今日は彼岸の明けです。September 25, 2024
ヘルメットで事故は防げない
今日は彼岸の明けです。 さすがに朝晩は気温は下がって過ごしやすくなってきました。一時のような猛暑は収まってきましたが、１０月になっても季節外れの暑い日があると予報されています。さて、そんな時期ですが今回は最近の自転車関連のニュースの中から、気になったものをいくつか取り上げてみたいと思います。
相変わらずヘルメット着用についてのニュースが目立ちます。秋の交通安全運動（21〜30日）が全国で展開されているせいもあると思いますが、ここ１年でみても、自転車関連のニュースとしては圧倒的なボリュームになっています。上に挙げたのは最近のもののごく一部です。
手を変え品を変え、全国でヘルメット着用のキャンペーンが行われているのはわかります。しかし、交通事故のニュースにまで、ヘルメット着用の有無をわざわざ見出しに掲げる必要があるのでしょうか。なぜ、これほどまでにマスコミがヘルメット着用のニュースをしつこいほど報じる必要があるのでしょうか。
想像ですが、日本では記者クラブ制度があるため、マスコミは警察の要請に協力するしかないのでしょう。警察は是が非でもヘルメットの着用率を上げるため、自らもキャンペーンやイベントなどを催し、それを報道させて、少しでも着用の必要性を訴えたいのではないでしょうか。
ヘルメット着用自体に問題はありません。ただ、着用したほうがいいと思う人が着用すればいい話で、かぶりたくない人、必要と感じていない人にまで無理強いしなくてはならないのでしょうか。着用したほうが致命傷になりにくいなどの啓発、推奨をするのはいいとしても、警察が力を入れるべき仕事なのでしょうか。
ここで間違えてはならないことがあります。すなわち、『ヘルメットを着用しても事故は減らない』という事実です。事故が起きた場合に、怪我の程度を低減する結果にはなるかも知れません。つまり、あくまで事故が起きた場合の被害の軽減策に過ぎないわけです。
いくらヘルメットを着用していても事故は起きます。むしろヘルメットを着用したことで安全になった気がして油断してしまい、かえって事故に遭いやすくなる可能性すらあります。ヘルメットを着用している自転車利用者のほうが、クルマが側方間隔を小さくしがちという調査研究もあります。
事故を防ぎ、死傷しないために必要なのは、事故を起こさないようにすることです。具体的には法令の遵守です。信号無視や赤信号無視、逆走、歩道の暴走、スマホを見ながらの走行など、ルールを守ることこそが身を守ります。このことを優先せずに、なぜヘルメット着用ばかりにこだわるのか不思議です。
実は、自転車乗用中の交通事故による死傷者数は年々減少傾向でしたが、２０２３年は２０２２年より多くなりました。ヘルメット着用のキャンペーンは２０２３年４月から始まりました。穿った見方をすれば、警察は事故が減らないので、せめて死者数を減らすべく、ヘルメット着用に力を入れているように思えなくもありません。
警察が本来取り組むべきは、事故を減らす、なるべく起きないようにすることではないでしょうか。それをヘルメット着用の啓発にばかり力を入れていることに疑問を感じるのです。マスコミが報じているように、自治体ごとのヘルメットの着用率に一喜一憂するのも無意味な気がします。
『ヘルメットを着用しても事故は減らない』という事実を理解しているのでしょうか。ヘルメットを着用していても、事故が起きれば死傷します。ヘルメットを着用すれば安心と誤解させていないでしょうか。着用していてもルールを無視した走行が横行し事故が起きています。このことこそが問題なのではないでしょうか。
ヘルメットでは事故を防げないという事実を端的に表しているように見えるのが、こちらの記事です。群馬県は中高生の事故数が全国最多であった一方、ヘルメット着用率は、中学生が９２．０％で全国１０位、高校生は４０．６％で同３位と高い水準になっています。
もちろん、個別の環境やいろいろな要因もあるかも知れません。この群馬県の例だけで全てに通じると言うつもりはありません。ただ、事故の多さとヘルメット着用率は関係ないように見えるのは確かです。『ヘルメットを着用しても事故は減らない』という事実からすれば、むしろ当然のことと言えるでしょう。
ＪＡＦが自転車向けの交通安全動画を作成、公開しています。こうした動画を真剣に見る人は少ないとは思いますが、どういうことをすると危ないのかを知っているのと知らないのでは、事故に遭う率が相当変わってくるでしょう。ヘルメットより、こういう啓発のほうが実効性があると思います。
ニュースではありませんが、自転車の逆走、右側通行がなぜ危ないのか解説した記事がありました。さらに、歩道の右側通行が最高に危険としています。実際、この形で事故が起きています。警察は、こうした部分を是正すべきであり、事故を減らせるはずです。ヘルメットよりも、よほど事故防止に効果が出るはずです。
自転車横断帯を減らしているとの記事がありました。たしかに、歩道走行を前提としたものでしたから、これを廃止して削り取るのは理にかなっています。こうした施策を否定するわけではありませんが、ほとんど気にすることなく、相変わらず歩道走行している人が一般的なのも間違いないでしょう。
最近、毎回のように、この手の目撃事例を取り上げています。やはり、こうした傍若無人な人は、決して珍しくないようです。ドライブレコーダーの普及と、その動画を投稿する人が増えたというだけで、『ひょっこり男』はどこにでもいるのかも知れません。
ウーバーイーツの配達員が使うアプリが、スマホを見ながらの走行を助長しているという記事です。内容を読めば、配達員が走行しながらアプリをチェックしたくなる事情はよくわかります。この記事を見る限り、ウーバーイーツ側に問題があるように思えます。
ウーバーイーツとしては、一刻も早く配達してもらうことで、サービスとしての評判を上げたいとの思いがあるのでしょう。企業の戦略としては理解できます。しかし、１１月から施行されるスマホを見ながらの走行に対する罰則が強化されなかったとしても、それを誘発するアプリの仕様は不適切と言わざるを得ません。
むしろ、配達員が完全に停止しないとアプリを立ち上げられないくらいの仕様にしてもいいはずです。それにより、スマホを見ながらの走行を防ぎ、配達員の違反を防止し、配達員や周囲の歩行者などの安全を確保するという社会的な責任を果たすべきです。
このための時間の遅延は、長くても１分から数分ではないでしょうか。注文客にしても十分に許容できる時間、誤差の範囲です。ウーバーイーツについては、日本でのサービスが始まった頃にもいろいろ問題が持ちあがり、企業としての社会的責任を果たしていないと世間の批判が集中しました。
配達員が先を競って法令違反や危険で無謀な走行を促すような仕組みは問題です。少しの時間短縮のためにスマホを見ながらの走行を助長する仕様も問題でしょう。事故や違反を助長し、世間の反発を買うより、急がば回れで、多少配達時間が増えたとしても、アプリを修正したほうが企業としても得策なのではないでしょうか。
熊本でのシェアサイクルが拡大しているとの記事がありました。賃貸住宅の付加価値として認知されたり、移動の際に渋滞を回避できるメリットが意識されたり、結果としてクルマの抑制につながることなども評価されているようです。先行した欧州と比べ遅れていた、シェアサイクルに対する人々の理解も向上しているようです。
◇ 日々の雑感 ◇
中国がICBMを発射し、ロシアも発射したものの失敗したようです。相次いだのは西側への威嚇なのでしょうか。
自転車ヘルメット着用率 山梨は27.9%で全国9番目の高さ 未着用は致死率1.5倍 山梨
地域ぐるみで自転車用ヘルメットの着用盛り上げよう 京都府綾部市で「特命チーム」が発足
松平健さんが自転車乗車中のヘルメット着用を呼びかける啓発動画を制作しました！
自転車のヘルメット着用率は26.2% - 最も着用率が低い性年代は?
努力義務化から1年 自転車のヘルメット着用に関する本音を調査 ＪＡ共済連
自転車用ヘルメット購入費の補助について
自転車ヘルメット着用率5.5％、全国最悪の大阪 事故遺族が動画で訴える「命の価値」
「面倒くさい」自転車ヘルメット着用率26.2%の現状
「ヘルメットつけて♪」芸人・はなわさん リズムに乗せて自転車の交通ルール確認呼びかけ
私たち親子の名前考えてね 自転車ヘルメット着用促進へ、県警が「ゆるキャラ」考案
おかずクラブ「自転車はヘルメット着用を」 中央署が交通安全イベント
◇ ◇ ◇
自転車に乗っていた16歳の男子高校生 車と衝突し脳内出血で重体 高校生はヘルメット着用せず 長野市の市道交差点
自転車の小5男児が横断歩道で車にはねられドクターヘリで搬送 ヘルメット着用していて命に別条なし 茨城・守谷市 茨城県は全国平均上回るヘルメット着用率
鯖江市で自転車の女性(55)が軽トラックにはねられ死亡 ヘルメット着用なし
相変わらずヘルメット着用についてのニュースが目立ちます。秋の交通安全運動（21〜30日）が全国で展開されているせいもあると思いますが、ここ１年でみても、自転車関連のニュースとしては圧倒的なボリュームになっています。上に挙げたのは最近のもののごく一部です。
手を変え品を変え、全国でヘルメット着用のキャンペーンが行われているのはわかります。しかし、交通事故のニュースにまで、ヘルメット着用の有無をわざわざ見出しに掲げる必要があるのでしょうか。なぜ、これほどまでにマスコミがヘルメット着用のニュースをしつこいほど報じる必要があるのでしょうか。
想像ですが、日本では記者クラブ制度があるため、マスコミは警察の要請に協力するしかないのでしょう。警察は是が非でもヘルメットの着用率を上げるため、自らもキャンペーンやイベントなどを催し、それを報道させて、少しでも着用の必要性を訴えたいのではないでしょうか。ヘルメット着用自体に問題はありません。ただ、着用したほうがいいと思う人が着用すればいい話で、かぶりたくない人、必要と感じていない人にまで無理強いしなくてはならないのでしょうか。着用したほうが致命傷になりにくいなどの啓発、推奨をするのはいいとしても、警察が力を入れるべき仕事なのでしょうか。
ここで間違えてはならないことがあります。すなわち、『ヘルメットを着用しても事故は減らない』という事実です。事故が起きた場合に、怪我の程度を低減する結果にはなるかも知れません。つまり、あくまで事故が起きた場合の被害の軽減策に過ぎないわけです。
いくらヘルメットを着用していても事故は起きます。むしろヘルメットを着用したことで安全になった気がして油断してしまい、かえって事故に遭いやすくなる可能性すらあります。ヘルメットを着用している自転車利用者のほうが、クルマが側方間隔を小さくしがちという調査研究もあります。
事故を防ぎ、死傷しないために必要なのは、事故を起こさないようにすることです。具体的には法令の遵守です。信号無視や赤信号無視、逆走、歩道の暴走、スマホを見ながらの走行など、ルールを守ることこそが身を守ります。このことを優先せずに、なぜヘルメット着用ばかりにこだわるのか不思議です。
実は、自転車乗用中の交通事故による死傷者数は年々減少傾向でしたが、２０２３年は２０２２年より多くなりました。ヘルメット着用のキャンペーンは２０２３年４月から始まりました。穿った見方をすれば、警察は事故が減らないので、せめて死者数を減らすべく、ヘルメット着用に力を入れているように思えなくもありません。
警察が本来取り組むべきは、事故を減らす、なるべく起きないようにすることではないでしょうか。それをヘルメット着用の啓発にばかり力を入れていることに疑問を感じるのです。マスコミが報じているように、自治体ごとのヘルメットの着用率に一喜一憂するのも無意味な気がします。
『ヘルメットを着用しても事故は減らない』という事実を理解しているのでしょうか。ヘルメットを着用していても、事故が起きれば死傷します。ヘルメットを着用すれば安心と誤解させていないでしょうか。着用していてもルールを無視した走行が横行し事故が起きています。このことこそが問題なのではないでしょうか。
中高生の自転車事故 群馬がまた全国ワースト…高校は10年連続
群馬県内で2023年に起きた中高生の通学時における自転車事故の件数（1万人当たり）が全国で最も多かったことが20日までに、民間団体「自転車の安全利用促進委員会」（東京都）の調査で分かった。
調査が始まった14年以降、高校生は10年連続で、中学生は17、20年を除いて8回目の全国ワーストだった。自転車側の安全確認で防げる事故もあるとして、同委員会は「車両であることを自覚し、一時停止や左側通行など基本的な規則を守って」と呼びかけている。
2位とは大差
調査は交通事故総合分析センターの事故データを基に実施。本県で起きた1万人当たりの事故件数は中学生が34.63件（前年比8.1％増）、高校生は108.92件（同16.3％増）で、ともにワースト2位を大きく引き離した。全国平均は中学生が5.33件（前年比8.8％増）、高校生は23.75件（同6.1％増）だった。
一方、群馬の事故時のヘルメット着用率は中学生が92.0％で全国10位、高校生は40.6％で同3位と高い水準にあった。同委員会は「事故防止に対する努力が数字に表れている」と評価する。23年4月から着用の努力義務化が始まったが、全国では中学生の約3割、高校生の約9割が事故時にヘルメットを着用していなかった。
車の保有率が影響？
同委員会によると、群馬の自転車事故は交差点内が7〜8割を占めた。多くが車との衝突だといい、県民の車の保有率の高さが影響していると指摘した。
県警は事故が多発するなどの危険箇所を「自転車指導啓発重点地区・路線」に指定し、取り締まりを強化。県内各高校で自転車のマナーアップを促す「自転車セーフティープロジェクト」も県教委と協力して実施している。
21日からの「秋の全国交通安全運動」でも、ヘルメット着用や交通ルール順守の呼びかけを強化するとしている。（2024/9/21 上毛新聞）
ヘルメットでは事故を防げないという事実を端的に表しているように見えるのが、こちらの記事です。群馬県は中高生の事故数が全国最多であった一方、ヘルメット着用率は、中学生が９２．０％で全国１０位、高校生は４０．６％で同３位と高い水準になっています。
もちろん、個別の環境やいろいろな要因もあるかも知れません。この群馬県の例だけで全てに通じると言うつもりはありません。ただ、事故の多さとヘルメット着用率は関係ないように見えるのは確かです。『ヘルメットを着用しても事故は減らない』という事実からすれば、むしろ当然のことと言えるでしょう。
自転車の取り締まり強化を受け、JAFが新たな交通安全動画を公開
自転車の交通ルールに起因した「実写版」危険予知・事故回避トレーニングを制作
JAFは2024年９月18日、自転車が関係する違反や事故が増加するなか、自転車乗車時の交通違反や交通事故の防止を目的とした「危険予知トレーニング」の動画を公開した。
自転車乗車中の追い抜きや交差点に潜む危険を動画で再現
危険予知トレーニングとは、道路交通に潜む危険を事前に予測し、適切に対応することにより交通事故を未然に防止するもの。
JAFでは、2024年5月に成立した改正道路交通法によって、交通違反に対して反則金を納付させる「青切符」が導入になるなど、自転車の交通違反に対する取り締まりが大きく変わることを受け、今回自転車の交通ルールに起因した場面を動画で再現したとのこと。（以下略 2024.09.18 ＪＡＦMate）
危険予知・事故回避トレーニング自転車編へ
ＪＡＦが自転車向けの交通安全動画を作成、公開しています。こうした動画を真剣に見る人は少ないとは思いますが、どういうことをすると危ないのかを知っているのと知らないのでは、事故に遭う率が相当変わってくるでしょう。ヘルメットより、こういう啓発のほうが実効性があると思います。
なぜ｢逆走ママチャリ｣がここまで炎上したのか…自転車が絶対に｢右側通行｣で走ってはいけないワケ
自動車も原付も｢公道で逆走｣なんてしない
なぜ自転車は左側通行で走らなければならないのか。自転車評論家でジャーナリストの疋田智さんは「交差点において、右側通行する自転車はクルマにとってもっとも視認しにくく、距離が近い。中でも、歩道を右側通行する自転車は最高に危険だ」という――。
右側通行は自転車の最もメジャーな事故原因
今年4月、ドライブレコーダーに映るママチャリ主婦が炎上したことがあった。交差点を右折したママチャリがクルマの正面にやってきて、ドライバーを恫喝し、車線に居座ったというやつだ。その姿は「迷惑自転車の典型」とされ、ネットでプライバシーまでさらされるというヒドいことになった。
私はこの人の住所や夫の勤務地など、ネットでさらし者にするのは最低だと思う。正義を笠に着て私憤を満足させる。そんなのはただの私刑（リンチ）だろう。しかも、今回の事象には「通学路」「時間帯」の事情まであったという。
それは前提として、この主婦がここまで叩かれた理由のひとつには、「逆走」があると考えざるを得ない。逆走すなわち右側通行の自転車は、ものすごく迷惑で危険だからだ。
それはイメージとしての「正面衝突になって危ない」というだけじゃない。それはむしろ小さな理由で、右側通行は自転車の最もメジャーな事故の主な原因なのである。
左側通行であればクルマから見えやすい
まずは、交差点に近づく自転車?〜�イ鯢舛い寝菫�2を見ていただきたい。出会い頭の事故の典型は、こうした交差点で起きる。交差点にさしかかったクルマにとって（クルマはもちろん左側を通る）左側通行をする自転車は、�，皚△皚�も�い盪詛Г�可能だ。
�い覆匹魯�ルマとの距離が近くて、一見、危険に思えるかもしれないが、自転車より絶対速度の速いクルマは、この交差点に至るまで、ずっとこの�い亮�転車を認識してきたわけで、ドライバーにとって、少なくともそこに自転車がいることは分かっていることになる。
これら� ↓◆↓�、�い虜限δ鵡圓鬚靴討い觴�転車は、ドライバーが「邪魔だな」と思おうが「危なっかしいな」と思おうが、そこに自転車がいることを認識していることだけは間違いない。見えるからだ。
最高に危険なのは「歩道を右側通行」
ところが問題は�イ亮�転車だ。この�イ亮�転車は、ドライバーにとって、交差点に出てくる直前になるまで、まったく見えない。そして、この�ゼ�転車が突然キュッと出てくる際に起きる事故、これこそが「出会い頭」なのである。中でも、最高に危険なのは、この�ゼ�転車が、歩道を走っている場合だ（画像3の�ァ納�転車）。
出会い頭の事故が起きるのは必然
この�ァ納�転車は、クルマにとって最も視認しにくい自転車であり、なおかつ最も距離的にクルマに近い（つまり危険に近い）自転車になってしまう。
さらにいうなら、歩道というものは、電柱、ポスト、電話ボックス、看板、駐車車両、ほかさまざまな障害物に紛れて見えにくくなっているし、加えて、ドライバーの心理も「歩道は別領域」というものになってしまって、いわば「心理的な目」が覆い隠されてしまっているといえる。このことが�ァ納�転車をいっそう危ないものとする。
�ァ△修靴騰ァ任亮�転車が、ドライバーの死角からいきなり出現して起きる事故。クルマはこれを避けることができない。これこそが出会い頭の本質であり、自転車が右側通行をしている限り、この事故は必然として起きているのだ。
「必然として起きる事故」というのもすさまじい話だと思うんだが、ただ、このことは日本人は誰しも薄々と知っている。
その証拠と言うべきだろう、交通安全教室などでよく出てくるスタントマンの再現（スケアード・ストレイトという）は、必ず自転車が右側を走っている。そうでないと誰もリアリティを感じないからだ。こんなことがいつまでも放置されている。それが日本の自転車を取り巻く現状なのだ。
自転車の右側通行こそが諸悪の根源
そして、さらに驚くべきは、この出会い頭事故が、自転車事故の大部分を占めている、という事実だろう。図表1にあるとおり、警察庁の統計では自転車対クルマの事故の54％を出会い頭事故が占めている。(以下略 2024/09/22 PRESIDENT Online)
ニュースではありませんが、自転車の逆走、右側通行がなぜ危ないのか解説した記事がありました。さらに、歩道の右側通行が最高に危険としています。実際、この形で事故が起きています。警察は、こうした部分を是正すべきであり、事故を減らせるはずです。ヘルメットよりも、よほど事故防止に効果が出るはずです。
確かに消えた！横断歩道の「自転車横断帯」わざわざ削り取る必要ある？ “ないほうがよい”とされた理由
かつては必ずと言っていいほど見かけた横断歩道の「自転車横断帯」、最近はその数を減らしています。横断歩道とセットだったものが、なぜ消えてしまったのでしょうか。
「自転車横断帯」があるはゆえの混乱とは？
横断歩道の横に設けられた「自転車横断帯」が数を減らしています。塗り替えなどの際に、この部分だけ削り取られ、横断歩道のゼブラを延長させるといったケースがあるのです。ひと昔前までは自転車のマークや、文字で「じてんしゃ」と書かれた横断帯は定番でしたが、なぜ少なくなっているのでしょうか。
自転車横断帯が少なくなった直接的な理由は、2011年10月に警察庁が自転車の走行場所について「車道が原則、歩道は例外」（自転車安全利用五則）というルールの徹底を打ち出したことにあります。「自転車本来の走行性能の発揮を求める」利用者は、車道や自転車レーンを通行し、「歩道を通行することがやむを得ない場合には、歩行者優先というルールの遵守を徹底させる」などと通達したことが発端です。
そのなかで、幅3m未満で「自転車通行可」としている歩道は、これを見直すとともに、その「自転車通行可」の歩道をつなぐ自転車横断帯を撤去するという原則を打ち出しています。
道路交通法第63条の6には「自転車横断帯がある交差点においては、自転車横断帯を通行しなければならない」とあります。このルールを順守すると、交差点で車道を直進する自転車も、自転車横断帯がある場合は、いったん左折するようにして横断帯へ入らなければなりません。
警察庁によると、これによって左折しようとする自動車と自転車が交錯するなどの危険な状況が生じる可能性があるほか、歩道上で歩行者との交錯も発生。このため「歩行者の通行量が極めて少ないような場合、車道の交通量が多く自転車が車道を通行すると危険な場合等を除き、見直すこと」としています。
そして、撤去された自転車横断帯の代わりに増えているのが、車道の左端に引かれている「青い矢羽根」と呼ばれるガイドです。このマークは直進する自転車の走行位置と方向を示しており、左側通行であることも明確になり、逆走の防止にもつながっているようです。(2024.09.17 乗りものニュース)
自転車横断帯を減らしているとの記事がありました。たしかに、歩道走行を前提としたものでしたから、これを廃止して削り取るのは理にかなっています。こうした施策を否定するわけではありませんが、ほとんど気にすることなく、相変わらず歩道走行している人が一般的なのも間違いないでしょう。
｢わざと近づいた?｣道路のセンターライン付近を自転車が…車とすれ違うその瞬間
16日朝、車道の真ん中を走る自転車が、そのまま車と近い距離ですれ違う映像がKKT投稿ボックスに寄せられました。交通事故につながりかねないこの行為。いったい何があったのでしょうか。
映像が撮影されたのは、16日午前6時20分頃半前、熊本市東区戸島西の県道です。車のドライブレコーダーがとらえたのは、早朝で車や人通りが少ない中、画面奥から近づいてくる自転車。車道のセンターラインを添うように走ってきます。そして、車と近い距離ですれ違います。一時、センターラインを越えていました。
車を運転していた女性は、道路の真ん中を走る自転車を不思議に思いながら運転。すれ違う瞬間、わざと近づかれたように感じたといいます。その後も自転車はセンターライン付近を走り去っていきました。
道路交通法では、自転車は原則車道の左端を走らなければならないと定められています。警察は、もし同じような状況で危険を感じた際は、無理に進まずその場にとどまり、110番通報するよう呼びかけています。(2024年9月16日 くまもと県民テレビ)
最近、毎回のように、この手の目撃事例を取り上げています。やはり、こうした傍若無人な人は、決して珍しくないようです。ドライブレコーダーの普及と、その動画を投稿する人が増えたというだけで、『ひょっこり男』はどこにでもいるのかも知れません。
ウーバーイーツ自転車配達員の配達スタイルは改正道路交通法で大きく変わる？【チャリンコ爆走配達日誌】
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第67回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります！
5月24日に一部改正が公布された道路交通法の一部が11月1日から施行され、自転車にふたつの罰則が定められます。ひとつは自転車による酒気帯び運転に対するもの。もうひとつが携帯電話などを持っての走行に関するものです。
この改正により、ウーバーイーツの自転車配達員は運ぶスタイルを大きく変更することになると思われます。
さすがに働く際に飲酒をする方はいないでしょうから、前者の罰則に関しては大きな影響はありません。ですが、依頼の受注、受け取り先の店、配達先の場所確認、注文者とのやり取りなど、すべてをスマホの画面を注視して操作しなければ仕事が成立しないため「何かがあったらスマホの画面を見ずに自転車を完全に停止する」という習慣をつけなければなりません。
「罰則が導入される前から、それをやるのは当たり前だ」と感じる方も多いでしょう。スマホの画面を見て周囲の確認を怠ったことが原因の交通事故が増えたために法律が改正されたのでしょうから、当然です。法律改正による交通安全の向上はいいことです。ただ、ウーバーイーツの配達員用アプリの仕様が、運転中にスマホを注視せざるを得ないものとなっているのです。
配達員用のアプリは、立ち上げて「出発」のボタンを押すと運営側から依頼が舞い込んできます。スマホ画面に表示される依頼内容には受け取り先の店、配達先の場所、受け取ることができる報酬が表示されます。これを見て配達員は30秒ほどで依頼を受けるかどうか決めなければなりません。
この30秒という時間は少なくとも私にとっては短すぎと感じる時間で、自転車を漕いでいる場合、依頼が届いた通知音が聞こえてから自転車を安全な場所に止めるまでに10秒、スマホを立ち上げて依頼画面を見るまでに5秒はかかるので実質15秒、場合によっては10秒以内に依頼を受けるか判断しなければなりません。仕方ないので私は届いた依頼は基本的にすべて受けるようにしています。
以前、「ウーバーイーツの配達料を決める『アルゴリズム』が東京エリアで大幅変更された件」で書いた通り、たまに意味なくとんでもない高額の配達依頼がくるので、配達員なら届いた依頼の画面は確認したいもの。また、高額依頼の中には自転車だと1時間ほどかかる長距離の配達もあるので、依頼内容もしっかり確認したい。となると、中には自転車を完全に停車させずにスマホの画面を確認する人も出てきます。
以前、判断の時間が15秒に短縮された際、組合として運営側に意見を申し入れたことがありました。組合の意見を採用していただいたのか、他の配達員からも不満が多かったのかはわかりませんが、以降、判断時間は伸びました。ただ、現在の30秒では罰金を取られてしまう配達員が増える可能性があるので、再度運営側に意見しようと思います。
11月からの施行とはなりませんでしたが、今回改正された道路交通法で大きく変わったのは、一時停止や信号無視などをした自転車の運転者に青切符が切られるということ。
先ほども書いた通り、自転車の運転マナーの悪さが法改正の原因のひとつだと思うので、制度の変更自体に異論はありません。ただ、自転車を運転する身にとって怖いのは、自動車の一方通行の道での一時停止問題。
一方通行の道の多くは標識の下に「自転車を除く」と記されていて、自転車は逆走することが認められていますが、注意しなければならないのが交差点。一般的な交差点は、一時停止しなければならない場合「止まれ」の標識があります。
ですが、一方通行の道の交差点の場合、おそらく自動車の誤侵入を防ぐ意味合いもあるのでしょう。逆方向に「止まれ」の標識や道路上に「止まれ」の文字が描かれていません。そんな場所でも一時停止しなければ罰金の対象となります。
交差点の向こう側の道路上に「止まれ」の文字が描かれているかで、一時停止の交差点かどうかを判断できますが、夜間に自転車のライトで遠くの路上を見るのは難しいもの。いつから自転車の一時停止などの違反に罰金が課されるかはわかりませんが、私は今のうちから一方通行の道を自転車で走行する際、すべての交差点で一時停止するようにしています。(2024年09月19日 週プレNEWS)
ウーバーイーツの配達員が使うアプリが、スマホを見ながらの走行を助長しているという記事です。内容を読めば、配達員が走行しながらアプリをチェックしたくなる事情はよくわかります。この記事を見る限り、ウーバーイーツ側に問題があるように思えます。
ウーバーイーツとしては、一刻も早く配達してもらうことで、サービスとしての評判を上げたいとの思いがあるのでしょう。企業の戦略としては理解できます。しかし、１１月から施行されるスマホを見ながらの走行に対する罰則が強化されなかったとしても、それを誘発するアプリの仕様は不適切と言わざるを得ません。
むしろ、配達員が完全に停止しないとアプリを立ち上げられないくらいの仕様にしてもいいはずです。それにより、スマホを見ながらの走行を防ぎ、配達員の違反を防止し、配達員や周囲の歩行者などの安全を確保するという社会的な責任を果たすべきです。
このための時間の遅延は、長くても１分から数分ではないでしょうか。注文客にしても十分に許容できる時間、誤差の範囲です。ウーバーイーツについては、日本でのサービスが始まった頃にもいろいろ問題が持ちあがり、企業としての社会的責任を果たしていないと世間の批判が集中しました。
配達員が先を競って法令違反や危険で無謀な走行を促すような仕組みは問題です。少しの時間短縮のためにスマホを見ながらの走行を助長する仕様も問題でしょう。事故や違反を助長し、世間の反発を買うより、急がば回れで、多少配達時間が増えたとしても、アプリを修正したほうが企業としても得策なのではないでしょうか。
なぜ急拡大？シェアサイクル『チャリチャリ』が狙う公共交通との相乗効果 「渋滞ワースト」熊本進出から2年半で自転車数14倍に
シェアサイクル『チャリチャリ』が熊本県内で急拡大しています。熊本市内の一部や天草市の一部で展開していて、10月には菊陽町で実証実験がスタートする予定です。
スマートフォンのアプリで1分7円から簡単に利用できることもあり、自転車の台数は2022年のスタート当初から約14倍、約1500台になりました。（料金：ベーシック：7円/1分 電動アシスト：17円/1分）※2024年9月時点
なぜ、このように急拡大したのか？自転車を置くポートの商談や設置場所の決め方など、裏側を取材しました（以下略 2024年9月21日 ＲＫＫ）。
熊本でのシェアサイクルが拡大しているとの記事がありました。賃貸住宅の付加価値として認知されたり、移動の際に渋滞を回避できるメリットが意識されたり、結果としてクルマの抑制につながることなども評価されているようです。先行した欧州と比べ遅れていた、シェアサイクルに対する人々の理解も向上しているようです。
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Posted by cycleroad at 13:00│Comments(2)
この記事へのコメント
cycleroadさん，こんにちは．
ヘルメット，或いは自転車保険の義務付けだけで事故は無くならない―まさしく仰る通りで私も全く同意見です．ヘルメットよりも左側通行の徹底が何故できないか，私も非常に不満であり不思議に思っております．必要なのは長距離を走っても「自分の安全は自分で守る」自転車の安全教育の抜本改革です．
それにも増して我慢がならないのは，今なお「自転車安全利用五則」の「車道（左側）が原則，歩道は例外」を倒錯させ骨抜きにする「自転車は歩道」を前提とした道路整備が続けられている事．その発想自体厳密には「違法」ではないでしょうか．だから「自転車は歩道の右側通行が正しい」という恐るべき思い違いが蔓延しております．
これでは本来の「自転車は車法左側」の基本ルール等誰も信用しなくなります．
ヘルメット，或いは自転車保険の義務付けだけで事故は無くならない―まさしく仰る通りで私も全く同意見です．ヘルメットよりも左側通行の徹底が何故できないか，私も非常に不満であり不思議に思っております．必要なのは長距離を走っても「自分の安全は自分で守る」自転車の安全教育の抜本改革です．
それにも増して我慢がならないのは，今なお「自転車安全利用五則」の「車道（左側）が原則，歩道は例外」を倒錯させ骨抜きにする「自転車は歩道」を前提とした道路整備が続けられている事．その発想自体厳密には「違法」ではないでしょうか．だから「自転車は歩道の右側通行が正しい」という恐るべき思い違いが蔓延しております．
これでは本来の「自転車は車法左側」の基本ルール等誰も信用しなくなります．
Posted by マイロネフ at September 25, 2024 16:12
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
今の自転車の交通秩序を根本から改めるのは相応に大変なことだと思いますが、それこそ事故が起きている原因であり、そこを改善していかない限り自転車の事故は減らないでしょう。
それなのにヘルメットの着用推進という、一見正しく見えるものの、事故の防止や減少に全く寄与しない啓発に力を入れる警察の姿勢を、なぜ誰もおかしいと思わないのか不思議でなりません。
警察は、もっと取り組むべきことがあるはずです。それを指摘しないばかりか、警察に言われるがままにヘルメット啓発のニュースばかり、この一年だけでも溢れるくらい流しているマスコミにも違和感を感じざるを得ません。
今の自転車の交通秩序を根本から改めるのは相応に大変なことだと思いますが、それこそ事故が起きている原因であり、そこを改善していかない限り自転車の事故は減らないでしょう。
それなのにヘルメットの着用推進という、一見正しく見えるものの、事故の防止や減少に全く寄与しない啓発に力を入れる警察の姿勢を、なぜ誰もおかしいと思わないのか不思議でなりません。
警察は、もっと取り組むべきことがあるはずです。それを指摘しないばかりか、警察に言われるがままにヘルメット啓発のニュースばかり、この一年だけでも溢れるくらい流しているマスコミにも違和感を感じざるを得ません。
Posted by cycleroad at September 28, 2024 11:26
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