減できそうな気がします。つまり、自転車の前側にフェアリング、風防のようなものを取り付けるほうが効果的に思えます。新幹線の先頭車両まではいかないまでも、前方のフェアリングのほうが、より空気抵抗が小さくなりそうな気がします。
前方に取り付ける雨避けの風防は製品として見たことがあります。ただ、前方の視界を確保するために透明である必要がありますし、風の抵抗を受けるため、ハンドルなどにガッチリ取り付ける必要があるでしょう。それなりの強度も必要となると重量も増えますし、むしろ空気抵抗を増やすことにもなりかねません。( ↓ 動画参照)
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実際に、前ではなく後ろ側に取り付けるフェアリングが、どれだけ空気抵抗を減らす効果があるのか疑問に思う人は少なくないでしょう。私には流体力学の専門的な解説は出来ないので、
一般社団法人日本機械学会の流体工学部門のサイト に出ている実験をご覧ください。( ↓ 動画参照)
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物体に風が当たったときに働く力、すなわち空気抵抗を小さくする実験の動画です。尖ったほうを前にすると、ゴムひもの伸びは11センチなのに対し、後ろにした場合は8センチです。つまり、後ろにしたほうが空気抵抗は小さいことがわかります。後ろに渦が出来やすいかどうかがカギのようです。
一般人のイメージからすると意外ですが、空気抵抗を減らす流線形としては、後ろにフェアリングを取り付けたほうが有効ということになるわけです。ですから、この“
RAF 1 Pioneering Bike Backpack ”を背負うのは、理にかなっていると言えるでしょう。
まだ始まっていませんが、これから
クラウドファンディングサイトで販売、資金調達 を始める予定です。果たしてサイクリストから、どれくらい評価されるのかはわかりません。しかし、走行するのがラクになって疲れが減るなら使う意義はあるでしょう。どのくらいラクになるのか、使ってみたい気はします。
理論的には効果が見込めたとしても、さすがに普段の徒歩やランニングで使う人はなさそうです。つまり、自転車専用のバックパックということになるでしょう。自転車に乗る時にこそ使いたい、いや自転車に乗る時にしか使えないバックパックということになるかも知れません。
◇ 日々の雑感 ◇
大谷翔平選手が50-50を達成しました。48-49から少し日数がかかるのかと思えば1日で50-50、さらに51-51、翌日には52-52です。43-43で新記録なのに信じられない程の偉業です。果たしてどこまで伸ばすのか楽しみです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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